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ガンルージュ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ガンルージュ
ガンルージュ (文春文庫)

ガンルージュの評価: 3.57/5点 レビュー 35件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.57pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 21~35 2/2ページ
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No.15:
(4pt)

設定の意外性が面白い

第二の金大中事件が群馬県を舞台に起こった。ペク氏の誘拐に巻き込まれた中学生の秋来祐太朗と同級生の神田麻衣。ストーリーとしては誘拐事件に巻き込まれた祐太朗と麻衣の休出作戦だ。設定で面白いのは、救出するのが、警察や公安ではなく、祐太朗の母親である秋来律子と祐太朗と麻衣の学校の先生である美晴の二人であること。律子が誘拐現場で殺されたペクの警備員の死体から拳銃や予備弾倉を抜き取ったシーンから、律子はただ者ではないことに気づかされる。母は強しと言うべきかと思うのも束の間。律子の過去、祐太朗の出生の秘密が明らかになる。その背景が分かれば、あとは冒険小説としてジェットコースターのような展開を楽しめばいい。先生の晴海も素人ながら大活躍する。読んでいてかなり爽快感を味わえる。とにかくスピード感が気持ちいい。それでいてどこかコミカルなところもあるので、笑えてしまうところも多数。そもそも設定が漫画?と思ってしまうくらい突飛なものであるので、設定の意外性が笑いにもつながるのである。ここまでくると、律子を主人公にしたシリーズ化を期待したい。美晴のシリーズでもかなり面白いものができそう。いっそのこと二人のバディものでシリーズ化してほしい。
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No.14:
(4pt)

スピード感あふれる展開で一気に読ませるが、ちょっと無理があったと思う

中学生1年生で幼馴染の祐太朗と麻衣は、韓国の工作員が日本で行った大物政治家の拉致事件を偶然目撃し、一緒に連れ去られてしまう。息子を取り戻すため、元公安刑事の秋来律子が立ち上がる。

最初は平凡な日常が描かれていたかと思いきや、突然とんでもない事件に巻き込まれ、今は一線から退いている人間が奮闘する展開は著者の「槐(エンジュ)」と似たような感じだったので、「槐(エンジュ)」を楽しめた方にはおすすめできる。

本書でも、スピード感あふれる展開や、過去の因縁、警察と拉致グループとの駆け引きなど読み応え満載だった。

しかし、元公安で特殊訓練を受けていたとはいえ、韓国の特殊任務大隊の最精鋭を集めたソバンサを相手に一方的に打ち負かすのはさすがに無理があった気がする。また、元彼が刑事で自分自身は素人である美晴先生の活躍もやり過ぎだった。

美晴の元彼は今回は登場しなかったので、別の作品に出てくることを期待したい。
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No.13:
(3pt)

機龍警察シリーズ以外は

機龍警察シリーズ以外は、マンガの原作のような印象でもうひとつ好きになれません
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No.12:
(3pt)

母は強し

著者お得意のアクションエンターテインメント作品。基本的な小説の構図は他の作品と一緒でシンプル。今回の対決は、韓国特殊部隊に人数も装備も圧倒的に不利な状況の中、立ち向かうのは元公安の女刑事と元パンクロックのボーカリストだった女教師のコンビ。

当然、アクションもふんだんに織り込まれてますが、あまりにも現実離れで漫画の世界に近い展開に笑ってしまいます。女教師の美晴の影響か、極限の戦闘状況のなかでも、どことなくのんびりとした雰囲気が漂い、相棒との掛け合いももはや漫才です。キャラクターを作り過ぎの感はありますが、読者を楽しませようとする意気込みは感じます。

但し、国家権力の思惑や駆け引きなどの闇の部分も書かれ、また元公安の律子が事件後に皮肉な巡り合わせの感情に心乱されたりと、アクション一辺倒でなくビターなところもあるのが心憎いです。
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No.11:
(5pt)

新宿鮫オマージュ?!

