(短編集)

殺人出産

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評判

殺人出産の評価:

3.48/5点 レビュー 80件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全129件 101〜120 6/7ページ
No.29
(2pt)

おもしろい世界観だが、設定に頼りすぎ

表題作『殺人出産』も、それ以外の短編も、すべて世界観が斬新でおもしろいと思います。
ただ、その世界観や設定に頼りすぎているという印象を受けました。
要するに、おもしろいと感じる部分は設定だけでした。
その設定についても穴だらけというか、矛盾が多く、納得はできません。

また、書かれているテーマ自体はいいのですが、「これがテーマだ!みんな考えて!」というくらい直接書かれているので、押し付けがましく感じてしまいました。
肉付けされていない脚本、プロットをそのまま読んでいる気分です。
これが重要なアイテム、これが重要なセリフ、これが重要な人物…などなど、作者の書きたいテーマを直接表現するようなものしか登場しません。

そのせいで、登場人物たちの内面に違和感を感じます。
人間性を感じないというか、設定やテーマのために動かせれている感があります。

世界観にリアリティがないのはある程度仕方ないとしても、登場人物にまでリアリティがないのはいかがなものかと思いました。
わざとリアリティをなくして、いびつな世界観を表現しようとしているのでしたら、その演出は逆効果に感じます。

世界観はおもしろいだけに、残念でした。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.28
(1pt)

高校の娘には見せたくないです。

気持ち悪い内容で、後味悪し。殺人希望があるひとみたいですねー
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.27
(1pt)

これはディストピアではない

村田沙耶香はいまの日本の作家のなかでも傑出した才能の持ち主だと認めているが、
この殺人出産に限っては、失敗作だと言わざるをえない。はっきり言って面白くないどころか
ラストは胸糞悪い。管理・統制的な社会がしっかりと描き切れておらず、まったくディストピアになっていない。
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4062934779
No.26
(3pt)

村田沙耶香著の作品は

村田沙耶香著の作品を読んだのは、コンビニ人間から二作品目です。今回のテーマは非常に独特で変わってますね。良い意味でクリエイティブで、悪く言うと恐怖ですね。4つの短編集でしたが、近未来の出来事として軽いタッチで描いて、タイトルにもなっている殺人出産は強烈でした。
殺人出産 Amazon書評・レビュー: 殺人出産より
406219046X
No.25
(1pt)

「出産」とあるけれど…

この作品は「出産」が「殺人のための手段」でしかない。「殺人」が正当化された世界を描いている。だから、出産における意味がまったくちがうものになる。ただの苦痛を伴う、子供を産み出すという、苦痛とともに少子化の世界における子供増加を助長する手段でしかない。
「出産」に「自分の赤ん坊を手に入れる」というプロセスがなくなってしまっているため、出産する母親像は消滅してしまっている。
この小説では最後にこの世界が正しいんだと自覚して小説が閉じられるが、この世界観自身が色々と矛盾があったり、穴があって好きになれなかった。
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4062934779
No.24
(5pt)

著者独自の斬新な発想に驚愕

「コンビニ人間」を読んで、著者独自の視点で描いているストーリーがとても面白く、直後に本書を読んだ経緯。

表題作の「殺人出産」は10人産んだら、1人殺せるという「殺人出産システム」により人口が維持されている未来世界を描いている。
このシステムを利用する者は「産み人」として人々から崇められるなど、著者独自の視点がここでも大いに発揮されていて、とても面白い作品であった。

また表題作の「殺人出産」のほかにも「トリプル」、「清潔な結婚」、「余命」という作品も収録されている。
中でも「トリプル」は「殺人出産」に匹敵するほど、斬新であり、こうした斬新な切り口のストーリーを創作できる著者のこれまでの人生を覗き見たい気持ちにもなった。
村田沙耶香さんは今後も要チェックだ。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.23
(4pt)

常識のアンチテーゼ

出産、子供、恋愛、セックス、死。
倫理的にそうあって当然の通念に対して、一矢報いる今作品。
殺人シーンの清廉性には凄みがある。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.22
(3pt)

発想が面白かったです

現実には考えられないようで案外そうでもない世界が面白かったです
殺人出産以外の短編ものもなかなか面白かったです。
短くて読みやすかったです
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.21
(4pt)

第155回芥川賞作家、村田沙耶香さんの作品が文庫化されました!私は面白く読ませてもらいました!

