個人的な体験

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個人的な体験の評価:

4.38/5点 レビュー 39件。 B ランク

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Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全159件 21〜40 2/8ページ
No.139
(4pt)

ラストに多少の違和感を覚える

「沖縄ノート」でその文体の読みにくさに苦闘して以来、敬遠してきた作家であるが、初期の作品である本書には、読みにくさはなく、むしろテンポは良い。
ご自身が、障害のある子を育てた「個人的な体験」を基に書かれ、障害を持つ子を受け入れれず、手を下さずにひたすら死を願う自己欺瞞と葛藤する苦悩が描かれている。
それは偽らざる人間の本性であると思う。
現実世界で大江氏は、その障害のある子を受け入れるから、ハッピーエンドを予想していたが、その展開が急であるうえに明るすぎるから多少の違和感を覚える。
個人的な体験 Amazon書評・レビュー: 個人的な体験より
4103036168
No.138
(4pt)

ラストに多少の違和感を覚える

「沖縄ノート」でその文体の読みにくさに苦闘して以来、敬遠してきた作家であるが、初期の作品である本書には、読みにくさはなく、むしろテンポは良い。
ご自身が、障害のある子を育てた「個人的な体験」を基に書かれ、障害を持つ子を受け入れれず、手を下さずにひたすら死を願う自己欺瞞と葛藤する苦悩が描かれている。
それは偽らざる人間の本性であると思う。
現実世界で大江氏は、その障害のある子を受け入れるから、ハッピーエンドを予想していたが、その展開が急であるうえに明るすぎるから多少の違和感を覚える。
個人的な体験(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験(新潮文庫)より
B00IP4BYW6
No.137
(4pt)

ラストに多少の違和感を覚える

「沖縄ノート」でその文体の読みにくさに苦闘して以来、敬遠してきた作家であるが、初期の作品である本書には、読みにくさはなく、むしろテンポは良い。
ご自身が、障害のある子を育てた「個人的な体験」を基に書かれ、障害を持つ子を受け入れれず、手を下さずにひたすら死を願う自己欺瞞と葛藤する苦悩が描かれている。
それは偽らざる人間の本性であると思う。
現実世界で大江氏は、その障害のある子を受け入れるから、ハッピーエンドを予想していたが、その展開が急であるうえに明るすぎるから多少の違和感を覚える。
個人的な体験 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (新潮文庫)より
4101126100
No.136
(4pt)

ラストに多少の違和感を覚える

「沖縄ノート」でその文体の読みにくさに苦闘して以来、敬遠してきた作家であるが、初期の作品である本書には、読みにくさはなく、むしろテンポは良い。
ご自身が、障害のある子を育てた「個人的な体験」を基に書かれ、障害を持つ子を受け入れれず、手を下さずにひたすら死を願う自己欺瞞と葛藤する苦悩が描かれている。
それは偽らざる人間の本性であると思う。
現実世界で大江氏は、その障害のある子を受け入れるから、ハッピーエンドを予想していたが、その展開が急であるうえに明るすぎるから多少の違和感を覚える。
個人的な体験 (1964年) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (1964年)より
B000JAFA5Q
No.135
(4pt)

知的ながらもタフで奔放な主人公の思考と感情の動きが印象的だった。星4.3という感想。

本作はかなり昔に一度読んでいて、強く印象に残っていたので、再読のため購入。元不良の知的な青年が主人公で、昔の日本の若者たちの生態の一部が描かれていて強く興味をひかれ、また、降りかかってくる「問題」の性質的にコメントしづらい面もあるが、それに直面した主人公の思考や感情の動き、特に最終的な「結論」に至るまでの過程を読んでいくのが正直言って面白かった。ただ、記憶に残っていたよりは「問題」以外の要素、予備校での話や外交官の話や情人とのS○Xシーンなどが結構あって、それらが総合的に主人公という人間を描き出しているとも言えるが、若干「問題」への焦点のあたり具体を弱めているような印象も受けた。ただ、やはり今作も構成が見事だし、文章も初期の短編と比べると良くも悪くもすっきりしていて、その心情描写や着眼点は唯一無二の代物だった。会話も含蓄に富んでいて面白かった。最後に著者自身がコメントしている、2個のアスタリスク以降の部分も、確かにかなり賛否両論ありそうだが、それはそれで別に良いのではないかと思った。星4.5があれば、ぜひ星4.5をつけたいのだが、ないので星4評価。大江健三郎ファンには間違いなくお勧めだが、本書の概要を調べて興味を持った人は、ぜひ一読をお勧めする。
個人的な体験 Amazon書評・レビュー: 個人的な体験より
4103036168
No.134
(4pt)

