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凶刃 用心棒日月抄
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凶刃 用心棒日月抄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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単行本を持っているのですけど、キンドルにまとめたくて、シリーズ4作を買ってしましました。時々、シリーズを読み返しています | ||||
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主人公がやや年輩となり、また身分が浪人ではなく、れっきとした藩の家臣であることが前三作とは趣を異にするところでしょうか。 さらに、用心棒稼業のエピソードが軽快に織り交ぜてあるわけでなく、終始正体不明の敵と戦い続けながら事件の真相を解明してゆく、という不気味な展開に少しずつ引き込まれてゆき、最後に、何かほっとする結末が印象的でした。 | ||||
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青江又八郎の若い頃からの用心棒稼業と刺客との戦いから始まり、美作森藩浪人の細谷源太夫とのコミカルな縁も楽しく江戸の生活が続くが、続編からその続きと、脱藩した藩に再度復帰しながら問題がある度に、二回も脱藩して江戸の町にて敵と戦う。最後の章であるこの凶刃は、三作目から16年の年月が経ったとこから始まる。それぞれが年月を経て、又八郎も中年太りし細谷はアル中になっている。ヒロインである佐知は相変わらずストイックでいい女。血統のシーンは又八郎はいつも最強だけど、テレビのチャンバラの様にはなくて、ほぼ一振り二振りで決着がつく。これぞ剣豪の物語だな。さすがは藤沢文学だった。 | ||||
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ふと手にした用心棒日月抄、気が付けばその魅力にドップリはまり、シリーズ4冊を現在3度読み。それでも飽きる事なくまだまだ読みたい気持ちでいっぱいです。完結編にふさわしいラストの〆は、何度読んでもその爽やかなシーンが想像され、誠に晴々とした気持ちで、新たなストーリーに続くような錯覚と余韻で読了させてくれます。 | ||||
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『用心棒日月抄』シリーズの最後を飾るのが本書である。 初めに断っておくが、このシリーズ4は、シリーズ3までとはかなり趣を異にしている。 若くて男前の又八郎が、陽気な用心棒仲間の細谷や、腹の底は読めないが決して悪い人間ではない口入屋の相模屋吉蔵と、江戸の町を舞台に、貧しくとも気ままな浪人暮らしを送る。 彼らのこういった雰囲気に浸るのが、おそらくは『用心棒日月抄』シリーズを読む醍醐味であるだろう。 本シリーズのファンで、こういった雰囲気にまったりと浸りながら、吉蔵が斡旋するいくつかの用心棒の役目を、又八郎がどうこなすかたっぷり読み味わおうと思っている人は、無理には本書を読まない方がいいかもしれない。 又八郎が江戸で用心棒家業をしていた月日は、もう遠い昔のことである。 みんな、年を重ねて変わってしまった。 又八郎も吉蔵も細谷も、すっかり変わってしまった。 又八郎は、藩でそれなりの役に就き、本作では、江戸に行きこそすれ、もはや用心棒を引き受けることができない身分になっている(実は、多少用心棒らしい活躍も本書には出てくるが)。 吉蔵と細谷は、変わりようが甚だしいので、ここではあえて触れぬことにしよう。 又八郎は、藩の存亡に関わる密命を果たすために江戸の藩邸に数ヶ月滞在する。 実は、今回の事件はとても複雑で、関係者は膨大なものになる。 この一冊で、今までの三冊分に登場した人数に匹敵するのではないかと思うほどの人間を、かなり努力して頭に入れなければならない。 今までのように、短い用心棒噺で適度に区切りがつくのではなく、ずっと一つの事件を追っていかなければならないので、読むのは結構疲れる。 また、人々の行動や情景描写で状況が把握できたこれまでのシリーズとは違い、会話や独白による推理が中心になるので、状況をつかむのにもなかなか骨が折れる。 下手をすると中盤で挫折してしまうかもしれない。 