「コンビニ人間」で第155回芥川賞を受賞した、村田沙耶香さんの2014年単行本で出版された作品が、文庫化されました。
 「コンビニ人間」を読んで興味を持ったので、本作も購入しました。
 以下の4作品が収録されています。
 1:殺人出産   2:トリプル   3:清潔な結婚   4:余命
 1:比較的長めの短編、というより中編といったほうが良いのかな。
 以下ネタバレがありますから、未読の人は、注意して下さい!!100年後の日本を描いているようなのですが、
 そこでは、人工授精で子供を産むのが常識の世界で、セックスを伴う出産などほとんどありえない世界になっています。
 しかし、10人子供を産めば、1人殺せるという制度があり・・・究極の少子化対策ですね!・・・、 
 この制度を利用する人を「産み人」と湯んでいますが、やはり合法的に人を殺せるということで、
 この制度にチャレンジする人も結構いるようです。また、男女が不平等にならないよう、男性も人工子宮を付け、「産み人」になることが出来ます。
 本作では、「産み人」を姉にもつ、妹の視点から物語が進行します。
 村田さんは、殺人シーンを描くのが喜びなのだそうで、本作もその趣旨に沿ってかかれてのかな、と思います。
 また、現在の、晩婚、人工授精、男性の女性化、ジェンダー・フリー・・・このような風潮を風刺したかにも思えます。
 2:これも少し変わった作品です。近い将来のお話だと思いますが、その頃10代では、カップルで付き合うより、
 トリプルで付き合うのが当たり前のようになっています。
 しかし、大人は、3人で付き合うと言えば、3Pなどの乱交を想像しますから、子どもたちが、トリプルで付き合うことは厳禁です。
 いわゆるセックスをしないで、穴を責めるという描写が続きますが・・・。
 これも、大人と子供の断絶、セックスレスになつているという、若者たちへの風刺ということなのかな? 
 3:そういう意味では、本作は、まさにセックスレス時代の男女を風刺した作品といえると思います。
 クリーン・ブリードなる変な妊娠方法が出てきますが、これは村田さんの趣味!!?
 4:ショート・ショートといってもいいくらいです。
 本作は、死を扱った作品です。これも近未来という設定だと思いますが、
 この時代では、死を自分の意志で自由に決定できるのです。
 今、尊厳死、あるいは安楽死という問題で意見が大きく分かれていますが、本作はそういった風潮への批判、あるいは風刺なのかな?
 人間というものは、自分の意志で生まれてくることはできません。
 しかし、死というのは、良し悪しは別として、本来自分の意志で決定できるもので、
 そういう意味では、将来このような時代が来るのかもしれません!!
 村田さんの作品をまだほとんど読んでいませんから偉そうなことは言えませんが、
 特異なシチュエーションで生と死、、そして、セックスを軸に描き、今ある姿を批判あるいは、風刺する、そのような作家のようです。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.20
(5pt)