知的ながらもタフで奔放な主人公の思考と感情の動きが印象的だった。星4.3という感想。

本作はかなり昔に一度読んでいて、強く印象に残っていたので、再読のため購入。元不良の知的な青年が主人公で、昔の日本の若者たちの生態の一部が描かれていて強く興味をひかれ、また、降りかかってくる「問題」の性質的にコメントしづらい面もあるが、それに直面した主人公の思考や感情の動き、特に最終的な「結論」に至るまでの過程を読んでいくのが正直言って面白かった。ただ、記憶に残っていたよりは「問題」以外の要素、予備校での話や外交官の話や情人とのS○Xシーンなどが結構あって、それらが総合的に主人公という人間を描き出しているとも言えるが、若干「問題」への焦点のあたり具体を弱めているような印象も受けた。ただ、やはり今作も構成が見事だし、文章も初期の短編と比べると良くも悪くもすっきりしていて、その心情描写や着眼点は唯一無二の代物だった。会話も含蓄に富んでいて面白かった。最後に著者自身がコメントしている、2個のアスタリスク以降の部分も、確かにかなり賛否両論ありそうだが、それはそれで別に良いのではないかと思った。星4.5があれば、ぜひ星4.5をつけたいのだが、ないので星4評価。大江健三郎ファンには間違いなくお勧めだが、本書の概要を調べて興味を持った人は、ぜひ一読をお勧めする。
個人的な体験(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験(新潮文庫)より
B00IP4BYW6
No.133
(4pt)

知的ながらもタフで奔放な主人公の思考と感情の動きが印象的だった。星4.3という感想。

本作はかなり昔に一度読んでいて、強く印象に残っていたので、再読のため購入。元不良の知的な青年が主人公で、昔の日本の若者たちの生態の一部が描かれていて強く興味をひかれ、また、降りかかってくる「問題」の性質的にコメントしづらい面もあるが、それに直面した主人公の思考や感情の動き、特に最終的な「結論」に至るまでの過程を読んでいくのが正直言って面白かった。ただ、記憶に残っていたよりは「問題」以外の要素、予備校での話や外交官の話や情人とのS○Xシーンなどが結構あって、それらが総合的に主人公という人間を描き出しているとも言えるが、若干「問題」への焦点のあたり具体を弱めているような印象も受けた。ただ、やはり今作も構成が見事だし、文章も初期の短編と比べると良くも悪くもすっきりしていて、その心情描写や着眼点は唯一無二の代物だった。会話も含蓄に富んでいて面白かった。最後に著者自身がコメントしている、2個のアスタリスク以降の部分も、確かにかなり賛否両論ありそうだが、それはそれで別に良いのではないかと思った。星4.5があれば、ぜひ星4.5をつけたいのだが、ないので星4評価。大江健三郎ファンには間違いなくお勧めだが、本書の概要を調べて興味を持った人は、ぜひ一読をお勧めする。
個人的な体験 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (新潮文庫)より
4101126100
No.132
(4pt)

