島田荘司全集 VIII
評判
島田荘司全集 VIIIの評価:
5.00/5点 レビュー 2件。 - ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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島田荘司全集 VIIIの評価:
5.00/5点 レビュー 2件。 - ランク
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そして、個人的にこの『見えない女』は、読み逃さなくてホントに良かった、と感じさせられた作品だった。キチンキチンと詳細に丁寧に描く文体が、優れた題材と場所に恵まれて光り輝いている。特に、『一人で食事をする女』には唸ってしまった。
島田荘司は、自身では多くを語らないが、極めて音楽に精通しているのが解る。『一人で食事をする女』の舞台は、東西統一前のドイツで、ルードヴィッヒ2世の残した3つの城(うち、2つは未完だが)とワーグナー、コジマとハンス・フォン・ビューローとの経緯など、実に詳細かつ正確に描写しつつ、描いている。その音楽に対する知識は、言っては何だが、村上春樹の薄っぺらなクラッシック論とは比較にならないくらいに重厚だ。音楽を単なるメタファーにしない、真摯さにあふれている。
そして、共通しているのは、女性が持つ謎、なぜそういった行動をするのか、できるのかという謎に惹かれる、ということだろう。
そして、『羽衣伝説の記憶』の場合、本編のミステリーよりも、並列してサブ・ストーリーのように描かれている吉敷の通子への思い、そして最後に解く通子自身の謎の方がメインであることが解る。このあたりにも、島田荘司の様々な作品の構築の実験が繰り返されていることが解る。
多くの島田ファンにとって、ミタライの影に隠れてしまっている吉敷の存在がいかに島田荘司にとって大切かが、『島田荘司全集 VIII』まで時系列に読んできて、よく解った。そして、この熱いデカ魂の塊のような探偵がぼくの中で、どんどん好きになっていったのである。