蒲生邸事件

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評判

蒲生邸事件の評価:

4.13/5点 レビュー 134件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.13pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全391件 201〜220 11/20ページ
No.191
(4pt)

お勧めの一冊

2・26事件の当日にタイムスリップして、かつ殺人事件が重なって、最後までストーリーに釘付けでした。タイムトラベラーが二人も登場していて、タイムスリップする話ではよくあることですが、現在過去未来に時間旅行して、ぐちゃぐちゃ。でも、よく辻褄合わせているなぁって関心しました。印象的だったのは、ある人の歴史を書き換えても、社会全体の歴史は全く代わらないという考え方が目からウロコでした。
たとえば、どういうことかというと、ヒトラーが独裁者になる前に未然に殺したとしても、同じ時代に別の同じような人が同じように独裁者になりうるということです。ちなみに、このたとえは、本には出てこないけど、そういう考え方がすごく納得しました。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.190
(4pt)

お勧めの一冊

2・26事件の当日にタイムスリップして、かつ殺人事件が重なって、最後までストーリーに釘付けでした。タイムトラベラーが二人も登場していて、タイムスリップする話ではよくあることですが、現在過去未来に時間旅行して、ぐちゃぐちゃ。でも、よく辻褄合わせているなぁって関心しました。印象的だったのは、ある人の歴史を書き換えても、社会全体の歴史は全く代わらないという考え方が目からウロコでした。
たとえば、どういうことかというと、ヒトラーが独裁者になる前に未然に殺したとしても、同じ時代に別の同じような人が同じように独裁者になりうるということです。ちなみに、このたとえは、本には出てこないけど、そういう考え方がすごく納得しました。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.189
(5pt)

未来を探す過去の旅へ

有名なクーデター、二・二六事件をテーマにした宮部みゆきのSF大作。
人は自分の思い通りに生きる事は出来ない。
他人と繋がりあって、思い出ができ、過去を共有する限り。
誰もが何かを求めて、その代償として違う何かに苦しんでいる。
庶民の主人公・時間旅行者の平田・裕福な蒲生家の人々・・・
すべての登場人物が感じる「無力」。
これこそが本作における最大のテーマである。
物語は二・二六事件が起きているすぐ近くにある蒲生邸の内部で展開する。
時間旅行者の平田と共に昭和の終了間際の時代からその時代に降り立った主人公・孝史は
蒲生邸の人々を取り巻く様々な軋轢に飲み込まれていく。
登場するすべての人々が実際に存在していたかのように思わせる人物描写が秀逸。
ビジョンすら浮かんでくる情景描写もさすが宮部みゆきといったところだ。
読み終える頃にはなんとも言えない気持ちにさせてくれる。
存在しないはずの人々に、なぜ私たちは涙して、恋をするのだろう。
練りこまれた仕掛けが、何度でも蒲生邸に誘ってくれるだろう。
ページは多いがそれだけの価値もある名作。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.188
(5pt)

未来を探す過去の旅へ

有名なクーデター、二・二六事件をテーマにした宮部みゆきのSF大作。
人は自分の思い通りに生きる事は出来ない。
他人と繋がりあって、思い出ができ、過去を共有する限り。
誰もが何かを求めて、その代償として違う何かに苦しんでいる。
庶民の主人公・時間旅行者の平田・裕福な蒲生家の人々・・・
すべての登場人物が感じる「無力」。
これこそが本作における最大のテーマである。
物語は二・二六事件が起きているすぐ近くにある蒲生邸の内部で展開する。
時間旅行者の平田と共に昭和の終了間際の時代からその時代に降り立った主人公・孝史は
蒲生邸の人々を取り巻く様々な軋轢に飲み込まれていく。
登場するすべての人々が実際に存在していたかのように思わせる人物描写が秀逸。
ビジョンすら浮かんでくる情景描写もさすが宮部みゆきといったところだ。
読み終える頃にはなんとも言えない気持ちにさせてくれる。
存在しないはずの人々に、なぜ私たちは涙して、恋をするのだろう。
練りこまれた仕掛けが、何度でも蒲生邸に誘ってくれるだろう。
ページは多いがそれだけの価値もある名作。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.187
(5pt)

