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童の神
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童の神の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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今村翔吾氏の本は 「羽州ぼろ鳶組シリーズ」 「くらまし屋稼業シリーズ」 全て持っています。 大好きな作家さんですが 単行本は全て図書館で借りて 文庫化をずっと待っている状態でした。 本当に文庫化されて嬉しかったです♪♪♪ 改めて、じっくり読み直そうと思ってます。 | ||||
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「童」という字は、児童、神童、天童、童話、童夢、童女、童謡、学童など、純真な子どもをイメージする意味で使われていると思っていた。 日本人の名前においても、 男の子なら獅童(しどう)、竜童(りゅうどう)、童司(どうじ) 女の子なら桜童(さくら)、童夢(どうむ)、万童香(まどか) など、明るく強く純真さを称えたネーミングに使われている気がする。 歴史時代小説界の風雲児、今村翔吾氏の「童の神」を読んで「童」の字が持つ意味に驚愕した。 京人(あずまびと)から蔑まれ虐げられた鬼・土蜘蛛・瀧夜叉たちは、「童(わらわ)」と呼ばれていたというのだ。 「童の神」は、日本人なら誰もが知っている、昔話の英雄である平安時代の渡辺綱や金太郎等の朝廷軍と、鬼・土蜘蛛・瀧夜叉たちの壮絶な戦いを、闇に追いやられた者たちの「祈りの詩」として描いているのだ。 著者の今村氏は「京都」生まれで、引きこもりなどドロップアウトした子供たちにダンスを教え、それを通じて再び生き直しに導く団体で務めていた頃に、何気なく「子ども」を表している「童」という字の成り立ちを調べたところ、元来は「奴隷」の意味で使われていたことに愕然としたそうだ。 今の私たちは、「童」が差別用語だとは決して思わない。 今村氏は、何故、いつ頃から、今の私たちが知っている「子ども」の意味で「童(わらべ)」という字が使われ始めたのだろうかと調べ、平安から鎌倉にかけて今の意味とほぼ同様に使われるようになったことが分かったということだ。 「童(わらわ)」という奴隷の意を、「童(わらべ)」という純なる者の意に変えたその背景に、命を賭して闘った者がいたとしたらどうだろうかと考えた著者に、日本人の誰もが知るこの「童」の字を冠した名を持つ者が目に入った時、脳裏に全ての物語が一気に流れ込んできたという。 「酒呑童子」。 デビューから1年半で直木賞候補となったこの作品は、格差社会が唱えられている現代において、多くの人の心に訴えかけてくるものがあるはずだ。 ダンスを教えていたという著者だからこそ持っているのだろうリズム感のある文体と、悩みを抱えた子供たちを指導してきたからこそ発することのできる力強い言葉、何より著者の才能の豊かさに魅入らされた、素晴らしい傑作である。 | ||||
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著者の小説は初めて読んだが、とにかくおもしろくて一気に読んだ。 平安時代、京人という貴族たちから童と呼ばれて、差別され、蔑まれる民たちがいた。差別される理由もなく、ただただ平和を望む彼らだが、朝廷は放っておいてはくれない。 全ての者が貧富や出自の差がなく生きられる世の中を目指す男たちの物語は読み応え抜群で引き込まれた。 童側には、桜暁丸や袴垂、虎前など魅力的な人物が多いが、朝廷側にも頼光四天王など、生き様や出自、考え方が異なる人物たちが丁寧に描かれていて、登場人物たちに躍動感があってよかった。 個人的には藤原保輔が好きだった。弱いものに寄り添い、目の前の一人を救うことを大切にする。それも極力誰も傷つけずに助けることを臨んでおり、心根から優しい好人物だったと思う。 | ||||
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直木賞にもノミネートされた一冊。 時代や種族に振り回されながらも今を、自分の信念を持って生きる姿は今の現代にも繋がる1冊。 奥深さと、良く調査をされている感嘆な1冊です。是非読んで欲しい。 | ||||
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平安時代に蔑まれた存在である“童”(わらわ)がいた。現代の童は、子供のような純な存在であるが、平安時代では、京(みやこ)の周辺にいる山賊のような差別の対象だった。凶事と考えられていた日蝕の日に生まれた桜暁丸(おおぎまる)は、童の代表となって朝廷に戦いを挑む。自分の存在を普通にするための戦いだ。安倍晴明や坂田金時など、よく知られている歴史上の人物も登場し、大きな歴史の動きが語られる。スピード感もあり、楽しく読んだ。 | ||||
