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(短編集)
夜の橋
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夜の橋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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届いています。 文庫のつもりでハードカバーを買ってしまいビックリしました。 自分のミスなんで大丈夫ですけど。 | ||||
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直木賞受賞後数年の間の短篇集。それも自選とある。尾崎秀樹氏が「解説」に記すように、「今後の多彩なひろがり」や「新しい可能性を期待させ」る、即ち暗い内容の中にも明るさを、市井もの・武家ものに込められた新しさを、感じ或いは見出させる8篇、と云えよう。 | ||||
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古い本ですが、きれいな状態なのでたいへん満足しています、気持ちよく読むことができます。 | ||||
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昭和50〜53年、著者49〜51歳の作品。 短篇9篇収録。市井4篇、武家もの3篇 ほか2編。 どれも清清しい、納得の行く良い作品です。中でも特に、「泣くな、けい」、「孫十の逆襲」でしょうか? 藤沢短篇本の中でも、これは全てお薦めの9篇。全ての短篇に著者の人間性が現れています。初期の時とは違う”熟年の優しさ”が見えます。 ■「鬼気」:武家もの 向かうところ敵なし、腕に自信を持ち始めた3人の若侍。一見平凡な50代侍の神話は本当なのか? 待ち伏せし暗闇から襲いかかると・・・。「逃げろ、逃げろ!殺される!!!」。この時代の若者のおごり。「侮るな! 御主達とは修羅場の数が違うぞー」。 よく読んでおけ、若竹サラリーmen! さもないと−、斬る! だぁー! ■「夜の橋」:市井もの。 賭博に溺れ、女房とも別れ、すさんだ生活の かんざし職人。それでも義理と人情は生きている。痛い目にあって初めて解かる***の有り難さ。泣けます ■「裏切り」: それはないんじゃない? 斬らなきゃそれがしの気がすまねえ、「ビシッ!」と斬って欲しかった・・。しかし・・・、いい話です。 ■「一夢の敗北」:武家もの おっ?ここでもまた米沢藩主:上杉治憲と組んで改革に乗りだした奉行:竹俣当網が登場!(「漆の実のみのる国(上)・(下)」)。 うれしいなー、それがしこの本が好きでしたから。今回は、「おー、これはこれは痛快だ!」。こういうの大好きです!! 最後の2P 最高です。 ■「冬の足音」:市井もの 「別れて、あたしをかみさんにして?」 「あー・・・、すでにおそし・・」。昔も今も変わらないのは・・・・。辛い! ■「梅薫る」:武家もの まったく、強く、優しく、潔く、心広く、「これぞ武士!」という、二人の侍。 こういう男になりたいものだ。 ■「孫十の逆襲」: 思う存分応援しちゃいました!「行けー! 孫十」。いいなーこういうの。 ■「泣くな、けい」:武家もの けいちゃん 大好きです。ご主人と同じで、それがしも抱きしめてあげたくなりました。 しかし、ちょっと悪いご主人ですが、最後は武士ですね。あっぱれ!こういうのも大好きです。 ■「暗い鏡」:市井もの そうだそうだ、やっちまえ! | ||||
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この短編集は昭和50年代の初めの頃に書かれたものを2006年に新装改版したもので、作風もどちらかといえばまだ暗く重いものですが、いずれも、巧みなプロット設定と確かな登場人物の造形に加え、周平調ともいうべき清潔で格調高い文章を味わえるものばかりです。 冬の足音 ―― 錺職人兼蔵の娘、お市はやがて二十になるが、三年前に突然飛び出していってしまった兼蔵の一番弟子、時次郎のことが忘れられない。瑕物だがといって時次郎がくれた珊瑚をあしらった銀簪をいまだに大事にしている。叔母のもってきた見合い話を断りきれなくなって、お市は時次郎に会ってみようと決心する。この短編はお市が時次郎からもらった簪を橋の上から暗い川に投げ捨てて終わるのですが、一途であった娘の哀れさがいつまでも漂う幕切れです。 「暗い鏡」は、幼い頃両親に死別したために面倒を見てやっていた姪のおきみは、実は私娼で客との金のいざこざで殺される。 遺品からは政五郎が与えてやった手鏡がでてくる。たった一人の身寄りに注いでやった愛情が薄かったことにやりきれない気になった政五郎は、おきみを苦界に引きずりこんだ渡世人亀次郎を探しだし老いの身をかえりみず殴りかかっていく。 私がこの9編のなかで一番好きなのは「鬼気」。いずれも腕に自慢の若侍が藩内一の使い手は誰かということで詮索する話です。その当人の細谷久太夫については刀を抜かぬまま決闘を仲裁したとか、いくつか非凡さを物語るエピソードが紹介されるのですが、ほんの最後まで当人はほとんど登場しないまま物語は終わり、それでいて読者もすごい使い手だったのだろうなと納得させられる構成となっています。練りに練られた芥川龍之介やあるいはロアルド・ダールの短編のような趣があります。(ロングバージョンのレビューは [...]のレジャー→エンタメでどうぞ) | ||||
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買ったときはそれほど期待していた短編集ではなかった。武家ものあり。江戸市井ものあり。雑多な短編の寄せ集めかと思っていた。しかし途中で「おや…」と思いだした。表題作をしのぐ短編が次ぎから次ぎとでてくる。「そうか…自選傑作時代小説か」慎み深い著者ならでは、本来ならもっと宣伝してしかるべき傑作がこの中には散り置かれているのである。たとえば珍しく史実に材を取りながら、ラストで見事な剣術小説に変貌している『一夢の敗北』、苦いラストと微かな希望も宿した男と女を描く『裏切り』、芯の強い一人の女性の輪郭を描いて見事な『泣くな、けい』、そして私が最も感銘を受けたのは『孫十の逆襲』。ときは戦国時代、野伏せリの襲撃におびえる村人が取った自衛の策とは…。まるで『七人の侍』のような設定ではあるが、ここで村民の取った策は村の中で唯一いくさに出た経験のある孫十に頼ることであった。戦国時代、名のある大将は二万十万という兵を動かす。しかし何の変哲もない逃げまわっているばかりのその中の一人の兵隊を主人公にした小説はあったろうか。今は昔、その兵隊も孫を持つ老人になっている。しかし、この大事、彼は担がれるわけである。その顛末も『七人の侍』に負けないほど面白いが、何の変哲もない一兵士がどこからやってきて、どういう一生を送ったか、描いている点でもこの短編は出色である。孫十はがんばった。 | ||||
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