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日輪の遺産
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日輪の遺産の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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幾つかの物語が一つに繋がっていくのは浅田次郎さんの本にはわりとよく見られますが、その繋がり方がとってもいい感じです。本当にこんなお話が実際にあったのでは…と思いたくなるような物語でした。 | ||||
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幾つもある終戦秘話のなかでも、『ホタルの墓』(野坂)の叙情性に加えて時の政治批判は厳しい。 | ||||
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映画化され、新しい印象的な帯を装丁された平積みの文庫本に惹かれて購入しました。「1945年、夏。マッカーサーの財宝200兆円の運命は、20人の少女の小さな手に握られた―。」という映画キャッチフレーズどおり、マラカニアン宮殿から、秘密裏に日本に運ばれた財宝は、使われることなくもはや終戦を迎えようとしていた。この財宝を無駄に接収されないよう、日本の未来、復興のために使うためにも秘密裏に隠匿する命令が下された。 極秘中の極秘に実行された作戦であるだけに、まったく縁もゆかりもない人物たちの手に委ねられていき、女学校の少女20人の運命が変わっていくのだ。極秘裏だったといことが、実際の史実との齟齬を起こし難く物語が組み立てられている。この物語はフィクションであるはずだけれど、挿入される時代背景、事件、エピソードは事実を持ってきており、真実の物語と思わせる迫力がある。 巨匠、浅田次郎の作品であり、現主要な登場人物の物語が現代での時間経過と、戦中での時間経過と交互に次々と織り交ぜられ、どの登場人物もいきいきと描かれて、脇役もがエネルギーを放っているのが素晴らしいところです(20人の女学生はあくまで脇役)。この物語の最高にいいところは、顛末がとてもいい、どんでん返しを用意してくれています。こんな結末だったら本当にいいのに...と思わせる、納得のストーリー性です。この辺はみなさん自身で読んで貰いたいので内容を書くのを控えますが...泣けるし、ワクワク、ハラハラさせる最高の物語であることは間違いありません。 | ||||
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面白かった。 でも、重厚な歴史の史実の前に、生徒の最後の姿の書き込みがさっぱりすぎて、 感情移入をする時間が足りず。 エピソードや挿入の形で様々な人間が入り組むあたりも、 やや強引だったりで少し消化不良に。 軍人には感情移入できたものの、肝心の真柴老人の記述が薄く、 また、関わる丹羽の導入が浅すぎて、これもまた。 いい人なのはわかるけど。 一番ココロに来たのは小泉中尉。 そうして、最後の久枝のシーン。 今の筆力でもう一度、なぞってもらいたい物語。 | ||||
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さすがに、面白い作品でした。 一つ一つの章がパズルのようになっていて、その組み合わせが判るにつれて次第に全貌が姿を表してきます。推理小説のようでもありました。 やはり、著者は、現在最高のストーリーテラーだと思います。 昭和20年8月に旧日本軍の巨額の資金を隠す命令を受けた真柴陸軍少佐が、平成4年の有馬記念の日に居酒屋で命を落とします。 メジロパーマーが逃げ切った日です。この辺りが著者らしいですね。 その時一緒に居合わせたのが、手形を落とすために有馬記念で勝負をしようとしていた不動産業の丹羽です。 彼は、真柴のお蔭で、大穴を買えずじまい。 真柴がお詫びにと奢っている最中、一冊の手帳を預けられますが、彼は大量の飲酒をしたかと思うとそのまま息を引き取ってしまいました。 何の因果か、そこから丹羽は思いもよらぬ運命を体験します。 滅私奉公、七生報国。この作品には、国家が無垢な子供達に教え込んだ虚構が生み出した悲劇が込められています。 著者は、戦後の人間であるとを断りながら、戦という罪禍の時代を過ごした父母の血を受け継いでいることを認識したときに書かねばならないと思った、とあとがきに記されています。 戦後を生きている日本人に向けられた言葉ではないかと受け止めました。 | ||||
