ふぉん・しいほるとの娘
評判
ふぉん・しいほるとの娘の評価:
4.20/5点 レビュー 61件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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ふぉん・しいほるとの娘の評価:
4.20/5点 レビュー 61件。 A ランク
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シーボルト事件とは、平たく言えば、オランダ人に成りすましたドイツ人医師シーボルトが出島で名声を広め、例外的取り扱いを受けつつ、国法に触れる日本地図等の国家機密を持ち出そうとしたことがお上に露見し、彼自身は国外追放、その他関連したものが処罰を受けたというものでした。
で、本作。上巻では、題名にある「娘」より、むしろシーボルト自身とその妾である其扇(そのぎ)とのロマンス?や、シーボルトが密命を帯びて日本情報をあの手この手で集めようとしていること等(およびその周辺事項)にページ数が割かれています。特に後者はいつ露見してもおかしくないというスリリングが面白い。
また上刊通じて、当時の長崎の様子がいきいきと描かれているのが特徴であると思います。出島への出入りの厳しさや遊女の取り扱い、年中行事・祝祭化した「絵踏み」の儀式、オランダ船入港時の、港や野母の岬での緊張感など、時代劇を見ているかのようなビビッドさです。
いわゆる日本史の授業は主に政治史を追うことが中心で、そのなかにあってもシーボルト事件はさらっとしか触れられませんでした(少なくとも私の記憶にはその程度です)。でも本書を読むと、一医者がいわばスパイとして国名を帯びて日本を探る様子など、明治の産声を聞く前の日本の緊張感を学べる稀有な作品であると感じました。
また、西洋人との間にできた子の取り扱いなど、自身国際結婚をした身としては複雑な心境で読みました。まあうちはアジア系国際結婚なので外見はわかりませんが。
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まとめます。全編にわたり非常に緻密に描かれており、また大部になるため、なかなか読むのにスピードがでませんが、歴史好き(幕末・維新)、長崎に興味があるかた、医学の歴史に興味があるかた等々にはお勧めできると思います。