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蟬しぐれの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全159件 141~159 8/8ページ
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お福と文四郎の恋模様がもう少し書かれていても良かったかなと感じたのも事実だが、この作品には友情が描かれている。文四郎、与乃助、逸平の友情は歴史小説版スタンドバイミーといった印象を受けた。特に逸平の子どもっぽさは自分と似ているなと感じながら読んでいた。 またこの作品は自然描写が巧みで、蝉のなく夏に雑木林の中で一人、空を見上げると木々の間から太陽の光がかすかに差し込むといった情景が思い浮かんだ。この自然描写をもっとじっくり楽しみながら読めばより懐かしさ」を感じながら読めたのかもしれない。 最後に、蝉しぐれというタイトルについてだが、「しぐれ」とは「涙」という意味もある。田舎の夏を連想させる懐かしさを「蝉」、文四郎とお福の恋、特に最後のお福の涙を「しぐれ」に込めたものではないかと読み終えてじっくり考えている。 「こんなのもありだな」何か静かな懐かしさが残る、文学作品だと感じた。 | ||||
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以前、映画ドラマで描かれる時代劇は、脚色されてどれも同じような筋書きで満足できるものではなかった。 しかし、藤沢氏の作品を知った時、そこに市井の人々の息遣いが身近に感じられその中に引き込まれていった。 主人公が、老中の罠からどうやって身を守るかというところは現代の上司と部下の関係に当てはめても参考になるところであった。 ここ数年藤沢氏の作品が山田監督をはじめ取り上げられるところを見ると日本人の本質性が藤沢氏の作品から訊ねられているように感じられた。 | ||||
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どちらかというと、時代物の小説は苦手な方だ。しかしこの作品は、最初から最後まで、飽きることなく楽しめた。やさしく誠実な心と凄腕の剣、そして揺るぎない信念。文四郎はとても魅力のある人物だ。淡い恋、友情、剣のライバル。そして藩内の勢力抗争。様々な出来事にぶつかりながら、何とかそれを乗り越え、文四郎は成長していく。人は苦労するほど、悩むほど人間として大きく成長する。彼の成長を見続けることが出来たのは、読者冥利に尽きる。爽快感が残る、とてもいい作品だった。 | ||||
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この小説は、すがすがしい読後感を残すという。そうだろうか。私には、たいへん辛い、悲しい物語に思える。青春小説かと思って読んでいると、権力抗争の物語になり、終章にいたって、美しい、しかし限りなく切ないラブストーリーとして結晶する。たんたんとした筆致ではあるが、描かれているのは、激しい情念である。初恋の淡い思い出などというものではない。ここに描かれているような恋が現実にありうるのかは知らない。しかし描写には説得性があって、感傷を排したエンディングは、心を揺さぶる。私たちは浮世のしがらみを引きずって生きている、生きてゆかねばならぬ。一度契っただけで(あるいは「逢い見る」ことなく)、相愛の人に永遠の別れを告げねばならぬこともあるだろう。人生がそういうものだとすれば、あまりに残酷ではないか。作者は、人生の本質は別離だと言いたかったのだろうか。 | ||||
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主人公の少年期から壮年期までを描いたこの作品は、小さな源流がさまざまな伏流を加えながら、激流を下り、最後は静かに海に流れていく、そんな作品です。 この作品展開の素晴らしさは、小説を読みながら、上質の映画を見ているようで、「息をつかせぬ展開」とはまさにこの作品のことだと思います。 複雑に絡み合う人間関係の、一服の清涼剤である文四郎とおふくの恋、その恋の行方が、この作品をただの時代劇に終わらせていない、藤沢文学の真骨頂ではないでしょうか。 読んだ後のすがすがしさは、たとえようがありません。 | ||||
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藤沢周平を読んでいるとその世界に入り込み、そよ風の香りをかぐ思いをする。この作品であれば、海坂藩の住人となることができるのだ。四季折々の風があり、やさしい風もあれば、少し心に染み入る風もある。さらに、読み手を引き込むエンターテイメント性がある。これ以上何を望もう? 「蝉しぐれ」はそんな藤沢周平の世界を堪能できる代表作のひとつ。内容は他のレビュアーの方が書かれているとおりなので割愛させていただきますが、この世界に住みつづけたいと思わせる名作です。 | ||||
