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闇の穴
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闇の穴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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藤沢作品は、オチというようなものが無いのに、 そのじわりとくる読後感をもう一度味わいたくて 何度も読むことが多いけど、これはちょっとしんどいかも…。 映画にもなった「小川の辺」を含む短編集ですが、 人の性が非常に有り体に描かれているものが多いです。 そのエグさは、もしかしたら作者が意図したもので 人間という生き物の一側面であるのかも知れませんが、 救いようがないと言えばあまりに救いが無く、 「はあ、嫌なものを見た…」という気分にさせられました。 個人的には「冤罪」や「時雨みち」「麦屋町昼下がり」「橋ものがたり」 などの方が、また、氏の作品では武家ものの方が好きです。 ああ、でもタイトル通りこれは 人の中にある「闇の穴」を覗き込むようなお話なのかも… | ||||
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悲しすぎる。むなしすぎる。 小説なんだから、作り話なんだから、もっとすっきりする話になっていいんじゃないかと思うくらい。 やるせない。なんとかならないのかと思ってしまう小説が冒頭から2本続けて掲載されている。 藤沢周平は江戸時代のいいところも描くし、このような負の部分も描く。 百姓の逃散は死罪だったらしいが、武士の逐電はどうだろう。 江戸時代は、逃げ出すことも命がけだったんだと思うと、脳天気に江戸時代はステキ!なんて言えなくなる。 | ||||
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江戸時代の東北辺りを中心とした様々な人々の生活の中の大きな出来事を切り取った短編集です。中でも私が読んで気に入ったのは「木綿触れ」です。城に勤める下級武士の、子供を幼くして亡くしてしまったことからふさぎ込んでいる妻への思いやりを描いた作品はかなり濃密で短編でなくとも良さそうな話しを短編にした事でのスピード感を文章でも損なわないテクニックも上手いですし、面白かったです。陳腐な表現になってしまいますが、男の、あるいは女の、その時代の息遣いまで表されていて、しかも自然でよかったです。時代設定が違うことに自然に入り込めることはとても技術のいることだと思いますし、なかなか自然な流れとして情景が浮かびにくかったりしますし、妙に人間関係が濃すぎて興醒めだったりしやすくなりますが、その辺も細やかに気遣われていて良かったです。 表題作「闇の穴」よりも、私は「木綿触れ」や武士のしきたりというか不条理に耐える「小川の辺」の臨場感や不安感を押します。毛色の違う民話のような作品の「荒れ野」や、語り手の怪談「夜が軋む」も良かったです。ただ割合アレ方面の話しが直接的で、その辺がどうも鼻につく感じもありました。 良かったですが、何作も追いかけたくなる程ではなかった、老後の楽しみにとって置いきたくなるような感じです。多分歳をとるともっと素直に、ストレートなモノを好むようになるのでは?と思うので。 時代劇が好きな方に、腑に落ちるのがスッキリする方に、年齢を重ねた方にオススメ致します。 | ||||
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