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銃・病原菌・鉄
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【この小説が収録されている参考書籍】
銃・病原菌・鉄の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全358件 261~280 14/18ページ
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| ものすごい評判がある本書。 確かに長いし、地理に疎い私は要所要所で理解に苦しむところがあったが、全部を読みとおすことで、人類つまり「ヒト」について大きく考えさせられた。 本書は一部の過激な人間が持ちたがる人種ごとの優劣というものを完全に覆している。 また、ヒトが人へとなった過程にはその環境というものが大きな影響を及ぼしており、そういう面で必然的であると言えると思う。 しかし、新しい技術も時として闇に葬られたように、タイミングなどがふと合ったときに更なる発展してきたという点では、その偶然性もまた重要な要因だと思った。 この必然であり、偶然という部分が今の人を人たらしめたものであり、この2要素というものは、歴史のどの場面でも存在してきたことであり、とても興味深い。 確かに長いけど、一読の価値ありですね。 | ||||
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| 人類の歴史を生物学や民俗学、文化人類学、地球科学の知見を総動員して、総合的に考察した内容になっていて、一人の著者だからこそできる人類の歴史の俯瞰となっていると思います。 ただ、少し長く、読んでいるとテンポが遅く飽きてしまうようなところがあると思います。 大変博学な著者だからこそ書ける本だと思います。 結構分厚い本です。 上巻だけ読み通すのにも時間がかかります。 | ||||
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| 人類は400万年のアフリカではじめて誕生し、 1万3000年前までには世界の主要な地域に拡散していった。 各地で文明を発達させてきた彼らが再び相まみえるようになるのは、 500年前のコロンブスの新大陸発見に端を発する。 そこで起こったことは、ヨーロッパ人によるアメリカ先住民の征服であり、 その逆ではない。 その要因は、銃や馬をはじめとする戦いのための道具の性能や、 新大陸には存在しなかった病原菌ということは広く知られている。 もともとはアウストラロピテクスと呼ばれる同属の個体であったのに、 これらの差異が生じた究極的な要因はなんだったのだろうか? 筆者は生物学的な差異を理由とする、 白人至上主義を持ち出すことはしない。 環境が文明発展のしかたを左右したことを、 考古学的証拠と言語学的証拠の両面を示しながら証明していく。 その究極的要因とは、 ユーラシア大陸が東西に長く、アメリカ大陸が南北に長いことである。 ここからどのような因果関係を用いて、 1533年のピサロ率いるスペイン軍による、インカ皇帝アタワルパの捕獲という結果につながるのか。 これがミステリーの謎解きのような知的興奮をわき起こしてくれる。 文系的な学問だと思っていた歴史学も、 データと論理を積み重ねればサイエンスと呼べることを教えてくれる作品だった。 | ||||
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| ニューギニアの政治家からの素朴な問いかけ・・・ 既存概念をもってすれば、一言二言で片付けてしまいそうな回答となるところを・・・・ 真摯に、何故・・どうして・・と、問いかけ、全方位的観点から回答を探し出そうとした渾身の作となっている。 歴史書としても、地球と人類と言う観点からも、今迄の概念をも再考させられる、とても面白いものです。 一読の価値ある本だと思います。 | ||||
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| ジャレドの「銃・病原菌・鉄」は人類が動物の一種として進化してきた後の今から13000年前を起点として、人間として文明を進化させてきた「道のり」を論じた珍しい論点からの論旨を展開している。つまり、いまから600万年前ごろに類人猿から分岐した人類の祖先は、徐々に生物学的な進化してきたが、13000年前までは「2足直立歩行、大きな頭脳、ネオテニー化した身体、言語活動、葬送儀礼、道具の作成と使用、狩猟採集中心のバンド単位の社会生活」を特徴とした大型哺乳動物であった。 何らかの理由で樹上から草原へ降りた類人猿が進化したとして、ここまでの特徴は類人猿であるチンパンジーやゴリラと似通っている。