知的ながらもタフで奔放な主人公の思考と感情の動きが印象的だった。星4.3という感想。

本作はかなり昔に一度読んでいて、強く印象に残っていたので、再読のため購入。元不良の知的な青年が主人公で、昔の日本の若者たちの生態の一部が描かれていて強く興味をひかれ、また、降りかかってくる「問題」の性質的にコメントしづらい面もあるが、それに直面した主人公の思考や感情の動き、特に最終的な「結論」に至るまでの過程を読んでいくのが正直言って面白かった。ただ、記憶に残っていたよりは「問題」以外の要素、予備校での話や外交官の話や情人とのS○Xシーンなどが結構あって、それらが総合的に主人公という人間を描き出しているとも言えるが、若干「問題」への焦点のあたり具体を弱めているような印象も受けた。ただ、やはり今作も構成が見事だし、文章も初期の短編と比べると良くも悪くもすっきりしていて、その心情描写や着眼点は唯一無二の代物だった。会話も含蓄に富んでいて面白かった。最後に著者自身がコメントしている、2個のアスタリスク以降の部分も、確かにかなり賛否両論ありそうだが、それはそれで別に良いのではないかと思った。星4.5があれば、ぜひ星4.5をつけたいのだが、ないので星4評価。大江健三郎ファンには間違いなくお勧めだが、本書の概要を調べて興味を持った人は、ぜひ一読をお勧めする。
個人的な体験 (1964年) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (1964年)より
B000JAFA5Q
No.131
(4pt)

難しくてよく分からない

川端康成より難解でした。
個人的な体験 Amazon書評・レビュー: 個人的な体験より
4103036168
No.130
(4pt)

難しくてよく分からない

川端康成より難解でした。
個人的な体験(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験(新潮文庫)より
B00IP4BYW6
No.129
(4pt)

難しくてよく分からない

川端康成より難解でした。
個人的な体験 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (新潮文庫)より
4101126100
No.128
(4pt)

難しくてよく分からない

川端康成より難解でした。
個人的な体験 (1964年) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (1964年)より
B000JAFA5Q
No.127
(4pt)

少年と規範

主人公のバードから始まって、比喩などとして様々な動物が提示され、さながら動物園のようだ。
小説の構造としては、動物たち、竜と怪物と植物的存在、人間たち・大人たち、このような三つのグループによって謂わばイメージのレベルで階層的に構成されており、その優劣がプロットを終結させるように思える。書き出しは「鳥(バード)」となっており、鹿の比喩がすぐに続き、アフリカの地図へと導かれる。これは動物たちが犇く世界を暗示しており、動物たちは弱肉強食のエゴイズムの世界を暗示している(ホッブス風万人の闘いの世界)。竜の刺繍のジャンパーの若者たちや怪物としての赤子やそれと通ずる植物的存在とは、突然の暴力や悲劇的アクシデントを表し、制御不能の外的世界との接触を意味し、即ち運命を暗示している。突発的アクシデントとそれに絡むエゴイスティックな対応を受容し乗り越えて、あるいは「やりすご」す態度や行動によって、(マキャヴェリ風に言えばフォルトゥナに対するヴィルトゥの獲得によって)人間的世界が作られるという構造を持つだろう。

人物間の関係としては、プロットの大部分を主人公と行動を共にする火見子は後のバードを体現する存在だと言え、この突然の来訪者であるバードを処女喪失の際と同様に受け入れ慰め励まし(時に反撥し)運命を共にしようとする。また、終盤では少年性から抜け出たバードと訣別し「少年じみた男」と旅立つという、バードが脱ぎ捨てた少年性を自ら背負い込むという受難のある種神話的あるいは母性的女性像を表している。義父母も火見子に類似して、トラブルを起こす娘婿を宥めすかし受け入れる存在である。
むしろ登場人物について問題なのは、デルチェフさんと菊比古だろう。火見子が引用したブレイクとデルチェフさんが引用したカフカとでは、真逆のことを教えている。それは利己的世界から利他的あるいは共同体的規範的世界への移行を示すだろう。だが、デルチェフさんも(恐らく彼にとっても明瞭でない)利己的かつ献身的態度という両義的行動によって破滅する。菊比古は、火見子の言う「多元的な宇宙」からひょっこり現れたように登場する。菊比古はバードを慕う年少の若者であったが、唐突な再会ではむしろ反目しあうようであり、以前のような少年男子たちの世界からの両者の脱却が再会の場で示されており、アルコールの身体的拒絶がそれを強調するとともにバードは決心し、運命を受け入れつつも果敢に行動する人間の大人の世界へと踏み出す契機となる。

