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錦繍



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【この小説が収録されている参考書籍】
錦繍
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

錦繍の評価: 4.41/5点 レビュー 179件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全151件 61~80 4/8ページ
No.91:
(5pt)

宮本輝の作品では一番おし!

若き頃に読んで 涙した本。
蔵王という景色が 目に浮かぶほどの人間模様。
心のひだにはいる言葉の積み重ねとやり取り。
手紙って こんな風に書くのだと感心した一作。

老境に入り 再度読んでみた。
離婚をして 10年経った段階で、
偶然会うことになり 手紙を書きたくなった。
そして,離婚当時は 質問できなかったことを
素直に聞くことで 物語は始まる。

はじめは かたくなな態度を示していた わかれた夫も、
少しづつ,溶け始め、
現在の 令子との生活の充実感をかたる。

読み終わった段階で、二人の思考方法がよく似ている。
気遣いの言葉が 類似しているような気もする。
別れても,好きな人 という 歌があったね。

『生きていることと、死んでいることとは、
もしかしたら同じことかもしれへん。』
という 諦観が 底流に流れながら、
けなげに 生きようとする 姿が 浮き彫りとなる。

宮本輝の作品では やはり一番押しの作品ですね。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
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No.90:
(5pt)

数年ごとに読みたくなる本。

大学時代の友人に宮本輝ファンがいて、その人が一押ししていた作品を読んだら、好きになった作品です。
何年かごとに読みたくなるので、
以前は文庫本を持っていましたが、
電子書籍にしてみました。

自分の年齢も重なっていくにつれ、
印象に残る部分が変わっていったりします。
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4101307024
No.89:
(5pt)

人の心の奥深さ

2019年9月2日
おそらく3回目か4回目ですが、やっぱり良い本だと思いました。
もしかしたら読めば読むほど良い本なのかもしれません。
又は歳をとると、でしょうか。

2015年9月14日
錦繍 という文字が良く似合う物語です。
人間は時々、本心とは違ったことを言ったり、行動をしてしまったりします。
それが大切な人の前であればあるほど。
手紙というものは、時間をかけられるので、その影響が少なくなります。
手紙って良いですね。
読書の秋にぴったりの本ではないでしょうか。
宮本輝さん、すごいなって思います。
モーツァルトのレコードしかかけない喫茶店にも惹かれます。
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4101307024
No.88:
(4pt)

束の間の休息日

宮本先生の文章は、手紙という形式を使いながらも亜紀と靖明の心の不満足感と安定を求めたい気持ちを良く描けていると思います。ストーリーも、蔵王で再会する、というところはやや強引ですが、悲惨な事件を挟んで興味深い展開をし、少しひねりもあるので最後まで読ませてくれます。

ただ、私はこの2人のキャラクターにはどうしても共感を覚えられませんでした。靖明は、由加子さんがなぜあのような事件を起こさないといけなかったのか、手紙を読む限り全く分かっていませんし反省もできていません。この人は自分が何のために生きているのか、何がしたいのか自分というものを全く持っていないように見受けられます。必死で頑張る令子さんがありながら、こんな長い手紙を未練たらたら亜紀に書いている。一体なにを考えているんでしょうか。これでは令子さんとの関係も短時間のうちに、きっとうまくいかなくなるでしょう。

もっとひどいのが、亜紀です。この人はお父様の影響から全く出ることができない、子供のまま。結婚して家族を作ったのに、その責任感とか持てないでいます。靖明や勝沼さんに浮気される理由が自分にあることが全く理解できていませんね。お子様が可哀想です。そのうち、100%信じて頼っているお父様が高齢になった時、どうなるんでしょうか。会社は他の人の手に渡り、障害を持つお子様を亜紀一人で育てられるとは到底思えません。私には、このように二人の破局の直前の小春日和を描いた作品、と読めました。
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4101307024
No.87:
(5pt)

壮大な宇宙観

この本で描かれる壮大な宇宙観は、生きる勇気を与えてくれる。前脚の折れた競走馬、ガンは自分自身なんや、女の声は大事や、生きていること、死んでいることは同じ。ええ男やった有馬、懐かしい字で手紙をよこす有馬。名言が詰まっている。お父さんであり会社のオーナー社長でもある父親の厳しさと優しさ。憎めない関西弁。二人の出会いは、阪神間にある大学の陽光降り注ぐ明るい大学のキャンパス。学生だった無邪気な2人は初夏の眩しい日差しの中、芝生の上で談笑する。神戸出身の宮本先生は、2人の出会いの場面は、関西学院をイメージして創作したのではないかと私は勝手に思っている。明るい大学生活と、その後の様々な困難。今の自分と重ねてみる。芦屋の高級、東大阪の雑多感、裏日本と呼ばれる寂しい舞鶴。今も昔も変わらない。街の息吹をそのまま切り取っている。数年前に鹿賀丈史、余貴美子で舞台化されたこの作品。見たいと思いながら見れずじまいだった。また機会があれば見てみたい。数ページごと、読む人に人生への示唆を与えてくれる素晴らしい作品。
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4101307024
No.86:
(5pt)

往復書簡形式の面白い恋愛小説で最高の名作でした!