知能が優れ、最もよく適応したサルとして地球規模で移住し終えたのが、ジャレドの言う最後の氷河期が終了した13000年前であろう。 13000年前の気候の温暖化とともに人類は新たな「文明」という生物学的範疇を超えた進化プロセスに突入するのである。この進化もダーウィンの自然選択原理が働くが「文明の進化」の淘汰圧の大半は人類自身である。従って、この淘汰圧の中には意図せざる人為選択を導入せざるを得ないのである。 人類が「文明」を基礎づけるためには「狩猟採集生活」から「農耕生活」への切り替えが必要であった。世界で自発的に農耕が始まった個所は9か所ほどだとジャレドはしているが、それは周辺に栽培に適した野性植物が自生している地域であった。その中でも「肥沃の三日月地帯(小麦と豆)」と「中国の中原地帯(米・コーリャンと豆)」が最も古い地域である。その後、遅れて「南アフリカ」「中米メキシコ」「南米ぺルー」「ニューギニア」などで農耕が始まっている。「農耕」は人類が自然を改変して収奪する最初の環境破壊であったが、単位面積当たりの人口収容力が10倍から100倍になり、人類が初めて人口稠密な社会を形成する基盤になったのである。同時に、大型哺乳動物の家畜化によって労働力と動物性たんぱく質を確保し、余剰食糧を多く得たのである。 これにより、生産に従事しない階層が生じることが「文明」の進化には最も重要であった。非生産階級として政治・統治をおこなう「貴族」、信仰・祭事を行う「神官」、戦闘行為を行う「軍人・戦士」などが生じるのである。「神官」が文字を作り、「軍人」が武力を発展させ、「貴族」がそれを集中運用することになり、これ以降、人類の部族同士による戦争を通じて、支配・被支配による離合集散を繰り返すことになり、血で血を洗う自然選択(意図せざる人為選択を含む)が始まり、人類の「軍事力」を中心とした技術文明は飛躍的に進化・発展していくのである。 一方、「農耕」に伴って始まった「動物家畜化」と人口稠密な社会の定住によって「病原菌」の文明化が始まり、人間と病原菌の共生が始まり、天然痘・麻疹・赤痢などの疫病を起こす病原菌が文明社会には常在することになるのである。このような進化プロセスを最もよく行えた地域がユーラシア大陸の数々の国家群であり、他の4大陸は「農耕」の始まりが遅れ、十分な発達過程を経ないまま。西暦1500年代にヨーロッパ文明と邂逅することになったのである。これにより、ヨーロッパ文明に圧倒的に支配されてしまうのである。(ユーラシア大陸の一地方であるアジアは一時的にヨーロッパに支配されたが、今日、それは解消されている。進化論的にみればそれは一過性の出来事であろう。) ジャレドのこの論文を1個の文明論としてではなく、ダーウィニズムに基づく生物進化論の一環としての「文明進化論」としてとらえたいと思うのである。この観点から言えば、DNAゲノムに対応する文明の設計図は「文字(ATGC塩基に対応)」によって書かかれた「本(染色体に対応)」ということになるである。それはドーキンスの「ミーム論(meme)」につながっていくものなのである。ジャレドの考察はまだ不足部分も多いが、新しい観点からの大胆な仮説提案であり、特に家畜起源の病原菌での文明社会との共進化の観点は新鮮であった。星4つは少し辛めの評価であるが、アジアのことを少し知らないすぎる表現が見られるのが減点である。 | ||||
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| 異なる民族が衝突した際に起きた結果から、どういう理由でその結果が 導き出されたか説明されます。 食糧生産が世界に広く広まった理由に ついて説明されます。 実験で検証するわけにはいかないので遺跡から出る 遺留品を元に推察されるのですが本当かどうか誰が証明するのでしょうか。 | ||||
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| 「文明格差=どうしてヨーロッパの人々が世界を支配し、インディアンやニューギニアの原住民が世界を支配することはなかったのか?」、という、世界史を勉強したり、海外旅行をしたときに誰でも一度は考える素朴な疑問に正面から向き合った本。 筆者は「人種間の能力の差」という考えを真っ向から否定し、格差の原因は、ユーラシア大陸とアメリカ大陸の地形の違いであり、生息していた動物や植物の違いであり、人類が住みはじめた時期の違いだと言う。それが、食料生産や金属生産や文字の使用の時期のズレを生み出し、先進的地域と後進的地域が生まれたと言う。 読み始める前は、考古学や生物学の知識がないと付いていけない内容ではないかと思っていたが、実際には、大学の一般教養レベルの知識で、十分に理解できる内容だった。 トウモロコシや豚や馬は、人類が野生の動物や植物の遺伝子を自らの目的に合ったものにするため、長い間かけて作ってきたものだということ、家畜が人間にもたらした病原菌が少数民族殲滅に役立ったこと、世界史は沢山の弱い種族や言語が失われ続けてた過程に他なならない、というようなこと、1つ1つが極めて興味深い。 下巻になると繰り返しが多いとか、細かい点に間違いがあるといった指摘もあるが、そうしたことを割り引いても、価値のあるスケールの大きな教養書。息長く売れるのは当たり前で、多分、古典としてずっと読まれ続けるだろう。繰り返しが多いが、論点はとても明快。翻訳も上手。 グローバル化する世界で、さまざまな国々の人々と接する機会がある日本の若者は、近視眼的な実用書でなくこういう本を読むべき。世界を見る目が変わる。 | ||||