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今までにない視線での終戦を書いているのに違和感を感じさせない。 それは浅田氏独特のストーリー展開からなのか。現代(実際にはバブル崩壊直後)と終戦前後の話が 交差して最後に謎解きがあり、戦争の悲惨さと残された人達の苦悩がありありと伝わってきます。 映画化されたのでそれも観ようと思いました。 | ||||
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浅田次郎の多くの作品に共通なのが、亡くなった人がストーリーに再登場するという設定です。しかも、ありがちなオドロオドロシイ状況ではなく、ごく自然に、しかも主人公たちの切ない気持ちを誰よりも受け止めてくれる存在として。おそらく、浅田次郎自身の生い立ちが、この不思議な世界を作っているんでしょう。伝えたかった言葉、確かめたかった気持ち、託したかった希望、そういったものが、死者を再登場させることで昇華されていくのです。ストーリー展開もすばらしいですが、読み終わった時に自分自身の気持ちが澄んでいくのを感じます。 | ||||
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読者の視点を過去から現代、そして現代から過去に小気味よく切り替えさせる著者の筆力にはうならされる。「文庫版あとがき」によれば、著者は「戦争」を材に用いるには勇気を必要としたとのこと。また、自衛隊に籍を置いていたという作家としての稀有な経歴から勇気を得て、作家的使命を全うしたいとしている。本作品はフィクションであるが、戦後生まれの作家が戦争について書くことの意味を考えさせられる。戦時中の全ての人々の全ての行いが悪であったのか。我々は戦時中、悲しみ、苦悩し、決断した人々によって生かされている。 | ||||
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2011年8月、ロードショーを目前に、再注目を浴びている。出版は1993年。著者が「鉄道員」で直木賞を受賞する4年前、「地下鉄メトロに乗って」の1年前に書かれた作品。これほどの力作を18年間もスルーして読まずに来てしまったのが不思議だ。 「地下鉄メトロに乗って」では、現代と戦争の時代を繋ぐ役割を地下鉄が果たすが、本作品では元少佐であった老人が残した2冊の黒い手帳に書かれた詳細な記録がその役割を果たす。 戦後日本の復興資金として、二百兆円の財宝を隠匿する特命を受け、実行したまだ若かった3人の軍人の人生と、知らずに健気に任務を果たした女学生たちの人生が重たく、切ない。作中ダグラス・マッカーサー始め、すでに歴史上の人物となった軍人も登場し、歴史的事実であるような錯覚に陥る。 著者41歳のときの作品で、本人も「若書き」と自認しつつも、文庫化に際し、ほとんど直しをせずに出版したとのこと。そのため、やや分かりづらい点もあるが、パワフルな取材と筆力に支えられた壮大な作品であることは間違いない。 大震災後、隠匿された復興資金の財宝が本当にあれば、と思ってしまうのは私だけだろうか。 | ||||
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出てくる日本人は、いずれも悲しい程真摯に物事に向き合っており、 その真摯さ、一途さが多くの感動を呼ぶのだと思う。 自分を含めた現在の日本人とは、あまりにもかけ離れつつも、 心のどこかでこのような日本人に憧れます。 そんな彼らを襲う不条理さ、対向する強さに涙がつい誘われました。 多くの人にぜひ読んでもらいたいと思った本である。 映画化されるようですが、楽しみな反面、自分の中に描いた物語像が 壊されてしまう気もして不安な気持ちもあります。 | ||||
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「戦争により、数奇な運命を辿った人々の物語」と、一言では語れないほどの 戦争が人々の人生を決定付けてしまう重さ、悲しさ、を考えさせらる一冊。 時代の雰囲気や言葉のもつ見えない力に、時として、抗えずに流されてしまう 恐ろしさ、出来事(本書の場合は、惨事)は断絶的なものではなく、どこかで 面々と繋がっているという歴史の暗い色調を帯びている。 と同時に、莫大な財宝の行方を知りたいと思う、宝探し的要素もあり、戦後 生まれの登場人物と一緒に、わくわくしつつも、財宝に秘められた悲しい歴史を 紐解く重層的な展開は、読み出したら止まらない面白さがある。 | ||||