未来を探す過去の旅へ

有名なクーデター、二・二六事件をテーマにした宮部みゆきのSF大作。
人は自分の思い通りに生きる事は出来ない。
他人と繋がりあって、思い出ができ、過去を共有する限り。
誰もが何かを求めて、その代償として違う何かに苦しんでいる。
庶民の主人公・時間旅行者の平田・裕福な蒲生家の人々・・・
すべての登場人物が感じる「無力」。
これこそが本作における最大のテーマである。
物語は二・二六事件が起きているすぐ近くにある蒲生邸の内部で展開する。
時間旅行者の平田と共に昭和の終了間際の時代からその時代に降り立った主人公・孝史は
蒲生邸の人々を取り巻く様々な軋轢に飲み込まれていく。
登場するすべての人々が実際に存在していたかのように思わせる人物描写が秀逸。
ビジョンすら浮かんでくる情景描写もさすが宮部みゆきといったところだ。
読み終える頃にはなんとも言えない気持ちにさせてくれる。
存在しないはずの人々に、なぜ私たちは涙して、恋をするのだろう。
練りこまれた仕掛けが、何度でも蒲生邸に誘ってくれるだろう。
ページは多いがそれだけの価値もある名作。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.186
(5pt)

長いが、一気に読める作品

宮部みゆきの作品は今までたくさん読んできましたが、この本が一番好きです。
もともと“タイムスリップもの”が好きっていうのもあるけど…1冊の本で、笑って、ハラハラして、意外な事実に驚いて、そして涙して…と、数ある本の中でこれだけ「エンターテインメント」が凝縮されたものには、なかなか出会えません。実際にあった「ニ・ニ六事件」を絡ませているっていうのも巧いですよね。そして何より、ラストシーンが大好きです。何度読み返しても胸が詰まりそうな…。
結構分厚い本だけど、一気に読めること間違いなしですよ。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.185
(5pt)

長いが、一気に読める作品

宮部みゆきの作品は今までたくさん読んできましたが、この本が一番好きです。
もともと“タイムスリップもの”が好きっていうのもあるけど…1冊の本で、笑って、ハラハラして、意外な事実に驚いて、そして涙して…と、数ある本の中でこれだけ「エンターテインメント」が凝縮されたものには、なかなか出会えません。実際にあった「ニ・ニ六事件」を絡ませているっていうのも巧いですよね。そして何より、ラストシーンが大好きです。何度読み返しても胸が詰まりそうな…。
結構分厚い本だけど、一気に読めること間違いなしですよ。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.184
(5pt)

長いが、一気に読める作品

宮部みゆきの作品は今までたくさん読んできましたが、この本が一番好きです。
もともと“タイムスリップもの”が好きっていうのもあるけど…1冊の本で、笑って、ハラハラして、意外な事実に驚いて、そして涙して…と、数ある本の中でこれだけ「エンターテインメント」が凝縮されたものには、なかなか出会えません。実際にあった「ニ・ニ六事件」を絡ませているっていうのも巧いですよね。そして何より、ラストシーンが大好きです。何度読み返しても胸が詰まりそうな…。
結構分厚い本だけど、一気に読めること間違いなしですよ。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.183
(4pt)

少年(青年?)の成長

トリックとかいまいちですが、青春小説とはして読むとすがすがしい気持ちになれます。
この作者は、人(特に若い男や少年)の心の成長を描くのがとても上手です。
青春ミステリーの傑作のひとつではないでしょうか。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.182
(4pt)

少年(青年?)の成長

トリックとかいまいちですが、青春小説とはして読むとすがすがしい気持ちになれます。
この作者は、人(特に若い男や少年)の心の成長を描くのがとても上手です。
青春ミステリーの傑作のひとつではないでしょうか。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.181
(4pt)

少年(青年?)の成長

トリックとかいまいちですが、青春小説とはして読むとすがすがしい気持ちになれます。
この作者は、人(特に若い男や少年)の心の成長を描くのがとても上手です。
青春ミステリーの傑作のひとつではないでしょうか。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.180
(2pt)

長編作品ですが・・

本は非常に分厚いです。
内容に関して、そんなに深くある様には思えないのですが、それでもこの厚さになっているのが凄い。
宮部みゆきの特徴なのかもしれないが、模倣犯にしても非常に長い。
これは残念ながら、一部飛ばし飛ばしで読んでしまいあまり感情移入は出来ませんでした。
過去に遡り、蒲生家の中で発生した事件をきっかけに物語は進んで行きます。
全てが説明される最後の10頁ぐらいが正直面白く、少し感動もしました。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.179
(2pt)