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| 上巻を受けて、言語や文字を軸に、なぜ現代のような西洋主導の世界が成立したかに迫る。 これまでも中国やインドに近代が生まれず、なぜ西洋で生まれたかに関する考察は数あったが、環境の観点から明快に説いた好著。 経済水準と民族性に関する公平な見方を示してくれる。 | ||||
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| (上下二冊のレビューです) ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰訳) 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(上)を読む。 英語の原書を以前読みさしていたが、今回は邦訳で読んでみた。 原題は"Guns, Germs, and Steel ーThe Fates of Human Societies"。 人間社会(複数)の運命について書かれた本なのだ。 どうして文明Aが文明Bを滅亡させることができ、その逆がないのか。 一万三千年の人類史を俯瞰し、その謎に迫っていく。 歴史学、考古学、生物学など複数の学問の成果を駆使しながら、 こうした壮大なテーマに挑む学者の仕事は尊敬に値する。 学問の世界はともすると専門的になるばかりで、 統合的な視点が欠ける。 しかし、統合化と口で言うのはたやすいが、 天才と情熱が揃わなくては不可能な仕事である。 ジャレド・ダイアモンドの筆は モーツァルトのように軽快である。 家畜を飼うことが可能になって文明は進化・強化する。 病原菌の免疫を持つ文明Aが、免疫を持たない文明Bを滅亡させる。 著者の論点が要所要所に簡潔にまとめてある。 おりしも、宮崎県の家畜に発生した口蹄疫で日本は騒然としている。 まさに現代的テーマである。 朝日新聞社が企画した00年代ベスト50の第一位に選ばれた。 1998年一般ノンフィクション部門でピュリッツァー賞]受賞。 ●●● ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(下)を読む。 UCLA医学部教授が執筆した 「東アジア・太平洋域から見た人類史」である。 家畜とし栽培することができた野生動植物の種を多く持つこと。 技術の伝播を比較的容易にする東西に広がる大陸であること。 その結果としてユーラシアの人類は 他大陸に生きる人類より優位に立った。 人種の違いより環境の違いが、 征服する社会、征服される社会を決定する 最大の要因になったと著者は説く。 一万三〇〇〇年の時間の物差しで モノを考えることは普段はそうない。 しかし、著者の複数領域の学問にまたがる洞察の成果で、 そうした視点、思考法を 読者である僕たちも手に入れることができる。 余剰食糧の確保が人類社会の発展を進め、 同時に解決困難な問題を生んだ源になったとは なんと皮肉なことだろうか。 飢えからの脱出が、次なる欲望を生み出すことに直結した。 草思社は経営危機を乗り越え、2000年にこの本を発売。 以来10年、ロングセラーとなってきた。 志ある出版社の存在は、 僕たちが暮らす社会の共有財産である。 身銭を切って本を購入することで 僕もそうした出版社の活動を個人としても支援していきたい。 朝日新聞社企画、151人の書評家が選ぶ 「00年代のベスト50冊」]第一位。 | ||||
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| 私の人生の中で読んで良かった本のひとつです。(新しいバージョンのものは、賛否両論あるようなので、この版のみの話です) 移住、民族の興廃、食料、家畜と大枠でこのようなカテゴリーで話が進みます。人類がどのようにして、世界中で繁栄を治めることができたのか、その足がかりを知る上で、人類の起こりから考えるほうが非常に説得力があります。 私たちが今、普通に目にしているすべて物は、私たちの祖先が裸一貫でスタートしたからこそ、今の私たちの存在、生活、歴史があります。ただ単に、年代と単語を覚えるだけの歴史の授業ではなく、「なぜ、どうやって人間の祖先が繁栄できたのか」を知ることができる貴重な本です。少し難しい本ですが、知的な好奇心をくすぐること間違いありません。 | ||||