そこをこらえられるかどうかが、本書を楽しむこつになるだろう。 このように書くと、まるで本書を読むなと忠告しているかのようであるが、決してそういうわけではない。 本書の楽しみは、やはり佐知との再会であろう。 常に緊張感のある中で暮らしているせいか、佐知だけはさほど昔と変わらない印象である。外見も若々しく、敏捷で賢い(仏心が萌してくるというのが、大きな違いだが)。 又八郎と佐知の久方ぶりの邂逅もなかなか味わい深いものがある。 この二人は、自分たちの立場を十分にわきまえながらも、心では互いに強く引き合っている。 しかし佐知は、生まれたときから今に至るまで、常に日陰の身。 その悲しさもじわじわと又八郎に伝わっていく。 又八郎は、感情では佐知、現実では由亀と、きっぱりけじめをつけているようだ。ここが全くぶれないのも、又八郎の魅力を形成している(この辺は、『蝉しぐれ』の文四郎と似ている。しかし、自由に選べたら文四郎は間違いなくふくを取るだろう。又八郎は、自由に選べたら佐知を取るであろうか? そこはよくわからない)。 ともあれ、又八郎がこの事件が解決し、故郷に戻れば、二度と佐知に会うことはないだろう。 又八郎はそう思うと悲しくなるが、ラストで意外な展開があり、又八郎の気持ちをまたもや動かすことになる。 藤沢周平は、いつもどことなく後味のいい作品を書く人だが、この終わり方もとてもいいと思った。 年を重ね、魅力に磨きがかかる佐知、佐知と又八郎との邂逅、佐知の行く末、これらを読むことは、シリーズ4の大きな楽しみである。 それにしても、藩の秘密の解明は複雑で難解だった。このシリーズ4だけで、シリーズ全体を総括し、さらには事件後の登場人物たちの生き方を読者に思い描かせるためには、確かにこのような書き方が必要になるだろう。 意地悪な見方をすれば、ストーリーの面白さは多少犠牲にして、事実関係の整理整頓に専念したという形にも見える。 できれば、二つのシリーズにわけて書いてほしかったが、若かりし頃の又八郎が発散する魅力も若干薄れたし、とにかく吉蔵と細谷があの状態では、二つのシリーズにわけるのは無理であったとも思う。 このように、シリーズ4の書き方に違和感が残るのは仕方がないことだと自分に言い聞かせていると、シリーズ1のレビューでも取り上げた清水房雄の文章に行き当たった。これを読んで、少しヒントをもらった気がしたので、以下に引用してみた。これは、『用心棒日月抄』シリーズに対する解説ではなく、『白き瓶』というドキュメンタリーに近い小説に対するものだが、書き方も含めて多少参考になるのではないか。 「巧者な小説作りとしての定評ある氏が、敢えてその巧者をふりきって、無骨なまでに事実(資料)の重みに心を置いたのも、その必然の帰結であろう。 さて、小説は何よりも面白さが第一に大切だと言われる。面白さにもいろいろあるが、この『白き瓶』の小説としての面白さは何であるか、と問われれば、私はただちに答えよう、それは骨の折れる面白さである、と。 こういう世の中だからこそ、そのような面白さがあってもよかろうではないか。そして、現に、この作品の雑誌連載中の好評のことや、単行本になってからの売れ行きのよさ、などのことを思えば、世には私と同じように、骨の折れる面白さを待望する人々が数多くいることを知り、いささか心安んずるわけである。」(清水房雄〈藤沢周平『白き瓶』解説〉文春文庫) 確かに、このシリーズ4には、骨の折れる面白さがある。苦労して事件の顛末を読み、ラストシーンにたどり着けば、達成感とともに、又八郎と佐知の行く末へのある種の安堵感が得られる。 | ||||
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この四部作は何回読んでも飽きない。江戸の町並みを背景に颯爽とした主人公と脇役の個性がいきいきとして描かれ、さらに藤沢作品に共通する女性のp美しさ、生きざまに惚れぼれします。 | ||||
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用心棒日月抄シリーズ前作から何年か間を置いて読みました。物語の中でも16年が過ぎ、みな変わっています。青江又八郎は腹が出た中年男に。細谷源太夫はアル中老人に。口入れ屋のおやじ吉蔵は干し柿のようなシワシワ爺さんに。細谷の、底の底まで落ちた惨めな姿が痛々しい。青江は、四六時中命を狙われる状況にありながら、逢引きは欠かしません。幕府隠密や藩の陰の者や黒幕が死闘を繰り広げるそもそもの理由については、そこまでやるほどのことか?という気がします…。 | ||||