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舞台となった稲城市、および米軍多摩サービス施設の近くに住んでいるのと、 映画化されるということなので読んでみた。 最後まで興味を持続できた。素直に良作といいたい。 私は40代後半だが、この本を読んで、第二次大戦、終戦前後の事件に関しては 無知であったことを恥ずかしくさえ思った。 学校で習ったことはないし。 近衛師団クーデター未遂事件やマッカーサー統治時代のことを知らない日本人は意外に多いのではないか。 あの戦争前後のことを勉強したいと思わせられる小説である。 ただ作者初期の作品であり、本人の後書きにもあるようにやや粗もあるようだ。 私が気になったのは、 1.丹羽と海老沢が物語上あまり必要でないように思われること 2.金原の描写が下品で好きになれない 3.最後のマッカーサーの挙動はちょっと疑問 といったところ。 | ||||
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終戦直前、帝国陸軍が隠した莫大な財宝を巡る、人間の優しさと切なさを描いた物語。 浅田次郎らしい作品だが、ストーリー展開と終盤の心の描写が少し荒い気が。。 僕がまだまだ青いだけですか? でも、やはりこの作風とストーリー展開は好き。 そして、「あのシーン」は鳥肌無しで読めなかった・・・。 作品の来歴としては、この作品が、彼のデビューから続く初期の作品群、いわゆる「ユーモア・ピカレスク」(オレ読んだことない。。)からかなり作風を異にしたものであり、後の高名な「地下鉄に乗って」「蒼穹の昴」「鉄道員」に続く原点となった作品である。 そして、(個人的には)超名作「シェエラザード」で一つの完成をみる。 蒼穹の昴が益々楽しみになりますな。 | ||||
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時はポツダム宣言受諾発表前の緊迫した時期。 特命を受ける真柴少佐ら数名と、何も知らされていない女学生35人と教師。 マッカーサーの財宝はどこへゆくのか。 当時と現代が同時進行で進んで行き、物語中盤でつながります。 あとがきによると、ピカレスクばかり立て続けに発表してしまったため、「軌道修正」しようとしたが、結果的にこの作品で新たな軌道を“創った”とのこと。 この軌道上にかの名作『蒼穹の昴』があります。 そう考えれば構成は似ているが、『蒼穹の昴』に比べてぼけてしまっているところが多いような気がする。 しかし、あたかもその場に居合わせているかのような錯覚に陥る氏の描写力はさすがである。 読みながら緊迫感が走る場面がいくつかあります。 物語が終わった後の『終章』は切なすぎる。 心の中で「そうじゃない、そうじゃないんだ」と叫びながら、やり場のない感情が浮かんできました。 余韻に浸る間もなく、どん底に突き落とされます。 | ||||
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競馬場で知り合った老人から死の間際に渡された手帳。そこには驚くべき できごとが書かれていた。終戦直前に、時価200兆円という途方もない 財宝が隠された!丹羽は、50年前の真相を見極めようとするが・・・。 死んだ老人の名は真柴司郎といった。終戦直前の1945年8月10日、 26歳の彼は極秘の命令を受ける。 「900億(今の金額にして200兆円)の金とプラチナのインゴットを 祖国再興のために隠す。」 それは、おのれの命を懸けてでもやり抜かなければならない任務だった。 終戦直前の混乱期、人々の思惑が渦巻く中、彼は任務を黙々と遂行する。 だが、財宝の秘密を守るため、作業に当たった10代半ばの少女たちの 始末を命ぜられたとき、彼は激しく苦悩する。そして、50年前の真柴の 苦悩を手帳から知る丹羽。少女たちの運命は?隠された財宝はどうなった のか?過去と現在が織り成す物語は、構成力が抜群だった。国家の再建を ひたすら願った真柴らに、救いはあったのだろうか?考えれば考えるほど、 切なさが増すばかりだった。 | ||||
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私は浅田氏の作品が大好きで、蒼穹の昴〜中原の虹、プリズンホテル、天国への百マイル、メトロに乗って、王妃の館、天切り松、壬生義士伝…片っ端から読みました。 読むたびに感動し、それぞれ大好きなのですが…、私は、この「日輪の遺産」こそが浅田氏の最高傑作だと思います。 心の底から泣きました。私の中にも流れている日本人のDNAが、この作品に揺さぶられているようでした。 日本という平和な国に生まれ、現代を生きる私たちにとって忘れてはいけないものが、ここにあります。 過去があっての今であり、先人たちが、未来の日本の繁栄と平和を、どれほど祈って死んで行ったのか。 深く考えさせられました。 ミステリーとして読むのも面白いと思いますが、日本人として読むべき作品だと思います。 本当におすすめです! | ||||