長編作品ですが・・

本は非常に分厚いです。
内容に関して、そんなに深くある様には思えないのですが、それでもこの厚さになっているのが凄い。
宮部みゆきの特徴なのかもしれないが、模倣犯にしても非常に長い。
これは残念ながら、一部飛ばし飛ばしで読んでしまいあまり感情移入は出来ませんでした。
過去に遡り、蒲生家の中で発生した事件をきっかけに物語は進んで行きます。
全てが説明される最後の10頁ぐらいが正直面白く、少し感動もしました。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.178
(2pt)

長編作品ですが・・

本は非常に分厚いです。
内容に関して、そんなに深くある様には思えないのですが、それでもこの厚さになっているのが凄い。
宮部みゆきの特徴なのかもしれないが、模倣犯にしても非常に長い。
これは残念ながら、一部飛ばし飛ばしで読んでしまいあまり感情移入は出来ませんでした。
過去に遡り、蒲生家の中で発生した事件をきっかけに物語は進んで行きます。
全てが説明される最後の10頁ぐらいが正直面白く、少し感動もしました。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.177
(3pt)

昭和はそういう時代だった

当然ながら、本編よりは時代が新しくなるけれど、
昭和という時代はそんな時代だった。

電話を近所の家から借り、テレビも借家の大家さん
や街頭テレビで見た。
なにより、それを“貸す側”が当たり前だと思って
いた。

『昔の人は現代人よりも劣っている』というのが我
々の認識だと思う。
平成の、インターネットによるグローバル化した視
野を持った我々の方が、明治維新の坂本龍馬より、
大阪城を作った豊臣秀吉よりは確実に物事や時代の
流れがが判っていると思っている。

ましてや縄文時代に行ったら神様扱いになるに違い
ない。なんてね。

ところが、時代や人の価値観、学習能力は、もしか
したら現代は歴史上、かなり低い順位になりそうだ。

主人公の、(どうせ俺は未来人で、すぐにこの時代
から立ち去るし、君らは過去人で、これから日本が
どうなるか知らず、何も見えていない未開人だ)と
いう考えを背景にしたずーずーしさや優越感は、随
所でその行動や発言に現れ読者は冷や冷や(イライ
ラ)する。

ところが、現地(当時)の人達は、輝ける(当時の
人から見ればそう見えるはずの)未来に移住するよ
りも、その場に留まって生きよう、あるいは死のう
と決断する。

俺らだったどうよ?!
近いうちに君らのほとんどが死んじまうけど、未来
に行かねぇ?って言われたら、『じゃぁ、しょうが
ねぇから行こうか』なんて思うんじゃないだろか。

どちらが正しくてどちらが正しくないとか、保守的
とか革新的とかじゃなくて、どちらがその時代を、あ
るいは家族や友達を愛してるのかという事を考えると
…。
私は過去の人たちの方が、我々よりもずっと生きてる
意義や実感を感じながら生きたんだと思うよ。

生き方や幸福感、恋愛感や人生観を考えさせる…やっ
ぱり“ミステリ”からははみ出る作品だと思う。

“無冠の帝王”ってあるじゃん?
恋愛小説としてもミステリとしても時代小説としても
無冠かもしれないけれど、エンターテイメントとして
は星四つ以上つけられると思うよね。
(むしろ星つけないほうが価値あるような気がするん
だけど)
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.176
(3pt)

昭和はそういう時代だった

当然ながら、本編よりは時代が新しくなるけれど、
昭和という時代はそんな時代だった。

電話を近所の家から借り、テレビも借家の大家さん
や街頭テレビで見た。
なにより、それを“貸す側”が当たり前だと思って
いた。

『昔の人は現代人よりも劣っている』というのが我
々の認識だと思う。
平成の、インターネットによるグローバル化した視
野を持った我々の方が、明治維新の坂本龍馬より、
大阪城を作った豊臣秀吉よりは確実に物事や時代の
流れがが判っていると思っている。

ましてや縄文時代に行ったら神様扱いになるに違い
ない。なんてね。

ところが、時代や人の価値観、学習能力は、もしか
したら現代は歴史上、かなり低い順位になりそうだ。

主人公の、(どうせ俺は未来人で、すぐにこの時代
から立ち去るし、君らは過去人で、これから日本が
どうなるか知らず、何も見えていない未開人だ)と
いう考えを背景にしたずーずーしさや優越感は、随
所でその行動や発言に現れ読者は冷や冷や(イライ
ラ)する。

