神々の乱心

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神々の乱心の評価:

4.29/5点 レビュー 52件。 A ランク

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平均点4.29pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全92件 61〜80 4/5ページ
No.32
(5pt)

日本会議

本当は、未完作品ではなく、完結に至る原稿があるのではないか?現在の皇室に係わる内容の為に版元が、未完として刊行したのではないか?
神々の乱心〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉 (文春文庫)より
4167106868
No.31
(5pt)

日本会議

本当は、未完作品ではなく、完結に至る原稿があるのではないか?現在の皇室に係わる内容の為に版元が、未完として刊行したのではないか?
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.30
(5pt)

そうだったのか!

これは、一人の男が「アヘンを宗教でくるみ」でもって、宮中の女官たちを取り込み
、そして...とまあ、野望を成し遂げようとするストーリーかな?と私なりに推理してみましたが。上巻に出てくるコックと夫婦になった、元高級女官などは、アヘン若しくは何かのクスリで異様な雰囲気になっているとしか思えません。これは、出版当時から、現在まで何回も読み直して、その間に他の歴史小説等も読んで、はたっ、と膝を叩いたのです。
あくまで素人の推理ごっこですが。それにしても、社会派小説の旗手と呼ばれる方の小説は、タブーにも、踏み込み始めたか!と考えると、おなくなりになったのが何とも残念です。
神々の乱心〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉 (文春文庫)より
4167106868
No.29
(5pt)

そうだったのか!

これは、一人の男が「アヘンを宗教でくるみ」でもって、宮中の女官たちを取り込み
、そして...とまあ、野望を成し遂げようとするストーリーかな?と私なりに推理してみましたが。上巻に出てくるコックと夫婦になった、元高級女官などは、アヘン若しくは何かのクスリで異様な雰囲気になっているとしか思えません。これは、出版当時から、現在まで何回も読み直して、その間に他の歴史小説等も読んで、はたっ、と膝を叩いたのです。
あくまで素人の推理ごっこですが。それにしても、社会派小説の旗手と呼ばれる方の小説は、タブーにも、踏み込み始めたか!と考えると、おなくなりになったのが何とも残念です。
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.28
(5pt)

そうだったのか!

これは、一人の男が「アヘンを宗教でくるみ」でもって、宮中の女官たちを取り込み 、そして...とまあ、野望を成し遂げようとするストーリーかな?と私なりに推理してみましたが。 上巻に出てくるコックと夫婦になった、元高級女官などは、アヘン若しくは何かのクスリで異様な雰囲気になっているとしか思えません。 これは、出版当時から、現在まで何回も読み直して、その間に他の歴史小説等も読んで、はたっ、と膝を叩いたのです。 あくまで素人の推理ごっこですが。 それにしても、社会派小説の旗手と呼ばれる方の小説は、タブーにも、踏み込み始めたか!と考えると、おなくなりになったのが何とも残念です。
神々の乱心〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉 (文春文庫)より
4167106868
No.27
(5pt)

そうだったのか!

これは、一人の男が「アヘンを宗教でくるみ」でもって、宮中の女官たちを取り込み 、そして...とまあ、野望を成し遂げようとするストーリーかな?と私なりに推理してみましたが。 上巻に出てくるコックと夫婦になった、元高級女官などは、アヘン若しくは何かのクスリで異様な雰囲気になっているとしか思えません。 これは、出版当時から、現在まで何回も読み直して、その間に他の歴史小説等も読んで、はたっ、と膝を叩いたのです。 あくまで素人の推理ごっこですが。 それにしても、社会派小説の旗手と呼ばれる方の小説は、タブーにも、踏み込み始めたか!と考えると、おなくなりになったのが何とも残念です。
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.26
(4pt)

