■スポンサードリンク


蟬しぐれ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
蝉しぐれ
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

蟬しぐれの評価: 4.67/5点 レビュー 169件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.67pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全159件 61~80 4/8ページ
No.99:
(5pt)

◆若き藩士の成長過程を鮮やかに描く

亡くなった母が時代劇の好きな人で、それはもう毎週欠かさず見ていた番組がある。それは、NHKで放送されていたのだが、『三屋清左衛門残日録』という時代劇だ。
とある武家のご隠居さんのつれづれを物語にした番組で、主演を仲代達矢が好演。脇を固める役者さんも錚々たる顔ぶれだったような気がする。
母といっしょになって見ていた私も、時代劇でありながらその枠に囚われず、舅と嫁のささいな気の使い合いやら竹馬の友とのざっくばらんなお喋り、老いたりといえども胸をときめかすご婦人との出会いなど、充分に楽しめる内容だった。
そんな『三屋清左衛門残日録』の原作は、他でもない藤沢周平であり、『蝉しぐれ』の著者でもある。
『蝉しぐれ』は映画化もされているが、個人的には小説の中の世界観の方が、圧倒的に好きだ。
『蝉しぐれ』の何がそんなに魅力的なのか考えてみたところ、時代劇なのに青春小説でもあるところかもしれない。
殺伐とした緊迫感というより、爽やかな友情、淡い恋、若き藩士の成長過程を、それは見事な筆致で鮮やかに描写しているのだ。

物語はこうだ。
海坂藩普請組の城下組屋敷は、三十石以下の軽輩が固まっている。その一角に住む牧文四郎は15歳。隣家の娘・ふくは、まだ12歳。最近、どうもふくがよそよそしいので気になって仕方がない。
親友の小和田逸平に話したところ、「娘が色気づいたのよ」と断定する。もう一人の親友、島崎与之助はまだ色気づくという言葉の意味が分からないので、文四郎と逸平が大汗をかきながら説明してやる。
仲良し3人組は、昼前は居駒塾で経書を学び、昼過ぎからは石栗道場で剣術の稽古に励む。
3人組の一人、島崎与之助は剣術はからっきしダメだったが、学問に秀で、後に江戸遊学に旅立つ。
また、文四郎が秘かに気にかけていたふくは、後に、江戸屋敷に奉公に上がり、殿様のお手つきとなったのだ。

山場となるのは二箇所ある。
一つは、文四郎の父がやむをえない事情で切腹となるシーン。文四郎はその亡骸を荷車に乗せ、炎天下の中したたる汗をものともせず、唇をかみしめて車を曳くのだが、私はもう涙なしには読めなかった。
そしてもう一つの山場が、“ふく”が“お福”となり、藩主の子を授かったことで派閥抗争に巻き込まれるくだりだ。
お福とその赤子の命が狙われるのだが、文四郎が身を挺して二人を守り抜くのだ。
私は、この小説のラストに深い感動を覚えた。
皆が皆、己の道を歩み、精一杯生きている。それは、精進というに相応しい生き様だ。

15歳の若き藩士が父の死を乗り越え、様々な試練と忍耐とつかの間の喜びをかみしめて、やがて大人へと成長する。その過程は、名状しがたい味わいで読者を感動の渦に巻き込むのだ。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.98:
(5pt)

藤沢周平による青春文学の決定版

久々に小説らしい小説を読んだ気がする。

 これと言って起伏のあるストーリーじゃないし、凝った言い回しやら華麗な文体でもない。

 一般的に“小説家が小説を書く”という姿を想像したときに思いうかべる、小説家らしい文章と描写の連続。

 そういう意味で、王道と言えば王道なのだが、読後に一服の清涼感というか、寂寥感が残る。そこが藤沢文学のエッセンスだろう。

 ひとつには青春文学だからだろが、他の名作に比べてもより一層、清涼感、寂寥感、人生の悲哀みたいなものを感じた。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.97:
(5pt)

ふくぅぅ(つД`)・゜・。

レビューの評価が高いという理由だけで購入しました。
時代劇に興味が無かったので、分からない単語が多く苦労もしましたが、
文章自体はとても読みやすかったです。

エピローグやその後が好きなので最後は特によかったです。

初めてもう一度読みたいと思った小説です。でももっと(続きが)読みたいとは思いません。
そのくらい完成度が高いと思います。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.96:
(4pt)

フォントのサイズを変えて新鮮さプラス

20年ほど前になるでしょうか藤沢修平の文庫本を買い漁り読みふけっていました。なかでも「蝉しぐれ」は3~4回は読み返すほど、自分を奮い立たせる作品でしたね。キンドルで購入して読み返すほどに、バブル絶頂期の中で仕事に追われていた自分を取り戻す為の作品だったな、と改めて感じています。フォントを変え、新たなページめくり感を味わいながら、また、文庫本の読み残りのページの厚さが時間で出てくるのにとまどいに似た違和感を感じながらも文字を追い、筋書きはわかってはいても読み終えなくては損をしてしまうようなデスプレイ表示の危うさ感(全くそんなことは無いのにね)が抜けなかったですね。
団塊世代の自分にとっては文庫本の文字中毒から、デスプレイ中毒への変換点の作品となったようです。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.95:
(5pt)

とても好きな作品です。

読後感のとても良い作品で、文四郎、おふくを取り巻く人生に感動した作品でした。この度、いつでも読めるようにKindle用に購入しました。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.94:
(5pt)

久しぶりの歴史小説

しばらく歴史小説からは遠ざかってましたが、キンドルにて購入。

全体的な流れも良く、少年時代から青年になる過程、成長に伴って起こる事件や情事。きれいな文章の流れで、あっという間に読み終えました。

現代とは異なる、それでいてどこか懐かしいこの小説が作り出す世界は、時代小説を読みなれない読書好きにもおすすめです。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.93:
(5pt)

