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三屋清左衛門残日録



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【この小説が収録されている参考書籍】
三屋清左衛門残日録 (文春文庫)

三屋清左衛門残日録の評価: 4.50/5点 レビュー 96件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全96件 81~96 5/5ページ
No.16:
(3pt)

う〜ん 其ほどでも

藤沢周平は大部 年をとってから読みはじめました それは やはり山本周五郎が余りにも強烈で若い時から、夢中になり 子供の名前も周五郎にしようとして家内に反対されたぐらいです 話しは戻し たまたま映画で藤沢周平のものを見て原作も何冊か読みました 確かに せみ時雨などは素晴らしい小説 他短編も良い しかし 三屋清佐衛門残日録は皆さんの高評価ほどいいとは思いませんでした 一度高評価つけられた皆さん山周も読んで見てください 私は山周の小説の方がやっぱりいいなぁ
三屋清左衛門残日録 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:三屋清左衛門残日録 (文春文庫)より
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No.15:
(5pt)

藤沢周平作品の中でも秀作です。

まさに「イブシ銀」の巧さです。藤沢周平作品の中の「蝉しぐれ」にも引けを取らない非常に味わいのある見事な作品です。老いを感じ始めた人には、じんわりと心に染み入ってくる小説です。これぞ「藤沢周平!」といえる出来ではないでしょうか。

家禄百二十石の御小納戸役から年を重ねるごとに累進し、最後は藩主の用人を勤め、ひっそりと息子夫婦の離れに住み、隠居の身となった清左衛門。一切の雑事から解放されたと思ったら、生涯の盛りを過ぎた強い寂寥感を抱くようになります。

しかしそんな彼も、藩の家老たちの権力争いや様々な事件に巻き込まれていきます。美しい北国の季節の移り変わりの中、清々しい清左衛門の生きかたが、古い友人、料理茶屋の女将、昔の同僚などと交わりを通して鮮やかに描かれています。できたら自分も清左衛門のような余生をおくりたいと思わせてくれます。

随所に現代の定年後のサラリーマンにも通じるような話があり、10年後にもう一度読みたいと思える作品です。平成5年にNHK「金曜時代劇」で放送されたようなので、再放送があればぜひ見てみたいものです。清左衛門を仲代達矢が演じているようです。
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No.14:
(5pt)

何とも言えない余韻

静かで趣きのある作品です。
初老で隠居をした主人公が様々な問題を解決していきます。全体にしっとりとした人間性豊かな対応に、読後に何とも言えない余韻が残ります。
藤沢周平の作品はこれが最初ですが、別のものも読んでみようかと思っています。
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No.13:
(4pt)

元気に生き抜く隠居武士

城勤めを精一杯励み過分な出世を果たした中級武士の引退後の生活を綴る残日録。巻き起こる騒動ごとに区切られて書かれているので、短編集のように読みやすい本です。全ての話が明るい話ばかりではないが、締めに希望の持てるご隠居の心持が記されているので後味が良いです。非常に味のある脇役陣に囲まれて、黄昏れる暇も無い隠居生活が描かれています。読み易く面白い、藤沢作品の中でも楽しめる一作だと思います。
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No.12:
(5pt)

「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ心持

2008年の水無月は、胸の痛む通り魔事件や東北の地震など切ない月でした。物価も値上げ値上げできゅうきゅうしております。働き盛りの40歳、後を振り返る暇もなく毎日が過ぎてまいります。
御用人時代の三屋清左衛門も、そんな心持だったのでしょうか?

日残りて昏るるに未だ遠し・・・。

なんと読みやすく、そして清左衛門の爽やかな人となりなのか。澱みに浮かぶ権力争い。三屋清左衛門
が切れ者として重宝がられるのも、その柔軟な姿勢と剛健な精神のバランス感覚に優れたゆえんではないかと思うのです。権力争いばかりではなく、夫婦の心、友のこと、泣き妻への悔恨に漣立つ心。三屋清左衛門は隠居しても慕われ、なお諸事に力を尽くし、何より「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ。

