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十津川警部 九州観光列車の罠
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十津川警部 九州観光列車の罠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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西村京太郎氏の604冊目の作品はさまざまな情報量てんこ盛りの気力が充実した感動の力作です。1986年7月に刊行された「座席急行津軽殺人事件」には「四十五歳の亀井」「四十歳の十津川」という記述がありましたが本書の180頁に「亀井刑事と同じ四十五歳である」と書かれていますので十津川警部シリーズの登場人物達は「サザエさん」みたいに全く年を取らないのだとわかりましたね。それは部分的な事実「或る列車」の運行時期から本事件が最近の出来事だと判断できる事から彼らがずっと同年齢のままで時だけが経過しているのだと推測できますし、でも本書には阿部総理ではなく片山総理が出て来ますので十津川警部らはパラレル・ワールド(並行世界)の住人だという事もわかりますね。 日本各地で起きた少女連続殺人事件の捜査で運よく手柄を立てた亀井刑事がご褒美に休暇を貰って豪華観光列車「或る列車」で11歳の息子・健一と共に長崎から乗り込むのだが、終着駅の佐世保に着くと健一がいなくなっていた。やがて誘拐犯が亀井刑事に息子の命と引き換えに件の殺人事件の物証となった手紙を要求して来て窮地に立たされたカメさん(本名・亀井定雄)は辞表を提出して単独で行動するのだが・・・・。 本書にはとにかくいろんな情報が半端なく盛り込まれておりまして著者の読者に対する旺盛なサービス精神を感じましたね。「或る列車」「ドローン」「高価な新種の猫シンガプーラ」「美容法ブーム」と、他にも自身の同時期に連載された「京都感傷旅行」の「陰陽師」のバッジの手掛かりを盛り込んだり、独創的な誘拐組織のアイディアを考案したりと、本当に飽きる暇もなく頁を繰って読ませられましたね。メインの政治絡みの対立の構図では大胆にも首相夫人殺害事件を引き起こして、しかもあろうことかカメさんが殺人の容疑者として逮捕されるという前代未聞のあり得ない展開を描いて、十津川警部と仲間達が上層部から捜査を禁じられながらもこっそりと必死で救い出そうと奮闘努力する執念の活躍が誠に感動的でしたね。まあ細かい部分で言えば、最初の殺人容疑が一旦見つかった手紙を破棄すれば即消えてしまうのか?といった点や、幾ら顔が似ているからと言ってそれまで信頼すべき真人間で全く殺人の動機もないカメさんをそんなに簡単に逮捕するだろうか?という疑問もありますが、とにかくエンターティンメントに徹したスリルと興奮のストーリーで「最後のカーチェイス」の緊迫した場面まで最高に面白く楽しんで読めましたね。 | ||||
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