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| 2012/3/8読了。 なぜ、8万の兵力を擁するインカ帝国が、わずか168人の兵士を率いるピサロに敗れ去ったのか。 植物相、生物相、大陸の形状等々、様々な条件から論理的に答えが導かれる様はスリリング。 日本版への序文も興味深い。 磨製石器や土器を世界で初めて作ったのが日本人だって、知ってました?世界史の中の日本史という観点の欠けた日本の歴史教育の問題点も浮かび上がって来る。 | ||||
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| 文明に対する、著者のひとつの見方として読んだ。 スペイン人がごく少数の兵で、インカ帝国を侵略したくだりは圧巻。 国民が崇拝している象徴を捕らえてしまえば、その国を征服するのは非常に簡単という話は、 薄ら寒い。 全体で言えば、やや増長で、 もう少し内容をしぼってすっきりさせて欲しかった。 今の日本人に本をゆっくり楽しむ時間がないのかもしれないが。 一読の価値は大いにあり! | ||||
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| 「旧大陸」は「新大陸」に進出でき、またその逆はなぜ起こらなかったのか、という問いに対する、現時点ではもっとも説得的な、また読みやすい論考のひとつ。 同様の、現代世界の「不平等性」の起源を明らかにし、民族・人種・文化間には優劣はないことを示す著作は少ないが、明快な視点と文体が本書の特色である。 上巻では食糧生産のあり方が主に論じられ、農耕や牧畜などの伝播の違いが文明・技術の差につながることが極めて平明に、しかし知的興奮を誘う形で示される。 現代世界のあり方を明らかにした名著といえ、貧富の差や環境破壊などのグローバルな課題に関心を持たれる方は必読の古典的名著である。 | ||||
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| 文明の違いは環境による違いが反映されているという、文明史の今や 必読書。 文庫本化された本書は、やはり単行本で読んだときよりは スケールが小さくなった感がある。 やはり単行本で読むことを おすすめする。 「文明は同じ文化の流れを持つものは似ている」とする説に真っ向から 挑んでおり、「伝統文化」と「文化変化」を考える上で重要な例がたくさん 紹介されていて中身が濃い。 | ||||
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| 地球上にはなぜ、持てるものたちと持たざるものたちが生まれたのか? 人類史の特徴のパターンを明らかにすることで、この問いへの答えを探し出そうという意欲作である。 探究には、動植物相を含めた「地理的要因」がカギを握る。 著者は、ニューギニアなどで33年間フィールドワークを行なった経験を持つ進化生物学者。 従来のヨーロッパからの視点で書かれた人類史の本は、(中国以外の)東アジア・太平洋域を無視してきた。これでは本当の人類史がよく理解できない。東アジア・太平洋域からの視点で人類史にアプローチしてこそ、人類史の謎解きが可能になるという(「日本語版への序文」を読むと、どうやら奥さんが日本人のようです)。 ミステリー小説以上の「ミステリー」を読んでいるような気分で活字を追うことができた。中でも特に印象的だったのは、以下の話題。 ●わずか百数十人の部下を引き連れただけのピサロがいかにしてインカ帝国を侵略したかとても臨場感に優れた記述となっているが、騎馬隊の存在が戦況を左右したというのは意外(しかし冷静に考えると、当たり前のような)。 ●家畜が人類にくれたとんでもない贈り物=病原菌が何をしでかしたかヨーロッパ人の持ち込んだ感染症によって、ひどい例では99%の先住民が死んだこともある。 ●人類はどのようにして野生種の植物を栽培化したのか植物の突然変異種を選択して、農作物をつくり始めた。 他にも、動物が家畜化されるか、されないかは、「アンナ・カレーニナの法則」によってふるいにかけられるという話など、とにかく、知的興奮を覚える話、目からウロコの話が続々と登場する。土器や研磨した石器を世界で初めて使用したのは、日本人(縄文人)だということを本書で初めて知った。 記述はとても丁寧で分析的。丁寧に筋道立てて解説してくれるのはありがたいが、植物の話は、専門的な解説が多いだけに、ちょっと冗長な感じがした。同じロジックをくり返す文体がその冗長さを後押ししている。 総合評価は、★6−1=★5というところか(内容の面白さは5つ星を超える★6つだが、記述に冗長さが目立つ分、マイナス★1つ)。 | ||||
