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(短編集)
隠し剣孤影抄
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隠し剣孤影抄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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4度目の再読、最後の一編のこの作品がやはり、一番読み込ませた、 | ||||
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映画「必死剣 鳥刺し」を見て、原作を読みたくなり購入しました。短編集ですが、どの作品も一気に読めるおもしろさ。藤沢周平の他の作品も読もうと思います。 | ||||
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ストーリーの展開にわくわくしながら読み進めた。楽しく読めた。 | ||||
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剣術の描写があざやかです。藤沢周平は人、景色の描写がきれいです。今回読んだのは剣術場面もとてもわかりやすくあざやかに書かれていました。 | ||||
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時代小説もなかなか面白いもんなんだなあ、と思いました。また藤沢周平の小説を読んでみたくなりました。 | ||||
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藤沢周平作品の映画を観て読書。やはり原作を読むとまた思い方が変わります。 | ||||
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藤沢作品のレビューを見ていると嬉しくなります。 他の話題作品は悪いところばかりあげつらっているものが少なくないのですが、ここのレビューは皆さんが作品のいいところを数多くあげておられるので。 藤沢作品には私のようなぎすぎすした心を持ったものでも、何か染み渡ってくるものがあります。 剣豪とは決して試練潔白ではない。女にだらしなかったり、顔に自信がなかったり、嫁に垂れ落ちる鼻水を拭いてもらったり、ととても剣に生きる人物とは、私も主人公の周囲も考えていない。 それがひとたび剣を握ると・・・・・、のギャップに周囲は驚かされ、また読んでいる私もそこに面白みを感じるのです。 作品それぞれの主人公が全て幸福になるわけではないのに、読後に不思議と不快さはない珍しい作品ばかりです。 中でも「女人剣さざなみ」は主人公のこの後も想像され、最も心に残る作品でした。 顔がまずいだけで、女性の私から見てもいじらしくてかわいらしい人なのに。剣が強くなくとも十分魅力的です。男の人って駄目ですね。何か一ヶ所とりえがないと愛せないんだから。主人公の夫も強いことがわかって見直したともとれるけれど、主人公が満足したみたいだから我慢しとこう。 レビューの中に「南キャンの静ちゃん主演」でとありましたね。まさにぴったりです。私もそれで実写化してほしい。 あずみよりよっぽどおもしろくなるはず。 | ||||
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こうした時代小説をじっくり読むことはあまりなかった。難しそうだし、オジさん臭いし。 でも読んでみればべつだん驚くことはない、時代は江戸でも書かれている人間はいまの私たちと変わりはない。悩み苦しんでいることはいつの時代も同じだということだ。 本著ではとくに恋に悩み苦しんでいる登場人物が多い。主人公だけでなく、主人公の回りにいる人物たちも。いつの時代も人の心を迷わすのは恋だということだ。 サブタイトルにも書かれている秘剣のとおり、主人公たちは皆優れた剣客であり秘剣を持つ達人たちだ。 そんな彼らがいかにその秘剣を遣わざる得なくなるのか、それが物語の中心ともいえる。 時代劇にあるような、悪を倒すために使う、というものもある。正しくハッピーエンド。胸がすっとする勧善懲悪物語。 でも、必ずしもそうした物語だけというわけではない。むしろ、なんとも言えない、後味が悪いわけではないが、決してハッピーエンドと両手を上げて喜べない物語のほうが多い。 必殺剣を使えば人が死ぬ。人が死ねば悲しむ人が必ずいる。使った人物も、決して喜んで使っているわけではない。遣わざるを得ず使う。 そのあたりの葛藤。また秘剣を使うものがいつも正義とはかぎらない。悪のために秘剣を使うものもいる。またその秘剣を利用しようとする悪人もいる。 なぜ彼らはその秘剣を使わなければならないのか。 そこに至るまでの物語を、短編でありながらも、深く丁寧に心に沁み込むように書き綴っている。 | ||||
