浮世の画家

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浮世の画家の評価:

3.98/5点 レビュー 56件。 D ランク

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Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全167件 141〜160 8/9ページ
No.27
(5pt)

期待を大きく上回るセカンド

端的にゆうと、

戦時中にもてはやされた国家主義の画家が、

戦後の自由主義的な風潮のなかで四苦八苦するという話。

娘の縁談を成功させるために涙ぐましい努力をする主人公の道行きが哀切である。

一種の地獄編、地獄めぐりでもある。

立場や仕事をなくした人が過去を否定されてもしっかり生きてゆくことのメタファーとして機能するだろう作品。

「ものごとは見かけほど単純じゃない、とても複雑なんだ」

というセリフが繰り返されて胸をつく。

イシグロさんはいつもヒカゲの人間を描いてるのかもな〜。

次作「日の名残り」との共通点が多く、 主人公が自分の仕事・過去に疑問を持っている、むしろそれが間違いであったことを知っていること、 政治的な議論、民主主義の是非、が出てくること、 愛する人とのすれ違い、 などは共通している。

イシグロさんのテーマは体制派と反体制の葛藤なのかも。

体制の内部でロラル的に堕落してしまう人間の悲しい姿が描かれる。

それでも自分をなんとか正当化して生きていくしかないのだ、あれは避けられないことだったんだという悲愴な決意、むしろ前向きな生き方が胸にせまる。

「わたしを離さないで」でも先生たちの姿勢が様々で、体制のなかでも色んな葛藤があることが描かれている。

人間が生きる上で出てくる多様な罪ややるせないシステムがあるんだけど、

それでもちゃんと生きてゆく、

愛のために、

というところが読者の共感を呼ぶのだろう。

というか登場人物はあまり死のことは考えないみたいだ。

ってか上手く書けない
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.26
(5pt)

期待を大きく上回るセカンド

端的にゆうと、

戦時中にもてはやされた国家主義の画家が、

戦後の自由主義的な風潮のなかで四苦八苦するという話。

娘の縁談を成功させるために涙ぐましい努力をする主人公の道行きが哀切である。

一種の地獄編、地獄めぐりでもある。

立場や仕事をなくした人が過去を否定されてもしっかり生きてゆくことのメタファーとして機能するだろう作品。

「ものごとは見かけほど単純じゃない、とても複雑なんだ」

というセリフが繰り返されて胸をつく。

イシグロさんはいつもヒカゲの人間を描いてるのかもな〜。

次作「日の名残り」との共通点が多く、 主人公が自分の仕事・過去に疑問を持っている、むしろそれが間違いであったことを知っていること、 政治的な議論、民主主義の是非、が出てくること、 愛する人とのすれ違い、 などは共通している。

イシグロさんのテーマは体制派と反体制の葛藤なのかも。

体制の内部でロラル的に堕落してしまう人間の悲しい姿が描かれる。

それでも自分をなんとか正当化して生きていくしかないのだ、あれは避けられないことだったんだという悲愴な決意、むしろ前向きな生き方が胸にせまる。

「わたしを離さないで」でも先生たちの姿勢が様々で、体制のなかでも色んな葛藤があることが描かれている。

人間が生きる上で出てくる多様な罪ややるせないシステムがあるんだけど、

それでもちゃんと生きてゆく、

愛のために、

というところが読者の共感を呼ぶのだろう。

というか登場人物はあまり死のことは考えないみたいだ。

ってか上手く書けない
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.25
(5pt)

期待を大きく上回るセカンド

端的にゆうと、

戦時中にもてはやされた国家主義の画家が、

戦後の自由主義的な風潮のなかで四苦八苦するという話。

娘の縁談を成功させるために涙ぐましい努力をする主人公の道行きが哀切である。

一種の地獄編、地獄めぐりでもある。

立場や仕事をなくした人が過去を否定されてもしっかり生きてゆくことのメタファーとして機能するだろう作品。

「ものごとは見かけほど単純じゃない、とても複雑なんだ」

というセリフが繰り返されて胸をつく。

イシグロさんはいつもヒカゲの人間を描いてるのかもな〜。

次作「日の名残り」との共通点が多く、 主人公が自分の仕事・過去に疑問を持っている、むしろそれが間違いであったことを知っていること、 政治的な議論、民主主義の是非、が出てくること、 愛する人とのすれ違い、 などは共通している。