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| 本書の特色は、以下の3点に要約できます。 ○人類史の展開を、進化生物学、病理学、遺伝学、生物地理学、文化人類学、言語学といった広範な隣接分野の研究成果を踏まえて多角的に考察し、純粋な自然科学として歴史を探求するアプローチの有効性を検証してみせた。 ○人類史の展開を、人種の優劣からではなく、環境要因が人間社会に及ぼす作用の累積の結果として捉える仮説の立証を試みた。 ○人類1万3000年の歴史を「銃」「病原菌」「鉄」をキーワードに編纂し、文明の変遷を地球規模で探求する1つの壮大なストーリーに纏めてみせた。 『銃・病原菌・鉄』は、人類史をあつかっていますが、文系ではなくて理系の自然科学本です。とはいっても、読んで理解するのに特別な科学知識や素養は必要とされません。著者のJared Diamond氏がUCLAの教授であること、そして、人類史の自然科学的考察を試みていることで、ともすると学術書と思われがちですが、決してその種の無味乾燥なお堅いではありません。それではどんな本かというと、さながら学術書のように論理を緻密に組み上げ、展開するノンフィクション教養本です。 本書に記された内容は、極めて信憑性のある学術研究データに基づいて記されています。しかし、だからといって、本書を学術書とみなすのは誤解です。実際のところ、原書は、語彙においても言い回しにおいても、ノンフィクションとして楽しみ読めるように書かれています。日本人の読者もまた、邦訳を気軽に読んで、人類1万3000年の壮大な歴史ミステリーを楽しむべきではないでしょうか。 本書の魅力は何と言っても、読み進むにしたがい増幅されるスリリングな謎解きの妙です。読者は、著者Jared Diamond教授とともに時空を超えて地球を旅し、人類の文明が大陸ごとに格差ある展開をなした直接的要因を探ります。1つの謎に対する科学的な答えが、次なる謎を生み、次なる謎に対する科学的な答えが、また次なる謎を生むといった流れの中で、新たな知見と疑問の鎖を辿る謎解きの妙が次から次へと展開されます。しかもこのスリリングな謎解きは、人類社会が大陸ごとに異なる発展を遂げた究極の要因が明らかにされるまで続きます。次にどのような謎が解き明かされるのだろうかとの期待感でページが読み進み、本書が上下巻800ページ超の大書であることを時として忘れてしまうほどです。 まとめると、『『銃・病原菌・鉄』は、読み易く、その上示唆に富んだノンフィクションミステリーです。人類史という至って真面目なテーマをあつかっていますが、アメリカの大学の真面目な学者先生が書いた本とは思えぬほどワクワク、ドキドキ感満載の本です。人類史を史実や様々な分野の研究成果から科学的に解き明かそうとする本で、歴史ミステリー的に楽しめます。私の感想では、『銃・病原菌・鉄』は、膨大なフィールドリサーチと研究に基づき、人類の歴史がなぜこうも格差ある進展をとげてきたのか、という「1万3000年にわたる人類史の謎」を様々な自然科学の観点から解明しようと試みた、読んでお得な定価945円の文庫本と言えます。なお、後半部は前半部に比べ記述が中だるみ的になるところが欠点といえば欠点です。これだけボリューミーな本なので、そこに目くじらを立てる必要はないと思われますが、その分、評価は☆1つ減らさせていただきました。 | ||||
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| 本書は世界各地の歴史一万年以上について扱う本なので、当然あらゆる研究を著者一人がやったわけではありません。したがいまして、著者がどんな論拠でものを言っているのかがとても重要になります。原著ではもちろん、Further readings として参考文献をちゃんと挙げ、疑問点やもっと詳しく知りたい人のために便宜をはかっていました。 ところが邦訳の単行本では、その部分がばっさりカッとされており、心ある読者は激怒して、それを勝手に訳出したりもしました。その後、草思社もあわててウェブにそれを掲載したりしていましたが、本としての価値は大きく下がっていたと言わざるをえません。 この文庫本では、ありがたいことに参考文献をちゃんと巻末に載せており、本としての価値は単行本をずっと上回っています。単行本を持っている人も、こちらを改めて買って損はしないでしょう。惜しむらくは、原著2005年版から追加された、日本人の起原にかんする章と2003年版エピローグについて、訳出されていないばかりか言及すらないことです。それで本筋が大きく変わるわけではありませんが、もう少し配慮があってもよかったとは思います。ご興味のある向きは以下を参照: 「・・・」 | ||||