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マッカーサーの財宝をめぐるバブル崩壊の時代と終戦の時代が交差する物語。 現代と終戦時で生きることの重さを対比させながら、歴史小説、そして、ミステリー小説としても非常に面白い作品です。 終戦時の陸軍将校と大蔵官僚たちがどのように終戦をどのようにとらえていたという描写が自分には勉強になりました。 そして、少女たちの最後は、それが一つの日本らしさの理想なのかなあとも感じました。 「チャンスってのはいつだって頭上を通り過ぎすぎるもんで、それをつかまえるのは人間の勇気と決断だ」 マッカーサーのセリフ 「君もまた多くの日本人と同様に、自分のうちに眠るおそるべき力に気づいていない。日本人の不幸は、この現実ではない。この現実を作り出したエネルギーに気づいていないことこそが不幸なのだ。良く考えてみたまえ、この東洋の、何一つ資源もない島国が、世界を敵に回して四年間も戦ったのだぞ。」 | ||||
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知らなかったが、この本は「とられてたまるか!」から「プリズンホテル」に至るまでの本を出した後、「蒼穹の昴」に連なる過程に出した本。ご本人の弁によると、プリズンホテルまでの間に「極道作家」とのレッテルが貼られつつあり、このままいくと自分の路線が決まってしまうことを懸念して大幅な軌道修正を図ったそうだ。 時は現代。会社が何とかなってしまいそうな心配を抱き、年越しに従業員に出す給料を稼ぐために競馬場に来た、ちょっといかがわしげな不動産屋。彼が馬券を買うために窓口に並んでいて、前にいたじいさんに「○−△」がいいよ、というとそのじいさん、考えあぐねたあげく不動産屋の言う通りの番号に買い換え。そういうことをしているうちに窓口が閉まってしまい、当の不動産屋は馬券を買えずじまい。そして、そして「○−△」で倍率300倍が当たってしまう。不動産屋はじいさんに思いっきり文句を言うが、最後は気っ風良くじいさんに別れを告げる。ところがじいさん、この恩返しをせにゃならんというので二人して居酒屋に行き・・・・ このじいさん、終戦直前に軍の密命を帯びて大役を実行している。しかし、いろいろな混乱があって、この不動産屋と知り合った時点ではまだ全てが完結していない。この人にとっては戦争はまだ終わっていなかったのだ。いかがわしい不動産屋の気っ風のよさに惚れて、終戦直前に日記を詳細に書き付けていた手帳を渡す・・・。 最後の最後には慟哭を禁じ得なかった。この本に描かれている日本人、誰もが自分の天命を全うすべく、一所懸命、不器用に生きている。大人から子供まで、軍人から新聞記者から不動産屋からボランティアから官僚まで真剣に生きている。これらの人たちが全部繋がっていくことが素晴らしい。浅田次郎ならではの筆力を存分に味わわせてくれる。 | ||||
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展開は強引だし。 私は実際の戦争を知らないから 現実っぽさを感じて読むことは出来なかったけど それでも引き込まれた。 いつのまにか夢中で最後まで 読みきってしまっていた。 すごい。 | ||||
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話がどうもご都合主義。スケールは大きいと思うし、話は面白いんだけどなんだかなぁって感じなのですが・・・。でもやっぱり泣いてしまいました(笑) 物語にいつの間にかハマってしまい、まんまといつもの浅田マジックにかかってしまいました。このマジックが癖になって、他作品を読む・・・といったことを繰り返してしまう。 余談ですが、以前バイトしてた本屋で「何とかタロウだかジロウだか言う人の書いてる泣ける本おいてる?」と客に聞かれた際に、何も調べずに浅田本を進めたことがありました。その客はマジックにかかったらしく後日、他の浅田本をまとめてご注文いただきました★ | ||||
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