出刃包丁をにぎったスーパーおかあさん(元公安の特殊部隊)と、金属バットを振りかざしたスーパーはぐれ女教師(元ロックシンガー)が、韓国の精鋭諜報殺人部隊を相手に死闘を繰り広げる。
奪還目標は韓国の要人誘拐に巻き込まれた息子(教え子)!・・・という話。

その世界観を愛してやまない『機龍警察』シリーズの月村了衛。血沸き肉躍るアクションシーンや、荒唐無稽だがリアリティー溢れる背景設定に、作品ごとに魅せられてきた。

シリーズ以外の単発作品も半年に一度くらいのペースで、コンスタントに出し続けている。
例えば自衛隊の精鋭が、ソマリアでイスラーム原理主義のテロリスト部隊と死闘を繰り広げる話だったり、あるいはウィグル独立運動の志士を守って戦うヤクザと女性ジャーナリストの話だったり。それぞれ異なる背景はきちんと取材されたうえで、ご意見無用の独自世界に走り込んでいく感がある。一度開くと読了まで読み続けてしまう疾走感が、ある時からまったく失せないことにも驚きを感じる。常に文句なく面白いのだ。

しかしこの人の作品世界に一つ何がないかと言ったら、笑いの要素だったのではないかと思う。緻密で強烈で、疾走感に満ちた作品群は、笑いの要素なんぞなくても不満はなかったのではあるが。

だから今回の設定はちょっと新鮮だ。
いつもの冷静な筆致はそのままに、この作家の作品には珍しい、直情型で粗暴だが野生の勘に長けた女性キャラが走り回る。若干違和感はあるのだが、いつもの作品には無い空気感が出ていた。

一方で相方のスーパーおかあさんは、とにかくやたら滅法強くてクールで陰がある美女風なので、この辺は非常に月村的な感じで、対比が面白い。

ちょっとした小道具の使い方が、血みどろの死闘に軽い笑い要素を出して「イヤ、そりゃなかろ」と突っ込みたくなるような無茶な展開も良しとできる。正直言って、笑い要素が炸裂するようなこともないのだが、極端に生真面目な作品世界にちょっとした風が起きて、ひと味違ってきた感あり。
よろしいんじゃないでしょうか。

そして付け加えると、主人公の女教師の別れた恋人は「公安の秘密を握って新宿署に左遷された、キャリア刑事」。それは大沢在昌『新宿鮫』の鮫島ではないか?!
読めば読むほどそれ以外にない感じになってきて「あり得ない別の期待感」まで煽り立ててくれる。

まさかひょっとして、すでに勢いを失った感のある、あの過去シリーズを再生してくれたりするのか?!
いやもう、是非やってください。
是非ともお願い申し上げます。

・・・とか、どこへともなくお願いしてみたりする。
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No.10:
(2pt)

う〜ん、パターンを良しとするかどうかで評価が別れるか・・・

作者の作品を何作か読んで、わざとこのパターンの物を量産しているのかな?とも思いましたが、他の方も書いている通りパターンなんですよね。

それを良しとするかどうかで評価が非常に変わると思います。
ただ、同じパターンなら「槐」が私的には傑作だったので、今作はコミカル&ご都合主義過ぎて感情移入しづらかったです。
コミカル要素を入れたのは良いのですが、バランスが難しくて私にはコミカルすぎました。
主人公の片割れが、「あるもの」を「あるもの」で「どうにかする」描写が後半あるのですが、これなんかは伏線も散々張ってて、それが結果に繋がって非常に爽快なんですよ。
なのに、このキャラクターのその他のご都合主義すぎる活躍で全部薄まってしまっている気がして・・・
散々苦戦したり足を引っ張ったりしてるのに、そのポイントだけ活躍する、といった方がスッキリしたと思います。

ほんの少しバランスが違えば傑作になった気がして非常に残念でした。

ただ、読みやすいですし、コミカルな点やご都合主義な展開もそういう物として読めば非常に面白い作品だとは思います。
あまり、知りませんが昔はラノベや漫画原作をしていた作者さんなのでしょうか、ちょっとそうい匂いのする作品でした、
それは悪くないのですが、月村了衛のイメージが私の中でもうちょっとハードな感じだったので肩透かしというか、カレーだと思って食べたらハヤシライスだったと言うか・・・・