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| 下巻の第12章では、文字の発明発展を考察する。文字は単純で限定的な使用から借用やヒント模倣などを経ながら伝播して形成されてきた。 紀元前1700年のものとされるファイストスの円盤はクレタ島で発掘され、印刷技術を推測されるが、今の印刷技術はその約2000年後の中国からである。 社会や集団の地理上の役割と技術の自己触媒的な発達において人口の多い地域でもっとも発達する。 このように、社会や集団によって文字や技術の受容が異なる事実からそれらの発展や衰退を考察している。 第16章では言語による人間集団の拡散を考察している。食糧生産や優位な技術を持った集団が殖民・拡散していき、もともとの小集団の地域を占拠同化していくプロセスを検証している。 部族社会から国家へと集権的な社会を形成すると他の首長社会を戦争等により呑み込んでいく。1492年の新世界発見とその後の旧世界による支配が示すように、食糧生産や技術を発展させた社会は常に勝者となっている。 金属器や文字システムや複雑な社会システム発達させ、食料生産を行い、労働の分化が進んでおり多くの人口を擁している集団が、勝ち残っていき、逆に狩猟採集民や地理的に孤立した集団では技術の後退や放棄が起こっている。 アメリカ原住民やアステカ・インカ帝国がなぜヨーロッパを発見して植民地化できなかったか。当時最強の技術を誇る中国はなぜアフリカ・中近東まで船で訪れていながらヨーロッパまでこなかったのか。 著者はその答えを大陸の大きさ、地理的条件、人口の密度などから解き明かしていく。本著は医学部教授である著者が、人間の歴史や技術史という観点ではなく13000年前からの人類史としてまとめている。 各章ごとに考察をまとめているためか、翻訳本のためか、フレーズの重複を感じる向きもあるが、社会科学の好著である。 | ||||
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| 文庫になったのでようやく購入 内容に関する比較的真面目なレビューはハードカバーのレビューにお任せしまして 私の非常に個人的な感想を書かせて頂きたいと思います。 全然参考になりませんが参考程度にどうぞ。 めっちゃシヴィライゼーションしたくなります。civilizationてゲームです。 読んでいるとこれが無性にしたくなります。マジです。 シヴィライゼーションしたことがある人でこの本を読んだ人は首肯すること請け合いです。 読んでいる途中に何度始めそうになった事か。 (ちなみに品種改良のくだりを読んでいるとアストロノーカしたくなりますが、これは私だけでしょう) 俺の文明が東西に伸びた大陸から始まらなかったらリセットや!! そんな気持ちになる本でした。 それでは下巻を読んできますね。 | ||||
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| 「人類社会の歴史の各大陸ごとの異なる展開こそ、人類史を大きく特徴づけるものであり、本書のテーマはそれを解することにある」。 ピュリッツァー賞、コスモス国際賞を受賞した名著。単行本よりお安く、かさばらない文庫版が登場したのを機会に読んでみた。過去の欧米の歴史書はヨーロッパ史を中心に展開しているものが圧倒的に多いが、本書はかならずしもそうではない。1500年当時の力関係が現代社会の不均衡形成に大きな影響をもたらしたことを認めながらも、なぜそのような地球上の各地域における違いが生じたのかという理由について的を絞っている点が特徴である。 とても面白い。最後の氷河期が終わった13000年前から、人類の文明の進歩には地域によって大きな差が生じるようになった。それを、ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸、点在する太平洋のミクロネシアの島々、オーストラリア大陸といった地理的な特徴の違いから読み解いてゆく。日本も時々登場する。重要なのは、元々の環境の違いであり、各地域の特性の違いによる農業や技術伝播のしやすさであり、各民族や人種それ自体の才能や資質の違いではない。 狩猟採取と農耕は2者択一で選ばれたわけではないようだ。栽培可能な野生種と気候条件に恵まれていたことが、農業に基づく本格的な定住社会の形成の下地になる。肥沃三角地帯はこの点でまさに好条件が重なっていた地域である。一般的に気候をはじめとする自然環境は南北より東西の違いの方が違いが小さく済むから、東西に長いユーラシア大陸はタネや技術の各地域への伝播には有利だった。家畜化に適した動物の存在の有無も重要。そして、動物と人間が一緒に住むことで様々な病気が人間社会に広がり、それに対する免疫を獲得できた人々が新大陸に進出したときに、南北アメリカ大陸では大きな悲劇が生まれる。 銃・病原菌・鉄というタイトルにある3つは、地球規模の大きな歴史の流れを解き明かすための推理を行う上で、名探偵が着目した重要なキーポイントである。知的好奇心を満足させる見事な一冊。 | ||||
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