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春の夢



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春の夢の評価: 4.43/5点 レビュー 30件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 1~20 1/2ページ
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No.24:
(5pt)

若いうちに一度は読んでおきたい一冊

40年ほど前に友人に紹介され、出会うことの出来た一冊。
息子に読ませておきたいと思い、この新装版を購入。改めて読ませていただいたが、柱に打たれた一匹の蜥蜴の姿を巧みな比喩に用いて、人間の心の奥底に切り込み、読者に自分の心に潜んだ恥部から未知の崇高な可能性の存在にまで向き合わせる、秀逸な作品だと更に強く感じた。
新装版の発刊に際し、筆者は加筆修正を検討しながらも、この力量でしかなかった34歳から37歳までのありのままの自身の作品を読んでいただくのが正しいと思った、と後書きされている。
私はこの頃の筆者の年第を過ぎて約20年近く経つが、これほどまでに人の心を冷徹に見極め、表現する能力は身につかなかった。当然なのだろうが、やはり素晴らしい作家であり、素晴らしい作品だと思う。
人は本を選んで読むが、本もまた読む人を選ぶものだろうと思う。この本に感銘を受ける資格のある人達には是非、手にして欲しい、届いて欲しいと思う一冊。
春の夢 (宮本輝全集)Amazon書評・レビュー:春の夢 (宮本輝全集)より
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No.23:
(5pt)

宮本輝ならこれ

大学の時、友人に勧められて。
今、大学生の娘に買いました。
青春、純文学の傑作と思います。
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4106454041
No.22:
(5pt)

読みたかった本で手に入り喜んでいます。
綺麗な状態でよかったです。
ありがとうございました
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4106454041
No.21:
(5pt)

大好きです

とにかく素晴らしい作品で大好きです。この時代だからこそ、貧乏学生の主人公が恋人を金持ちの青年実業家に取られそうになって、どうしたか読んでほしい。勇気が出ます!
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No.20:
(4pt)

再生

宮本輝の小説のテーマは、再び生きるという意味での「再生」だ、と言う解説を読んだことがあります。
33年も前に読んだこの本が、そういう本だったかどうかは思い出せませんが、その当時では最も心に残っていた本です。
部屋の柱に釘打ちされたままのトカゲが消えた。主人公が抱える悪夢のような現実も、その蜥蜴と一緒にいつの間にか消えていた、そんなストーリーを思い描いて文字にしている小説、だったかどうか…。
でも最後は狭いアパートの部屋に爽やかな風がやさしく吹き込んで来ていたようなイメージが残っています。
今また読んでみようと思っています。
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No.19:
(5pt)

面白かった。惜しみなくアイデアを注ぎ込んで本気で書いている

〇 苦学生哲之と裕福な陽子の青春恋愛小説である。哲之の母親が「ええ娘やなア・・・。そんなに特別べっぴんさんやないけど、品があって可愛らしいわ」と評する陽子が、なんとも言えない明るさをもたらしていて、温かい読み心地の小説である。

〇 しかしそれだけでは終わらないものが、この作品にはある。生と死のせめぎあいが充満しているのである。まず、哲之の下宿の柱に釘で打ち付けられながらも生き続ける蜥蜴のキンちゃんが全編をつらぬく生死の象徴としてある。

〇 そればかりではない。哲之の父の死に方、京都の豪邸に暮らす沢村千代乃の語る茶道の死生観、その千代乃の死顔、服毒自殺を企てたドイツ人旅行者夫妻の覚悟、金持ちボンボン中沢の親鸞信仰、心臓手術を逡巡する磯貝、死ぬほど殴られる哲之が見た幻覚・・・このようなものが次々に現れて、生きる意味とはなにか、死ぬこととはどういうことか、生死を支配する法はあるのか、と語りかける。

〇 この作品を書いているとき、まだ若かった宮本輝さんは生死について懸命に考えていた。そして考えたことのありったけを未熟かもしれないと怖れつつもこの作品に注ぎ込んだのではないか。そんな若い著者の真剣さと潔さを感じるから、少々重苦しい内容でも読後感はさわやかなのだろう。
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No.18:
(5pt)

これも凄い!

