月の満ち欠け

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

月の満ち欠けの評価:

3.43/5点 レビュー 238件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.43pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全265件 241〜260 13/14ページ
No.25
(5pt)

2017年 私の上半期ナンバー1です

2017年上半期、いちばん面白かった本は間違いなくこれです。最近にないくらいのめり込みました。
ですが、人間関係が複雑なので、これから読む人は人物相関図を作りながら読むのをおすすめします。

大好きだった人に再会するために何度も生まれ変わりを繰り返して、彼と接触を試みようとする女性とその周囲の人々の話です。
だけど時の流れは残酷なもので、
彼女が何度かの生まれ変わりを繰り返している間、彼はどんどんおじさんになっていく・・・。
結果、少女がおじさんを心と体で求めてるような感じになってしまい、そのへんに生理的な不快感を感じる人もいるかもしれません。
何度生まれ変わってもあなたを求めてる・・・これを女の執念ととるか、純愛ととるかでも賛否は大いにわかれそうです。

ある登場人物が自分達の身近に起こったこの生まれ変わりらしき現象に対し、
「生まれ変わりが絶対にあると信じろと主張してるわけではないのです。
 ただ生まれ変わりなどそれまで考えもしなかった人に、そういう考え方も一理あるということをわかってほしい」
というようなことを語るシーンがあります。これは世の中のどんなことにも当てはまります。
自分の中の常識だけにとらわれず、「こんなこともある」「こんな人もいる」と受け入れられる柔軟さって大切。
ちょっと作者の伝えたいメッセージとはかけ離れた感想になってしまうかもしれませんが、
こういう柔らかな目で物事を見ることのできる人になりたいと思いました。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.24
(5pt)

2017年 私の上半期ナンバー1です

2017年上半期、いちばん面白かった本は間違いなくこれです。最近にないくらいのめり込みました。
ですが、人間関係が複雑なので、これから読む人は人物相関図を作りながら読むのをおすすめします。

大好きだった人に再会するために何度も生まれ変わりを繰り返して、彼と接触を試みようとする女性とその周囲の人々の話です。
だけど時の流れは残酷なもので、
彼女が何度かの生まれ変わりを繰り返している間、彼はどんどんおじさんになっていく・・・。
結果、少女がおじさんを心と体で求めてるような感じになってしまい、そのへんに生理的な不快感を感じる人もいるかもしれません。
何度生まれ変わってもあなたを求めてる・・・これを女の執念ととるか、純愛ととるかでも賛否は大いにわかれそうです。

ある登場人物が自分達の身近に起こったこの生まれ変わりらしき現象に対し、
「生まれ変わりが絶対にあると信じろと主張してるわけではないのです。
 ただ生まれ変わりなどそれまで考えもしなかった人に、そういう考え方も一理あるということをわかってほしい」
というようなことを語るシーンがあります。これは世の中のどんなことにも当てはまります。
自分の中の常識だけにとらわれず、「こんなこともある」「こんな人もいる」と受け入れられる柔軟さって大切。
ちょっと作者の伝えたいメッセージとはかけ離れた感想になってしまうかもしれませんが、
こういう柔らかな目で物事を見ることのできる人になりたいと思いました。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.23
(5pt)

今回も面白かった

大好きだった人に出会うために、何度も生まれ変わりを繰り返す女性とその周りの人のお話。
斬新な会話で笑うことはなかったのですが、ちょっとした仕草の表現だったり会話文だったりが面白くて、一字一句噛みしめて読みました。
最後はじーんときました。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.22
(5pt)

今回も面白かった

大好きだった人に出会うために、何度も生まれ変わりを繰り返す女性とその周りの人のお話。
斬新な会話で笑うことはなかったのですが、ちょっとした仕草の表現だったり会話文だったりが面白くて、一字一句噛みしめて読みました。
最後はじーんときました。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.21
(5pt)

小山内さんが何とも気の毒です

一歩間違えば失笑もんのホラーになりかねない輪廻転生の展開を、瑠璃とアキヒコの一途な純愛物語にまとめ上げたのはさすがです。
ラストでの二人の再会シーンは感動的でしたが、瑠璃は既に3回も生まれ変わってしまったので今や小学生で、年下だったアキヒコは独身中高年。
この二人は今後どのように結ばれるのか、アキヒコ君は大丈夫なのだろうかなどと余計な心配をしてしまいました。
それにしても妻と娘を交通事故で一度に失った15年前の悲劇から立ち直り、ようやく新たな人生を歩みかけた小山内さんの前に、亡き娘の生まれ変わりのルリが現れて前々生の事までぶっちゃけるのは、ちょっと残酷な気がしました。
物語の展開上必要なんでしょうけどねぇ。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.20
(5pt)

