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虚人の星



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【この小説が収録されている参考書籍】
虚人の星
虚人の星 (講談社文庫)

虚人の星の評価: 4.24/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.24pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(5pt)

統一教会との関係が暴露された今読むとなお面白い。

統一教会への怨みからまさか銃弾に倒れようとは、この本を書いた時点では分かりもしなかっただろう。統一教会との関係がかくも深く、この人の選挙の強さを支えていたとは。日本人の財産を大量に韓国に送り、韓国を日本の上に置くと言う教義を持つ教団によって当選を勝ち得ていたとは。スパイよりも罪深い。
今この時点で読むからかえって面白かった。
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No.16:
(4pt)

到着が少し遅かった。

特になし
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No.15:
(2pt)

空虚な小説

久しぶりに島田雅彦を読んだが、正直につまらなかった。まるで現実感を伴わない。空虚さだけを感じた。彼は若い時の短編で十分だと思う。二度と彼の作品はノンフィクションを除いて、読まない。
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No.14:
(3pt)

期待ほどではなかった

島田雅彦氏の著書なので期待したのだが、思ったほどではなかった。もっと現代社会への痛烈な批判があるのかと思ったが、案外ありきたりで、残念に思えた。
氏の様々な方向に対する批判的精神を見てきたからこそ、あまり直接的にならずに、もう少しうまく現実世界の理不尽や不条理を小説に昇華してほしかった。
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No.13:
(5pt)

スパイ まさかまさかの血縁関係

島田さんの書くスパイドラマ、ハラハラ満点でとても面白かったです。
多重人格のスパイという最高に面白い設定。
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No.12:
(5pt)

楽しめた

2015年の秋に「虚人の星」の単行本が出て、4年が経過した。
 2014年7月1日に集団的自衛権の閣議決定があり、自公その他により参院本会議で強行採決されたのは2015年9月19日だった。
 以後、2017年2月17日には時の首相が「「妻から先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」(のび太)と発言していたが、「『がんばれ』とか園児に言ってもらいたくない」(ドラえもん)(4月27日)と突き放すようになり、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」(ドラえもん)と言い放った。
 「一般国民は関係ない」「テロリストを取り締まるためだ」(のび太)と言っていた首相も、2017年4月28日には共謀罪の成立に必要な準備行為の判断基準について、「花見であればビールや弁当だが、下見であれば地図や双眼鏡などを持っているという外形的事情がありうる」と答弁し、善良なバードウォッチャーをテロリストと言わんばかりの法相を擁護(ドラえもん)した。
 2017年7月1日には「憎悪や誹謗中傷からは、何も生まれない」(のび太)と言いつつ、「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです!」(ドラえもん)とも言った。
 このような首相をどのように見たらいいのか、長年の疑問が払しょくされました。また、日中(米)での戦争になった場合の見立てや、20年30年後の日中米の関係もあながち外れてはいない。この単行本は4年前に出版されているが、ドラえもんとのび太の事例が豊富になるだけで、いささかも色あせることがなく、実に楽しく読ませていただきました。
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No.11:
(5pt)

のび太か、ドラエモンか・・ではなかった

著者のトボけたような語り口には、これまでも何度も「やられた!」と感じて来ましたが、今回も最後の数ページで「やられ」ました。
ふざけたタイトルと主人公の名前、登場人物の名前は日本人が戦国武将、外国人は疾患名とおちょくっています。これはいつものパターン。
途中までは著者は中国に対する強硬論者で、その意思を小説仕立てで表明しているのだと思っていました。それなりに論理が通っていました。これがドラエモン路線。が、一転して のび太路線。そしてラストはショートショート並みのどんでん返し。ショートショートの第一人者といえば・・・。
今はのびたかドラエモンかを論ずるのがバカらしく感じていて、しっかりと著者の術中にはめられた気がしています。
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No.10:
(5pt)

読みやすかった

島田雅彦さんの作品にしては、スッキリ描かれていてスルスルと読みやすく楽しんだ作品でした。
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No.9:
(5pt)

「必要に応じて、心を入れ替えろ」

「必要に応じて、心を入れ替えろ」。主人公星新一を置き去りにした父親の、この言葉を根として描かれるストーリー。一対の脳、矛盾、逆転、善と悪、つまり陰陽は対極であると同時に補完的であることを思い知らせてくれる。ページをめくる指が止まらないと同時に読み終わるのが勿体無いほどの息もつけない展開。読んで良かったと思わせる久々の小説だった。
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No.8:
(5pt)