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『蝉しぐれ』というタイトルに併せるがように、03年の夏の終わりにNHKで放映され、藤沢ファンのみならず、多くの方を惹きつけた名作である。テレビの「文四郎とふく」は、原作に合う起用で共に良かった。 (二人の家老も、筋書きをフォローするが如くの俳優起用で良かった) 幼なじみの『淡い恋』(正確には、恋とも言えない「ほのかに好き」くらいの感じなのだろう)を、終始薄いバックミュージックに流しながら、『男の子の友情』(女の子にはない、男の子ゆえの友情。この表現、わかってもらえますか?…)を、節目節目に織り込みながら、物語は進行する。 読んだあと「ほのかで・清らかな」な感じが、秘薬のように心に漂う、えもいわれぬ良い作品である。 昔は「初恋の味・カルピス」といったが、この作品に関しては、それは合わない。カルピスでは濃すぎるのだ。 表現のプアな私が例えていえば、「清楚ななりの、細身のご婦人が、ふあっと通り過ぎたあとに、かすかに感じられる残り香」のようなものか。 幼な心に思った女や、自分を育んでくれた故郷の物象に対して、大きくなってから想う心は、文四郎ならずとも、「淡く切ないもの」として感じられる。 その意味からしても、この作品のタイトルは、まさしく『蝉しぐれ』をおいて、他にない。 | ||||
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父を罪人とされたひとりの青年の、運命に従容に、ときには果敢にたちむかう成長の物語。秘剣を操る剣客の話、サムライの話、友情の話、悲恋の話・・・それらが作者が巧みに描く山野の情景に彩られ、どのような解釈で読んでも心にしみいる名作である。現代人の忘れてしまったなにかが読後に去来する、時代小説の枠を越えた感動があるに違いない。 | ||||
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思春期の目の高さでみた大人たちの世界。 遠い日の祭り、荒れ狂う闇の風雨、運命の夏の1日、 学問や道場生活を通じての淡い想い、尊敬、どん底、 そして友情。 もちろん剣は競争世界の中で勝つためのツールに過ぎない。 大人の幾分捻じ曲がった世界を、スリル満点に小気味良く、 景色や気温までもを鮮明に読者にイメージさせる洗練された 言い回し。さらにお福様と文四郎の数十年ぶりの再会は、 だれしも少なからずあこがれる大人の出来事でもある。 気が付くと蝉しぐれの中で自分を発見している主人公。 この小説を読む前から、多忙な毎日は夢幻で、蝉しぐれの 中にいる自分こそ原点であるという思いがあった。 こんな気持ちの良い小説を紹介していただいた、先輩に 感謝する次第でもある。 | ||||
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剣術道場と塾で文武両道を目指す15歳の牧文四郎は、ある日突然、父が監察に捕らえられたという知らせを受ける。父は切腹、家禄も減らされ、牧家は断絶寸前の危機にさらされる。父が生前に関わっていた、藩の内政に関わるある重大な秘密とは・・・?そして、文四郎とその友人たちや道場の仲間、初恋の幼なじみ、おふくをも巻き込んでゆく、藩の内紛のゆくえは・・・? 美しい四季の描写に彩られ、事件は展開し、文四郎は剣の腕だけでなく、内面的にも成長してゆきます。叶えられなかった初恋の傷を胸に、父の遺した「わしを恥じてはならん」という言葉を信じて、ひたむきに、誠実に生きようとする彼の姿勢には、時代小説という設定を越えて読者に訴えるものがあります。 まだ少年の文四郎が、父の死と向き合い乗り越えようとする「蟻のごとく」の章は、残酷で、けれど強い意志を感じさせて、とても印象的です。荷車をひく文四郎のイメージは、「蝉しぐれ」の音とともに、この小説から静かな生命力を私に抱かせてくれました。 | ||||
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たった今読み終わりました。 冒頭に描写される川の流れそのままに、全編を通じて清涼な小説ですね。 人の美しさを言葉の形にしたらこんなかなって感じ。 さまよえる心の闇ばかりにとらわれた小説の多い中で、「救い」でさえあると思います。 時代小説ってジャンルだけに分類しちゃうのがもったいない。多くの皆さんにお勧めしたいで~す。 | ||||
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主人公の少年時代から熟年期の回想時期をまでを描いたものであるが、人生に起きる様々な出来事をそれ自体が幸不幸を問わず、前向きに取り組みながら生きる姿には凛とした清々しさを感じる。恐らくそれは、不幸の方が多いだろう。藩の派閥抗争に巻き込まれて切腹を命じられる父とそれに伴う不遇の時期の中でも剣術を磨き、友情を深め、その懸命に生きる姿には感銘を与える。淡い思いを寄せていた女性との別れと尚続く思いは、純粋な気持ちを持つ良き侍または男の姿を思い浮かべさせる。陰謀を図る家老との戦いでは、最後に家老に対し殺さずに、死の恐怖を味わいさせる場面は秀逸である。またその件で失脚した家老の刺客の出現は意外性があり、筋書きをより面白くさせている。最後に藩主の側室となった思いを寄せる女性とお互いの思いを通じ合わせる場面もまた秀逸であった。 唯一つの難点を言えば、家老の陰謀からその側室となった女性を救い出すときに既に主人公も嫁をもらってしまっていた点であろうか。それにしても傑作である。 | ||||