ネタバレになるのであまり書きませんが

十年ぶりにケイブルカーの中で偶然に再会した元の夫婦

それをきっかけに書簡形式で交流が再開される

二人の関係が関係だけに、なんと儚いことか

そのやり取りが書簡によって行われてゆく

だから当然二人の会話は無いのです

誰でも、あの時もし何だったら今はこうだったなんて事は今でも皆が思った事は有るでしょう

そんな処を上手く物語にしてしまうあたりに宮本氏の凄さが有ります

私は宮本輝氏の作品大好きですが

またまた楽しい本書を読ませて頂き有難う御座いました
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4101307024
No.85:
(4pt)

手紙だからこそ

過去への執着を解き放ち、兎に角、自分の足で前を目指そうというメッセージを感じた。

過去の続きではなく今日の続きである未来に、腹をくくって立ち向かえるか。

そこが人生の分かれ道の気がする。

冒頭、主人公が息子と蔵王に旅行にいくいきさつが述べられる。

私はその場面に感化され、数日後、娘との二人旅に出かけた。

忘れられない本となった。
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4101307024
No.84:
(5pt)

錦繍を久しぶりに読みましたが、全く色あせない感動が。

錦繍を久しぶりに読みました。人生は辛く、そして悲しい。思わぬところから人生の転落は始まる。全てを失い打ちひしがれ、諦め、どん底に落ちてこそ、幸せや生きていることの喜びを鮮やかに感じることが出来る。全編を通して主人公たちの葛藤に心を合わせ、暗くなってしまう場面が多いが、次第にどんなに辛くとも前を向いて、雨風を耐え忍びながら進んでいこという希望が自分の中に芽生えてくる不思議な小説。
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4101307024
No.83:
(4pt)

不条理な世界の希望

離婚した元夫婦が偶然観光地で出会い、その後書簡を交換する関係になり、2人が会わなかった時間の様々な絶望や喪失を吐露しながら、やがて、自らを取り戻していく小説。

物語の全体を包むこの世の不条理。人は人と関わることで死に至ることもあれば、人と関わることで生を得ることもある。それには理屈などなく、単なる偶然でしかないと言わんばかりの世界観が背景となり、物語を浮かび上がらせる。

「生きていることと死んでいることは同じようなことかもしれない」と言う繰り返される台詞があるが、一方で、2人が蘇生していく結末はやはり、人と関わることによって希望を見いだしたいとういうことなのか。

全文が書簡でのみ構成されており、作家としては表現がかなり制限されたと思うが、見事に文学を形成している。
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4101307024
No.82:
(5pt)

昔に読んで改めて

ずっと昔に読んで、特によかった本です。そのうち誰かに貸したか手元になくなりましたので、改めて買いました。読後感がとても良いです。
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4101307024
No.81:
(4pt)

「女はお化けですさかい」

著者は、兵庫県神戸市生まれ、追手門学院大学文学部卒の宮本輝。
(S60.5.25 - H1.7.15 13刷)

「前略 蔵王のダリア園から…」運命的な出会いから、手紙のやり取りをするようになった離婚した二人が、書簡を往復しながらそれぞれの過去を織りなす。

全てが手紙形式の文体をとる、言ってしまえばありきたりなものだが、その表現が繊細で、映像ではなく、文章だからこそ想起させる鮮やかな世界が広がる。

途中まで鬱蒼とした話が展開されるが、靖明が令子に出会ってからというもの、話に光明が差したようにユーモラスなキラキラしたものが微かに見え隠れする。

手紙はお互い約1年に亘って14通展開されるが、終わり方は何とも切ないままも、お互いが将来に向かって“生命”を感じる温かいものが感じられた。

───私が笑っていると、タクシーの運転手が、「何かええことおましたんか」と訊いてきました。「女に騙されたんや」。私は言いました。「見事に騙された」。すると運転手は、「女はお化けですさかい」と答えてバックミラー越しに私を見つめてにやっと笑いました。(p.178)
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4101307024
No.80:
(5pt)

