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流転の海
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流転の海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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裏表紙に著者畢生の大作第一部とあるが、この作品はこの賛辞にまさしくあてはまる。 舞台は敗戦から2年目から始まる。主人公の松坂熊吾は粗野で暴力的であるが頭は切れて人情味もある男で、50歳にして大阪の闇市で松坂商会の再起を図るが、それと同時に50歳になって初めてできた第一子が20歳になるまでは絶対死なないと心に誓う。 第一部の本書では、再起に奮闘する姿と同時に、4人目の妻の房江との馴れ初めや新たな女や部下との出会いと別れが描かれる。物語としてもよくできているし、内面の心理描写も素晴らしく引き込まれる作品だ。まだ先は長いが、熊吾と房江が今後どのような人生を送っていくのか、早く第二部を読みたい気持ちで一杯だ。 | ||||
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おもしろいです。引き込まれました。 一気に読めました。 こんなに素敵な物語に出逢ったことないです。 | ||||
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懇意にして頂いている方から以前文庫本を頂いて読んだ時はどうしても熊吾を受け入れられなかったが55を過ぎやっと理解出来るようになった、気がする。今第2部。昭和初期戦前戦中戦後簡単には語れない時代も素直に受け止められます。 | ||||
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15年ぐらい前に、単行本で、5部まで読み、1巻から再読もちろん、最終巻9まで、読むつもり | ||||
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田舎の小学生で靴下とズックを履いてる子は稀で、長靴をくるぶしの下辺りでカットしたような『ゴム靴』を素足のまま履くのがフツーだった昭和30年代後半。それ以前は『でんぷん靴』って呼んでいたんだなあと、この本を読んで知ったものでした。 また、『日本人の国民性である倨傲と卑屈が入り混じった不可解な愚昧性』等々、思わず膝を打つ文章が所々に登場し、宮本氏が持つ言葉の力と語彙の豊富さに感嘆感服しきりです。 | ||||
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戦後まもなくの阪神地方を舞台に、父熊吾が焼け野原から事業を再開させる過程を描く。その中には、50歳にして初めて父親になり、子育ての奮闘する姿や、母の生い立ちや、両親のなれそめなどが入り込んでいる。 豪放磊落な熊吾はもとより、苦労人の母房江など小説の中の登場人物が実に魅力的で、また、従業員や商売相手の裏切りなど、人間の弱さも丁寧に描かれているので、飽きない。 本人にとっては、自伝的なライフワークなのであることは承知だが、魅力的な大衆文学に久しぶりに出会ったと感じさせる小説。 | ||||
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第七部までいっきに読破するほどとても面白くひさびさに読書を楽しんだ本でした。 | ||||
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程度の良いものでした。よかったです。良い状態で揃えたいと思い、第一部は持っていましたが再度、購入しました。 | ||||
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にぎやかな天地が読み応えがあったので、立て続けに本書を手に取った。 より骨太な内容で、文体が読み易く、一気に読んだ。 熊吾は男として非常に魅力的だ、現代にいたらうっとおしい所はあるが、 自分で自分の人生を強引にも切り開いて猛進する姿勢が素晴らしい。 戦中戦後の当時は、現代のようなゆるくても行きていける時代とは違うので、 男も女も肝が据わっている、おそらく似たような話はいくらでもあっただろう。 にぎやかな天地、でも感じたが、人生いいことも悪い事もあるが、自分の足で踏み出す気概を 持つ事が大事だと教えてくれる。 作者の自伝的作品らしいが、あくまで物語として読み進めていきたい。 第二部が楽しみだ。 | ||||
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宮本輝さんは、青が散る、優駿と読んでこれはと思い読みました そこには男でも惚れてしまいそうな熊吾と言う男がいました スケールが大きく男前、女にももてて実業家の野心家 所々に熊吾の言う言葉に人生、社会を重ね合わせて読んでしまいました これが実に言う宮本節と言うのでしょうか。最高でした! ただ、あっっと思ったのですが、これは連作で現在、宮本氏はなんと第8部を 連載中との事が分かりまたビックリ。 そんな先までこの面白そうな小説が続くのかと思うと嬉しくてたまりませんでした! 宮本輝さん有難う御座います! | ||||