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藤沢文学の中でも、「成長」をたんねんに描いた珍しい作品で、その意味では読後感が他のものとまったく異なります。それはひとことで言ってしまえば「清々しさ」になるのでしょうか。 少年が青年になる過程での正義感・恋心・含羞・人生に対する懐疑とその克服などがあますところなく描かれており、特に男性諸氏の共感を得るのではないでしょうか。 そしてストーリーは単に成長にとどまらず、最後は藩のお家騒動に巻き込まれた主人公が自らの剣をふるって初恋の人を助け出すあたり、エンターテインメントとしても一流でしょう。様々なプロットが後半に生かされてくる名作です。 私個人としては、老齢の孤高と哀歓を描いた「三屋清左衛門残日録」と好一対を成す青春小説のようで、大好きな作品!です。男子の本懐を遂げる主人公の姿に、わがことのように喜ぶ私です。 | ||||
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「父を愧じてはならん」の言葉を残し、主人公の父親は刑死。残された少年は謀反人の子として蔑まれ、藩内で過酷な忍苦の日々を過ごす。しかし、その鬱屈したエネルギーを剣の修行で昇華し、少ないながらも堅い友情で結ばれた友を得ていく。青年剣士へと成長した主人公は、父を死に追いやった苛烈な派閥争いに巻き込まれ、自らの運命に立ち向かう。 完成度の高いストーリー、端正な文章、常にベストを尽くした主人公が残す爽涼感、過ぎにし少年時代と淡い初恋への愛惜の念。藤沢周平の代表作というだけでなく、時代小説の最高傑作のひとつと言える。 | ||||
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鮮やかな緑色の樹木と透明な夏の空気。 場面は秋であっても冬であっても、全編を通してこのようなイメージで満たされている小説である。 藤沢作品はもちろん、時代小説というものを初めて読んだのだが、この小説で初めて 「話の筋によって心が躍らされる」という体験をした。それぞれの章に独特のリズムがあり、 ぐいぐいと惹きこまれている自分に、ふと気がつくのがおもしろい。 「蝉しぐれ」は読んでいるとき、あるいは読み終わった後になってようやく思いがいたって、 じんわりしたりジーンとしたり、すがすがしい涙を流したりするように書かれている。 いつまでも変わらない人間の心、気持ち、思いが、ほどよくちりばめられているのは、 現代小説ではなく、読み手それぞれが好きなように思いをはせることのできる時代小説ならではだと思う。 のんびりと時間のとれるときに、じっくりと読んで欲しい。 | ||||
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藤沢さんの本を全部読んだわけではないですが、いまでもこの本が一番いいと思います。 父と息子のべたべたしない親子愛のなかにも、とても強い強い愛情をかんじることができ、深く感動しました。 主人公が、剣の道場で稽古をする場面や、試合の場面、思いをよせる女の子への淡い気持ち、どれもあからさまでなくでも情景がしっかり書かれていて、目の前に夕焼けや町並みがありありと感じられました。 何度でも読みたい、そして多くの人に読んでほしい本です。 | ||||
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藤沢周平の一番の小説ということで、会社の大先輩から紹介を受けて読みました。 (1)まず感じるのは、描かれている風景が「小説 上杉鷹山」の風景とよく似ているということ(もちろん表現方法は違いますが)。巻末には「蝉しぐれ」は山形新聞の連載小説だったとあるので、まあ納得した次第です。 (2)内容的には、江戸時代の地方の藩で、子供の居ない藩士の家に養子に入った少年が成長して、跡を継いでいく様子を描いたものです。底流には「今こうしている間にも人が生まれ人が死んでいく」という観念が流れていて、それでも「1人の個人で見れば成長を通して変わっていくようであり変わらない部分がある」と著者は言っているようでもあります。 (3)結末では10代半ばのお互いの気持ちを確かめ合うシーンは、私(39歳)には到底まだ早い内容で直ぐには消化しきれないです。この部分は、とって付けた感もありますが、衝撃を受けたことも事実であり、10年後にもう一度読んでみたいです。 (4)全編を通しては、流れるように読めて、風景描写が目に浮かぶようであり、色んな事件を読み進むうちに、果たして結末は吉か凶かと心配して読み進みます。最近は無意味に長い作品がよくあって辟易しますが、「蝉しぐれ」は1000ページくらいあっても楽しめたと思います。 | ||||
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藤沢周平のすべて、といっても良いのかも知れない代表作。どれか一冊を、といわれればこれをおいてない。しかし、チョットだけ難点を言わせて貰えば、男の勝手、と思わせるところがある。つまり、男向けの作品。 | ||||
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今まで時代&歴史小説の分野に興味がなかった私が人の勧めで手にしたところあっという間に心を掴まれ、何かにとりつかれたように一気に読み終えてしまった。友情や人間くささ、さわやか且つ私は何と表現したらよいか分からないずしりとした人生に対する重みのようなものを読後1週間感じていた。私はなんて面白い小説に出会えたんだろうと嬉しくなった。 | ||||
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