ところが、現地(当時)の人達は、輝ける(当時の
人から見ればそう見えるはずの)未来に移住するよ
りも、その場に留まって生きよう、あるいは死のう
と決断する。

俺らだったどうよ?!
近いうちに君らのほとんどが死んじまうけど、未来
に行かねぇ?って言われたら、『じゃぁ、しょうが
ねぇから行こうか』なんて思うんじゃないだろか。

どちらが正しくてどちらが正しくないとか、保守的
とか革新的とかじゃなくて、どちらがその時代を、あ
るいは家族や友達を愛してるのかという事を考えると
…。
私は過去の人たちの方が、我々よりもずっと生きてる
意義や実感を感じながら生きたんだと思うよ。

生き方や幸福感、恋愛感や人生観を考えさせる…やっ
ぱり“ミステリ”からははみ出る作品だと思う。

“無冠の帝王”ってあるじゃん?
恋愛小説としてもミステリとしても時代小説としても
無冠かもしれないけれど、エンターテイメントとして
は星四つ以上つけられると思うよね。
(むしろ星つけないほうが価値あるような気がするん
だけど)
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.175
(3pt)

昭和はそういう時代だった

当然ながら、本編よりは時代が新しくなるけれど、
昭和という時代はそんな時代だった。

電話を近所の家から借り、テレビも借家の大家さん
や街頭テレビで見た。
なにより、それを“貸す側”が当たり前だと思って
いた。

『昔の人は現代人よりも劣っている』というのが我
々の認識だと思う。
平成の、インターネットによるグローバル化した視
野を持った我々の方が、明治維新の坂本龍馬より、
大阪城を作った豊臣秀吉よりは確実に物事や時代の
流れがが判っていると思っている。

ましてや縄文時代に行ったら神様扱いになるに違い
ない。なんてね。

ところが、時代や人の価値観、学習能力は、もしか
したら現代は歴史上、かなり低い順位になりそうだ。

主人公の、(どうせ俺は未来人で、すぐにこの時代
から立ち去るし、君らは過去人で、これから日本が
どうなるか知らず、何も見えていない未開人だ)と
いう考えを背景にしたずーずーしさや優越感は、随
所でその行動や発言に現れ読者は冷や冷や(イライ
ラ)する。

ところが、現地(当時)の人達は、輝ける(当時の
人から見ればそう見えるはずの)未来に移住するよ
りも、その場に留まって生きよう、あるいは死のう
と決断する。

俺らだったどうよ?!
近いうちに君らのほとんどが死んじまうけど、未来
に行かねぇ?って言われたら、『じゃぁ、しょうが
ねぇから行こうか』なんて思うんじゃないだろか。

どちらが正しくてどちらが正しくないとか、保守的
とか革新的とかじゃなくて、どちらがその時代を、あ
るいは家族や友達を愛してるのかという事を考えると
…。
私は過去の人たちの方が、我々よりもずっと生きてる
意義や実感を感じながら生きたんだと思うよ。

生き方や幸福感、恋愛感や人生観を考えさせる…やっ
ぱり“ミステリ”からははみ出る作品だと思う。

“無冠の帝王”ってあるじゃん?
恋愛小説としてもミステリとしても時代小説としても
無冠かもしれないけれど、エンターテイメントとして
は星四つ以上つけられると思うよね。
(むしろ星つけないほうが価値あるような気がするん
だけど)
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.174
(5pt)

宮部みゆきの真骨頂

フィクション(それもSFというとりわけ超現実的なジャンル)にもかかわらず、戦争資料から史実を読みとくかのごとく、生きた歴史の断片を垣間見ながら、その虚構の世界の住人になりきれる。これは、宮部みゆき渾身の、そして稀代のサーガだ。 平成の世の一受験生が、ホテル火災から九死に一生を得る…が、助けてくれた男は時間旅行者、助け出された先は何と2・26事件真っ只中の昭和初期!トラベルミステリーならぬ、タイムトラベルミステリー。それも、舞台が太平洋戦争へと日本が舵をきる歴史の転換点というこの設定が、著者の慧眼を如実に浮き彫りにしている。 タイムトラベルなどといえども、単なるエンタメでは決してない。軍部による暗黒時代への序章の中で紡がれる物語は、そんな一語で切り捨てるには余りにも壮観過ぎるのだ。そこには、蒲生邸で生きる一家が、そしてその他の名もなき大衆が、歴史に刻み込んだ軌跡がある。 普通の人間とは異なる能力を持つゆえに、その人生に翻弄される時間旅行者。その目に映る歴史の重みは、我々のそれとは微妙に違うのだろう。しかし、歴史は修正できても変えることはできないと知りつつも、それでも己の信ずるものの為にタイムトリップを繰り返す彼らの姿を、我々は同じ現代人として謙虚に見つめなければならないと思う。 この作品は実に複合的なテーマが絡み合っているのだが、その一つに現代人と戦前の人々との間の絆がある。それは、絶対に有り得ない出逢いであるからこそに輝き、そして儚いものなのだ。現代に帰還した後の孝史の過去の蒲生邸との邂逅は、さながら遠い昔に海で無くした宝物を浜辺の一握の砂の中から見つけ出したような感慨の音だけを、いつまでも、いつまでも、読後の心へと反響し続ける。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.173
(5pt)