バードの回心は唐突であるのか。頭を擦る仕草の伝播や模倣、寝籠の赤子を守る行動、赤子の叫喚への忍耐など、直接に障害を持った赤子の受容というのもあるが、二日酔いによる嘔吐を告発されたことによる解雇の場面での、年少者の偽証を撥ねつけ自らの責任を負う言動に少年的世界・エゴイズム的世界から大人たちの規範的世界への移行が見て取れるだろう。
個人的な体験 Amazon書評・レビュー: 個人的な体験より
4103036168
No.126
(4pt)

少年と規範

主人公のバードから始まって、比喩などとして様々な動物が提示され、さながら動物園のようだ。
小説の構造としては、動物たち、竜と怪物と植物的存在、人間たち・大人たち、このような三つのグループによって謂わばイメージのレベルで階層的に構成されており、その優劣がプロットを終結させるように思える。書き出しは「鳥(バード)」となっており、鹿の比喩がすぐに続き、アフリカの地図へと導かれる。これは動物たちが犇く世界を暗示しており、動物たちは弱肉強食のエゴイズムの世界を暗示している(ホッブス風万人の闘いの世界)。竜の刺繍のジャンパーの若者たちや怪物としての赤子やそれと通ずる植物的存在とは、突然の暴力や悲劇的アクシデントを表し、制御不能の外的世界との接触を意味し、即ち運命を暗示している。突発的アクシデントとそれに絡むエゴイスティックな対応を受容し乗り越えて、あるいは「やりすご」す態度や行動によって、(マキャヴェリ風に言えばフォルトゥナに対するヴィルトゥの獲得によって)人間的世界が作られるという構造を持つだろう。

人物間の関係としては、プロットの大部分を主人公と行動を共にする火見子は後のバードを体現する存在だと言え、この突然の来訪者であるバードを処女喪失の際と同様に受け入れ慰め励まし(時に反撥し)運命を共にしようとする。また、終盤では少年性から抜け出たバードと訣別し「少年じみた男」と旅立つという、バードが脱ぎ捨てた少年性を自ら背負い込むという受難のある種神話的あるいは母性的女性像を表している。義父母も火見子に類似して、トラブルを起こす娘婿を宥めすかし受け入れる存在である。
むしろ登場人物について問題なのは、デルチェフさんと菊比古だろう。火見子が引用したブレイクとデルチェフさんが引用したカフカとでは、真逆のことを教えている。それは利己的世界から利他的あるいは共同体的規範的世界への移行を示すだろう。だが、デルチェフさんも(恐らく彼にとっても明瞭でない)利己的かつ献身的態度という両義的行動によって破滅する。菊比古は、火見子の言う「多元的な宇宙」からひょっこり現れたように登場する。菊比古はバードを慕う年少の若者であったが、唐突な再会ではむしろ反目しあうようであり、以前のような少年男子たちの世界からの両者の脱却が再会の場で示されており、アルコールの身体的拒絶がそれを強調するとともにバードは決心し、運命を受け入れつつも果敢に行動する人間の大人の世界へと踏み出す契機となる。

バードの回心は唐突であるのか。頭を擦る仕草の伝播や模倣、寝籠の赤子を守る行動、赤子の叫喚への忍耐など、直接に障害を持った赤子の受容というのもあるが、二日酔いによる嘔吐を告発されたことによる解雇の場面での、年少者の偽証を撥ねつけ自らの責任を負う言動に少年的世界・エゴイズム的世界から大人たちの規範的世界への移行が見て取れるだろう。
個人的な体験(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験(新潮文庫)より
B00IP4BYW6
No.125
(4pt)

