(短編集)
完本 人形佐七捕物帳 二
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〝捕物帳〟というのは変なポジションにあって。 日本固有のものだからなのか、ミステリーの要素を持ち合わせていながら近現代が舞台である探偵小説と違い、 トリック等のオリジナリティーを評論家や読者から「やいのやいの」求められる事もないし、他人のネタも使い放題。 この第二巻収録分は大日本帝国がきな臭くなった昭和14~16年の作品で「探偵小説は控えろ」という、 日本人の持病〝過剰自粛〟が蔓延していたのに「人形佐七捕物帳」の中では探偵趣味が罷り通っている。 由利・三津木コンビはダメなのにお玉が池の親分ならOKって、なんとも滑稽な話でゲスな。 $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ 第一巻では初出の設定を踏まえなかったため話によって辰・豆六がいたりいなかったり、 座りが悪い感じを受けたかもしれないが、本巻からはふたりともずっといるので問題なし。 新発見のレア作収録がほぼ無い点で今回の『佐七全集』は現在国書刊行会からリリース中の、 『定本夢野久作全集』と状況が似ている。そんな場合は特に、全集の存在意義に解説パートの充実が問われる。 『定本夢野久作全集』は月報も付いているのだが、それも含めた本編以外の部分が高額な価格の割には、 それまでの全集・選集と比べて面白くない。(最終的な感想は最後の巻が出た時に改めて触れるつもり) で、本全集はといえば野本瑠美氏の横溝家回想録と解説・解題の二本立てで進行。 前巻のレビューで指摘した本巻「血染め表紙」は『講談雑誌』初出「漂流奇譚」ヴァージョンで収録してほしかったが、 予想どおりスルーされた。まあ後者で本編に載せてしまうと内容がホームズでいうところの「最後の事件」である為、 それに呼応する「空家の冒険」的な佐七が帰還するエピソードがなければ不自然だし、そんな話は書かれていない。 だから「血染め表紙」ヴァージョンを採った考えはよくわかるのだが他の改稿エピソードと違って特殊な理由であり、 解説頁に「漂流奇譚」ヴァージョンをボーナス・トラック扱いで載せるとか、それも無理なら削除された文章だけでも、 せめて光文社文庫版江戸川乱歩全集風に紹介する位のサービスがあってもよかったんじゃないか? 本全集には単行本初収録となるエピソードが今のところひとつも無い予定なのだから・・・。 「いわゆる横溝正史研究者にそこまで行き届いた目配りを求めるのが無理な相談だよ」と言われりゃ、 そうかもしれないが。 $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ そういえば前巻を読み終わってライブラリーに仕舞おうと棚をいじっていたら、 1998年筑摩書房版岡本綺堂『半七捕物帳』(全集?)が出てきて、本全集の装幀がこれとそっくり。 函・ソフトカバーなだけでなく税抜価格が4500円なとこまで、なにも先輩・半七の真似しなくてもと笑ってしまった。 | ||||
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