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名匠として、時代小説の歴史にその名を燦然と刻む藤沢周平。 その匠の技と魅力とを手っ取り早く知ろうとするなら、 この「隠し剣」を素材とするこの短編集はまさにうってつけではないか。 そういえばここ数年、「隠し剣」のシリーズから何本か映画が作られたが、それも納得である。 たしかに映画にしたくなるもの、かつ映画として成功するだけの理由が、ここにはあると思う。 「隠し剣」というからには、日ごろは人に知られていない秘密の剣技である。 なんといってもこの設定の着想が魅力だ。 たとえば、かの有名な佐々木小次郎の「燕返し」であれば、 世に鳴り響いた技であっただろうし、どのような技かについて、イメージぐらいは一般にあったであろう。 実際には、その技の詳細を知ることは対戦相手にしか許されず、 ということは知ることはそのまま死を意味したかもしれないにしてもだ。 しかし「隠し剣」の場合、技の正体は不明であり、場合によってはその存在すら知られていない。 というわけで、どのような技なのか、というのがまず謎としてあって、読者をひきつける。 ミステリーなのである。 だがミステリーというのなら、謎としてあるのは、剣の技もさることながら、 それ以上にそれにからむ人間たちについてのものだ。 秘技が生まれるには当然それなりの経緯がある。 また、それが秘密のベールを破って使われるとなると、それ以上に人間のドラマがからむ。 こうした事情を明らかにする中で浮かび上がる人間像、その心象風景こそが、 つまるところこの短編集について真に魅力的な点だろう。 それはまた、この作家の持ち味が最も発揮される点でもあると思われる。 そう考えると、「隠し剣」という共通項のもとに、さまざまなタイプの技が描かれ、 同時にそこに潜むさまざまな事情や人間模様が描かれる「連作短編集」という形式はもってこいである。 バリエーションが実に楽しい。手元において、じっくり読み味わえる本だと思う。 とはいえ気軽に読める話かといえば、必ずしもそうではない。 若い頃はひたすら暗い作風だったというこの作家の物語は、ときに重い。 描かれた真実が心に沁みるわけだが、重さを敬遠する読者があっても不思議はないだろう。 そうなると好みの問題といわざるを得ないわけだが、それでも語りの巧みさは疑いようがないと思う。 特に印象深かったのは、最近、豊川悦司の主演で映画になった「必死剣鳥刺し」。 映画についてはほとんど知らないが、なるほど注目すべき作品なのはよくわかる。 寝る前に読んだのが、翌朝まで深く深く心に残った。 | ||||
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「邪剣竜尾返し」 「臆病剣松風」 「暗殺剣虎の眼」 「必死剣鳥刺し」 「隠し剣鬼の爪」 「女人剣さざ波」 「悲運剣芦刈り」 「宿命剣鬼走り」 ”隠し剣”8篇のオムニバス作品です。 家宝は決して人に見られてはならないと伝えられます。 隠し剣とは、流派の家宝で、たった一人に伝授されてゆく必殺の剣です。 本当にあるのかどうか、噂でしか人は知りません。 その技を伝授された8人の武士が辿る運命が墨絵のように描かれます。 読んでいるうちに映像が脳裏に浮かび、登場人物が動き始めるような思いがします。 流石に短編の名手。小説の醍醐味のような面白さが味わえると思います。 | ||||