徹底したおふざけで、深く国を憂う。これぞ戯作者の仕事。

主人公星新一が中国のスパイ、という設定に意表をつかれました。
中国の現政権は、日本がもう一度日中戦争にのりだしてくることを期待している。日本の右翼政権が戦争行為に走った時、今度こそ自力で日本に勝ち、アメリカと太平洋の覇権を分けあう。スパイ網は、日本が戦争への道に入っていくことをさまざまな方法で煽るのが仕事、というオハナシです。
ただし、星には解離性人格障害という症状があり、<野人><凡人><賢人><病人>など七つのキャラクターが、場面に応じて勝手にでてくる「レインボーマン」だという、ま、徹底したおふざけが仕掛けられています。
もう一人の主人公、自由国民党総裁の松平定男は44歳、祖父も父も首相をつとめた家柄の生まれです。当選3回の若手議員ながら、党の危機を救うために総裁に担ぎ上げられ、顔の良さで婦人票を集めて総選挙に圧勝、総理となった。
総理も解離性人格障害で、ナショナリストのアジテータードラえもんと、こころ優しい平和主義者のび太が同居している。
スパイも、総理も、解離性人格障害。虚ろな人=虚人の物語です。
島田は、いまの日本が、明らかに憲法に違反する法令が圧倒的多数で国会を通過するという異様な状態におちいっているそのことを、「虚ろな人」状態といいたいのでしょう。
小説の最後は、ドラえもんに乗っ取られた松平の中に、実は生きているのび太の要素があり、これが直接国民に向かって戦争回避、平和への願いを自分のことばで語りはじめます。
この演説は、やがてほんものの首相の口から聞きたい、すばらしい直球演説です。映画『独裁者』で、チャップリンがヒトラーの姿形で平和を訴える場面が浮かびます。
徹底したおふざけで、深く国を憂う。これぞ戯作者の仕事という作品です。
現代の戯作者、島田雅彦の快作に、乾杯。松平のび太の、反戦平和の演説に、乾杯。
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No.7:
(5pt)

遠くの親戚より近くの他人に目配りを!

これまで読んだ数冊の中国との付き合い方の本の中では、
 『虚人の星』 は、一番読んだ値打ちがあったと思います。

この本は、中国との付き合い方を幾通りかのパターンで提示しています。
この提示が私にとっては、ユニークな提案に思われ大いに参考になりました。
近くの他人と仲良くすべきでは、と思っていましたが、日本も平和外交が可能であり、
平和外交によって日本は生き延び得るのだ、との希望を抱くことができ少しく安堵しました。
最後には、『チャップリンの独裁者』を思い出し、ほっこりとして本を閉じました。

日本が直面している外交上の問題は、近くの隣人、韓国、台湾、北朝鮮、中国とどのように
付き合ってゆけるか、にあると思います。
この中でも、とくに中国との付き合い方が大切ではないでしょうか。

遣隋使、遣唐使の時代から、漢字をはじめ、さまざまな中国の文化を導入してきた
日本が1930年代から中国と敵対するようになっています。
一歩間違えれば、日本と中国との間の軍事的衝突も起こり得る政治的緊張状態を
安倍政権は生み出しています。

現在の中国の国力の増大傾向を見ると、米国をも凌駕するのではと想像します。
東アジア全体の覇権国として、中国は、巨大化する可能性が大きいと思います。
オバマ大統領のミシェル夫人が日本を差し置いて、中国を訪問したように、
そう遠くない将来、中国が一位、米国が二位、の二大国の時代になるかもしれません。

日本は、現状の緊張状態を続ける限り、置いてけぼりを食うのではないでしょうか。
日本の生き方に関して、著者が一筋の光明を照射したことに敬意を表します。
これから日本を担う若人に 『虚人の星』 は、読んでいただきたいです。
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No.6:
(2pt)

現在進行形の社会をパロディー化することの難しさ

本書は、今まさに起こっている日本・世界の流れを取り込もうとしたフィクションである。
当然、実在の政治家の名前を小説に登場させることはできないが、
これをパロディー化するにおいて、やや奇をてらっている、もしくはぎこちない感じが否めなかった。
現在の社会を語るのには、過去からの歴史の流れを継承せねばならないが、
本書の中で、やや昔のことはそのままの現実が語られているいっぽう、
具体的な政治家は、仮名でおきかえられているので、
読者としては一々頭の中で、仮名を実名に置き換えて理解する作業をしてしまう。
さらに、その仮名に医学用語が用いられているために、余計に混乱してしまう。
星新一という名前が使われていることにも、違和感を覚える。
パロディー化の仕方が中途半端な感じがして、話が頭に入ってきづらかった。
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No.5:
(3pt)

