まほり
評判
まほりの評価:
3.74/5点 レビュー 53件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1〜11 1/1ページ
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ここはおおむね事実なのだと思うけれど、過去の貧しい時代の、人々の恐ろしく過酷な状況には慄然とさせられた。
このような歴史の上に今の自分たちが存在しているのだと思うと、襟をただしたい気持ちになる。
「まほり」の意味が判明する場面は、ぞくっとした。
【良くなかった点】
他の方も書かれているが、耳慣れない単語と専門用語で埋めつくされた、神社や民俗学関連の膨大な量の情報が全体の7割ほどを占めていて、それがある内はほとんど動きがないので、読み進めるのにかなりの忍耐力が必要だった。
物語は下巻の100ページ目あたりから、ようやく動き出す。
ただその展開は、表紙の妖しさや、古文書の凄惨な内容から連想されるようなものではなく、とりたてて残酷なことや恐ろしいことも起こらず、むしろ爽やかな結末を迎えるものになっている。
好みの問題かもしれないが、個人的には物足りなく感じた。
地味で目立たないオタク系男子大学生の主人公と、彼の幼なじみの美人で朗らかなヒロインとの、ムズムズする、ラノベや萌え系アニメのような恋愛描写。
方言丸出しの男言葉でしゃべるヒロインの設定も、悪い意味で漫画的。
主人公と同世代の男性読者を意識してのものなのかもしれないが、大人の鑑賞に耐えるとは言いがたい。
子供がいないという設定の集落にいる少女の、出自の説明がない。集落の誰かの子なのか、さらって来た子なのか。
二重丸が書かれた紙が、なぜ橋脚に大量に貼られていたのかの説明がない。
緻密に状況が描かれる神社やその近辺の場面とは対照的に、そこ以外の場所の風景、建物、部屋などの状況描写がほぼない。
【総評】
メインの事件自体は誰もが想像する通り、閉鎖的な共同体の因習に起因するもので、特段、目新しいものではない。
民俗学的アプローチから謎を解いて行く点が、本書を特徴づけているのだけど、やはりそこの分量が多すぎる(著者の博識には感心するが)。
ここをある程度けずって、もう少し人間ドラマと動きのある物語に振ってくれていたら、高評価できたかもしれない。