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忙しい合間を縫って昼飯食べながら1頁1ページ、1作ずつ読んだ「隠し剣孤影抄」。近年映画化の続く藤沢作品だが2010年には本作所載の「必死剣鳥刺し」が公開されている。「隠し剣鬼の爪」も良かったが、「必死剣鳥刺し」も楽しみな作品。 小説で描かれた8つの隠し剣、最後に収録された「宿命剣鬼走り」もかつて時代劇スペシャルとして萬屋欽之助主演で映像化されている。家の存続の為に子供たちを失いながら耐えた壮年の男が、すべてを亡くした時、求めた道とは何だったのか? 「女剣さざなみ」も面白かった。心の通わぬ夫婦が寒々とした家庭を営む中で、避けて通れぬ亭主の危機が 降りかかる。家庭に夫婦の気持ちが通わぬことで、女房の心はさざなみたつ。避けて通れぬ事件の果てに夫婦の幸せを掴む二人の姿が何とも印象的な物語だった。 そういう意味では、本作でつづられる男女の在り方、「必死剣鳥刺し」も「臆病剣松風」も死をやり取りする必殺剣の使い手が切り開こうとしていたのは守りたい者への不器用なまでの思いであろうか? 藤沢周平も没後10余年経つ。遅れてきたファンにとって「これは!」と思う作品に巡り合うと、どうしても作家の周辺や人となり、作品やその映像化などが気になる。先日買い求めた「隠し剣孤影抄」を読み終えたばかり。朝日新聞社から2007年に刊行された「週刊藤沢周平の世界」を広げながらその作品世界を紐解く。著名な作家や作品の解説が副読本としてはとても面白い。 そんな折、2010年オール読物7月号での大特集を読んだ。本書は鬼籍に入って10余年経つも、藤沢作品を巡る周辺は映画化も続き藤沢先生の郷里・山形県鶴岡市では2010年春に「鶴岡市立藤沢周平記念館」も開館し、活況を呈している。 活況をといっても藤沢先生のお人柄や、作品を読み続けるに従いあまり華やかな場所を好まれない方、と推察する。そういった所も今回寄稿されているご息女遠藤展子さんの「父の里帰り」に詳しく紹介されている。 | ||||
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数々の秘剣の呼称を各作品の題名に付け、その剣技の妙と共に男女の機微を描いた魅力溢れる短編集。特にヒロインの描写が玄妙を極め、剣技が霞む程。旧来の剣豪小説の枠をはみ出した意欲作と言える。秘剣の呼称を「邪剣」、「臆病剣」などと敢えてネガティヴに付けている所も心憎い。 「邪剣竜尾返し」は古代の歌垣を思わせる幻想的な冒頭から始まり、主人公の剣敵の妻の真意を中心として虚実が曖昧模糊としたまま物語が終ると言う奇譚。「臆病剣松風」は「たそがれ清兵衛」を思わせる内容で、ホノボノとした夫婦愛が微笑ましい。「暗殺剣虎ノ眼」は一見平凡な藩の権力闘争と見せかけて、結末でヒロインと読者を闇に落とす手法が卓抜。「必死剣鳥刺し」は主人公の過酷な運命と対比するかのような結末のヒロインの明るさと逞しさが物語に救いを与えている。「隠し剣鬼ノ爪」は木目細かい自然描写を背景に、秘剣の意外な用途、妖艶な美女の悲哀、純情な娘の可憐さが一体となって描かれた秀作。「女人剣さざ波」は既読だったが、何度読んでもヒロインの一途さと健気さに胸が熱くなる傑作。「悲運剣芦刈り」は男女の業の深さを扱ったものだが、秘剣の運命以外はやや平凡か。「宿命剣鬼走り」は二人の藩士と、二人が想いを寄せる尼の数十年に渡る宿縁をミニ大河ドラマ風に描いた異色作。 迫力ある剣技と深遠な女性心理と言う男性にとって魅力的な二大テーマを巧妙に織り交ぜて描いた時代小説の傑作短編集。 | ||||
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一撃必殺の技。ただひとりに伝承され、それを受け継ぐ剣客8人。そうした秘剣の 継承者でありながら、彼等はほとんどが下級武士で不遇のうちにある。そんな彼ら が時に運命に、時に己の心の弱さに翻弄され、その剣を抜く。 彼らの行動とその行く末に、彼らの武士の意地、義を重んじる心、事を前にした 潔さといった、『武士の生き様』が真っ直ぐに描かれており、どことなく憧れとも 郷愁とも似た想いを感じられるような、味わい深い短編8作が収められている。 個人的には、 ・必死剣鳥刺し ・悲運剣芦刈り ・宿命剣鬼走り に感銘を受けた。この世界観は作者独特の境地だろう。時代小説ファンなら思わず 唸る作品だと思う。 | ||||
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小説としての完成度は、全体的には『隠し剣秋風抄』の方が高いとみますが、悲話の多い本書も、忘れがたい名編ぞろいの作品集でした。特に、巻末の中編である「宿命剣鬼走り」は、森鴎外の「阿部一族」を思わせる滅びの美学に満ちた佳品で、読後しばしの間立ち上がることができませんでした。とにかく一読をお薦めします。 | ||||