タイトル負けしている

池田学の装丁と「筒井康隆+巨人の星」と思われるタイトルで否が応にも期待が高まりますが、その割にはイマイチでした。 多重人格を多用した複雑なスパイの世界や戦争のシュミレーションはかなり迫真に迫る描写でした。 が、あまりにも急進的な戦争シフトはやや違和感を感じました。 本書に登場する平和論も薄っぺらに感じます。 総理が多重人格者というアイデアはいいと思いますが、結局「軍靴の音」「いつかきた道」式の古色蒼然たるサヨク理論に陥ってしまっているのは残念です。
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No.4:
(5pt)

あと2年すれば読む価値がなくなるかもしれない、まさに今読むべき小説

麻生太郎や小泉進次郎を思い浮かべるが、やっぱり安倍晋三首相以外に松平首相のモデルはいないであろう。 今現在進行形で起こっているポリティクスが直球でパロディーにされている。 過去の事件、スキャンダルも明らかに実際におこったものをベースにしているので苦笑してしまった。 久々に島田雅彦作品を堪能できた。
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No.3:
(4pt)

冷静にこの国、日本の現状と向き合える時間をもらえた。表紙絵が気にいった。設定も面白かった。終盤がものたりなかった。

表紙の、絵が気にいり購入したのだが、結局読み終わり見直してみて、この小説とはあまり関係なかったが、とにかく、この絵は好き。
父親に寿司屋で置き去りにされた少年星新一君、かなりな美貌だろうと思える母親、政治家三代目の若くして総理になる松平定男氏、新一君の父親代わりのように面倒をみる宗猛医師、実は中国のスパイ活動に身を投じていて逃走した小栗氏。設定も面白く、かなりな期待を読みつつ高めていけた。
現在の日本の抱える問題について、総理や、周辺が語る、もしくは考えているとして、作家が切々とつづる部分が大変に面白かった。
作家島田雅彦氏がどのような思想を持っているかは別にして、そして、読み手の私の思想も別にして、冷静に文章となってこの国を取り巻く現状が整理されてこの部分だけでも、この小説を読みよかったと思った。
終盤は、ご都合主義。
たぶんもっと作者も次の展開を考えているに違いないが、諸事情であわてて終わりに持っていったのではないかと思えるほど、ものたりなかった。
島田雅彦さん、ぜひ、続、もしくは、エピソードもの、など、この設定を広げてください。
せっかくの設定なんだから、このまま終わりではとても残念です。
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No.2:
(4pt)

2つの日本に宿る多くの日本人、しかして、進撃の巨人達に虚人のままでどう対処していくのか?

本書は、読み始めは多少戸惑うかもしれない。安倍総理をモデルにした世襲政治家にして圧倒的な権力を手にした松平総理と、父とも母とも縁薄い人生から外交官にして中国のスパイとなる青年・星新一。二人の共通点は、解離性人格障害つまりは多重人格者。この二人の内心つまりは彼らの中の人格同士の言論思想が交互に示される。
この構図は、松平総理からは、現在の安倍政治を突き動かすものが何か?そして何が何故に危ういのかという島田雅彦らしい解釈が描かれ、レインボーマンと称される星の7つの人格からは、日本人の典型的な思想類型が示されている。つまりは、島田雅彦流の政治と思想を小説に託したということで、このストーリーテリングは、他の左派文学者のこの手の本がもはや単なる「安倍を許さない」のルサンチマンだけになっていることと比べれば余程にマシだ、というか島田好きでなくても、結構楽しめる。

本作は、一種のユートピア小説になっているので、島田の思想への賛否はいったん忘れて、政治に関心のない方こそ、島田流の見立てから今の政治を考える第一歩になったらよいと思う。実際、松平総理サイドで描かれるリアルポリティクスまた星新一サイドで描かれる中国スパイ網は、これまたなかなかの出来であって、下手な政治学者や官僚くずれの新書よりよほど考えの足しになる。

これは、私個人の考えだが、政治を考えることは、目先の賛成反対を叫ぶことではなく、賛成と反対のはざまで、両方を観ながら自分の進む道を考えて、そこに一番近い政党や政治家を選ぶことなのではないだろうか、このアプローチこそが本作のメインストリームにもなっているわけだし。しかしまぁ、こういう小説仕立ての問題・議論提起が、右派のみならず、左派からも顧みられないとは、やさしいサヨクもいないということなのだろうか・・・(サヨクの反対本が馬鹿みたいに賛否のレビューがついているのに対して、本作の関心の薄さ・・・)
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No.1:
(5pt)

複雑な伏線の向こうに見える「希望」

最後の方に出てくる、「どんな奴も、二度狂えばまともになる」という言葉が、しみじみと感じられる。 国家、政治、陰謀、虚偽、真実。 複雑な伏線とその「解決」。 作家の壮大なほら話に映った「現実」を、私たちは生きている。 入り組んだ万華鏡の中に、どうやら愛が仄見える。 そこに希望がある。 島田雅彦氏でなければ書けない小説であろう。
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