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つきのふね
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つきのふねの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 41~55 3/3ページ
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森 絵都作品のなかで一番好きな作品になりました。 文庫が出るまでなかなか読む機会がなかった作品ですが、最高傑作でした。 青春のヒリヒリした痛みとか、その頃の焦燥感とかを描ききっている。 ラストの智さん手紙、これでもうこれ以上のものはないと確信しました。 でも、これからもこれ以上の作品を期待しています! | ||||
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ある日を境に、最高の親友だったさくらと梨利が口も聞かない日々がはじまり、その日以来、どうしていいのかわからないまま、不安と寂しさを抱えるふたり。そして、そんな梨利とさくらを見守る勝田くん。 さくらの心のよりどころである智さんは、任務にのめり込み、同じ頃、街では放火が続いている。 みんな弱くて、だけど強くて…。 それぞれが、自分以外の誰かを想う気持ちであふている。 『つきのふね』は、大きな愛を信じたいと思ったときに、おすすめです。 | ||||
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生きることへの、不安や、葛藤、切実、一途などのすべてが、素直に書かれている。 読んでいるうちに、まるで主人公たちを見守る親のような気分になってきて、最後がどうなるものかと話が進むたびに、ページをめくる手がとまらなくなってきて、ついにはそのまま読み終えないと気がすまなくなり、ほぼ二日で読み終えてしまった。 起きていること自体は些細なことかもしれない。 でもその子達自身にとってはとても大きい。 小さな決裂が、大きな裂け目になることがある。 そんな危うさの中で生きている波打つ青春は、危険だからこそ大人になっては味わえないキセキに出会える。 …なんて難しく語るべき内容じゃあない。 単純に言い表すなら、 肩をぽんっと後押ししてくれる、生きている人たちのためへの本。 | ||||
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「つきのふね」は揺れ動く14歳の少年・少女たち、そして心を病んでしまった一人の青年の「救済」をテーマにした物語です(少なくとも私は「救済」がテーマなのだと解釈しています)。 主人公は中学2年生のさくら。とある事件から親友の梨利、そしてそれまでつるんでいたグループを抜け、今の心のよりどころはおかしなきっかけで知り合った智さんという10も年上の青年。 そこにある日、尾行が趣味の勝田くんが加わることで物語が展開していきます。 さくらの抱える問題が一つではないだけに、お話がいろいろな方向に進みますが、共通して描かれているのはさくらたちの"14歳らしさ"です。 つねに未来に不安で、自分のことなのに自分がよく見えなくて、不器用にしか生きられない。 けれど、その不器用さが後半の"救済"のシーンで大いに意味があったのだと感じました。彼らがすでに"上手に生きられる大人"だったとしたら、きっと"彼"を救うことはできなかったでしょう。 地の文をいかにも14歳らしく、いまどきの言葉で書いた森先生の魅せ方はとてもお上手。気が付けば物語にのめりこんでいます。 また、そんなふうに語られることでさくらたちの感情がありありと、現実に近い形で感じられると思います。 さくらたちと同い年の中学生の方に読んでもらいたいのもそうですが、私がとくに読んでほしい、推奨したいと思うのはすでに彼らの年代を通り越した大人のみなさんです。 大人のほうが、自分の中学生時代の不器用さを思い出せて、よりこの作品を通して森先生が伝えたいことを理解できるのではないでしょうか。 児童書だからといって敬遠せずに、多くの大人の方に手にとってもらいたい一冊です。 | ||||
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中学1年の娘に読ませるため購入、娘より先に読みました。最初はこの内容はどうかな、と思いましたが、最後は涙でぼろぼろになってしましました。思春期を乗り越えてゆくのは大変。大人になる過程でなにか命に関わるぎりぎりの体験をしてゆく・・・。これからその思春期に突入するわが子を冷静に見守りたいと思います。 | ||||
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最初はうまく物語に馴染めなかった。14歳の女の子ふたりと男の子ひとりが出てくる。ノストラダムスが世界の滅亡を予言した2000年を再来年に控えて不安になる少女。彼女に執拗につきまとう男の子。あるきっかけで彼女と仲違いしてしまった友だち。妙に大人びて乾いた部分と信じられないほど幼稚な部分があいまいに同居している。物語のリズムをつかめないまま、今度は現実感が希薄だけれど、それに比例して無垢な青年が現れる。なんだか全員が嘘っぽいのだ。だけれども、小説の中盤から目が離せなくなり一気に読み終えてしまった。すごく作り物めいた物語の中に、ぎこちないけれど、ナニモノにも替えがたい力強い輝きがあることに気がついたからだ。終盤の展開は特に強い。 | ||||
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色々と考えさせられる話。 誰でもほんのちょっとしたことですぐに傷ついてしまう今の時代。そんな中をどうやって生きていけばいいのか。時には死んでしまったほうが楽に違いないと思ってしまう、けれど生きているからこそ感じることの出来る命の尊さや、喜び。そのようなことを、3人の中学生と、一人の青年の物語を通して伝えているように感じました。 後半の臨場感がすごくて、自分がその場にいるような緊張感がありました。先の読めない展開。ついつい先へ先へとページをめくりたくなります。 バレッタが水溜りに浮かぶ様を”つきのふね”とたとえるシーンは、「なるほど」と、感動を覚えずにはいられませんでした。 手紙の最後の文。あれは読者に対する投げかけなのでしょう。ひらがなで書かれた幼い文章にはっと胸を打たれて涙が出ました。 | ||||
