ザ・フォックス

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評判

ザ・フォックスの評価:

4.36/5点 レビュー 33件。 B ランク

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平均点4.36pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 61〜66 4/4ページ
No.6
(5pt)

最新のフォーサイス

最新のフォーサイス 筆は衰えず すばらしい 友達に勧めている
ザ・フォックス (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ザ・フォックス (角川文庫)より
4041125642
No.5
(5pt)

最新のフォーサイス

最新のフォーサイス 筆は衰えず すばらしい 友達に勧めている
ザ・フォックス Amazon書評・レビュー: ザ・フォックスより
404108878X
No.4
(4pt)

カスタムPCによるワン・タイピング、ワン・ショット

2020/3/2、この「ウィルスという名の有事」の時、北朝鮮は2発のとても有効とは思えない飛翔体を日本海に向けて発射しました。幼児的であるが故に、ある種の怖さがつき纏います。 
 「ザ・フォックス "The Fox"」(フレデリック・フォーサイス 角川書店)を一気に読みました。現時点でのフォーサイスの新しい翻訳です。(「ジャッカルの日」に始まる3つの著作はマイルストーンでしたが、それ以上に1982年の「悪魔の選択」がエキサイティングだった。いつか再読したい。いつかっていつなの?(笑))

 米国のNSAのシステムをハッキングした18歳の天才少年・ルークの能力を活かすべく、英国首相の安全保障問題担当顧問、エイドリアン・ウエストンは、彼を英国の田舎に隔離しながら、彼の居場所(「トロイ」という名の作戦を統制するコンピューター・ルーム)を用意します。少年はアスペルガーであるが故に精神的には現実世界に上手く適応できません。しかし、彼は廉価版のカスタムPCを駆使して、敵国のシステムの持つ幾十にも重ねられたファイアー・ウォールを次々とブレイクスルーしてみせます。
 敵国は、ロシア、北朝鮮、イラン。そして、舞台はこの世界のすべてのサイバー・スペース。   
 詳細を書くことはできませんが、今回のフォーサイスの物語の主題は、”Elint”にあります。もはや、この現実世界を征するためには、電子情報を支配的に操作するアクセス・コードを手に入れる必要があります。そのワン・タイピングが、ジャッカルのカスタム・ライフルのワン・ショットにも匹敵します。
 名場面が目白押しです。ロシア艦艇が、ドーヴァー海峡を抜けようとするシークェンスには「快哉」を叫ぶはずです。サーヴィス精神が旺盛であるが故に名場面がいくつかのエピソードを繋げるように次々と続いて行きますから、クライマックスがどれとは言えないところが贅沢な本書の欠点でもあり、盛り上がりに欠けるという指摘もあるかもしれません。もっと言ってしまうと、英国・米国・イスラエル側が、相も変わらずとても強すぎるという感想を抱くことにもなりますね。
 とは言え、美点も多くあります。「女性」が描けないと言われ続けたフォーサイスですが、今回は、凄腕ハッカー・ルークの母・スーを生身の肉体を持ったとても素敵な女性として描いてみせます。また、英国、イスラエルの特殊部隊についての”Comint”、“Sigint”、その他のあれやこれやも含めてのフォーサイスらしい「インテリジェンス」(2018年のリリースですから、比較的新しい)を撒き散らしながら、この物語を献身的に、奉仕的に描き上げているのだと思います。(個人的には、「ネクタイの色と柄の中には、その人が所属する学校や軍の連隊によって決まっているものがある」という英国のクレスト・タイへの言及があって、それだけでも背筋が伸びる思いがします(笑))

 城が聳え立つ、スコットランドのハイランド。幕切れもまた、清冽で好ましい。エンディングを読むことによって、冒頭の北朝鮮への思いが、そうであってほしい「夢」の実現であるかのように呼応してくれます。そして、このどうしようもない殺伐とした世界にあって同盟国でありながらビジネスを最優先させるPOTUSに向かってさえ、「紳士的であれ」とフォーサイスは呟いてくれているような気がします。
ザ・フォックス (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ザ・フォックス (角川文庫)より
4041125642
No.3
(4pt)