少年と規範

主人公のバードから始まって、比喩などとして様々な動物が提示され、さながら動物園のようだ。
小説の構造としては、動物たち、竜と怪物と植物的存在、人間たち・大人たち、このような三つのグループによって謂わばイメージのレベルで階層的に構成されており、その優劣がプロットを終結させるように思える。書き出しは「鳥(バード)」となっており、鹿の比喩がすぐに続き、アフリカの地図へと導かれる。これは動物たちが犇く世界を暗示しており、動物たちは弱肉強食のエゴイズムの世界を暗示している(ホッブス風万人の闘いの世界)。竜の刺繍のジャンパーの若者たちや怪物としての赤子やそれと通ずる植物的存在とは、突然の暴力や悲劇的アクシデントを表し、制御不能の外的世界との接触を意味し、即ち運命を暗示している。突発的アクシデントとそれに絡むエゴイスティックな対応を受容し乗り越えて、あるいは「やりすご」す態度や行動によって、(マキャヴェリ風に言えばフォルトゥナに対するヴィルトゥの獲得によって)人間的世界が作られるという構造を持つだろう。

人物間の関係としては、プロットの大部分を主人公と行動を共にする火見子は後のバードを体現する存在だと言え、この突然の来訪者であるバードを処女喪失の際と同様に受け入れ慰め励まし(時に反撥し)運命を共にしようとする。また、終盤では少年性から抜け出たバードと訣別し「少年じみた男」と旅立つという、バードが脱ぎ捨てた少年性を自ら背負い込むという受難のある種神話的あるいは母性的女性像を表している。義父母も火見子に類似して、トラブルを起こす娘婿を宥めすかし受け入れる存在である。
むしろ登場人物について問題なのは、デルチェフさんと菊比古だろう。火見子が引用したブレイクとデルチェフさんが引用したカフカとでは、真逆のことを教えている。それは利己的世界から利他的あるいは共同体的規範的世界への移行を示すだろう。だが、デルチェフさんも(恐らく彼にとっても明瞭でない)利己的かつ献身的態度という両義的行動によって破滅する。菊比古は、火見子の言う「多元的な宇宙」からひょっこり現れたように登場する。菊比古はバードを慕う年少の若者であったが、唐突な再会ではむしろ反目しあうようであり、以前のような少年男子たちの世界からの両者の脱却が再会の場で示されており、アルコールの身体的拒絶がそれを強調するとともにバードは決心し、運命を受け入れつつも果敢に行動する人間の大人の世界へと踏み出す契機となる。

バードの回心は唐突であるのか。頭を擦る仕草の伝播や模倣、寝籠の赤子を守る行動、赤子の叫喚への忍耐など、直接に障害を持った赤子の受容というのもあるが、二日酔いによる嘔吐を告発されたことによる解雇の場面での、年少者の偽証を撥ねつけ自らの責任を負う言動に少年的世界・エゴイズム的世界から大人たちの規範的世界への移行が見て取れるだろう。
個人的な体験 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (新潮文庫)より
4101126100
No.124
(4pt)

少年と規範

主人公のバードから始まって、比喩などとして様々な動物が提示され、さながら動物園のようだ。
小説の構造としては、動物たち、竜と怪物と植物的存在、人間たち・大人たち、このような三つのグループによって謂わばイメージのレベルで階層的に構成されており、その優劣がプロットを終結させるように思える。書き出しは「鳥(バード)」となっており、鹿の比喩がすぐに続き、アフリカの地図へと導かれる。これは動物たちが犇く世界を暗示しており、動物たちは弱肉強食のエゴイズムの世界を暗示している(ホッブス風万人の闘いの世界)。竜の刺繍のジャンパーの若者たちや怪物としての赤子やそれと通ずる植物的存在とは、突然の暴力や悲劇的アクシデントを表し、制御不能の外的世界との接触を意味し、即ち運命を暗示している。突発的アクシデントとそれに絡むエゴイスティックな対応を受容し乗り越えて、あるいは「やりすご」す態度や行動によって、(マキャヴェリ風に言えばフォルトゥナに対するヴィルトゥの獲得によって)人間的世界が作られるという構造を持つだろう。