イシグロさんのテーマは体制派と反体制の葛藤なのかも。

体制の内部でロラル的に堕落してしまう人間の悲しい姿が描かれる。

それでも自分をなんとか正当化して生きていくしかないのだ、あれは避けられないことだったんだという悲愴な決意、むしろ前向きな生き方が胸にせまる。

「わたしを離さないで」でも先生たちの姿勢が様々で、体制のなかでも色んな葛藤があることが描かれている。

人間が生きる上で出てくる多様な罪ややるせないシステムがあるんだけど、

それでもちゃんと生きてゆく、

愛のために、

というところが読者の共感を呼ぶのだろう。

というか登場人物はあまり死のことは考えないみたいだ。

ってか上手く書けない
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.24
(4pt)

主人公は性格が悪いのか?

私はこの作品を原文で読み、主人公に共感した。
多少頼りなげで流されやすい性格ではあるが、悪い性格の人物ではない。
一方、この作品を和訳で読んだ母は、主人公を「傲慢で自分勝手な人」と感じたらしい。
おかげで、主人公に共感できないままで、ストーリーも楽しめなかったそうだ。

原文と和訳でそんなに人物像が変わってしまうというのは、カズオ・イシグロの繊細な文章はプロの翻訳家にもなかなか再現できるものではないということなのかもしれない。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.23
(4pt)

主人公は性格が悪いのか?

私はこの作品を原文で読み、主人公に共感した。
多少頼りなげで流されやすい性格ではあるが、悪い性格の人物ではない。
一方、この作品を和訳で読んだ母は、主人公を「傲慢で自分勝手な人」と感じたらしい。
おかげで、主人公に共感できないままで、ストーリーも楽しめなかったそうだ。

原文と和訳でそんなに人物像が変わってしまうというのは、カズオ・イシグロの繊細な文章はプロの翻訳家にもなかなか再現できるものではないということなのかもしれない。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.22
(4pt)

主人公は性格が悪いのか?

私はこの作品を原文で読み、主人公に共感した。
多少頼りなげで流されやすい性格ではあるが、悪い性格の人物ではない。
一方、この作品を和訳で読んだ母は、主人公を「傲慢で自分勝手な人」と感じたらしい。
おかげで、主人公に共感できないままで、ストーリーも楽しめなかったそうだ。

原文と和訳でそんなに人物像が変わってしまうというのは、カズオ・イシグロの繊細な文章はプロの翻訳家にもなかなか再現できるものではないということなのかもしれない。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.21
(3pt)

浮き世で、、

最初、浮世絵作家の話かと思って読み出した。
そうではなくて、、浮き世に流されて暮らしている画家、、というような意味らしい。
戦争中は、戦争を礼賛するような絵を描いて大家と言われるようになり、
戦後はその過去のため、やや世から身を隠すようにくらしている、画家 小野。
次女の縁談が決まらないのも、自分のせいかなあ、、と思ってみたり、
いろいろと頭の中も迷走してしまう、、。

こういうときに、いつも思うのは、世に逆らって自分の信念を貫いた人は、
大変に素晴らしいと思うけれど、それができた人はどのくらいいるのだろうか。
大部分が、まさに、浮き世で、時代に流されて生きているのではないだろうか。
影響力が大きかったから、、、といって、流れに、本当に逆らう事ができただろうか?
逆らわなかったからといって、責める事ができるのだろうか?