カスタムPCによるワン・タイピング、ワン・ショット

2020/3/2、この「ウィルスという名の有事」の時、北朝鮮は2発のとても有効とは思えない飛翔体を日本海に向けて発射しました。幼児的であるが故に、ある種の怖さがつき纏います。 
 「ザ・フォックス "The Fox"」(フレデリック・フォーサイス 角川書店)を一気に読みました。現時点でのフォーサイスの新しい翻訳です。(「ジャッカルの日」に始まる3つの著作はマイルストーンでしたが、それ以上に1982年の「悪魔の選択」がエキサイティングだった。いつか再読したい。いつかっていつなの?(笑))

 米国のNSAのシステムをハッキングした18歳の天才少年・ルークの能力を活かすべく、英国首相の安全保障問題担当顧問、エイドリアン・ウエストンは、彼を英国の田舎に隔離しながら、彼の居場所(「トロイ」という名の作戦を統制するコンピューター・ルーム)を用意します。少年はアスペルガーであるが故に精神的には現実世界に上手く適応できません。しかし、彼は廉価版のカスタムPCを駆使して、敵国のシステムの持つ幾十にも重ねられたファイアー・ウォールを次々とブレイクスルーしてみせます。
 敵国は、ロシア、北朝鮮、イラン。そして、舞台はこの世界のすべてのサイバー・スペース。   
 詳細を書くことはできませんが、今回のフォーサイスの物語の主題は、”Elint”にあります。もはや、この現実世界を征するためには、電子情報を支配的に操作するアクセス・コードを手に入れる必要があります。そのワン・タイピングが、ジャッカルのカスタム・ライフルのワン・ショットにも匹敵します。
 名場面が目白押しです。ロシア艦艇が、ドーヴァー海峡を抜けようとするシークェンスには「快哉」を叫ぶはずです。サーヴィス精神が旺盛であるが故に名場面がいくつかのエピソードを繋げるように次々と続いて行きますから、クライマックスがどれとは言えないところが贅沢な本書の欠点でもあり、盛り上がりに欠けるという指摘もあるかもしれません。もっと言ってしまうと、英国・米国・イスラエル側が、相も変わらずとても強すぎるという感想を抱くことにもなりますね。
 とは言え、美点も多くあります。「女性」が描けないと言われ続けたフォーサイスですが、今回は、凄腕ハッカー・ルークの母・スーを生身の肉体を持ったとても素敵な女性として描いてみせます。また、英国、イスラエルの特殊部隊についての”Comint”、“Sigint”、その他のあれやこれやも含めてのフォーサイスらしい「インテリジェンス」(2018年のリリースですから、比較的新しい)を撒き散らしながら、この物語を献身的に、奉仕的に描き上げているのだと思います。(個人的には、「ネクタイの色と柄の中には、その人が所属する学校や軍の連隊によって決まっているものがある」という英国のクレスト・タイへの言及があって、それだけでも背筋が伸びる思いがします(笑))

 城が聳え立つ、スコットランドのハイランド。幕切れもまた、清冽で好ましい。エンディングを読むことによって、冒頭の北朝鮮への思いが、そうであってほしい「夢」の実現であるかのように呼応してくれます。そして、このどうしようもない殺伐とした世界にあって同盟国でありながらビジネスを最優先させるPOTUSに向かってさえ、「紳士的であれ」とフォーサイスは呟いてくれているような気がします。
ザ・フォックス Amazon書評・レビュー: ザ・フォックスより
404108878X
No.2
(3pt)

