■スポンサードリンク
(短編集)
完本 人形佐七捕物帳 一
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
完本 人形佐七捕物帳 一の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回の全集の特徴は、180本全てが収録されているという点と発表順に並べ替えられている点である。 それ以外で、評価できる点はあまりない。 4950円もするので、てっきり箱入りハードカバーだと思っていたら箱入りソフトカバーだった。 「講談社全集」版と「廣済堂」版を底本にしているとのことだが、それは、文字遣いのことで、内容的には「春陽文庫全集版での加筆・改稿点を組み入れる」ということである。 春陽文庫版は、不必要な愛欲描写の加筆が多く、作品レベルを落としているから、文字遣いよりも、まず、文章にこだわるべきだろう。 結局のところ内容的には、春陽文庫版(150本)プラス春陽文庫未収録作品集(30本)の出版芸術社版を収録し、並べ替えただけのものとなっている。 発表順に並べ替えると豆六は、18話「螢屋敷」で初登場のため、自己紹介があるが、18話以前でも、豆六が加筆された版が採用されているため、ちぐはぐになっている。 「真説金田一耕助」では、昭和17年頃、佐七が雑誌連載が弾圧され打ち切りになったと書かれているが、これは間違いで、連載終了となったのは、昭和15年である。 これについては、出版社側の自主規制の可能性もあると横溝正史自身が書いている。 (「続・途切れ途切れの記」より) それ以降、昭和17年までは、主に書き下ろしで8冊が刊行されている。 都筑道夫との対談では、前線からの注文のベスト10には、「佐七」、「銭形」、「右門」が必ず入っていた、捕物帖はそうとう末期まで出た、捕物帖がなかったら、首をくくるより手がなかったでしょう、とも言っている。 終戦の年の昭和20年には、樺太の雑誌「北方日本」に人形佐七が連載された。 「北方日本」の昭和20年7月号まで、人形佐七は掲載されているから、「弾圧」がどういった類いのものであったのかは、充分に検討する余地がある。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!