少なくとも僕には面白かったです

『コンビニ人間』を読んで興味をもって、それで読んでみました。
僕には面白かったです。芥川龍之介の『河童』が好きな人なら、読んでいて面白いのでないかと思います。
内容はグロテスクなのかな? バタイユの『眼球譚』とか読んで大丈夫な人なら大丈夫と思います。
ただ妙なことを言いますと、グロテスクなものが好きな人には、言い知れない居心地の悪さを感じるかと思いますよ。たいていグロテスクな描写のある小説って、もっと情熱的ですから。これは本当に淡々としていて熱さの欠片もないし、グロなものを書いても社会で受け入れられるようにするための工夫も何もなく、やる気なく日常を遠くのほうから眺めているような生気の無い文脈の中で、グロテスクなものが、逆に作者が淡々とした傍観者のようなスタンスなるが故に、けっこうな生々しさで展開されるので、グロテスクなものが好きな人にも苦手な人にも受け付けないような感じに書けているんじゃないかって思います。その奇妙な居心地の悪さに、逆に変な共感を覚えて引きこまれそうになる感じがあるので、そこが何とも怖いです。(うまく説明できないな。僕の文章力ではとても言いたいことが伝わらないかと思います)。
世界観は全く説得力もなく納得も出来るものではないのだけれど、僕らの生きているこの現在の社会も、予備知識の何も無い遠い星の宇宙人に語って聞かせたら、「こんな世界があるなんて信じられない。なぜなら……」と、いくらでも矛盾点を指摘出来ることでしょう。
ここまで説得力の無い世界を描けるという点が、逆の意味でリアリティだと感じます。
説得力がなくてもリアリティがなくても、現に世界がそうであるからそうというのが、僕らの社会であるように、リアリティのある説明を社会から与えられない点がリアリティなのです。何か本質からずれた説明でお茶を濁され、優等生っぽい気質の人は、社会からの説明を真に受けるかまたは渋々受け入れ、そうでない反骨精神の人はそれを受け入れないわけだけど、反骨の人も代わりに信じるべき何かってのを社会のどこかから(それが書物からであっても何でも)探すしかないので、結局その人にとっての迫真性を感じるものを希求しながら生きていくしかないわけです。
正しさは地域性や時代性によって異なるので、相対的にしか与えられないわけですが、何かしら本能と結びつくような形で、奇妙な正しさを実感してしまうことがあります。そういった本能と結びついた奇妙な正しさが、社会的な正しさとなって規則を生み出してしまうこともあるわけで、そんなことの繰り返しで正しさは流動していき、ある正しさがある種の人々にとっては苦痛で、ある種の人々にとっては救いであるという、よくあるテーマをよくあるような感じに描いただけの作品なんですが、人によっての好き嫌いがこんなにも激しいのは、文体というかこの作者のスタイルに因るところが大きかろうと思います。
どうしても我々、権威主義にどこか凝り固まっているもので、作者に飛びきり高い知性を感じたり、それをほのめかすような華美で装飾過多な文体に出会ったりしますと、書かれている内容が大変気に入らなくても、文句をいうのはどこか気がひけるものです。自分の知性の欠如故に理解できぬだけかもしれぬと怯えるわけですね。
この作者の文体って、あっさりした気取っていない文体、というのを通り越して、小学生の作文のような文体ですからね。そしてそういう文体でも作者の知性に打ちのめされるような思いがすることは稀にあるものですが、この作者は自分の知性をひけらかすような部分が本当になくて、変な言い方をすれば知性そのものを馬鹿にしているような知性とでもいうか、我々にとっての普通とか日常とか常識とか当たり前みたいなものや、逆にもっと高度とされ社会から賞賛されるような思想や知識といったものを、冷静に白い目で見ているような感じの人なんですね。いきり立って常識に反旗を翻して攻撃的な文を書く人とかいますけど、そういうのでなくて一歩遠くから力なく第三者のように観察しているような生暖かい視点。この辺がとても斬新。これだけ抑え気味に文章が書ける人なのに、社会から認めてもらいたい気持ちも無い感じの文章ってのには、そうそう出会えない気がします。そういった部分がとても気に入っております。
全然言いたいことがうまく書けないけれど、僕の素直な感想です。偉そうに聞こえたらすみませぬ。そういうつもりは無いのですが。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.19
(2pt)

