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死の島
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死の島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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元々小池真理子は好きで全て読んでいる。エッセイは興味なかったもののやはり読もうと「月夜の森の梟」を読んだ後に小説も読みたくなりすぐ読んでしまったせいか、主人公とご自身の夫の話とかぶるところがありすぎてどちらを読んでいるかわからなくなりそうな非常に似通った文章。主人公の実際69歳がそこまで魅力的とは思えない中魅力的に仕立て上げようとする必死な小細工も役に立たず最後こそ何か大きな仕掛けが待っていてくれるのだと思いながら我慢して読み進んだとしても若い女との関係も中途半端で(私がその女だったらすぐに別荘に訪ねていくし誰しもそうだろう。もどかしくて腹が立つ設定)読後「え?これで終わり?これは小説?」と思ってしまった。すべてが主人公に都合良く(若い女まで与えられている)自殺を美化した空想随筆。心弱い私は読後に主人公の死に方が楽そうで良さそうだ、しか残らず非常に危険と感じた。そう簡単に死ねないからこそ小説が生まれその壮絶な他人の人生に涙するのではないのでしょうか? 「こうやって死ねば楽でしょう?すごいでしょう?」と、うっかり見てしまったYouTubeの嫌な動画のような読了後、他人には絶対におすすめしないということでレビューを初めて書いた次第です。 | ||||
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(ネタバレあり)尊厳死とは、ほど遠い自己陶酔自殺の話。絵画の「死の島」が出て来るのも唐突だし、若い女性(祖父と実母が肉体関係にあった過去)の身の上や、彼女との結びつきも安直。このように自殺を美化する小説は不愉快。 | ||||
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主人公は、おのれが癌という病気を背負いこんだ原因を、次のように分析しています。 ----------------------------------------- それらを彼は、日毎夜毎、酒を飲むことによってなだめすかしてきた。飽きることなく肺の奥に送り込み続けてきた煙草の煙も、尖ったものを和らげるために、三度の食事よりも必要なものだった。 長い間、頭の中に、常に大量の血を送り込まなければならないような生き方をしてきた。怒りと苛立ち、不満と嫌悪、皮肉が彼を支配していた。血管は常時、膨れあがり、爆発寸前になっていた。 その結果、細胞に病変が生じた。悪性化し、取り返しがつかなくなった。刻々と死が近づいていた。 自業自得とはまさにこのことだった。 ----------------------------------------- 小説の筋書きが進行する中で、このようなことが書かれること自体を私は珍しく感じ、読み進める途中でこのページに付箋紙を貼った次第です。 今では日常的に使われる「生活習慣病」と言葉は言い得て妙であり、引用した箇所の文章の簡潔さとうまさに、改めて感心しました。 ◆ 推理小説も詰将棋も、その多くはメイントリックを先ず思いつき、それを肉付けし大きく膨らませ一編の作品に仕上げるといったような作り方が多く採られていると思います。 私はこの小説を読み進める中で、「脱血死」という自殺方法の情報を作者が手に入れたことによってこの小説を成立させたのでは、と感じています。 ただ、主人公が仕立てた自殺計画が余りにも鮮やかで、物語が破綻なく進み過ぎるきらいが否めません。「脱血死」というメインテーマの色彩が強すぎて、小説の細かいところの上手さが霞んでしまったような印象を受けました。 作者が最も得意とする男女の恋愛をメインテーマとした小説を渇望する私どもにとっては、やはり物足りなさを感じた一編でした。 | ||||
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自分自信が癌になったこともあり、主人公に、簡単に、感情移入できた、最期の文は、こんなにうまくいくとは思えないが、リアルの表現で、思わず、よみこまされた、直木賞作品、恋と並ぶ著者の最高傑作になるのでは. | ||||