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藤沢周平、池波正太郎は年配者の読む本と思っていた。やがて62歳を迎えるこの時期にやっと藤沢氏の著作に手が伸びた。 石田氏のエッセイで絶賛されていたが「江戸の風景、人物描写、リアルな真剣勝負等々」シリーズ4作一気に読了できた。 | ||||
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藤沢さんの作品が好きでこの本も読みたく購入しました。商品も良好で満足しています。 | ||||
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『用心棒日月抄』はテレビでも見たが、最終巻の『凶刃』は文庫で読むことになった。藤沢周平の作品は映画などよりも、読むのが一番良い。殺陣が映画とは違って、派手ではないが、かえって真実味があって、私は大好きである。『凶刃』では、主人公の青江又八郎は中年になって、下腹の出てきたのを気にしている。物語は、東北の小藩と江戸藩邸と幕府との三つ巴となる。又八郎には妻の由亀がいて、彼は今は城勤めをしている。そこに降って湧いたように江戸行きの命が下る。隠密組織の解散を成し遂げるためである。江戸の女隠密たちの棟梁の佐知は、かつての恋人で、二人は協力して藩主の側室の秘密をさぐり、二人を殺害しようとする最強の剣士や隠密たちと闘う。若い時期を過ぎた又八郎と佐知の生き方に、大人の知恵が感じられ、たびたび出て来る江戸の商人たちにも独特の性格が感じられる。そして、二人を象徴するように、江戸の夕暮れの風景が何度も描かれる。人間は、いずれは年をとって、名剣士といえども、老いて一生を終るのだ。又八郎と佐知の、老年期は静かに過ごそうという気持ちが、痛いほどよく分る。私には、『凶刃』という題名が恨めしい。 | ||||
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40歳を越えてからの藤沢周平ファンですが 新潮文庫から出ているのでは これが一番好きです。(ベストはやっぱり蝉しぐれになりますが・・) 藤沢周平ファンは 9割方男性となるのかな 男でないとこの本を一番とは言わないかも・・ だけど 男には わかるんだよなー。 蝉しぐれも用心棒日月抄も・・ | ||||
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読後の最初の感想がレビューのタイトル。 もうこれに尽きます。 読んでいても、終わりに近づくにつれページをめくるのが惜しくなってくる。 でも、読みたい。 この葛藤の連続でした。 年に何冊かは、ページをめくるのが惜しくなる本と出会うのですが、 この本は久々に出合ったそういう本です。 内容は、サスペンス要素を縦糸に 佐知と平八郎の関係を横糸に展開します。 サスペンスの主題である藩の秘密も読みどころですが、 最大の読みどころは、 佐知の行く末でしょう。 藤沢周平の作品は、読み手の年齢によって受け止め方が変わることが多いですが、 この佐知の行く末もそうでしょう。 この本のレビュー群には、 佐知の行く末を書いたレビューがありますから、 レビューを読むのは作品を読み終えてからにしないと、 損しますよ。 | ||||
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三作目のあとがきをみて、てっきり完結したと思っていた方も多いのでは? 僕もそのクチで、思わぬ贈り物の様に手に取りました。 細谷源太夫の落ちぶれ様といったら。。 酒毒に侵されているのは前々からだが、症状が深刻すぎて笑えないんです。 復活を信じて読み進めるも...。 佐藤B作の居ない『暴れん坊将軍3』といったところ。 ムードメーカーって大事。 | ||||
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藩内きっての剣士 青江又八郎も歳をとる。 ヒーローもまた人間、四十を越して、腹に贅肉も付いたという。 そこはリアリズムの藤沢小説。 山岡荘八や吉川英治のような通俗小説とは、ファンサービスのベクトルが異なるのだ。 どちらに優劣を付けるものではなく、目指すもの期待するものが異なるだけだけど。 佐知も四十に手が届こうとしている。 しかしながら、佐知は相も変わらず美しいままだそうだ。 美しい女が歳をとらないのもまたリアリズムなのだ。 そして細谷はすっかり老いて、この「凶刃―用心棒日月抄」では何も活躍しない。むしろ月日のたったことを強調する役回りになっている。 アル中でダメになっている。 おなじみの痛快チャンバラ小説なのだけれど、この「凶刃―用心棒日月抄」では、人の老いも描かれている。 もうあと10年ほどたって、青江又八郎と佐知が茶飲み友だちになっているところも読みたいものだ。 読めないのだけれど。 | ||||