設定小説

表題作を含めた4編とも、特異な設定で読ませる小説である。

その特異な設定と言うのは、(一部では融解しつつあるものの)現代西側先進国で主流派となっている価値観や規範に挑戦するようなものある。
短編と言うこともあり、それほどおおきなプロットのひねりはない。結末も含めて、それぞれの短編のプロットのほぼすべてが最初の設定で規定され、その枠内をはみ出ることなく展開してゆく。

というわけで、はらはらしながらプロットの行き着く先を求めて読む、という種類の、読書の楽しみを感じることはできなかった。
読者によっては、この特異な設定が楽しい、と言う人もいるのだろうが、評者にしてみれば、小説って設定だけ面白ければいいってもんじゃないだろうと言いたい。
殺人出産 Amazon書評・レビュー: 殺人出産より
406219046X
No.18
(4pt)

ジョルジュ・バタイユのエロティシズムを感じました

倫理・価値観の脆弱性および流動性というテーマが性的倒錯、中でもErotophonophiliaを背景に描かれています。舞台は殺人が合法化され蝉を食べる未来の世界です。いまにも嘔吐しそうな不快感を覚えますが、「昆虫はね、縄文時代には普通に食べられてたんだよ(本文より抜粋)」、古代の祭祀で行われた人身供犠など、我々の歴史とは決して無縁ではありません。10人産んだら一人殺してもいいシステム、ここにはジョルジュ・バタイユの言う“存在の連続性”が感じられます。祭祀・供犠を彷彿とさせる純白の葬式も印象的です。最後は、ErotophonophiliaのEcstasyがかなりリアルに描かれていて、村田沙耶香さんの感性に驚きました。
著者の投げかけたテーマはナショナリズム、テロリズムが問題となっている現代において特に重要であると思いますし、我々一人ひとりが一度じっくり考えなければならないと思いますが、かなりグロテスクなので星4つとさせていただきました。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.17
(5pt)

斬新な設定に、一気に引き込まれました

「10人産んだら1人殺せる」 が正義であるという、
現在の常識からは考えられない設定/アイデア、素晴らしいです。
一気に引き込まれ、熱中して読んでしまいました。

この世界観を作り出した作者、素直にすごいと思います。
他の方がおっしゃるように「詰めが甘い」 部分があるのかもしれませんが、
少なくとも、私は気になりませんでした。

作者のオリジナリティーを強く感じました。
買う価値が十二分にある本だと思います。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.16
(4pt)

『コンビニ人間』への道の途上

表題作『殺人出産』について、前にレビューを書かれているお二方があんまりにもあんまりなので、擁護したくなって書きました。なのでそちらを先に読まれてからお読みください。あと、完全にネタバレですのでご留意ください。

お二人とも、設定に無理がある、リアリティがないから入り込めないとお考えのようです。
しかし、物語の前提となる設定についてはどんなに荒唐無稽であっても、それはその物語を語る上で必要なものなんだと思って受け入れなければ始まらないと思います。カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』の主人公たちに「なんで逃げないの?」と言うようなもので、そういう世界であることを受け入れなければ見えるものも見えないでしょう、そこはとりあえず受け入れて読んでみましょうよ、と言いたいです。ハードSFじゃあるまいし、設定のリアリティが売りの作品じゃないんですから。

で、そこをそういうものとして受け入れると何が見えてくるか。『コンビニ人間』と同じ、「当たり前ってなに?」という問いではないでしょうか。というわけで、「殺意と殺人を描く以上は、雰囲気で片づけちゃいけない」というご意見には「それが当たり前ですよね!」と返さざるを得ません。