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つまらなかった。内容が薄っぺらく、設定や文体、登場人物が全体的に古臭い。全く共感できず、好きになれる人物もいなかった。 20年ほど前に「恋」や「欲望」を読んだ時は面白かったが、もうこの作者は終わったと思う。どうしてこんな駄作を出版するのか謎でしかない。 | ||||
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新聞のエンタメレビュー欄で評価が高かったので読んでみた。けれど軽く落胆。読む価値があるかどうか、正直微妙なレベル。 何の事件も起きないし、特に最後のオチや捻りがあるわけでもない。この点でまずミステリーとしては失格か。 恋愛小説としても果たしてどうか。そもそも主人公とアルバイト娘とは恋仲ではないので、これも駄目そう。 ガンになった男の人生最後のハプニング、夢物語としてなら○。けど、それって何? | ||||
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題のベックリンの絵はこの本を手に取る読者や、この本に登場する文系の人たちにとっては共通言語的に旧知の絵だと思う それほどまでにこの絵は作中でも語られるように深くて、いい絵だ ベックリン自身も何作か同じ題でバリエーションを残しているしこの絵やこの絵の与えるテーマ性にインスパイアされた アーチストが死の島の枝葉を派生させていてそれぞれに新鮮で興味深い。 中島京子さんも怖い絵シリーズの初期に選んでいてこの絵に纏わるエピソードを知ることができる。 興味ある方は検索してみると良い だがこの物語では主人公の遣り手の老編集者は昔の恋人の遺品として託された画集から初めて死の島、の絵を知るのは違和感を 感じた 小池さんはこの絵はこのように扱うべきではなかったのではないか? 死の島とは全く別の、認知度の低い絵を題名に採用するか、 (表紙の山本六三のスフィンクス、でも良い) 絵画死の島を知る男女がより深くこの絵にかかわり合うような物語とするか、したら、よりこの物語の深淵は増しただろう (美術史実にあるこの絵を注文した女性のエピソードと主人公の自分の癌における自死への思いについて絡めたり、 何点かのバリエーションがある死の島の未発見の一品と対面するとか如何だろうか?原田マハ的だけども) そして、作中で執筆される主人公の教え子、樹里の作品が死の島と深く新しくかかわり別の小説に変容してゆく物語を 期待している自分がいる いや、いっそ自ら書いてしまおうか? そんな不遜なことを思い付いてみる 小池さんに手酷い平手打ちをされそうな気がして恐ろしくもあるが、自分は密かにそれを心待ちにしているようでもある | ||||
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小池真理子さんの作品だけは、ほとんど読んでいます。相変わらず、巧い。読みやすい。 夢中になって、話の中に入っていけました。 小池さんの世界観がたまらなく好きです。 うーん・・。30代以上くらいではないと、この良さはわからないかもしれません・・。 読んでいて、余韻が残るというか・・・。それを味わうのが小池作品の醍醐味かもしれません。 | ||||
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小池真理子さんのエッセイは非常に読みやすく感銘を受けたのですが、なぜか小説にはいままでが出ませんでしたが、週刊誌に良い書評が出ていたのでこの小説を読んでみました。とても読みやすく、面白い内容で読んで良かったと思います。 | ||||
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先般(2018年1月21日)の西部邁氏自裁のニュースがまだ記憶に新しいさなかに、なんとも小説的な、あまりにも小説的な身の処し方であることよ。女たらしが原因で女房と娘に三行半を突きつけられ、それでも呑気に孤独な暮らしを謳歌し、かつて惚れた女への甘美な追憶に浸り、あまつさえカルチャースクールで知り合った若い女とイイ感じのおつき合いを愉しむ。末期癌で余命いくばくもない事態さえのほほんとブンガク的に受け止める。たまさか耳にした「楽に死ねる方法」を実践せんがためにわがままを通す。どこが「尊厳死」なのか。<プライド高く、理性的なひとりの男が、自分らしい「死」の道を選び取るまでの内面>だなんて、よく言うよ。69歳にもなって甘えと自己陶酔の極地である。三島の、川端の、江藤の自裁とみずからのそれを並置するなんて、大いなる勘違いだ。とんちんかんなヒロイズムだ。そうそう、こんな下種の文芸編集者、いるよねぇ。やだやだ。 | ||||
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