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初出はオール読物の昭和51年10月から昭和53年3月。単行本は昭和56年1月。 何しろ『隠し剣』シリーズはホント面白い。出てくる主人公がみんな個性的だ。続巻の『隠し剣秋風抄』では最後に藤沢周平自身があとがきを書いていて、3ヶ月毎にやってくる締め切りが楽しめた、と書いている。なかなか無い感想だ。 印象に残ったのがまず『女人剣さざ波』。夫の替わりに果たし合いに行く妻という設定が凄いな。そしてラストの『宿命剣鬼走り』だ。山田洋次に二番目に映画化された『隠し剣鬼ノ爪』は面白かったが最高ではなかった。映画化するなら絶対『宿命剣鬼走り』だと思う。これは実に良くできている。是非とも次の作品として山田洋次に映画にして欲しい。期待しています。 | ||||
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藤沢作品のよさはまず安心感。まず、はずれがない。 そして読後感のよさ。 うーんとうなったり、やられたと思ったり。 そして、短編での藤沢作品のよさは最後の一文にある。 一編一編余韻に浸れるすばらしい一文がそこにはある。 個人的には、女人剣さざ波を南海キャンディーズの静ちゃん主演で映画化もありかなと思う。 | ||||
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分限のなかで与えられた運命を淡々と生きていく。必殺剣はそうした運命にささやかな抗い、揺らぎをもたらすものである。藤沢周平のカタルシスは大上段なものではなく、ほんのささやかで、時には青白い情念の昇華として書き表されていく。下級武士の生活を描いた時代劇物は、藤沢以前にはそれほど描かれることのなかったといわれる。封建身分で「最上位」といえども、鴻毛の如く軽く扱われる彼らの「分」を、大儀を上から振りかざすことなく描くのが特徴的。 | ||||
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8つの物語でそれぞれの秘剣を操るのは、日頃は影も薄い冴えない下級武士。とても秘剣の伝承者とは思えないような男達がお家の一大事、お上の命を受けやむを得ず隠剣を使う。それも一瞬のうちに。その剣のために命を落とす者もいる。 なにゆえ、この男達は貧しい暮らしの中で秘剣のことをひた隠し、毎日額に汗し泥にまみれ、手のひらのような小さい幸せの中に生きながら、ひとたび命を受ければ、その全てを捨ててまで剣を使うのか。日頃思い描く武士や侍とは少しちがう男達である。しかし、いずれの使い手もまちがいなく男の生き様である。 この作品は、これまでの藤沢周平の作品の中では、こころなしか主人公の周囲の女達の恋慕や情、欲といったものが色濃く描かれている。それが余計に男たちの潔さを引き立てている。 藤沢周平の描く時代劇は、無情さと切なさの中に不思議とさわやかな清涼感がある。 | ||||
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藤沢周平ファンとしては、たそがれ清兵衛に続き、鬼の爪が映画化されるのは嬉しい限りです。 本シリーズは主人公、またはそれに準じる者が秘剣を持っており、それを人生の節目で使います。しかしながら、その響きとは異なり、秘剣を使うことは必ずしも華々しいものではなありません。やむにやまれず使うこともあるし、最後に一矢報いるために使うなど。 主人公が派手な人間ではなく、地味な人が多く、剣が強いというのもそれほど大したメリットではないような社会で生きています。個人的には必死剣鳥刺し 女人剣さざ波の二つが非常に好きです。 | ||||
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大好きな藤沢さんの、時代小説短編集。 各編に「秘剣」とされる剣技名のタイトルをあてていて、それぞれの主人公にぴったりとはまっています。 共感できるのは、主人公たちが皆、サムライ然としているわけでなく、普通の男に見えるところかもしれない。臆病でだらしなく、浮気者で偏屈。昔伝授された秘剣を忘れ去ってしまった者だっている。だけど、ここぞというときの、彼らの行動やキラリと光る剣裁きに、スカッとしたここちよい風を感じる。 どんなに時が経っても、なにかの事情で落ちぶれていても、かつて秘剣を学び使いこなした彼らが、ひとつの信念をつらぬき、それぞれの敵を倒していくストーリーは時代小説好きでなくとも楽しめます。 | ||||
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