京都感傷旅行
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西村京太郎氏の606冊目は京都が舞台となる作品です。本書は全くトラベル・ミステリーではありません。なのに新書カバーのイラストに列車が描かれているのはややおかしいのですが、でも著者のトレードマークですのでそこはまあよしとしましょうね。 沢田秀一は還暦を迎えて大学時代の「鉄道友の会」の仲間とメンバーの女性・西野京子の料亭旅館に集まって一週間を過ごそうとやって来たのだが、やがて5人の内の男女二人が続いて不審な死を遂げるのだった。 本書を読んで思い浮かんだのは今から31年前に刊行された長編「みちのく殺意の旅」なのですが、読み終えて残念ながら出来栄えは遥かに落ちるなあという思いでしたね。でも、途中で起きる「生け花の家元の息子の死」や「料亭女将の生家が平安時代から続く陰陽師の家系だった」という事実が事件にどう絡んで来るのかなと興味に魅かれてワクワクしながら読み進みましたね。ですから沢田秀一の語りによる第5章までは中々に素晴らしいのですが、残り2章で満を持して登場する十津川警部の推理の内容が随分と曖昧模糊としていてガクンと落胆させられましたね。「私は騙されたのか」と書くのなら誰にと書いても良さそうですがまあそれは仕方ないとして、犯人の動機は何とか理解できますが、第6章の十津川警部の推理が終章ではご破算になってしまったみたいなのが不可解でしたね(何しろ二人が共に死んで事実を確かめようがなくなるのですからね)。また陰陽道が事件に関係していたのかどうかという点が最後は曖昧になってしまいましたし、本来ならばこんな複雑怪奇な事件の真相はもっと詳細に分析して発端から終息までまとめて欲しいのですが何故か駆け足でエンドとなってしまいましたね。疑問符だらけで何か釈然としないものが残りまして、もう一つ悔いが残ったのは5章まで語りを務めた沢田秀一にせめて今回の事件に対する感慨と共にもう一度振り返って思いを語ってもらいたかったですね。今回は謎自体は十分に魅力的で期待が持てたのですが、全ての繋がりをまとめる真相の部分が案外と平凡で意外性に欠けたのがもっとも残念な点でしたね。でもまあ第7章の題名「古都と現代の京都と」に通じる「陰陽道の今」の平安時代から人々の意識が変わっておらず陰陽道が今も尚京都人の心に生き続けているという考えに非常に心を魅かれたのは確かな事実ですね。私としては著者の長年のファンという事もあって大分甘いかも知れませんが、結末を除けばとても魅力的なミステリーだと思いますので著者には今後とも変わらずにお元気で頑張ってご活躍して欲しい気持ちで一杯ですね。 5月25日追記します。本書を読んで暫くしてから漸く著者の目論んだ意図に思い当たりましたね。それは「西野京子」と「柏原香織」の関係者二人を故人にする事で、帯に書かれた「千年前の“呪法”が甦る!?」の真相を曖昧にして僅かにその可能性も有り得るという余地を残す為だったのでしょう。基本的にリアリズムの推理小説をこれまでずっと書いて来た西村氏としては、これが精一杯の現実を離れた神秘主義的なアプローチの試みだったに違いありませんね。誰もが思い切ってJ・D・カーの現実と幻想が交錯した名作「火刑法廷」みたいには書けないという事なのでしょうね。 | ||||
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著者が長年京都に住んでいた事もあり、詳しく京都の町を表している。 だが、肝心の内容は退屈そのもの。60近い老人の青春話やら恋愛話と、もうどうでもいいような感じ。 主人公の十津川警部が登場するのもかなり後。事件も血生臭いものではなく「ああ、殺されたんだ・・・」的なレベル(?) 鉄道ミステリーでもなく、トラベルミステリーでもないような話。 唯一、この作品で知った事が、日本で初めてノーパン喫茶が出来たのが京都だということだった。 | ||||
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