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人間の「差別心」をうまく描きながらのストーリー。まだ最後まで読んでないので楽しみです。 | ||||
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平安時代の大江山の酒呑童子伝説が題材です。安倍晴明、頼光四天王、藤原道長など、歴史好きなら誰でも知っているオールスターが登場します。物語の展開は極めて早く、戦闘場面を挟んで、話はどんどん進みます。その分、読み足らない感じもあります。内容が盛りだくさんですので、上・中・下と3巻に分割してもよかったと思います。続編にも期待します。 なお、天野隆氏の「鬼神」も同じ題材ですが、全く視線が違いますので、読み比べると面白いです。 | ||||
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平安時代中期の世界にずんずん引き込まれていく。 酒呑童子にまつわる話。 安倍晴明。 頼光四天王(渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、卜部季武)。 酒呑童子、茨木童子、虎熊童子、星熊童子、金熊童子。 おとぎ話の世界が、視点を変えて臨場感たっぷりに描かれている。 「同じ赤い血が流れているのに」 「この国に問う。人はどうあるべきかを」 天下和同を目指し朝廷に戦いを挑む。 臨場感たっぷりに活き活きとした人間像が浮かび上がっている。 そして、何があっても生き抜けることの人間の強さを感じる。 | ||||
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半村良、隆慶一郎亡き後、これはという伝奇小説に出会うことなく寂しい思いをしていたが、久々に面白い作品が登場した。時は平安、酒呑童子伝説に想を得、「まつろわぬ」者の視点で描いた物語である。不吉と言われる皆既日食の日に生まれた桜暁丸(おうぎまる)が酒呑童子と呼ばれるまでの数奇な運命が読む者を引き付ける。残念ながら直木賞受賞は逃したが、作者の今後の活躍が期待される。 | ||||
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大江山酒呑童子伝説がテーマの平安王朝活劇。 大河ドラマ一年間の内容を単行本一冊にまとめた感じで展開が早いこと早いこと。安倍晴明なんて二百ページぶりに再登場したかと思えば十ページで死んじゃうのであります。出番それだけ!? 京人と賤民の戦いに投げ込まれる「異人の母を持つ混血児で、日食の只中に生まれた禍の子」という抜群に魅力ある設定ながら、伝奇色は意外に薄め、安倍晴明が天体観測専門の学者官僚として登場するものは珍しいのでは。 時代考証や史実?との整合性は緩めなので、平安京周辺の物語だと思って読んでいるといろいろ違和感が。近畿地方という場所設定にこだわるなら大化の改新、平安時代という年代設定にこだわるなら東国のアテルイか平将門の反乱を題材にしておいた方が違和感なかったかも。 | ||||
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室町時代の混沌とした世の中に何か?を求め、生きていく為に奔走する若者達、歴史上の人物が次々と出て来て 活躍する様は何とも言えない楽しさ満載、読み終わったあと・・・面白かった...が何かちょっともの足りない ふ~んで終わるのは寂しいですね | ||||
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平安時代、貴族社会から化物のように呼ばれ蔑まれた人たちがいました。彼らは「同じ赤い血が流れているのに...なぜ虐げられなければならないのか」と天下和同(差別のない調和した社会)を目指し朝廷に戦いを挑みます。安和の変において朝廷軍あいてに獅子奮迅の戦いを見せる男が致命の傷を負いながら叫びます「見よ!血の色に違いがあるか!」...そして桜暁丸ら童(蔑称)と呼ばれた者たちの長い戦いが始まるのです。とにかく登場人物一人一人が魅力的で、彼らの生きざまに胸が熱くなります。実在した人物やエピソードも話を盛り上げます。ただ、頁数が少なく(制限があったのかな?)、人物の描写が簡潔で、戦の連続みたいになってしまったのは残念。もっと各々の人物像を掘り下げて描いていたら、より感情移入できて楽しめたと思う。せめて司馬遼太郎の「関ヶ原」くらいの容量は欲しかった。もしくは著者の「羽州ぼろ鳶組」(こちらも面白い!)みたいにシリーズものでもよかった。それくらい面白かった。 | ||||
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