小山内さんが何とも気の毒です

一歩間違えば失笑もんのホラーになりかねない輪廻転生の展開を、瑠璃とアキヒコの一途な純愛物語にまとめ上げたのはさすがです。
ラストでの二人の再会シーンは感動的でしたが、瑠璃は既に3回も生まれ変わってしまったので今や小学生で、年下だったアキヒコは独身中高年。
この二人は今後どのように結ばれるのか、アキヒコ君は大丈夫なのだろうかなどと余計な心配をしてしまいました。
それにしても妻と娘を交通事故で一度に失った15年前の悲劇から立ち直り、ようやく新たな人生を歩みかけた小山内さんの前に、亡き娘の生まれ変わりのルリが現れて前々生の事までぶっちゃけるのは、ちょっと残酷な気がしました。
物語の展開上必要なんでしょうけどねぇ。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.19
(4pt)

瑠璃の想いの物語、そして瑠璃を失った者たちの物語

また佐藤正午さんに楽しませてもらった。

冒頭場面から登場する不思議な少女。
佐藤正午さん独特間合いの人間関係描写。
いつも通り、まずは私の頭にいくつかの心地よい?マークが現れる。
構成も佐藤正午感満載。
引き込まれて一気に読み進んだ。
?マークはだんだんと消えながらもまた新たな?マークが出て来る。
それでもグイグイ読み進み読み戻る。
男として、夫として、父として、瑠璃に関わり瑠璃を失くした者たちの物語でもあった。

最初の瑠璃の前にも瑠璃はいたのだろうか。
アキヒコの存在が消えたら瑠璃の生まれ変わりはどうなるのだろう。
考えながら読み進んだ。
そうだ、アキヒコがいるから瑠璃がいるんだ。
子を為せなかった瑠璃はそのために「月のように死ぬほう」を選んだのだから。
(小山内にとっての梢は娘を授かったうえで「月の満ち欠け」を選べたのか?)
確かに輪廻転生なんだろうけど、それよりも瑠璃の生き続ける想いが伝わる物語だった。

最初の瑠璃の後の3名の女性には瑠璃(るり)という名を使わずにストーリーを展開させるという手法もありかなと思った。
彼女たちの人格は瑠璃なのだからどういう手段でもアキヒコに伝えることができる。
この意見を無粋と捉える人もいるでしょうが。

30年にわたる瑠璃とアキヒコの心的な恋愛ストーリーだった。
ラスト13章は感動的だった。
泣く人もきっといるでしょう。

著者のデビュー作から30年以上ずっと楽しませてもらっている。
次作にも期待します。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.18
(5pt)

瑠璃も玻璃も照らせば光る

普通に小説というジャンルでは「現実世界に極めて近いリアリティー」を描くか「まったくの想像の産物」を書くのか、どちらかであろうと思っていたが、本作は「ありそうでない世界ながら、なさそうである既視感」を完全に描ききった傑作。

野球でいえば「ボールからストライクになる球」と「ストライクからボールになる球」を自在に紙一重でコントロールできる超絶技巧派ピッチャーの安定感といったところ。すべての文章が伏線で、何気ない小道具ですらも後々完全につながる構成、さらにテーマは実は完全な剛速球であり、あっという間に完全試合を達成されたのに悔しさではなく、清々しさをじっくりと味わうことができる。今年の、というよりは近年の小説のなかで「ベスト第一位」にぜひ推薦したい。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.17
(5pt)

瑠璃も玻璃も照らせば光る

普通に小説というジャンルでは「現実世界に極めて近いリアリティー」を描くか「まったくの想像の産物」を書くのか、どちらかであろうと思っていたが、本作は「ありそうでない世界ながら、なさそうである既視感」を完全に描ききった傑作。

野球でいえば「ボールからストライクになる球」と「ストライクからボールになる球」を自在に紙一重でコントロールできる超絶技巧派ピッチャーの安定感といったところ。すべての文章が伏線で、何気ない小道具ですらも後々完全につながる構成、さらにテーマは実は完全な剛速球であり、あっという間に完全試合を達成されたのに悔しさではなく、清々しさをじっくりと味わうことができる。今年の、というよりは近年の小説のなかで「ベスト第一位」にぜひ推薦したい。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.16
(5pt)