育子が書いた作文の「100年前には殺人はまったく違う意味を持っていました。だから、100年後にはどうなっているかわからないと思います」というフレーズの、「殺人」の部分を入れ替えれば、現実に当てはまることは山ほどあるでしょう。最近話題のものであれば「天皇」とかですね。(70年ちょっと前までは神扱いだったんですって。なら70年先には奴隷扱いになってても不思議ではないのでは?)
つまり、「当たり前ってなに?」という問いを見せるために殺人という題材を使っただけで、この問い自体は普遍的なものなわけです。題材を恋愛・結婚・出産などなど人間として正しい人生、にしたものが『コンビニ人間』ですね。そちらの方が圧倒的にいい題材です。誰に取っても馴染みのあることだし、多くの人がそういうことで何か言われて「うるさいな、ほっといてくれ」と思ったことがあるでしょうから。そういう意味では『殺人出産』は、『コンビニ人間』に至るワンステップだったのかもしれませんね。

身も蓋もない例えをすれば、ラストシーンの育子は、『コンビニ人間』の白羽君(童貞)が、処女のまま中古な古倉さんとセックスをしてみたらすげえ気持ちよかった!惚れた!みたいなものでしょう。
みんな殺人したことないけど、実際やったら明らかに正しいことだとわかって、セックスは気持ちいいというのと同じくらい常識になるかもしれないよね、ということです。100年前の日本人に、100年後の天皇はもう年だから辞めたいんだけどって言うこともできないんだよって言っても、同じくらい信じなかったでしょうね(100年前にも生前退位の規定はないですが、本人が望めばできたでしょう)。

この小説のキーアイテムとして、蝿スナックがあります。流行り物であり、「当たり前」のもののひとつです。
その蝿スナック、殺人出産システムを当たり前のものとして受け入れているミサキや、死に人であることを受け入れ動揺することなく殺されたチカちゃんが食べているのは当然と言えるでしょうが、殺人出産を嫌悪するように最初は嫌がっていたはずの早紀子までが食べるようになっているのはなぜでしょうか?
結局のところ、殺人出産が正しい正しくないというのはどちらも同じ流行り物、その時々の常識に過ぎず、いずれにせよ盲目的に信じている人という点ではミサキも早紀子も同じなのです。
しかし常識や正義を疑わずにはいられない育子は蝿スナックを食べられません。そして世間の常識や正義を完全に凌駕する個人的な欲求を持つ環は、食べたいなら食べるでしょうし、食べたくないなら食べないだけでしょう。いや、元々食べたくて仕方なかった人ですかね。

しかし周りに流されて蝿スナックを食べているからといって、ダメだというわけでもないのです。この小説の中で最も無私に他者を慈しんでいるのはミサキです。蝿スナックの流行りに言い訳しながら乗る、殺人出産によって生まれてきたミサキなのです。殺したり殺されたり蝿スナックを食べたりの、わたしたちのために、祈ってくれているんですよ。

人間ってロクでもなくて、素晴らしいものだよね、という当たり前なことをも書いている小説ではないでしょうか。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.15
(4pt)

面白かったです

着想も良く、文章も良いです。
他の作品も読んでみようと思います。
殺人出産 Amazon書評・レビュー: 殺人出産より
406219046X
No.14
(2pt)

雰囲気小説

表題作について。(ラストまでネタバレします)

10人の子供を産んだら1人を殺せる、というキャッチフレーズにてっきり産んだ子供のうちの一人かと思って読むと、これは違うんですね。殺せる相手は赤の他人や我が子以外の身内のようです。
で、なんでそれが許可されているかというと少子化のため。ブラックコメディとかの世界ならありかなと思う設定ですが、これを大真面目に物語の前提に敷いているのが大きな欠陥というか、簡単に言うと無理があるというか…。
男性ですら出産できるほどの医学が発達した未来において、なんで「人が人を産む」という一点には一切の科学的発展がみられていないのかと。浅学な自分でも、試験管でとかクローン人間の腹を借りてとか、もっとましな方法が発見されてると思うんですよね。
それをなあなあで話を進めている時点でもう乗り切れない。