そして、、
逆らえなかった事、逆らわなかった事と、どのように向き合って生きていくか、
自分の傷をどう覆っていくか、、が、贖罪ではないだろうか。
自死する事ではなくて、、。

初期の作品だけあって、少し話しがもたつくのが気になる。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.20
(3pt)

浮き世で、、

最初、浮世絵作家の話かと思って読み出した。
そうではなくて、、浮き世に流されて暮らしている画家、、というような意味らしい。
戦争中は、戦争を礼賛するような絵を描いて大家と言われるようになり、
戦後はその過去のため、やや世から身を隠すようにくらしている、画家 小野。
次女の縁談が決まらないのも、自分のせいかなあ、、と思ってみたり、
いろいろと頭の中も迷走してしまう、、。

こういうときに、いつも思うのは、世に逆らって自分の信念を貫いた人は、
大変に素晴らしいと思うけれど、それができた人はどのくらいいるのだろうか。
大部分が、まさに、浮き世で、時代に流されて生きているのではないだろうか。
影響力が大きかったから、、、といって、流れに、本当に逆らう事ができただろうか?
逆らわなかったからといって、責める事ができるのだろうか?

そして、、
逆らえなかった事、逆らわなかった事と、どのように向き合って生きていくか、
自分の傷をどう覆っていくか、、が、贖罪ではないだろうか。
自死する事ではなくて、、。

初期の作品だけあって、少し話しがもたつくのが気になる。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.19
(3pt)

浮き世で、、

最初、浮世絵作家の話かと思って読み出した。
そうではなくて、、浮き世に流されて暮らしている画家、、というような意味らしい。
戦争中は、戦争を礼賛するような絵を描いて大家と言われるようになり、
戦後はその過去のため、やや世から身を隠すようにくらしている、画家 小野。
次女の縁談が決まらないのも、自分のせいかなあ、、と思ってみたり、
いろいろと頭の中も迷走してしまう、、。

こういうときに、いつも思うのは、世に逆らって自分の信念を貫いた人は、
大変に素晴らしいと思うけれど、それができた人はどのくらいいるのだろうか。
大部分が、まさに、浮き世で、時代に流されて生きているのではないだろうか。
影響力が大きかったから、、、といって、流れに、本当に逆らう事ができただろうか?
逆らわなかったからといって、責める事ができるのだろうか?

そして、、
逆らえなかった事、逆らわなかった事と、どのように向き合って生きていくか、
自分の傷をどう覆っていくか、、が、贖罪ではないだろうか。
自死する事ではなくて、、。

初期の作品だけあって、少し話しがもたつくのが気になる。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.18
(3pt)

しかして彼はなにものぞ?

何とも不可思議な気分にさせられる作品。

もし、これが、ロバート・ウィリアムズという生粋の英国人で、日本の文化と歴史に造詣の深い作家だったとしたら…?
その人物はこういう作品を書くだろうか?
これを書いたのが「英国籍の作家」であり、今ここで私の読む言葉は「翻訳された日本語」なのだということが、ストーリー以前にとてもフシギだ。
イシグロの他の作品にはあまり感じない種類のものだ。

テーマは「文化人の戦争犯罪」とでも言おうか。軍人、政治家のように実権こそ持っていなかったけれど、国威発揚の軍国主義に与するような作品を造り出した人々のことだ。実際にレオ・フジタなどはそれを行い、結果として後に日本を脱出することになる。

本書の主人公は、自分の行為を素直に認めながら、同時にその内容を肯定している。しょせん自分は「浮世の画家」にしか過ぎない。それ以上でも以下でもないのだ、というある種の理念をもって。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.17
(3pt)

しかして彼はなにものぞ?

何とも不可思議な気分にさせられる作品。

もし、これが、ロバート・ウィリアムズという生粋の英国人で、日本の文化と歴史に造詣の深い作家だったとしたら…?
その人物はこういう作品を書くだろうか?
これを書いたのが「英国籍の作家」であり、今ここで私の読む言葉は「翻訳された日本語」なのだということが、ストーリー以前にとてもフシギだ。
イシグロの他の作品にはあまり感じない種類のものだ。

テーマは「文化人の戦争犯罪」とでも言おうか。軍人、政治家のように実権こそ持っていなかったけれど、国威発揚の軍国主義に与するような作品を造り出した人々のことだ。実際にレオ・フジタなどはそれを行い、結果として後に日本を脱出することになる。

本書の主人公は、自分の行為を素直に認めながら、同時にその内容を肯定している。しょせん自分は「浮世の画家」にしか過ぎない。それ以上でも以下でもないのだ、というある種の理念をもって。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.16
(3pt)

しかして彼はなにものぞ?

