西から来た死体 - 錦川鉄道殺人事件
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西村京太郎氏の603冊目の著作は鉄道路線の全線開通の悲願と熟年男女の愛憎を絡ませた中々の意欲作だと思います。本作に次ぐ刊行作「十津川警部 九州観光列車の罠」はほぼ同時期に連載されているのですが、雰囲気やテンションが全く違っていてまさに「静」と「動」の明らかな差が感じられますが、こうして続けて読むと著者がそれぞれに心配りされて違ったタイプの物語を描き分けられている事を改めて実感しましたね。 広島発「のぞみ号」が東京駅に到着し、座席で毒殺された女性が見つかる。殺されたのは25年前に引退した元女優の沢田澄江65歳で、彼女が生前「岩日北線」の全線開通の実現に向けて懸命に努力していた事実を十津川警部は知る事となる。 本書の題名「西から来た死体」はあまりにも素っ気無さすぎると思いますので幾分の改善の余地があるでしょうね。本書はかなり地味目な物語で殺された女性の人生遍歴を追いかけるといった形のストーリーが続いて行く波乱の少ない展開ですが、そんな中で「岩日北線」の全線開通の悲願の話題は地元の人々の切実な願いが感じられて胸を打たれる思いに駆られましたね。それから往年の美貌の元女優を巡る彼女を愛する男達の愛憎の物語には著者がロマンスに力点を置いて描かれている姿勢が濃厚に感じられまして誠に古風な考え方ですが「永遠の愛」を実感できて良かったですね。エピソードの中では大昔の佐々木小次郎の合図と現代的なスマホを組み合わせて一種の恋愛遊戯を楽しんでいる熟年男女の姿が微笑ましかったですね。それからあの十津川警部の直感が偶にははずれる事もある!という著者の引っ掛けがミステリー好きとしては実に面白かったですね。それから大金の口座間の資金移動の方法が書かれていないのは確かな事実ですが、一方で二億円の引き出しの方法については118頁に「この男が、沢田澄江の委任状を持参し、更に、支店長が、確認のために、彼女のスマホにかけて、本人のオーケイがとれたので、翌日に支払ったといっています。」と書かれていますのでキャッシュカードで何回にも分けて引き出したのではない事は明らかです。私はとにかく著者の一点の不備だけを捕まえて★1つに貶める様な本の読み方はしたくないと常日頃から思っていますし、ことさらに粗を探す事ばかりに腐心するのではなく素晴らしい点を見つけて読書を楽しみたいと思っておりまして、これからも変わらずに末永く著者を応援して行きたいと考えております。 | ||||
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いかにして殺されたAさんの銀行口座から、同じ銀行で他支店のBさんの口座に2億円もの資金移動ができるのか?Aさんの死後資産凍結がなされる寸前に行われたというが、本文にはAさんの口座からBさんの口座に資金移動した方法が書かれていない。本人でもない人間がキャッシュカードを不正入手し暗証番号をききだしたとしても、毎日引出し上限の50万ずつカードで預金を引き出しても2億引き出すには400日もかかる。全く現実的ではないストーリーの展開はあまりに強引すぎる。最近の書き下ろしということで期待していたが、勘弁していただきたい。 | ||||
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