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単行本で読みましたが 今回文庫で揃えておきたくて注文しました。ちょうど私に近い年代と時代のことでもあり、宮本作品は 今の作品はこの本や旧作品の方が ずっと深くてよいような気がします。 | ||||
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明らかに自分の父をモデルとした自伝的作品。豪快である一方、繊細さを持ち合わせた人情味、人間味溢れる人物像が巧みに描かれている。第二部以降を読むのが楽しみな壮大なクロニコルだ。 | ||||
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好き嫌いはあるかと思いますが、素晴らしいです。 宮本輝さんの作品で良いと思ったら是非読んでいただきたいと思います。 | ||||
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宮本さんの作品は、 子どもの頃に「泥の河」を読んで分からなかったのと、 子どもの頃に親父が「宮本輝はほんまにファザコンやなっ」と吐き捨てるように言っていたの が重なり、ずっと、25年間くらい敬遠していたのだが、 こないだの「すばる」での よしもとばななさんとの対談を読んで、 「なんやこのオッサン、めっちゃオモロそうやん、、、、、、」 と思い、 それならばと 代表作「流転の海」を最寄りのブックオフで350円で買ってきて一気に読みさきほど読み終えた。 、、、、、、、、、めちゃくちゃオモロいやん。 こんなにオモロいもんを25年間もスルーしとったんかいワシャア。 ああ、損したー。 はよだれかゆうてくれよーの逆ギレパターン。 たしかに紙芝居みたいなとこはある。 でも、それがどうしたってくらいミッチリ実の詰まった物語やなあ。 シッポの先までアンコの詰まったたい焼きみたいなもん。 まあ、あれだけ有名な作品やから、ショボいわけはなかろう、と推測するのが普通なんやろけど。 何かのキッカケがないと踏み出せないもんやなあ。 この作品を読んでいて なんとなく感じたのは、ヤンイーさんとか司馬遷みたいなストーリーテリングの楽しみがあるなあということ。 どない転んでも しっかりしたオチがあるだろうという安心感。 そんな楽しさって、トルストイとか、、、「アメリカの村上春樹」ことハ・ジンさんにしか感じなかったものだ。 ようやく 偉大な宮本ワールドに突入できたことを 喜びたい。 そして、宮本さんの代表作のすべてが 僕にとっては 手付かずで残っていることに、 ペルシャの王国を征服したチンギスハンのような うれしさを覚える。 ありがたい | ||||
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井上靖の『しろばんば』が、作者本人の幼年期〜少年期までを描いた自叙伝だとすると、こちらの『流転の海』は、宮本輝の父親を主人公にした物語だ。だから、ご本人はやっとハイハイが出来るようになったぐらいの赤子としての登場だ。 肉親を描く時の作家の心情とはいかなるものなのか、ちょっと興味をそそられる。なにしろ一番身近な存在ほど主観的になりがちで、下手をしたら家族愛の小説(自慢話の寄せ集め)に成り下がってしまうからだ。 だがそんな心配は不要だ。さすがは芥川賞作家の宮本だけあって、息子の立場から描き出している箇所はどこにも見受けられない。驚くほど客観性に富んだ作品なのだ。 主人公の松坂熊吾という商人が、大阪を舞台に、敗戦の痛手からたくましく立ち直っていくプロセスを克明に描いているのだが、それがまた物凄い強烈な個性の持ち主であり、底知れぬパワーを感じさせるものだ。 この熊吾は好色で、ずいぶん遊んでいるようなのだが、どうにも子宝に恵まれない。ところが4人目の妻・房江との間にやっと念願の子に恵まれる。その子が何を隠そう、宮本輝というわけだ。(作中では伸仁という名前) この時、熊吾は44歳、房江が30歳だった。 愛媛県出身の熊吾が大阪に出て、それこそ血眼になって働く姿に、日本人のルーツを感じる。我武者羅に働く男の勇姿は、それこそを日本男子の美徳とする大和魂を覚えるからだ。 戦前は自動車部品を中国に輸出する事業を手掛けていたこともあり、中国人とも格別の付き合いがあった。だが戦争によってその交際も絶たれ、会社のビルも空襲で焼け野原になってしまった。 そんな逆境の中で、熊吾は酷く日本人を嫌う。 「熊吾は日本人でありながら、日本人が嫌いだった。不思議な民族のような気がするのであった。姑息で貧弱で残虐だ。そして思想というものを持っていない。武士道だとか軍国主義などは思想ではない。哲学でもない」 これはおそらく、宮本輝自身の呟きでもあるはずだ。父・熊吾の声を借りて、平然と「わしは、日本人が嫌いじゃ」と言い放つセリフに嘘は感じられない。 だが作者が言いたいのは単なる自己否定などではなく、戦争体験者の生の声を正確に記録しておくべく、いかに戦争というものが残虐非道であるか、日本を占領したアメリカがどれほどの悪行をはたらいたかを、物語のあらゆる場面に散りばめているわけなのだ。 そんな仕事人間の熊吾が、後半に差し掛かってくると、にわかに、一人息子を溺愛する父親として描かれている。 病弱な息子がなんとか丈夫な体になって欲しいと、切に願い、思い切って会社のある大阪の一等地を売り払い、空気の良い愛媛の田舎に引き上げる決心をするくだりは、ホロリとする。 父とはおそらく、こういうものなのだ。 『流転の海』は、作家・宮本輝をこの世に生み出した両親について、しっかりとした輪郭と表情を持った人物像として鮮やかに浮かび上がらせている。 単なる自叙伝ではない壮大なドラマに、夜の更けるのも忘れてページをめくってしまう。これほど深みのあるストーリーテラーは、宮本輝以外に存在しない。万人におすすめだ。 | ||||