何とも不可思議な気分にさせられる作品。

もし、これが、ロバート・ウィリアムズという生粋の英国人で、日本の文化と歴史に造詣の深い作家だったとしたら…?
その人物はこういう作品を書くだろうか?
これを書いたのが「英国籍の作家」であり、今ここで私の読む言葉は「翻訳された日本語」なのだということが、ストーリー以前にとてもフシギだ。
イシグロの他の作品にはあまり感じない種類のものだ。

テーマは「文化人の戦争犯罪」とでも言おうか。軍人、政治家のように実権こそ持っていなかったけれど、国威発揚の軍国主義に与するような作品を造り出した人々のことだ。実際にレオ・フジタなどはそれを行い、結果として後に日本を脱出することになる。

本書の主人公は、自分の行為を素直に認めながら、同時にその内容を肯定している。しょせん自分は「浮世の画家」にしか過ぎない。それ以上でも以下でもないのだ、というある種の理念をもって。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.15
(4pt)

カズオ・イシグロ入門編

カズオ・イシグロがどういう作家かを手っ取り早く知りたい人には、
本書と『日の名残り』をお勧めする。

イシグロが得意とするのは一人称による語りである。
一見、近代日本文学得意の私小説の感を受けるのだが、
作者はそこに一つの仕掛けをする。
この語り手、実は相当な曲者なのである。

視点人物が固定されているということは、
読者もまた、物語をその人物を通してしか
眺められないということを意味する。
彼が語る出来事は事実そのものではない。
彼が解釈した、言ってみれば歪められた事実なのである。

イシグロは主人公に私たちを同化させておいて、突然突き放す。
その時受ける衝撃は、現実崩壊の感覚とでも呼べばいいだろうか。
読者が憑依していた主人公の肉体から突如追い出され、
空中を浮遊する霊となって、彼の姿を目にするような感覚、
一瞬前まで現実と思って生きていた世界が、
実は夢であったと知らされるような衝撃を想像してほしい。
それを読者に感受させる、イシグロの手腕は見事というほかない。

カズオ・イシグロ。この端整な文章を紡ぐ作家は
実は、恐ろしい怪物なのである。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.14
(4pt)

カズオ・イシグロ入門編

カズオ・イシグロがどういう作家かを手っ取り早く知りたい人には、
本書と『日の名残り』をお勧めする。

イシグロが得意とするのは一人称による語りである。
一見、近代日本文学得意の私小説の感を受けるのだが、
作者はそこに一つの仕掛けをする。
この語り手、実は相当な曲者なのである。

視点人物が固定されているということは、
読者もまた、物語をその人物を通してしか
眺められないということを意味する。
彼が語る出来事は事実そのものではない。
彼が解釈した、言ってみれば歪められた事実なのである。

イシグロは主人公に私たちを同化させておいて、突然突き放す。
その時受ける衝撃は、現実崩壊の感覚とでも呼べばいいだろうか。
読者が憑依していた主人公の肉体から突如追い出され、
空中を浮遊する霊となって、彼の姿を目にするような感覚、
一瞬前まで現実と思って生きていた世界が、
実は夢であったと知らされるような衝撃を想像してほしい。
それを読者に感受させる、イシグロの手腕は見事というほかない。

カズオ・イシグロ。この端整な文章を紡ぐ作家は
実は、恐ろしい怪物なのである。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.13
(4pt)

カズオ・イシグロ入門編

カズオ・イシグロがどういう作家かを手っ取り早く知りたい人には、
本書と『日の名残り』をお勧めする。

イシグロが得意とするのは一人称による語りである。
一見、近代日本文学得意の私小説の感を受けるのだが、
作者はそこに一つの仕掛けをする。
この語り手、実は相当な曲者なのである。

視点人物が固定されているということは、
読者もまた、物語をその人物を通してしか
眺められないということを意味する。
彼が語る出来事は事実そのものではない。
彼が解釈した、言ってみれば歪められた事実なのである。