最高でした
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No.17:
(5pt)

ほっこりさせられる宮本輝作品の優しく温かい文学

不慮の事故で柱に釘付けにされた蜥蜴の「キンちゃん」を軸に話が進められる、青春の恋愛、死生観等がテーマの小説です。
「春の夢」とは主人公が大学を卒業して就職し、彼女と結婚して母親と三人で暮らすこと、同僚の心臓手術が控えてあること、そして何より体を貫いている「キンちゃん」の釘を抜いてやることです。
自分が一番興味深かったのは、息子との確執があり生きる希望を失い、自殺を図ろうとし未遂に終わった外国人の老夫婦の話のところです。
自分の若い頃は父親に反発し、憎み、自分の欠点は全て父親のせいにしていました。しかし父ももう高齢、自分も中年になりました。この小説を読んで気付かされたのは高齢者の残り少なくなった人生の寂しさです。自分ももういい歳になったので、いつまでも父親を憎むのではなく和解し、一生懸命生きてきた父が余生を幸せに過ごせることに尽力しなければと思いました。
そして大事なテーマの死生観ですが、自分も宮本輝さん同様、この世で「人間が作った法」を犯さなくても自然を支配している「法」があるとしたら、それを犯した人間はあの世、来世で苦しい目に会うと思ってます。拙い表現ですが神様から頂いた今の人生を一生懸命に全うすることが大事だと思うのです。
さて、自分の宮本輝さんとの出会いですが、高校時代の現代文の課題で宮本輝さんのエッセイを読みまして、なんて優しく温かい文章を書く人なんだろうとたちまちファンになった次第です。(といってもこの小説で四冊目ですが 笑)
蜥蜴の「キンちゃん」が最後どうなったかは是非ご自身でお読み下さい。
最後に、稚拙な文章ですが最後まで読んで頂きありがとうございました
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No.16:
(4pt)

昭和版なろう小説的要素を含む美しき青春恋愛小説

春の夢は独身時代、流転の海と並ぶ私の1番好きな小説であった。25年ぶりにKindleで読んでみると、やはり現代と昭和の女性の扱いの違いを感じぜずにはいられなかった。特に陽子はあまりにも哲之にとった都合の良すぎるいい女でまるで昭和版なろう小説かとも思ったほどだ。
ただ、宮本節は相変わらず心に響くし、文章の奥深い美しさもあり25年前ほど良い作品とは思えなかったけれども依然として好きな小説の上位にはいるなと思った
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No.15:
(5pt)

学生時代に友人に勧められて読んだ本。

ふと思い出し読みたくなりました。子どもが自分が読んだ頃の歳になり、読み返してみたらまた心への響き方が違う物だと思いました。
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No.14:
(5pt)

グイグイ引き込まれてしまいます。

夢中になって読みました。宮本輝さんは外れが少ない作家さんです。
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No.13:
(5pt)

読後の満足感、癒され感は安定の宮本輝作品

ここのところ、宮本輝先生の作品にハマってます。
古くからのファンの方々には何を今さら、と叱られるかもしれませんが
読後に毎度毎度あたたかな気持ちになれる作品ばかりで満足感でいっぱいです。
甘ったるい男女の恋愛ではなく、暖かなぬくもりを感じられる恋愛
といった感じでしょうか。

『彗星物語』に次いで2番目に好きな宮本作品になりました。
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No.12:
(5pt)

蜥蜴のキンちゃん

解き放たれた蜥蜴のキンちゃんをめぐるラストシーンがとても印象的でした。「勇気、希望、忍耐。この3つを抱き続けたやつだけが、自分の山を登りきりよる。どれひとつが欠けても事は成就せんぞ。」という哲之の亡父の言葉も心に残ります。宮本輝さんの「青が散る」が大好きで、次に手に取った作品が本作です。彼の作品、今のところ外れはありません。
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No.11:
(5pt)

春の夢

父の借財を抱え、恋人、そして生死、輪廻、業などについて沈黙のなか投げかけてくる蜥蜴と共に流れる日々を駆け抜ける、いち大学生の自己との闘争の物語。(03年読了・感想)
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No.10:
(5pt)

れいによって、散漫なレヴュー

辻原登氏は、「黒髪」の中で(、だったと思う)、カフカの言葉(、これも記憶があいまい)、〈私は、悔いる〉という言葉を引用している。心の中に名残を、悔いを残したまま、この世を去るのは、口惜しいことだろう。
 本作「春の夢」において、沢村千代乃の生前の顔、そして、死に顔は次のように描写されてある。
 生前の顔。

「(略)ひとりの人が、何枚ものお面をかぶって、取っ換え引っ換えしてる感じ。顔は変わっても目だけは一緒(略)」

 と、陽子。

 死に顔。

「きのう、お棺の扉を開いたら、沢村さんはお面を全部外してた」

 と、哲之。

 これは、

死に顔こそが、その人間の、隠しても隠しきれない究極の本性なのではあるまいか。

 という哲之による仮説と直結した言葉だった。「死に顔」は、その人の生き様を映す鏡らしい。自分は、悔いなく生きられるだろうか。悔いなく生きたかどうか、それは、私が死んだときでなければ、わからない。