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50歳にして初めての息子を授かり、息子が20歳になるまで生きると決意し、戦後裸一貫から事業を再復興させる主人公熊吾。 宮本輝さんは、人物描写が素晴らしい。人間臭さ、一人ひとりの個性を、そして心の傷を、人間が持っている優しさや悲しみを、軽快な文章で印象深く描いています。 特に、主人公熊吾は、とても印象に残る人物。わがままで、豪快。時には、妻に暴力を振るうことも。でも、息子への深い愛情を持ち、どんぶり勘定で、お茶目で、お人良し。人を信じやすく、騙されやすい。人生の核心に触れた鋭い警句を発する鋭い感性を持った、とても魅力にあふれた人物。 父と息子の物語、だけでは終わらない、壮大な大河小説です。 特に、この巻に出てくる登場人物は、後の展開にも重要な役割を持つ人物ばかり。個性にあふれた登場人物たちとの人間模様が内容に深みをさらに与えています。 何度も読み返しましたが、その都度、新しい感動が、そして気付かなかった内容の深みを何度も再発見させられる作品です。 この作品を読んだ後、次に何を読もうか困ってしまいます。なぜなら、内容が、濃く深く、軽い現代の小説が物足りなく感じてしまうからです。でも、宮本輝さんの卓越した文章力で、重さを感じることなく、引き込まれるように読めてしまいます。 最後まで読者を飽きさせない構成など、本当に素晴らしいと思います。 後世に残る作品であろうことは言うまでもない名作です。 | ||||
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この歳64歳になるまで、「宮本輝」さんの存在は、恥ずかしながら知らなかった。ある人の紹介で「流浪の海」の本を知り、この3ヶ月の間に6巻までを、読み終えた。こんなに本にはまったのは、何年振りであろうか?この間にどうして、この本の存在を知らなかったのかを悔やんだ。1〜6巻までに、それぞれ読者の感じ方は、様々でいいと思うが、自分が思うのは、人間の「煩悩」の「四苦八苦」を強く感じる。特に「四苦」の「生、老、病、死」について感じた。50歳にして生まれた息子の「伸仁」が20歳になるまでは、「絶対に生きる」、病弱な息子を育てるまで、故郷「南宇和」で大坂を引き払って育てる、身近に老いて死んでいく人々、主人公「熊吾」の糖尿病との闘い、母の失踪による行方不明による死に表されているように、人間の「永遠なテーマ」である、「生、老、病、死」について描きたかったのでは、ないかと強く思った。ここへくると、「熊崎一家」が今後、どんな展開になるのか、大変興味があると共に、身近な「身内」みたいな気持ちでいるのは、自分だけでは、ないと思う。 | ||||
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正直これから拝見させていただきます。 自分の親父が亡くなって1週間 父と子を描いたこの作品は知っていましたが、あえて避けてきました。 でも状況が変わった今が良いよみごろかなと思ってます。 高評価のこの作品の心にどう残るか楽しみです。 | ||||
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今現在で第五部まででているうちの第一部。 主人公の父親の言うように、火の玉のような男の話。 自分の旦那さんだったらすごく大変だろうなぁ・・・(笑) でも、出会っていく女たちと同じように、なんだか惹かれます。 すぐ続きを読もう。 | ||||
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戦後間もない日本の大阪での、松坂熊吾の再起を描いた、歴史ロマン小説であり、日本的なハードボイルド小説ともいえる作品。 50歳にしてはじめて我が子を授かった主人公の熊吾。病弱な息子を20歳まで見守るために、20年生きることを決意、会社を再興する。初恋の相手との駆け落ち、妻・房江との出会いなどを経て、様々な人と出会い、交錯する人間模様。傍若無人でわがままでありながら、どこか憎めず、畏敬の念さえ覚える主人公・熊吾。果たして彼ら家族は、この戦後間もない動乱の日本をどう生き抜いていくのか。っつー、ほんと、人生を綿密に描いた大河物語。 本作は、作者いわく、父と子の物語であるという。これは1作目であり、子供の伸仁(のぶひと)は生まれたばかり。終わりごろでも二歳前後。父と子の物語というよりもおじいちゃんと孫の物語、といったような差がある。実は本シリーズは5部作予定されており、まだまだつづくらしい。本作の中では割とさまざまな「思想」について描かれている。この時代に生まれた伸仁くんが、年頃のときには、きっと学生運動くらいかなぁ、なんて思ったけど、1969年には 22歳の計算だからちょっとおそいか。父と子の思想が衝突して、、といった展開を期待していたが、なさそうかも。ちなみに、「海」って「産み」とかけてる? | ||||
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