前世があるかないかはこの際どうでもいい

むしろ、前世とか生まれ変わりが、あるかないかはこの小説ではどうでもいい。

それが起こってしまったとき、人はどう対応するのか?反応せざるを得ないのか?カフカの変身にもにたリアリティがこの小説にはある。

そして、場面展開の巧みさ。時間と場所に深みがある小説は数あれど、ここまで斬新な展開はあまりない。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.15
(5pt)

前世があるかないかはこの際どうでもいい

むしろ、前世とか生まれ変わりが、あるかないかはこの小説ではどうでもいい。

それが起こってしまったとき、人はどう対応するのか?反応せざるを得ないのか?カフカのにもにたリアリティがこの小説にはある。

そして、場面展開の巧みさ。時間と場所に深みがある小説は数あれど、ここまで斬新な展開はあまりない。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.14
(5pt)

登場人物もまた、今朝の私たちと同じく、自らの人生がどこへ向かうのかを、今はまだ、知らないのです。

白髪まじりの小山内堅(おさない・つよし)が東京駅で新幹線から降り立ったのは午前11時前。駅前ホテルのカフェで30代の女性とその7歳の娘と待ち合わせているのだ。少女は年齢に似つかわしくない大人びた口調で、初対面であるはずの小山内のコーヒーの好みを言い当てる。そして彼女は、にわかには信じがたい話を語り始めた…。
-----------------
 2014年に上梓された『鳩の撃退法』(小学館)以来の佐藤正午の新作です。しかも岩波書店からの出版。大きな期待とともに早速購入しました。

 生意気な口ぶりの小学生と、50代とおぼしき小山内がカフェで対峙する冒頭シーンから、あぁこれはまさしく佐藤正午の世界だ、と大いにうなずかされます。
 佐藤正午の世界ではいつも、夥しい数の人々が陸続と登場します。しかも彼らの間には互いに一切の続き柄がないかのよう。ところが物語が進むと、彼らの間に奇縁としか呼びようのない結びつきがあることが徐々に見え始め、やがては読者を大いに驚愕させるのです。
 登場人物たちの繋がりのきっかけは、彼ら自身の自発的なものでも意識的なものでもありません。あたかもこの世間を超越した何ものかによってあらかじめ宿命づけられたものとして動き始めるのです。これまでの佐藤正午作品である『ダンスホール』しかり、『5』しかり、です。
 私は『ダンスホール』を「「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」が人に生きる力を与える物語」だとレビューしたことがあります。その奇妙奇天烈ともいえる「隔たり」が今回もまた見事に顔を見せるのです。
 事実、物語が始まってまだ間がないところ(19頁)で次の言葉が綴られています。
「いまこうしてここに自分がいるのはひとえに偶然のたまものだ、と他人事のように思うのもそのせいに違いなかった。自分は見えないものの手でここに連れてこられた」。
 実存主義的な見方からは間遠(まどお)い世界観かもしれませんが、<縁起>の考えが仄(ほの)見えるこのくだりは私の意に強く添いました。

 さて、小説『月の満ち欠け』がどのような巡り合わせを描く物語であるかは、あえて伏せたいと思います。私は、佐藤正午の新作であること以外の情報を頑固なまでに遮断したうえで頁を繰り始めました。そのおかげで心地よいざわつきをこの胸に得ることができました。ほかの読者にも同じ読書体験をぜひとも味わってもらいたいのです。

 ただこれだけは言えます。この小説は、事の次第が明らかになったのち、小山内が残りの人生をいかに歩むのか、その詳細は明らかにされず、読者の想像に委ねられるのです。
 それは佐藤正午ワールドの常(つね)なること。登場人物もまた、今朝の私たちと同じく、自らの人生がどこへ向かうのかを、今はまだ、知らないのです。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.13
(5pt)

登場人物もまた、今朝の私たちと同じく、自らの人生がどこへ向かうのかを、今はまだ、知らないのです。

白髪まじりの小山内堅(おさない・つよし)が東京駅で新幹線から降り立ったのは午前11時前。駅前ホテルのカフェで30代の女性とその7歳の娘と待ち合わせているのだ。少女は年齢に似つかわしくない大人びた口調で、初対面であるはずの小山内のコーヒーの好みを言い当てる。そして彼女は、にわかには信じがたい話を語り始めた…。
-----------------
 2014年に上梓された『』(小学館)以来の佐藤正午の新作です。しかも岩波書店からの出版。大きな期待とともに早速購入しました。