主人公の姉は殺人衝動があり(おそらく快楽殺人者の気があるのかと)その衝動を(合法的に?)果たすため、産み人として10人の子どもを産む。その果てについに得た人を一人殺す権利。姉は殺す相手は誰でもいいので、たまたま出会ったにすぎない、この世界のシステムに反対している組織の女性を選ぶことになります。(この世界で生きるのは可哀想という理由です
殺意とは何かとか世界の正常など所詮は不安定なものとか、なんとなく言いたいことはわからないでもないけど、土台がふわわわんとしているので、そういう主張もふわふわ漂っているだけで、なんにも響いてこない。雰囲気小説だなあ、これと。

特によくないのはラスト。姉とそれにくっついて主人公が殺人を果たすわけですが、殺される相手は薬か何かでまったくの無抵抗、意識もない。そんで臓器切り開いたり血がどばどば出てきたりで主人公と姉はうっとり涙ぐむというわけなんですが、これはもう解剖フェチくらいのレベルでしかないんじゃないかなあと。これも雰囲気殺人なんですよね。
正直このテーマで書くなら、相手の意識はしっかりあって自分は今から殺されると絶望的に突きつけられ、それでも子どものため獣のように暴れ罵り懇願し絶望しそれでも腹の子どもだけでも守ろうと諦めきれず必死な相手、そういうすべてを受けて手にかけるべきだと。(そんなもの断じて読みたいわけではないですが)

過去の正常な世界と現在の正常な世界の対決がまったくないまま、雰囲気だけで結論出して終わった。
他のテーマならまだ雰囲気でもいいでしょう。しかし、殺意と殺人を描く以上は、雰囲気で片づけちゃいけないものがあったと思います。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.13
(1pt)

クレイジーさやか

「コンビニ人間」を読んで面白い作家だなあと思ってこれを読むとがっかりするだろう。まあ未来ものSFといってもそれなりにリアリティがなければならないが、表題作はあまりにそれがない。特にこの小説中で最初に殺されるのが、父親に恨みがあるので殺されるのだというのはえらく気分が悪い。新人作家が持ち込んだら断られるレベル。あるいは総理大臣や政治家、芸能人やスポーツ選手などの有名人が殺されたらどうなるのか。詰めが甘い。
 あと三つ短編が入っているが、講談社文庫版では初出が記されていない。昔は作家年譜も充実していた文庫なのにこの杜撰さは何だろう。念のため記しておくと、2014年1月「余命」すばる、2月「トリプル」 群像、  「清潔な結婚」GRANTA JAPAN with 早稲田文学01、5月「殺人出産」群像、である。いずれも死やセックスをめぐる、大人向け星新一みたいなもの。ところで「トリプル」で「圭太のペニスからとろとろと白い液体が流れ出た」というのを読んで、もしや作者は射精を見たことがないのではないか(ビデオでも)と思った。
殺人出産 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人出産 (講談社文庫)より
4062934779
No.12
(1pt)

つ、つまらん……

あまり頭を使わず寓話として読む分にはいいんじゃないでしょうか
なんとなくですけど、湊かなえが好きな層にウケそうですね
「これが人間の心の闇……ヾ(*'∀`*)ノキャッキャ」みたいな
殺人出産 Amazon書評・レビュー: 殺人出産より
406219046X
No.11
(3pt)

ハラハラドキドキいっきに読める

文章なのか内容なのか、先が気になっていっきに読み進められました。が、結末が…私の理解力がたりないのかちょっとあっけなかったです。
たくさん活字が読みたいときにはスラスラ読めるのでエンターテイメントにはいい本だと思いました。
殺人出産 Amazon書評・レビュー: 殺人出産より
406219046X
No.10
(5pt)

設定に度肝抜かれた

4作品とも面白かったし、こういった設定を思いつく作者に感心です。有り得ないようで、もしかしたらなんて思っちゃう。改めて本って面白いなぁと思いました。
殺人出産 Amazon書評・レビュー: 殺人出産より
406219046X