 この小説の書き出しは、こうだ。

夕暮の道に桜の花びらが降ってきた。桜の木などどこにも見あたらない商店街のはずれだったので、井領哲之は、それが誰かのいたずらで、自分の体めがけて撒き散らされた小さな汚物みたいな気がして、頭上のあちこちをかすかな怯えのまじった目であおいだ。

 「桜の木などどこにも見あたらない」にもかかわらず、「桜の花びらが降る」。不思議だ。不気味だ。怪談じみている。何かが起こりそうだ。そんなとき、主人公の哲之は、「誰かのいたずら」として、いわば合理的・現実的な判断を下している。この時点で、哲之は、読者は、どこか別の世界へ連れ込まれてしまっている。

 書き出しの描写は、ラストで次のように変奏される。

ときおり、操り人形のように首をもたげ、春の光に満ちた空を見つめた。(略)

 哲之の身に何が起こったのか、それは、本書を読んでのお楽しみ。

 最後に、本書における名言を一つ紹介して、このレヴューを閉じたい。

「人生が五十センチの長さのもんやとしたら、男と女のことなんて、たったの一センチくらいのもんやで。そやけど、その一センチがないと五十センチにはなりよれへん」
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No.9:
(5pt)

虚無とデカダンを抱えて生きる。

ある日真っ暗な部屋で哲之は、柱にクギを打とうとして
いっぴきの蜥蜴まで打ち付けてしまう。
しかし、それでもなお蜥蜴は生きていた。

 哲之はこの蜥蜴を「キンちゃん」と名付け、
2人は奇妙な共同生活を送る。

 哲之には死んだ父が残した借金があり、
取り立て屋のヤクザから逃げてこの部屋にやって来た。

 柱にクギ付けにされたキンちゃんと
どこにも行き場の無い哲之との奇妙な日々。

 ホテルのボーイのバイトの日々を送り
ホテル内の権力闘争に巻き込まれ、さらにヤクザに
見つかり殴られ、死にかかる哲之。

 唯一の救いであった陽子の愛。
しかし、その陽子にも別に心を惹かれる男が現れる。

 心に虚無を抱えて生きる哲之。

 これは現代版『山椒魚』だ。

 青春物として仕立てられていて、滅法面白い。
やっぱり青年は、虚無やデカダンを身に抱えて生きねば。

 当時の青年に比べて、昨今の青年達の何と薄っぺらな事か。
そんな事を考えながら読みました。
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No.8:
(5pt)

こんな青春も、アリ。

15年前、まだ学生だった頃に出会った。
みずみずしい生命の躍動と静謐な清潔感を同時に感じる作品。
タイトルは「春の夢」に改題してよかったと思います。

あなたがまだ学生なのであれば、
数時間と数百円をこの小説にささげてほしい。

自分の中では宮本作品中「錦繍」と並ぶベスト作品です。
ああ、学生に戻りてえなぁ。
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No.7:
(4pt)

トカゲのキンちゃん!

「空を飛ぶものは、みなふたつの翼を持っている。そして、一つの鏡を持っている」。湧き出る生命力を信じ、明るい方へ向かいたくなったときに読む本。私はこの本が大好き。何度も読んでいます。
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No.6:
(5pt)

静かだけどすごく浸透してくる感じ

大学生の時に初めて読んだ。そのときは「蜥蜴の話」という印象しか残らなかった。でも「また読みたい」とずっと思っていて、ついに見つけて再読。28歳になった今、感じることはやはり少し違っているようで、心を掴まれた。読んでいてハラハラドキドキもしないし、ひどくショッキングだったりすることもあまりない、静かな物語。しかし、心の奥深くに浸透してくる感がある。数年したら、またストーリーもタイトルも忘れてしまうかもしれない。しかし「なんかいい感じだったあの本、もう一回読みたいな」って思わせる本ではないかと思う。そして、数年後にはまた涙してしまうのではないかと思う。生きることの重さや辛さ、そして楽しさを知っている人間にはたまらなく心にぐっと来るものがあるのではないだろうか。
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No.5:
(4pt)

青が散るの気持ちを再び

「青が散る」を読んで感銘を受けてからすぐに購入した本。著者が同じだからというのはもちろんあるのかもしれないが、いろんな共通点を見つけることができる。ただそれは「マンネリ」とか「飽き」というものではない(多少、思うところはあったとしても)。今回、キンという主人公の意外なパートナーが、途中から私(特に姉)の関心を惹きつけて放さなかった。
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