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最後の用心棒稼業から16年。青江又八郎は嗅足組解散の密命を帯び出府、今度は公務として江戸へ向かった。 しかし、嗅足組み解散には藩の存亡に関わる秘密が根深く絡み、公儀隠密を巻き込んでの暗闘に巻き込まれることとなった。 女嗅足の佐知との時を経た再開とお互いの想い、藩に召し抱えられたはずの細谷源大夫の生き様など時を経てそれぞれの人生が浮き彫りになる。 前3作に比べると、藩の政争に絡んだサスペンスの要素が強く、秘密の解明にたどりつく一つ一つの段階が面白い。 また前作から引き続き登場する佐知や細谷といった人物の生き方にも最後まで目が離せない。 徳川吉宗の時代を武家や商人といった視点で江戸の市井を描くどっしりとした時代小説。 藤沢ワールドの傑作です。 | ||||
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「用心棒日月抄シリーズ」最終作。前作から16年の時が経ったという設定で、青江又八郎が四たび江戸に出向く所から物語は始まる。目的は「嗅足組」の解散を佐知に秘密裏に伝えるためである。前三作は短編集形式だったが、本作は長編形式であり、作品の趣きも異なる。 事件としては、幕府隠密、藩内の影の敵との三つ巴の対決だが、全編を覆うのは老いとそれにめげずに生きて行く人間達の営みである。青江もこの時は42才。人生50年の時代では老境に近いと言って良い。それでも立ち回りのシーンは相変わらずの迫力だが、人を殺す場面に寂寞感が漂う。前作で仕官した筈の相棒の細谷はしくじり、妻を狂死させ、荒んだ生活を送る。だが、この男には「きっと何とかなるだろう」という不思議な明るさがある。狸親父吉蔵の娘が結婚しているという設定も微笑ましい。佐知もそれまで任務に疑いを持たずに行動してきたが、殺人をためらうようになる。女性としての魅力は相変わらずのようだが。有為転変の時の流れの中で、登場人物の中に諦観と希望を見い出すというスタンスで書かれているようだ。 また従来から、武士と庶民、藩と江戸、剣劇と下町人情などの様々な対立軸を中心に物語が紡がれていたが、本作では青江の妻由亀が強調される。由亀も心根が優しく芯の強い女性だ。由亀と佐知、新しい対立軸が注目の的。二人の間で揺れ動く青江の心情は贅沢な悩みに満ちている。藩に帰る青江との別れのシーンで、「尼になって青江の藩に行く」と言う佐知の言葉は、青江そして読者に救いを与える。シリーズを締め括るに相応しい叙情溢れるシーンである。 本シリーズの持つ時代小説の面白さに、作者の人生観が織り込まれた味わい深い傑作。 | ||||
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あれから16年・・・藩のお役目により再び江戸に出る又八郎。多忙なままに 過ぎ去った年月は自身だけなく、かつての仲間の身にも、優しく或いは残酷 に流れていた。 細谷や吉蔵の現在は?藩の存亡に関わる秘事とは?佐知との深い絆の行方は? 過去最強の刺客との決着はいかに? 過去3作と違うミステリータッチの展開も新鮮に、まさに読みどころ満載の 後日談である。 | ||||
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用心棒シリーズの最終章。 主人公の青江又八郎が訳あって江戸に出てきてから、約19年後の話。 16年ぶりに江戸に出てきて、昔の親友たちに会い、近況を知り、さまざまな思いを刻みつつも藩のために働く主人公。 親友、細谷源太夫の変わり果てた(?)姿を見て、私も涙しそうになりました。いやっ正直泣いてしまいました。 最後の場面、親友との別れ、仕事を世話してくれた人との別れ、そして、妻とは別の、なくてはならない女性との別れ、もう泣くしかありません。 一巻の『用心棒日月抄』からぜひぜひ読んでほしい! | ||||
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