宮部みゆきの真骨頂

フィクション(それもSFというとりわけ超現実的なジャンル)にもかかわらず、戦争資料から史実を読みとくかのごとく、生きた歴史の断片を垣間見ながら、その虚構の世界の住人になりきれる。これは、宮部みゆき渾身の、そして稀代のサーガだ。 平成の世の一受験生が、ホテル火災から九死に一生を得る…が、助けてくれた男は時間旅行者、助け出された先は何と2・26事件真っ只中の昭和初期!トラベルミステリーならぬ、タイムトラベルミステリー。それも、舞台が太平洋戦争へと日本が舵をきる歴史の転換点というこの設定が、著者の慧眼を如実に浮き彫りにしている。 タイムトラベルなどといえども、単なるエンタメでは決してない。軍部による暗黒時代への序章の中で紡がれる物語は、そんな一語で切り捨てるには余りにも壮観過ぎるのだ。そこには、蒲生邸で生きる一家が、そしてその他の名もなき大衆が、歴史に刻み込んだ軌跡がある。 普通の人間とは異なる能力を持つゆえに、その人生に翻弄される時間旅行者。その目に映る歴史の重みは、我々のそれとは微妙に違うのだろう。しかし、歴史は修正できても変えることはできないと知りつつも、それでも己の信ずるものの為にタイムトリップを繰り返す彼らの姿を、我々は同じ現代人として謙虚に見つめなければならないと思う。 この作品は実に複合的なテーマが絡み合っているのだが、その一つに現代人と戦前の人々との間の絆がある。それは、絶対に有り得ない出逢いであるからこそに輝き、そして儚いものなのだ。現代に帰還した後の孝史の過去の蒲生邸との邂逅は、さながら遠い昔に海で無くした宝物を浜辺の一握の砂の中から見つけ出したような感慨の音だけを、いつまでも、いつまでも、読後の心へと反響し続ける。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.172
(5pt)

宮部みゆきの真骨頂

フィクション(それもSFというとりわけ超現実的なジャンル)にもかかわらず、戦争資料から史実を読みとくかのごとく、生きた歴史の断片を垣間見ながら、その虚構の世界の住人になりきれる。これは、宮部みゆき渾身の、そして稀代のサーガだ。 平成の世の一受験生が、ホテル火災から九死に一生を得る…が、助けてくれた男は時間旅行者、助け出された先は何と2・26事件真っ只中の昭和初期!トラベルミステリーならぬ、タイムトラベルミステリー。それも、舞台が太平洋戦争へと日本が舵をきる歴史の転換点というこの設定が、著者の慧眼を如実に浮き彫りにしている。 タイムトラベルなどといえども、単なるエンタメでは決してない。軍部による暗黒時代への序章の中で紡がれる物語は、そんな一語で切り捨てるには余りにも壮観過ぎるのだ。そこには、蒲生邸で生きる一家が、そしてその他の名もなき大衆が、歴史に刻み込んだ軌跡がある。 普通の人間とは異なる能力を持つゆえに、その人生に翻弄される時間旅行者。その目に映る歴史の重みは、我々のそれとは微妙に違うのだろう。しかし、歴史は修正できても変えることはできないと知りつつも、それでも己の信ずるものの為にタイムトリップを繰り返す彼らの姿を、我々は同じ現代人として謙虚に見つめなければならないと思う。 この作品は実に複合的なテーマが絡み合っているのだが、その一つに現代人と戦前の人々との間の絆がある。それは、絶対に有り得ない出逢いであるからこそに輝き、そして儚いものなのだ。現代に帰還した後の孝史の過去の蒲生邸との邂逅は、さながら遠い昔に海で無くした宝物を浜辺の一握の砂の中から見つけ出したような感慨の音だけを、いつまでも、いつまでも、読後の心へと反響し続ける。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034