昨年、本当に遅ればせながら「蝉しぐれ」をドラマで見、そして原作を読み藤沢周平の世界に入ったばかりの新参者です。三屋清左衛門残日録もドラマと並行して原作を楽しむ至極の時間を味わえました。
このような味わい深い作品に出会えて幸せです。

こんな年寄りになりたいものです。諸事に力を尽くし、何より「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ心持
。それは遥か先のことではないと思います。日々を懸命に過ごしていたら辿り着いた日々。これより私の行く道を照らしてくれるそんな作品との出会いでした。ドラマと併せまして最大級の御勧めです。
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No.11:
(5pt)

老境を赤裸々に描いて新境地を開いた秀作

さる藩の元傍用人の清左衛門の引退後の日々の生活を小事件を交え淡々と綴ったもの。清左衛門は引退して早く"暇になる"事を夢見ていたが、いざ暇が出来ると寂寞間に襲われる。会社員の私にも良く分かる現代にも通じる心境である。このままではいけないと、勉学や武道、そして釣りに励む決意をする。それと共に「残日録」と言う日記を書き始める。それが本書の内容である。「残日録」とは「後何日生きられるか」と言う消極的なものでなく、「日残りて昏るるに未だ遠し」と言う意気軒昂な証の由。

清左衛門は元用人という要職にあって、今では隠居の身であるから、藩内に顔が利く上に自由である。このため、藩内の公にはできない事件の解決をしばしば頼まれる。解決しても当然俸禄には繋がらない。だが、清左衛門は無為の生活ではなく、事件の渦中に飛び込む方を選ぶのである。事件と言っても、ハデな謎解きはなく、主に家中の人間模様の悲喜劇が描かれる。清左衛門自身に降り掛かる災厄もある。これも家中の人間関係の中から生まれる。清左衛門は清廉な性格で頭も切れるが、人が良過ぎてメガネ違いの事もある。嫁の里江の方が鋭いと思う事さえある。しかし、それもまた微笑ましい。年老いてから想う若き日の淡い思慕の念も共感を誘う。夫の浮気を疑う娘の悋気をキッカケに、藩の権力争いに首を突っ込む親バカ振りも見せる。公務を退いた後、無為に生きるのではなく、日々の暮らしの中のフトした出来事に喜び、悲しみ、怒り、悔恨を覚える清左衛門の様が理想的な余生の過ごし方に映る。四季折々の風景描写も物語に自然に溶け込み、清左衛門の心の移ろいを巧みに表現している。特に雷を頻繁にストーリーの分岐点に使っているのが印象的。

時代小説として優れているのは勿論、老境を赤裸々に描いて新境地を開いた秀作。
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No.10:
(4pt)

30代で読んでみました

蝉しぐれがよかったので、次の藤沢作品は何を読もう?と皆さんのレビューを読み倒しました(笑)。蝉しぐれと、こちらの作品が双壁のようなので、「この若さで読んで味わえるのか?」(←時と場合で、年とったり若くなったりします…)と不安でしたが…いい味わいでした。
連作短編なので、蝉しぐれより読みやすいと感じたくらいです。
そして様々な事件の間に入って、骨を折る清左衛門の働きは、現在の組織社会の中での課長を思わせるよう。実際に50年、60年と現実を生きてきた人の中から出てくる、知恵、経験を感じます。
蝉しぐれは叙情的ですが、こちらは落語的と言いますか、以前連続ドラマ化されたそうですが、しやすいと思います。とは言え、読む方の年齢なりの読み取り方があるでしょう。そういう味わいを感じました。
30代でこういう感想です。ご参考までに。
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No.9:
(5pt)

一老人と言ってしまうとそれまで。

昔は、隠居という制度がありました。

仮に自分が若くても、後進に譲ることもあります。

そのことにより、自分は宙に浮いた存在になることができました。

トランプで言うジョーカーみたいなものかもしれません。

私はそう捉えています。

本作の主人公は、さして若いわけではないのですが。

隠居したところから話ははじまります。

「さて、わしも手ぶらになったところで、日記がてら、ちょっと、つけとくかなあ。」

本書はそんな設定です。

隠居は焦ってやるべきではない。というくだりが印象に残りました。
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No.8:
(5pt)