う〜ん残念でした。
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No.9:
(3pt)

ご都合主義全開

ここまで突き抜けて荒唐無稽だと逆に清々しい。
間違って本職の消防士を連れてきたのではないかと思うほどだ。
あまり堅苦しく考えずにこのバカバカしさを楽しめばよいだろう。
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No.8:
(3pt)

思わず少年に還った (笑)

『ガラパゴス』を読んだ後だったので、渋矢先生のノリの良さに大笑いしつつ、グイグイ引き込まれて寝食を忘れた。 いやぁ面白かった。 肉弾戦で阿木慎太郎の拳聖シリーズを越えるものは未だにないが、命のやり取りの場面でお笑いを入れのはジャッキー・チェンのパクリか? 渋矢先生と元彼中心で第2弾お願いします。
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No.7:
(5pt)

実戦に重なり合う頭脳戦と心理戦が素晴らしい

冒頭に出てくる美晴はコミカルなキャラのはみ出しものだ。律子にも、最初は変わったところは感じなかった。
それが、話が進みはじめると、驚くような姿を現してくる。

逃げる者、追う者、追う者を追う者。追うことを妨げようとする者。
秘密と謎に向き合う、執念と理性と矜持。
その前に立ちはだかり踏み潰そうとする、策動と馴れ合いと権力。

県警に、警視庁公安部に、主人公に、犯人達に、執念や秘密や、政治や保身の絡む制約がある。それが、彼等の思考と行動を相互依存的(相手の出方によって自分の判断が変わる)に縛る可能性がある。
実力の行使に並行して、そのようなパズルを解くような、あるいはパズルを意図的に攪乱するような頭脳戦が、ぶつかり合う。
この暗闘が、実在の事件さながらのリアリティと緊迫感で、素晴らしい。

頭脳戦であるとともに、感情の闇との戦いでもある。
人間を感情という切り口から理解しようとするときには、謎が残ることがある。人間は、感情で生きる生き物でもある。
最後に残って香るのは感情の謎だ。

「取り戻す。(中略) 自分達の人生を。」(235頁)
立ち向かい、戦い、自分の人生を取り戻す。
著者の作品を貫く主題だと思った。
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No.6:
(3pt)

完全に漫画

槐、影の中の影も、謎の犯罪集団vs意外な主人公、という構図で、圧倒的な敵を倒すストーリー。

今回も基本路線は全く同じ。

しかし、元公安の主婦と学校の先生が、韓国の精鋭中の精鋭の特殊部隊と死闘を繰り広げるところからして漫画チック。

公安の主婦と敵との戦いは面白く読めたのだが、豪放磊落な女教師の敵の倒し方は滅茶苦茶を通り越して唖然です。

そこだけは、ギャグ漫画より滅茶苦茶な展開なので、それでも大丈夫な方は楽しめるのではないでしょうか。

決してつまらなくはないし、影の中の影よりは、敵がはっきりしているのでその点はよかったです。

月村了衛信者は何でもべた褒めですが、本当に星5つの内容か否かはご自身で確かめてください。
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No.5:
(1pt)

またか

ワンパターン。 おっさん向け。 粗製濫造。 本当にこれが機龍警察シリーズの作者の作品なのかと。
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No.4:
(1pt)

マンガ的展開はもう構いません

ワンパターンであることも好きにすればよいと思いました。 しかし、現在のリアルな国際情勢を披露した上で、それらを自身のご都合主義的妄想の下敷きに利用するのはもう金輪際やめて下さい。 マンガじみたエンタメを書きたい (しか書けない) のならば、設定やガジェットもエンタメに徹して下さい。 土漠の花以降の単発現代劇は、はっきり言って最早不謹慎の領域に到っています。 月村先生、あなたが自己満足を書いて手放しで誉められたり、粗製乱造による小銭稼ぎをしたりするために、現実の「彼ら」は戦った/死んでいったのではないとだけは言っておきます。
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No.3:
(5pt)

