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(短編小説)
海と毒薬
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海と毒薬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 81~84 5/5ページ
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実験のための生体解剖。人食いもこれ以上の悪にはなるまい。環境(飢え、防御、恨みなど)に強要されずしなくてもいいのに、生命を生かすことを使命とする理知的な人々によって行使される、計画的な殺人。同作者の「沈黙」同様、恐ろしくて長年手にできなかった作品だったけれども、想像したより淡々とした人間ドラマだったので、安心して読みふけった。でもこれを読んで、いかにどんな極悪非道な犯罪も、犯す側には実行するのか簡単なのかを思い知らされ、改めて人間性の怪物沙汰さに震撼させられた。言い訳さえあれば、何でも可能なのが人間だ。そんな人類だから、聖書のような外部からの客観的な倫理基準を必要とする。近年、自分の子供を虐待死させる気のふれたような人間たちが増える中、機能をちゃんと果たす良心の健全さは必修である。遠藤周作の、良心への告発メッセージは鳴り止むまい。 | ||||
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娘に何か面白い本はないかと聞かれ、高校生の時に出会い以降何度も読み返しているこの本を家中探したが見当たらず改めて購入しました。 362円(本体価格)という割に高級なカバーがかかっておりすごく得した気分になりました。 装丁はともかく内容は説明の必要のない名著ですので全ての人に読んでいただきたいです。 | ||||
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生体解剖事件に係わった医師たちを中心に、日本人と罪悪感を描いた不朽の名作…… なのだけれども、事件とは関係のない部分での、一般人の罪悪感描写が実はスゴい。 「だってみんなやってるもーん」のひと言で殺人も虐待も行う自覚なき一般人。 自分がされたことは覚えていて、自分がしたことは忘却もしくは正当化する。 事件の影を負う勝呂や、罪悪の在処を求める戸田より、むしろ、この一般人の無意識と無自覚が恐ろしかった。 ひょっとしたら、私も、あなたも、そんな一般人の一人なのかも…… | ||||
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この小説は二種類の「戦争の中で残虐行為を働く人々」を描いている。 一番目の人々は、喜んで蛮行を働き、戦争後もそれを誇りに思って、できれば人に自慢したいと思っている人々。 二番目の人々は、「どうせ戦争の中でみな死んでいくのだから」と命令に従って残虐行為を働く人々である。 この小説の主題は、そのうち二番目の人々の「自分の中に良心の呵責が無いこと」に対する恐怖を描くことだ。 戦場の中で、日本軍の残虐行為がいかに自然なものであり、誰でも手をそめるような普通のものであったのか、この小説は実態をよく描いている。 | ||||
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