心地よし

さすがに、文章が美しく、そして文体が優れている。藤沢周平の筆の高さにほれぼれするばかりである。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.92:
(5pt)

美しい描写

情景描写が秀逸の小説です。
細部に渡り丁寧なのでまるで映像を見ているようです。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.91:
(5pt)

続きを読むのが楽しみに。

知ってる話です。ドラマと映画で見ました。電子書籍で読むのは初めて。描写が細かくきれいです。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.90:
(5pt)

藤沢文学の金字塔

最後に主人公がおふくさんと会うシーンが、人との出会いを総括していて泣けます。日本人に生まれて良かった。
幼少の頃のおふくさんが蛇に噛まれ牧文四郎が毒を吸ってやり、主人公の父が処刑され、その亡骸を荷車に積んで引いている所をうしろから押してあげたおふくさんや、殿の側室として家を出る時に主人公に会いにいったが留守で会えなかったことなどが、最後のシーンで走馬灯のように思い浮かびます。そして、最後におふくさんが文四郎に、お互いの子供が自分達二人の子供である人生もあったのではないでしょうか?の台詞には、こんな女性と巡り合えたらと思います。初めて読んだ時は、一晩で一気に読みました。読み終えて、登場人物や情景が浮かび、蝉しぐれは、生涯の中でナンバーワンの小説です。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.89:
(4pt)

イーアクセス、千本会長のリーダー達の本棚(朝日新聞)に啓発されて一気に読了。

イーアクセス、千本会長のリーダー達の本棚(朝日新聞)に啓発されて一気に読みました。キンドルiPad applicationで快適に一気に読破しました。爽やかな読後感と、千本会長の人柄を感じました。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.88:
(4pt)

蝉しぐれ

期待通りの内容で満足です。文庫版で出先に何時も携帯、一気に読んでしまいました。作者藤沢周平の虜になりそうです。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.87:
(4pt)

ある少なくない読者層に適切に配された佳作

Kindle ストアで購入。今のところ、Kindle Cloudでは読めない。。
はじめ文体に粗野、粗暴な印象を持ったが、気遣いに草臥れた中年には魅力的にうつるだろう。
最後のふくとの下りは、ある種のロマンティズムが優先され、リアリティが犠牲になっているが、
ふくの描写を少なく、ミステリアスにすることで、ぎりぎり許容できるものになっていたように思う。
エンターテイメントとして秀逸、楽しめた。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.86:
(5pt)

同名のテレビ番組と比較しながら読みました

BSプレミアムで同名の番組がありました。テレビも面白かったですが、文字を読む方がもっと藤沢文学の特徴であるきれいな情景が膨らんで面白かったです。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.85:
(5pt)

久しぶりのヒットです。

主人公 文四郎のほのかな恋心の変化と
15歳から大人の男に成長していく様が よく描かれています。
作品に入り込んでしまい、いっきに読みました。
読んでいる時はふわふわっていうか 時代小説なのにいろんな場面が
かってに頭に浮かびました。おふくという子はこんな感じの子かなとか...
読み終わってからも その人たちの気持ちを考えてしまいました。
この小説は、権力闘争や陥れようとする悪、少年の恋、人の恩を忘れない事
たくさんの人間模様が織りこまれ 最後まできちんと終わってくれて
すっとしました。読んでよかったと思いました。 
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.84:
(4pt)

自助努力

文四郎は努力の若侍である。気を抜かず環境・周囲を責めずじっと努力する姿勢には心を打たれる。耐えるだけではなく努力を惜しまず励んでいれば人生は自ずと開ける、という思想が筆者にはあるのだろう。若者に読んでほしい物語である。
城下町の描写がまたよい。同じ通りを何度も通っていると覚えてしまうものである。町の地図が頭に描かれるようである。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.83:
(5pt)

20代で「読んでよかった」ベスト1

読んでから、どれほど時が経っても、あの本を読んでおいてよかったというものは、中々ない。できれば20代のうちに読んでおいてほしい作品。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.82:
(4pt)

風景描写が美しい。

藤沢周平さんの作品は、10年くらい前にいわゆる市井ものを手にとってみたことがあるのですが、
当時は今ひとつの印象でした。しかし久々に読んでみたこの「蝉しぐれ」、 
一気に読まされてしまいました。合成樹脂とも排気ガスともセシウムとも、まったく無縁の美しい風と空と水。
それは本当は見たことがない世界なのだけれど、切なく美しく懐かしい世界なのです。
トルストイが描く、ロシアの大地の春のように。
星を一つ減らしたのは、ラストがちょぴりサービスのしすぎではないか、と思われたことによるもの。
もしかすると、このあたりにいわゆる「純文学」との境目があるのかも知れませんね。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.81:
(5pt)

人間は後悔するように出来ておる

そして
「この世に悔いを持たぬ人などいないでしょう」

本当に、悔やんでも悔やみきれない、取り返しのつかない後悔の念。
涙が止まりません

素晴らしい名作を読みました。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.80:
(5pt)

エンタティメントであり、文学であり。

ドラマ化された時、書店で平積みになっていてふと手に取ったのがきっかけでした。
それまでは、池波正太郎さんにハマっていたので、藤沢作品はちょっと暗いイメージで、敬遠していたのですが。
文学作品としての香り高さがあり、それでいて堅過ぎず、ドラマや映画、宝塚の舞台にまでなっているエンタティメント性もあるのです。
時代小説ならではの情緒豊かな世界観、主人公等の青春小説としても読める現代性。
色々な魅力が詰まった一級の、いえ、特級の一冊。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!