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児童書なのですが、森絵都さんの話は好きです。 文章が優しくて、ほんわりとしています。 中学生のさくらは、植物になってしまいたいと思うほど、進路に「不明」と書いてしまうほど、現実に落胆している中学生。 万引きにしくじったことで、「宇宙船を作って世界を救う」という智と知り合い、親しくなります。 万引き仲間だった同級生のりりと、そのりりを好きな勝田くん。 さくらと勝田君は、万引きグループからりりを救い出そうと、心を病んだ智を救おうと、頑張ります。 個人的に、空回りしていますが、一生懸命で時々はっとすることを言う勝田が好きです。 未来が不安で仕方がない中学生達、でも時々すごく大人で、そのギャップにはっとさせられます。 そして、現実を見れない智。 それぞれの描写が丁寧で深くて、自分にもそういう部分が少しあるな(あったな)と共感できます。 | ||||
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森絵都さんの本の中で一番好きな一冊です。 主人公「さくら」と絶縁中の友人「梨利」。梨々を追いかける「勝田くん」に、万引きで捕まったさくらを助けてくれた「智さん」。 1999年の最後の満月の夜、水城小学校で「つきのふね」を待つことになる4人の友人たちです。 中学生の私は、この話をどこかにありそうな話として読むことが出来ました。 「植物になりたい」と願うさくらの思いや、「さくらとは一緒にいれない、さくらとあたしは違う」と思い詰める梨利…。 どの想いもひしひしと伝わってきて、ラストを読むと切なく…そして嬉しくなります。 1つ1つの命って、こんなに儚くて壊れやすくて、そして強くて大切なものなんだなぁと思いました。 さくらや梨利、勝田君にも智さんにも幸せになって欲しいと心から思いました。 | ||||
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同じ作者の『カラフル』と違って話の展開が読めなかったです。 最初いじめ方面の話なのかな?と思ったけどそうじゃなくて(よかった) 人間だれしも病んでいる(?)というお話でした。 登場人物はどの人も”よくわからない”というのが正直なところで (これをジェネレーションギャップと呼ぶのでしょうか?) 文章はあいかわらず読みやすく例えがわかりやすくていいです。 智さんの親友の描写はほとんどなかったのですが、 小学校の頃に貰った手紙で立直ったというエピソードが 留学先にまでその手紙を持っていっている事で裏付けられていて ふたりの関係をなんとなく想像できるようで上手いなぁと思いました。 最後にその手紙を持ってくる必殺技は反則でしょう。 悩みは、解決するというよりは誰もが抱えているものという感じがよかったです。 | ||||
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生きることの難しさに立ち向かいながら 心の安全地帯を捜し求める少年少女の物語 おせっかいに必至に頭を捻り、駆け回るエネルギッシュさが 現代人や若者、少年時代とくくれない、高校生とも違う 中学生の不安定さがよく出ていて感動しました。 ヴァイオレンスとセンシティブのバランスが絶妙な逸品 | ||||
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人の心はとても弱くて、ほんの少しの世間の毒にも簡単にやられてしまう。 しかしその弱さの分だけ、世間に立ち向かっていくための力も持っている。 3人の中学生と1人の青年の弱さと強さを詰め込んだ小さな「つきのふね」は、自分の弱さをも愛せるようにしてくれるだろう。 森絵都さんの小説は、読書嫌いの大きな原因となる「情景文」がとても少ないので、読書嫌いの人にもお薦め。 又この小説は話の展開にスピード感があり、コミックス感覚でも読める。 | ||||
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この世界でうまく生きていこうとするのは、ある意味でひどく残酷なことなのかもしれない。 友達たちと折り合いをつけてなんとか繋がっていようとする自分。 先のことを考えると、すごく不安な気持ちになる。 この本に書かれているのと同じようなことを扱った本は、他にもたくさんあるだろう。 ただ、今この世界を生きている僕にとって、森絵都さんのメッセージは、どんな文豪の言葉より、力強く心に響いた。 「生きたい」 心からそんな気持ちにさせてくれる1冊。 | ||||
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中学2年生のさくらが主人公。彼女,ついこの間まで万引き常習犯だった過去を持つ。で,友達で,今も万引き常習犯で,悪い仲間と遊び続けている梨利とは,自分の裏切りが原因でまったく口を聞けなくなってしまっている。そんなさくらが,心の平和を求めて通うのは,自称「宇宙船を設計する使命を背負った」,その実何をしてるのか良くわからない青年,智のアパート。さくらは宇宙船の設計図を描くのに没頭している智をながめることでなんとか平和だったが,そこに梨利とさくらの仲たがいを心配するおせっかい野郎の同級生,勝田くんが入ってきて…。 「このごろあたしは人間ってものにくたびれてしまって,人間をやってるのにも人間づきあいにも疲れてしまって,なんだかしみじみと,植物がうらやまし!い。」 「あたしはちゃんとした高校生になれるのかな,ちゃんとした大人になれるのかな,ちゃんと生きていけるのかな…」 「オレから見りゃおまえたちみんな,自分のことばっか気にしすぎてんだよ」 生きるってことはこういうことなんだぞ,と頭をはたかれる感じでしょうか。ラストの「つきのふね」の絵が綺麗にはまってます。 | ||||
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「カラフル」や「宇宙のみなしご」より重い感じの話ですがそれだけに、心にずん・・・と響く物語です。今は本当に大変な時代。小さなことでかんたんに壊れてしまう心たちが、自分をささえていてくれた小さいけれど大切な風景や人をとりもどそうとする物語です。登場人物の複雑な思いや願いが切実に伝わってきます。とてもピュアで、じん・・・としました。最後に本を閉じて、 生きていよう・・・と思いました。 | ||||
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