イシグロは主人公に私たちを同化させておいて、突然突き放す。
その時受ける衝撃は、現実崩壊の感覚とでも呼べばいいだろうか。
読者が憑依していた主人公の肉体から突如追い出され、
空中を浮遊する霊となって、彼の姿を目にするような感覚、
一瞬前まで現実と思って生きていた世界が、
実は夢であったと知らされるような衝撃を想像してほしい。
それを読者に感受させる、イシグロの手腕は見事というほかない。

カズオ・イシグロ。この端整な文章を紡ぐ作家は
実は、恐ろしい怪物なのである。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.12
(3pt)

傷を「自分のもの」として受け入れて生きていく

カズオ・イシグロの物語に出てくるのは、何かしら傷を抱えた人たち。「時代のせい」と言い切ることもできるのに、そうはしない。過去を振り返り、見つめた上で、その傷を受け入れて生きていくことを決意した人たち。この作品にも、例によりそんな画家が出てくる。

初期の作品(らしい)ゆえ、最近の作に比べると、その「傷」が何だったのか明かされていく過程がそこまでドラマティックではないけれども、抑えめの文体が、非常に心地よかった。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.11
(3pt)

傷を「自分のもの」として受け入れて生きていく

カズオ・イシグロの物語に出てくるのは、何かしら傷を抱えた人たち。「時代のせい」と言い切ることもできるのに、そうはしない。過去を振り返り、見つめた上で、その傷を受け入れて生きていくことを決意した人たち。この作品にも、例によりそんな画家が出てくる。

初期の作品(らしい)ゆえ、最近の作に比べると、その「傷」が何だったのか明かされていく過程がそこまでドラマティックではないけれども、抑えめの文体が、非常に心地よかった。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.10
(3pt)

傷を「自分のもの」として受け入れて生きていく

カズオ・イシグロの物語に出てくるのは、何かしら傷を抱えた人たち。「時代のせい」と言い切ることもできるのに、そうはしない。過去を振り返り、見つめた上で、その傷を受け入れて生きていくことを決意した人たち。この作品にも、例によりそんな画家が出てくる。

初期の作品(らしい)ゆえ、最近の作に比べると、その「傷」が何だったのか明かされていく過程がそこまでドラマティックではないけれども、抑えめの文体が、非常に心地よかった。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.9
(5pt)

名作です

ほんっとうまい。「陽の名残り」でもそうだったが、信用ならざる語り手なんですよね、これも。時代を回顧する形式なんですが、この作品でも主人公がとにかく自分を弁護しまくるんです。自分を正当化しまくって、でも語り口がうまいもんですからああそうなのか、と思っちゃうんですが、そこでもう一度主人公を疑ってほしい。

 事実も何も本当は違うかもしれなくて、たんなる思いこみかもしれない。字面をそのまま取ればいい話だなあとじーんと来るんですが、そうじゃなくて、妄想電波小説みたいに読んだほうがおもしろいんです。自分の語りとまわりの人間の行動の齟齬があちこちに見られて、それが美しい語りのなかにあるどこか不気味な雰囲気となって、読み手を不安にさせる。

 本当にすごい作家だ。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.8
(5pt)

名作です

ほんっとうまい。「陽の名残り」でもそうだったが、信用ならざる語り手なんですよね、これも。時代を回顧する形式なんですが、この作品でも主人公がとにかく自分を弁護しまくるんです。自分を正当化しまくって、でも語り口がうまいもんですからああそうなのか、と思っちゃうんですが、そこでもう一度主人公を疑ってほしい。

 事実も何も本当は違うかもしれなくて、たんなる思いこみかもしれない。字面をそのまま取ればいい話だなあとじーんと来るんですが、そうじゃなくて、妄想電波小説みたいに読んだほうがおもしろいんです。自分の語りとまわりの人間の行動の齟齬があちこちに見られて、それが美しい語りのなかにあるどこか不気味な雰囲気となって、読み手を不安にさせる。

 本当にすごい作家だ。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471