手紙

普段乱れているであろう日本語を使っている私には、綺麗な言葉で書き綴られている
文章(この本でいうならば手紙)に入り込みました。
静かなやり取りの中にもお互いに自分の過去を整理できていない混乱、そして人生の
折り返しの歳に差し掛かり若い時には考えてもいなかった現状を生きて行く決意。
同じような年代の私は夜中にポロリと涙が出てしまいました。
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4101307024
No.79:
(4pt)

古い本だけど

1円で購入して、手元に届くまでどんな状態の本かしんぱいでした。きれいな本だってので、安心しました。ずっと以前に読んだのですが、読み直してみて、思っていた内容が違っていたところが多かった。今度は良く味わう事が出来ました
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4101307024
No.78:
(5pt)

手紙という媒体が持つ特殊な力

手紙のやりとりのみで進むはなし。かつて不倫によりすべてを失った男と、その元妻がふいに再会するところからはじまり、ひたすら書簡が往復される。珍しいパターンのようであり、使い古したパターンのようでもあるこの形。自分の中では、小説のなかにふいに出てくる手紙は、最終兵器のような位置づけである。感動を100%誘い出す、アイテム。それが不思議だったが、この小説を読んで、もはや手紙とは、書き手の内部を嘘いつわりなく映し出してしまう、そういう特殊なモノであると気付いた。
読まれているのかもわからない、返信があるかもわからないということが、心の内を暴露させる、それは確かにメールとも違う、電話とも違う、手紙という媒体がもつ特殊な力かもしれない。そうやって、交わしあった文の節々でああこういった人間だったのだと、各々の男女が気づいていく過程が、じんわりと染みてくる。途中の死への考察や、運命への考察も興味深かった。
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4101307024
No.77:
(5pt)

誰の心にもあるもの

もっとも回数を多く読んでいる本です。たぶん20回以上読んでます。
亜紀と同じ境遇の人はすくないでしょうけれど、亜紀と同じ感情は誰の心にもあると思います。
全編が亜紀と元夫靖明との往復書簡です。美しく気高い文章は内容と相まっていつまでも余韻を味わえます。私の心に永久保存したいです。宮本輝の最高傑作だと思います。
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4101307024
No.76:
(4pt)

正に

文学です。こんな風に書けること事態が才能というか、与えられた使命なのでしょう。素晴らしいです。
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No.75:
(4pt)

久しぶりに読んだ宮本輝にやはり引き込まれた。

かつて夫婦だった2人が次第に以前のような関係を取り戻していくような展開に引き込まれた。手紙のやりとりだけで、2人の現在に至るまでの人生が描かれていたが、表現の深みによってそれらが映像化され、臨場感を覚えた。
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No.74:
(5pt)

人間の業が剥き出しに現れている

主人公の女性を取り巻いて、父親、元の夫、元夫とその昔関係のあった女性、今の夫などが、それぞれの欲を隠しながらも隠しきれず、行き着くところまでいった先に、諦めにも似た悟りを得てなおも生き続けて行く様を描いていると思いました。最後の父親との会話のシーン、背景の音まで聞こえてくるかのような錯覚を覚えました。作家の名前は知ってはいたものの読んだのはこれがはじめてで、何というさみしさをその身体に染み込ませておられるのかと推察しました。関東出身の身としては、関西ってちょっとミステリアスです。
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4101307024
No.73:
(4pt)

錦繍

読み終えて久しぶりに小説を読破したと言う気持ちにさせてくれました。これぞ宮本小説といえる何とも言えない哀愁?が漂う中に希望の光が見える。
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4101307024
No.72:
(4pt)

過去から現在そして未来へ。

有馬靖明と勝沼亜紀、2人の男女の14通の手紙で構成された、
珍しい書簡体の小説でした。

夫婦だった2人がひとつの事件をきっかけに離婚。
互いにそれぞれの人生を歩み始め、二度と会うこともなかったはず。
しかし偶然にも巡り会ってしまったことから手紙のやりとりが始まります。

手紙の中で語られる事件の真相、今の互いの生活。
過去から現在、そしてそれぞれの未来へと展開されていきます。

亜紀がモーツァルトの音楽を聴いて感じた
「生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれない」
という感覚。
事件で死にかけた靖明も激しく共鳴します。

小説の中で2人が会ったのはわずか。
それで小説が成り立つのだから凄いです。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024

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