これぞエンタメ。

元公安で現在は田舎でひっそりと暮らす主婦、秋来律子がミステリアス。 こういう地味な人物が自分の専門の領域でいきなり光るのがおもしろい。 現職の公安との駆け引きも見もの。 誘拐された少年少女が山中を犯人と逃げるシーンも冒険心をかきたてられる。 ラスト、犯人と秋来律子の複雑な、ありえないような、でも理解できる感情の展開。 このしみじみとした終わり方が良かった。 これぞエンターテイメント!!必読。 女性におすすめ。
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No.2:
(5pt)

二人の相棒ぷりはこれからも

一つの作品としては事件の(一応の)解決をもって終わりなのでしょうが、 またどこかの国や組織が群馬を舞台に別の事件を起こしに現れないかと願わずにはいられません。
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No.1:
(5pt)

重厚かつ軽快な筆致で描かれる『謀略』、そして個々の『執念』と『情愛』

言わずと知れた代表作「機龍警察」シリーズは勿論、昨年より「槐(エンジュ)」「影の中の影(連載時原題:カーガー)」と
意欲作を続々と送り出すデビュー6年目を迎えた月村了衛の最新作。
新作を読了する度にそのリーダビリティに感服してきたが、今回も待ちに待った甲斐があった作品だった。

舞台は群馬県利根郡みなかみ町、ある日郊外に聳え立つ謎の施設で大量殺戮が発生。
それは大韓民国国家情報院隷下の最精鋭特殊部隊「消防士(サマンサ)」による日本国内に秘匿された韓国要人の拉致作戦だった。
偶然、そこに居合わせた2人の少年少女も彼等に拉致されてしまう。
しかし、そこに曾ては知る人ぞ知るインディーズロックバンドの一員だったが現在は振った男に未練たらたら、
更には自身のうだつの上がらなさに自己嫌悪に苛まれる体育教師・渋矢美晴。
一方、表向きは物静かな一人息子を育てるシングルマザー。
しかして、その過去は国家に裏切られし警視庁公安部外事二課所属のトップエージェントであった秋来律子が、
自身の息子・祐太朗を救出すべく奇妙な共鳴の末に共闘する。
そして、韓国特殊部隊には律子との只ならぬ因縁を持つ特殊工作員キル・ホグンを渦巻く国家権力の卑劣な謀略。
果たして、2人は自身の息子・教え子を救出できるのか

とまあ、ここまで書くと如何にもコテコテの冒険小説の様なのだが、実際読み進めていくとまるで漫才の如し阿吽の呼吸で進行するアクションシーンと
対比する様に静謐な陰謀の絶妙なコントラストが今回も健在であり、特に所々で散見される美晴の心情描写は
人によっては吹き出してしまいそうな場面も見受けられる。「やったぜ!ホームランだ!」 
個人的に出来栄えは「槐(エンジュ)」を超えていると思えた、今回も先に紹介した作品と同じくSF性を排した冒険小説としての本質が読み取れるが、
韓国が作品趣旨に引用されたからといって今回も本作を「愛国エンタメ」と決めつけるのは全く筋違いだ。
「機龍警察」第一作の完全版に寄稿した霜月蒼氏が評した様に、
「国家・組織の非道や不条理の論理に圧殺されんとする『個』の尊厳を取り戻す為の戦い」を上梓し続ける月村了衛はまたしても進化を遂げた。
尚、「影の中の影」ほど登場人物の内面性に踏み込んではいない分、物語の展開がテンポよく進んで読了できた。
多くの方々のお手に取って頂きたいものである。

追記:メディアこそ違うが、月村了衛の代表作といえば「ノワール」だが、2人の女性主人公という事と
今回の「ガンルージュ」という作品名を重ね合わせると、長年追い続けてきた方からすれば中々に感慨深いものがあると思われる(笑)
ガンルージュAmazon書評・レビュー:ガンルージュより
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