人物間の関係としては、プロットの大部分を主人公と行動を共にする火見子は後のバードを体現する存在だと言え、この突然の来訪者であるバードを処女喪失の際と同様に受け入れ慰め励まし(時に反撥し)運命を共にしようとする。また、終盤では少年性から抜け出たバードと訣別し「少年じみた男」と旅立つという、バードが脱ぎ捨てた少年性を自ら背負い込むという受難のある種神話的あるいは母性的女性像を表している。義父母も火見子に類似して、トラブルを起こす娘婿を宥めすかし受け入れる存在である。
むしろ登場人物について問題なのは、デルチェフさんと菊比古だろう。火見子が引用したブレイクとデルチェフさんが引用したカフカとでは、真逆のことを教えている。それは利己的世界から利他的あるいは共同体的規範的世界への移行を示すだろう。だが、デルチェフさんも(恐らく彼にとっても明瞭でない)利己的かつ献身的態度という両義的行動によって破滅する。菊比古は、火見子の言う「多元的な宇宙」からひょっこり現れたように登場する。菊比古はバードを慕う年少の若者であったが、唐突な再会ではむしろ反目しあうようであり、以前のような少年男子たちの世界からの両者の脱却が再会の場で示されており、アルコールの身体的拒絶がそれを強調するとともにバードは決心し、運命を受け入れつつも果敢に行動する人間の大人の世界へと踏み出す契機となる。

バードの回心は唐突であるのか。頭を擦る仕草の伝播や模倣、寝籠の赤子を守る行動、赤子の叫喚への忍耐など、直接に障害を持った赤子の受容というのもあるが、二日酔いによる嘔吐を告発されたことによる解雇の場面での、年少者の偽証を撥ねつけ自らの責任を負う言動に少年的世界・エゴイズム的世界から大人たちの規範的世界への移行が見て取れるだろう。
個人的な体験 (1964年) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (1964年)より
B000JAFA5Q
No.123
(5pt)

アップダイクのような

アマゾンで買った大江健三郎全小説6で読み始めました。冒頭の部分を読んで、ここはまるでアップダイクの走れウサギ読んでるみたいだと思いました。走れウサギでは、主人公が少年と一緒にバスケットボールをして疎外感を味わいます。大江健三郎は、たくさんの外国小説を読んでますが、アップダイクからも影響を受けています。以上ご参考までに。
個人的な体験 Amazon書評・レビュー: 個人的な体験より
4103036168
No.122
(5pt)

アップダイクのような

アマゾンで買った大江健三郎全小説6で読み始めました。冒頭の部分を読んで、ここはまるでアップダイクの走れウサギ読んでるみたいだと思いました。走れウサギでは、主人公が少年と一緒にバスケットボールをして疎外感を味わいます。大江健三郎は、たくさんの外国小説を読んでますが、アップダイクからも影響を受けています。以上ご参考までに。
個人的な体験(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験(新潮文庫)より
B00IP4BYW6
No.121
(5pt)

アップダイクのような

アマゾンで買った大江健三郎全小説6で読み始めました。冒頭の部分を読んで、ここはまるでアップダイクの走れウサギ読んでるみたいだと思いました。走れウサギでは、主人公が少年と一緒にバスケットボールをして疎外感を味わいます。大江健三郎は、たくさんの外国小説を読んでますが、アップダイクからも影響を受けています。以上ご参考までに。
個人的な体験 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (新潮文庫)より
4101126100
No.120
(5pt)

アップダイクのような

アマゾンで買った大江健三郎全小説6で読み始めました。冒頭の部分を読んで、ここはまるでアップダイクの走れウサギ読んでるみたいだと思いました。走れウサギでは、主人公が少年と一緒にバスケットボールをして疎外感を味わいます。大江健三郎は、たくさんの外国小説を読んでますが、アップダイクからも影響を受けています。以上ご参考までに。
個人的な体験 (1964年) Amazon書評・レビュー: 個人的な体験 (1964年)より
B000JAFA5Q