清澄な生き方

江戸時代に生きた人々は、現代に生きる我々からみれば物質的には決して恵まれてはいなかった。だが、彼らのように高い志をもち、自己を律するという精神的な生き方が現代人にはできるだろうか。ここに登場する人々の清澄な生き方は、本当の豊かさはどこにあるかを考えさせてくれる。
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No.7:
(5pt)

危険な小説

おそらく蝉しぐれと双璧を為す作品。昨今この手の時代小説を書く小説家はいるが底の浅さに辟易する。似せて書いたところで作者自身の経験に裏打ちされた人生の重みがなければ小説そのものの説得力が生まれないことがわかる、そんなことを考えさせる小説である。あまりに秀逸であるが故に読み手の要求水準を上げてしまうので、続く作家がいない今読むのは危険かもしれない。
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No.6:
(5pt)

老境の士を通じての人生の縮図

人生は長い。本作を読んでいるとそう思う。隠居後の一幕を描いた時代小説だが、清左衛門のように過去を振り返り現在を思うことはどの年代でもあることだ。この老境にしてそうなのだなぁと考えてしまう。
後悔、義気、寂寥感などはどの年代でも持つものだ。しかし、その対処の仕方が老境の士ならではだ。老後とは言わず、いまから見習いたい。
藤沢作品の多くにある清々しさに満ち溢れている。単純に物語として楽しむことができる。しかし、清左衛門の生き方から学ぶことを感じることができれば、それ以上のものとなる。
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No.5:
(5pt)

あこがれ

人間は人生のある時点で、後ろから(死から)自分の人生を考えるようになるという。
武士道とは、そういう生き方であるのかもしれない。
(ただし、常にという点では、多少意味が異なるかもしれない)
隠居生活に入った三屋清左衛門が自分の日記に「残日禄」という名をつけたのも、同じ思いであろう。
自分の人生を思う時。
果たしてどのような生き方をしているのか。
どう生きてゆけばよいのか。
考えさせられる。
決して声高に自分の考えを叫ぶわけではない。
静かで、背筋の伸びた、そしてしっかりと自分の正義というものを持った三屋清左衛門の姿に、あこがれを抱いた。
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No.4:
(5pt)

幾度読み返しても飽くることを知らず

江戸時代、武士が隠居した後の話、といってしまえばそれまでである。
しかし、これを読むと、老いとは、そして生きるとは、という問いかけを、突き付けられる気がする。
私がこの作品を読んだきっかけは、NHKの金曜時代劇で見たからだ。脚本といい配役といい、原作に忠実で、満足した。
しかし何より、原作は素晴らしいの一言に尽きる。
初めて読んだ時から十年余りたつが、何度読み返しても、その時によって改めて色んなことを考えさせられる。
二十代のうちから読んでも決して退屈ではない。
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No.3:
(5pt)

最初に読んだ『藤沢作品』で最高の小説!

本当におもしろかったです。『時代小説』を全然読まない『奥さん』にも『絶対に面白いから!』と薦めたぐらいです。
すいません。私自身の文章力がないので上手く表現できませんが、『いい人には、いい人達が集う』というのを教えてもらいました。
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No.2:
(4pt)

歳を気にし始めた男性に

定年退官して、寂しさを感じているところへ、役所からその腐敗を直すべく力を貸してくれといわれて、改めて乗り出す元役人など、現代にはほとんどいないだろうけれど、時代小説となってみると、それが自然なことに見えるし、むしろ、こんな事になれば老後といえども一肌脱いでみようという気にもなるよな、と思う。背筋が伸びた清左衛門のおのずからなる姿が凛々しく清々しい。老後になすべきことを考えることにはなるので、歳を気にし始めた50代後半の男性には特におすすめ。
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No.1:
(5pt)

美しい人生の夕映え

藤沢文学の最高傑作の1つ。
 隠居した武家が息子と嫁との暮らしの中につづられる日々の哀歓と老いの影。唯一の楽しみはいまだ現役で頑張る友人の奉行とのささやかな酒と酒場のおかみとの何気ない会話。
 そんな彼にも藩内の対立の影がしのびよる。近づく死への畏れを内包しながら、正しく生きたいと願う孤高の老体の毅然とした姿が胸をうつ。傑作。
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