 生意気な口ぶりの小学生と、50代とおぼしき小山内がカフェで対峙する冒頭シーンから、あぁこれはまさしく佐藤正午の世界だ、と大いにうなずかされます。
 佐藤正午の世界ではいつも、夥しい数の人々が陸続と登場します。しかも彼らの間には互いに一切の続き柄がないかのよう。ところが物語が進むと、彼らの間に奇縁としか呼びようのない結びつきがあることが徐々に見え始め、やがては読者を大いに驚愕させるのです。
 登場人物たちの繋がりのきっかけは、彼ら自身の自発的なものでも意識的なものでもありません。あたかもこの世間を超越した何ものかによってあらかじめ宿命づけられたものとして動き始めるのです。これまでの佐藤正午作品である『』しかり、『』しかり、です。
 私は『ダンスホール』を「「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」が人に生きる力を与える物語」だとレビューしたことがあります。その奇妙奇天烈ともいえる「隔たり」が今回もまた見事に顔を見せるのです。
 事実、物語が始まってまだ間がないところ(19頁)で次の言葉が綴られています。
「いまこうしてここに自分がいるのはひとえに偶然のたまものだ、と他人事のように思うのもそのせいに違いなかった。自分は見えないものの手でここに連れてこられた」。
 実存主義的な見方からは間遠(まどお)い世界観かもしれませんが、<縁起>の考えが仄(ほの)見えるこのくだりは私の意に強く添いました。

 さて、小説『月の満ち欠け』がどのような巡り合わせを描く物語であるかは、あえて伏せたいと思います。私は、佐藤正午の新作であること以外の情報を頑固なまでに遮断したうえで頁を繰り始めました。そのおかげで心地よいざわつきをこの胸に得ることができました。ほかの読者にも同じ読書体験をぜひとも味わってもらいたいのです。

 ただこれだけは言えます。この小説は、事の次第が明らかになったのち、小山内が残りの人生をいかに歩むのか、その詳細は明らかにされず、読者の想像に委ねられるのです。
 それは佐藤正午ワールドの常(つね)なること。登場人物もまた、今朝の私たちと同じく、自らの人生がどこへ向かうのかを、今はまだ、知らないのです。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.12
(4pt)

進化した構成

短編の各章をつなげるとひとつの物語ができあがるというのはどうだろう、
少人数の関係が最後に大きな枠組みの大団円に向かうのはどうだろう。
作家にはいろいろな課程があり、今回はある恋情が円環的に登場人物を変えて続いていくのはどうなんだ?という構成です。
だから狙ってだろうけども、男(大卒で上場企業に就職)、恋情をもった女、少女、協力者という似たような人物が時代を超えて出てくるので、
おせっかいながらご忠告として(前作同様)人物略図を書きながら読んだ方がいいです。時系列線も入れないとややこしい。
真性のペドフィリアが脇に出てきた小説もあったけど、今回はそのかたちを借りたことに結果としてなった(生まれ変わりですからね、
やっぱり生まれ変わるほうはどんどん若くなる)、テーマは突然断たれた命に「人生のやり残し感」「熱情」「執着」の行き場があったら
ってかんじなかあ。少女とおっさんやおじいさんの組み合わせ、タイムリーと言えばタイムリーなのか。あるいは現代版浦島と読むこともできるのか。しっかり戦略をもった女、若気の至りでなにも気づかずにいた男、そうして気づかされたことで男たちのその後はそれぞれに
変化していくのでした、ってやっぱり男のロマン的な話ですね。おばはんとかばあさんと少年っていうほうが女性読者にはうけたかなあ。
なにも生まれ変わりが毎回同じ性でないほうが、この時代、説得力があるんじゃないか?というのはよけいなお世話でしょうか。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.11
(4pt)

進化した構成

短編の各章をつなげるとひとつの物語ができあがるというのはどうだろう、
少人数の関係が最後に大きな枠組みの大団円に向かうのはどうだろう。
作家にはいろいろな課程があり、今回はある恋情が円環的に登場人物を変えて続いていくのはどうなんだ?という構成です。
だから狙ってだろうけども、男(大卒で上場企業に就職)、恋情をもった女、少女、協力者という似たような人物が時代を超えて出てくるので、
おせっかいながらご忠告として(前作同様)人物略図を書きながら読んだ方がいいです。時系列線も入れないとややこしい。
真性のペドフィリアが脇に出てきた小説もあったけど、今回はそのかたちを借りたことに結果としてなった(生まれ変わりですからね、
やっぱり生まれ変わるほうはどんどん若くなる)、テーマは突然断たれた命に「人生のやり残し感」「熱情」「執着」の行き場があったら
ってかんじなかあ。少女とおっさんやおじいさんの組み合わせ、タイムリーと言えばタイムリーなのか。あるいは現代版浦島と読むこともできるのか。しっかり戦略をもった女、若気の至りでなにも気づかずにいた男、そうして気づかされたことで男たちのその後はそれぞれに
変化していくのでした、ってやっぱり男のロマン的な話ですね。おばはんとかばあさんと少年っていうほうが女性読者にはうけたかなあ。
なにも生まれ変わりが毎回同じ性でないほうが、この時代、説得力があるんじゃないか?というのはよけいなお世話でしょうか。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.10
(5pt)

