むかしむかしあるところに、死体がありました。
評判
むかしむかしあるところに、死体がありました。の評価:
3.60/5点 レビュー 94件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 101〜107 6/6ページ
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むかしむかしあるところに、死体がありました。の評価:
3.60/5点 レビュー 94件。 B ランク
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「一寸法師」は「不在証明」と題して如何にもアリバイ・トリック物と見せかけて、実は「***」物という全体構成のミス・リーディングが巧み。現代ミステリでは不可能な、"昔話ならではの小道具"をこれまた巧みに織り込んでいる。伏線の張り方にも細心の注意を払っている。次編の「死者伝言」とはダイイング・メッセージの事だが、そう見せかけて、実は伏線の張り方だけで勝負しているアイデアが秀逸。元が人口に膾炙した昔話だけに、読者が自然とその流れに乗ってしまう点を見事に突いている。更に、犬の視点で物語を描き、全体を犬の復讐譚としている辺りが怖い。「鶴の恩返し」は倒叙物と昔話ならではの小道具との組合せだが、凝り過ぎてスベッテしまった感がある。「龍宮城」は韜晦ではなく、バリバリの本格密室物。昔話ならではの小道具の使い方に深みがある(私は作者の罠に嵌った)。最終編は、それまでの短編で用いた小道具を総動員して、「鬼ヶ島」を舞台にした「そして誰もいなくなった」のパスティーシュ物という意欲作。「そして誰もいなくなった」の弱点である動機の問題を昔話ならではの突飛な発想で解決し、原作通り、本編の後に真犯人の告白を付ける等パスティーシュとしての完成度が高くて感心した。
これまで昔話をミステリ仕立てにするなんて考えた作家がいるだろうか ? それだけでも賞賛に値するが、各短編が上質な点に驚嘆すると共に非常に楽しめた。作者の今後の作品に大いに期待したい。