待望の新作なれど。

都内の大型書店では2/28(金)の時点で店頭に並んでいて、夕刻には平積みの山も大分低くなっていたので、発売即購入という向きが結構いたのだろう。ご多聞に漏れず私もその一人である。
今回のテーマは、システムのハッキング。望外の成り行きからティーンエイジャーの天才ハッカーを掌中にした英国諜報機関が彼の力を借りて、ロシア、イラン、北朝鮮といったならず者国家に一泡吹かせるというお話である。物語は誠にテンポよく進行し、最後には現実世界を追い越して極東の独裁者の失墜まで描かれる。ハッキングによってこんなこともできる、レジーム・チェンジにはこんなやり方もあるというフォーサイスなりの意見表明が込められているのかも知れない。
昔々、インタビューでフォーサイスは「私にとってはよいストーリーこそが全て」といった趣旨の発言をしていた。確かに本作も「よいストーリー」ではあると思う。
が、しかし。小説としてはかなり薄っぺらな代物ではないか。
主要登場人物のプロフィール、国際情勢の背景説明を行った後は、数々のエピソードが駆け足で淡々と並べられていくだけである。テンポがよいのも道理。ディテールの書き込みは一切放棄されているのだから。この傾向は『アヴェンジャー』辺りから一貫していると思う。そのため、着々と進められる陰謀を描いても、困ったことに、さっぱり緊張感が生まれない。例えば、長編第5作の『第四の核』では、時のサッチャー政権を転覆させ労働党極左派を使嗾した英国の赤化を目論む伝説的スパイ、キム・フィルビー(とソ連)の謀略を描き、工作員が小型核爆弾をパーツに分けて英国内に秘密裡に持ち込む手段や過程が入念に描かれて、迫りくる核爆発の脅威に向けたハラハラドキドキ感をいやがうえにも高めていたものだ。そもそも、こんな一つ間違えば絵空事にしかならない大胆不敵な設定をいかにもあり気な話に思わせる手際が見事だった。フォーサイスのここ数作に関して云えば、そういった盛り上げ方では、スティーブン・ハンターのスワガーものにも及ばない。
よいストーリーがあっても、それをどう肉付けしてエンタテインメントに仕上げるかは、作家の力の入れ方次第だろう。このテの題材を念入りにやったら、280頁足らずで収まるはずがない。巻末の「訳者あとがき」でいくらヨイショして取り繕ったところで、フォーサイスの初期作品との差は歴然としている。そういう意味で本作は残念な出来。
ザ・フォックス (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ザ・フォックス (角川文庫)より
4041125642
No.1
(3pt)

待望の新作なれど。

都内の大型書店では2/28(金)の時点で店頭に並んでいて、夕刻には平積みの山も大分低くなっていたので、発売即購入という向きが結構いたのだろう。ご多聞に漏れず私もその一人である。
今回のテーマは、システムのハッキング。望外の成り行きからティーンエイジャーの天才ハッカーを掌中にした英国諜報機関が彼の力を借りて、ロシア、イラン、北朝鮮といったならず者国家に一泡吹かせるというお話である。物語は誠にテンポよく進行し、最後には現実世界を追い越して極東の独裁者の失墜まで描かれる。ハッキングによってこんなこともできる、レジーム・チェンジにはこんなやり方もあるというフォーサイスなりの意見表明が込められているのかも知れない。
昔々、インタビューでフォーサイスは「私にとってはよいストーリーこそが全て」といった趣旨の発言をしていた。確かに本作も「よいストーリー」ではあると思う。
が、しかし。小説としてはかなり薄っぺらな代物ではないか。
主要登場人物のプロフィール、国際情勢の背景説明を行った後は、数々のエピソードが駆け足で淡々と並べられていくだけである。テンポがよいのも道理。ディテールの書き込みは一切放棄されているのだから。この傾向は『アヴェンジャー』辺りから一貫していると思う。そのため、着々と進められる陰謀を描いても、困ったことに、さっぱり緊張感が生まれない。例えば、長編第5作の『第四の核』では、時のサッチャー政権を転覆させ労働党極左派を使嗾した英国の赤化を目論む伝説的スパイ、キム・フィルビー(とソ連)の謀略を描き、工作員が小型核爆弾をパーツに分けて英国内に秘密裡に持ち込む手段や過程が入念に描かれて、迫りくる核爆発の脅威に向けたハラハラドキドキ感をいやがうえにも高めていたものだ。そもそも、こんな一つ間違えば絵空事にしかならない大胆不敵な設定をいかにもあり気な話に思わせる手際が見事だった。フォーサイスのここ数作に関して云えば、そういった盛り上げ方では、スティーブン・ハンターのスワガーものにも及ばない。
よいストーリーがあっても、それをどう肉付けしてエンタテインメントに仕上げるかは、作家の力の入れ方次第だろう。このテの題材を念入りにやったら、280頁足らずで収まるはずがない。巻末の「訳者あとがき」でいくらヨイショして取り繕ったところで、フォーサイスの初期作品との差は歴然としている。そういう意味で本作は残念な出来。
ザ・フォックス Amazon書評・レビュー: ザ・フォックスより
404108878X