おすすめです。

僕の中で佐藤正午、というだけで、新刊はどれも面白いと決まっているが、今回もまたその期待に見事にこたえてくれました。
読みやすく引き込まれる文章、巧みなストーリー構成。
読書の時間が充実しているから、いつも、読み終わると別離の寂しさを禁じえませんが、
きっとこれも月の満ち欠けと同じで、いつかまた新作に出会えるのでしょう。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.9
(5pt)

おすすめです。

僕の中で佐藤正午、というだけで、新刊はどれも面白いと決まっているが、今回もまたその期待に見事にこたえてくれました。
読みやすく引き込まれる文章、巧みなストーリー構成。
読書の時間が充実しているから、いつも、読み終わると別離の寂しさを禁じえませんが、
きっとこれも月の満ち欠けと同じで、いつかまた新作に出会えるのでしょう。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.8
(5pt)

大傑作!!

文章に震えて一行を何度も読み返し、構成に唸って数十ページを何度も行きつ戻りつし、そして、あのラスト数行で、号泣した。
純文学的テーマをエンタメの手法で書き続ける佐藤氏の大傑作。(『鳩の撃退法』も素晴らしかった!)
だがしかし、「このモチーフ」を内容紹介やレビューで記してしまうのは、ほかに書きようがないとはいえ、どうだろう?
冒頭、しばらくして、「ああ、もしかして!?」と読者が気づく楽しさ、震えを奪ってはいないだろうか?
とはいえ、それを上回る楽しさ、震えが、その先たっぷりと待ってはいるのだけれど……。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.7
(5pt)

大傑作!!

文章に震えて一行を何度も読み返し、構成に唸って数十ページを何度も行きつ戻りつし、そして、あのラスト数行で、号泣した。
純文学的テーマをエンタメの手法で書き続ける佐藤氏の大傑作。(『鳩の撃退法』も素晴らしかった!)
だがしかし、「このモチーフ」を内容紹介やレビューで記してしまうのは、ほかに書きようがないとはいえ、どうだろう?
冒頭、しばらくして、「ああ、もしかして!?」と読者が気づく楽しさ、震えを奪ってはいないだろうか?
とはいえ、それを上回る楽しさ、震えが、その先たっぷりと待ってはいるのだけれど……。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.6
(5pt)

あなたは「生まれ変わり」を信じますか

日常会話の中で「生まれ変わり」について何気なく話題にすることは誰にでもある。
「生まれ変わったら何になりたいか」「生まれ変わったら男か女のどちらになりたいか」など大概はその場だけの他愛のない話として終わってしまう。「生まれ変わり」という現象が自分の身近なところで現実に起きたらと本気で考える者はいないだろう。

本書は我が子、愛する人が不幸にも亡くなり、その後他人として生まれ変わることによる一連の顛末を描いた小説である。生まれ変わった【彼女】は或る日高熱を発症し意識混濁状態に陥る。まもなく回復すると同時に前世の記憶を甦らせ、その信じがたい言動で周囲を戸惑わせる。【彼女】は前世で愛した人との時を超えた邂逅を一途に求め続ける。現世の両親や前世で恋人であった者は【彼女】の出現に驚愕し悩み苦しむこととなる。双方とも決して幸福にはならず、その行き着く先には・・・

参考文献として挙げられている(小説中で登場人物が読んでいる)『前世を記憶する子どもたち』を読んでみた。世界で起きた「生まれ変わり」事例が学術論文のように詳細に考察されている内容である。この文献によれば、子どもの前世の記憶は一生続くのではなく成長するにつれて消えていくという。これはある意味で現世の人間にとって救いなのではないかと思った。

「生まれ変わり」が決して他人事ではなく、自分の身の回りで本当に起こったら、それにどう対処すればよいのだろうか。本書の読了後、これまで超常的なもの、心霊的なものに無縁だと思っていた自分がいつのまにかそのような思いを持っていることに気づいたのである。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110