もう一度、原さんの作品を読みます。

下巻はいうまでもなく未完です。したがって最終的なネタあかしもできません。ただストーリーはさらに空間と時間をさかのぼります。このフラッシュバックにより、上巻では明かされることのなかった部分がその歴史的な発端も含めて徐々に明らかにされていきます。
時代は大正末期から昭和初期へ、そして地理的な場所も満州へと展開されていきます。そこでの展開は非常に細かく描写されていきます。これにより過去と現在(昭和8-10年)との切っても切り離せない関係が明らかにされます。これは一面不思議な展開でもあります。日本の満州進出という現実政治の流れが新宗教の建設というある意味ではオカルトチックな話と微妙な結合を示していくのです。
この微妙な結合の中に清張は時代の「腐敗」と「腐臭」を嗅ぎ取ったのかもしれません。この不思議な展開の中には、日本の植民地の裏面に暗躍した奇妙な人物が登場してきます。そしてこのような人物を生み出した昭和前期の日本の得意な雰囲気も、もはや忘れ去られてしまった様々な歴史的なエピソードと共に描かれていきます。
具体的な謎の追求に関しては、特高の一係長も家族の二男もある種の壁にぶち当たる中で、作者によって語られていくのです。巻末の解説では、著者による後10回ほどでの完結の可能性の示唆について言及されていますが、それではあまりに尻切れトンボではないでしょうか。この作品が持つべき完結は少なくとももう一巻のスペースが必要だったはずです。これがあと10回で完結したとしたらそれこそ清張の衰えの証明だったのかもしれません。そういう意味では未完こそが幸福な結末だったのかもしれません。
神々の乱心〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉 (文春文庫)より
4167106868
No.25
(4pt)

最後に清張がたどり着いた語りのスタイル

久しぶりにページをめくるのがおしい作品に出合いました。作品自体の存在は知っていたし、解説ともいうべき「松本清張の「遺言」―『神々の乱心』を読み解く (文春新書)」も読んでいたのですが、とうとうこれまで読むことはありませんでした。というのも一時期そうとう清張を読んだためでしょうか、独特の臭さが鼻につくようになったのです。ところが、最近どういうわけかウオーキングでときどき埼玉のある地域(東武東上線や伊勢崎線沿線)を訪れるようになり、この地域の持つ独特の風土に気が付き、同じ地域を舞台としたこの作品をとうとう読むようになったわけです。
これは清張の類書とはかなり異なるようです。これは現代ものではないからでしょうか?清張のあの独特な個性的な視線がすっかり抜けているのです。怨念というべきでしょうか、あの独特の視線が、彼の年齢のせいでしょうか、それとももはや善悪の境の曖昧さを知り尽くして、脱俗してしまったのでしょうか、この作品からはすっかり消えています。
というわけで、話は淡々と進んでいくのです。そして作品技法上も、特高警察の係長と華族の二男という一歩主流から横に引いた人物を謎の解明者として設定することにより、推理小説としての色彩がより純粋に強調されているようです。
この二人は埼玉のある場所を発端として起きたある事件にめぐる謎を追って、全国津々浦々を同じように探索していくのです。この場所の選択がまた渋いのです。また探索を続けていく中で、いくつものペダンティックな話題(香、旅館、女官制度)が鍵となり、それへの細かい情報がちりばめられていきます。この上巻では、謎の発端の場所が最終的に浮かび上がります。ただ気になったのが話の展開の部分でカギとなるイヴェントがかなりアクシデンタルな形で展開される点です。
神々の乱心〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉 (文春文庫)より
416710685X
No.24
(4pt)

もう一度、原さんの作品を読みます。

下巻はいうまでもなく未完です。したがって最終的なネタあかしもできません。ただストーリーはさらに空間と時間をさかのぼります。このフラッシュバックにより、上巻では明かされることのなかった部分がその歴史的な発端も含めて徐々に明らかにされていきます。
時代は大正末期から昭和初期へ、そして地理的な場所も満州へと展開されていきます。そこでの展開は非常に細かく描写されていきます。これにより過去と現在(昭和8-10年)との切っても切り離せない関係が明らかにされます。これは一面不思議な展開でもあります。日本の満州進出という現実政治の流れが新宗教の建設というある意味ではオカルトチックな話と微妙な結合を示していくのです。
この微妙な結合の中に清張は時代の「腐敗」と「腐臭」を嗅ぎ取ったのかもしれません。この不思議な展開の中には、日本の植民地の裏面に暗躍した奇妙な人物が登場してきます。そしてこのような人物を生み出した昭和前期の日本の得意な雰囲気も、もはや忘れ去られてしまった様々な歴史的なエピソードと共に描かれていきます。
具体的な謎の追求に関しては、特高の一係長も家族の二男もある種の壁にぶち当たる中で、作者によって語られていくのです。巻末の解説では、著者による後10回ほどでの完結の可能性の示唆について言及されていますが、それではあまりに尻切れトンボではないでしょうか。この作品が持つべき完結は少なくとももう一巻のスペースが必要だったはずです。これがあと10回で完結したとしたらそれこそ清張の衰えの証明だったのかもしれません。そういう意味では未完こそが幸福な結末だったのかもしれません。
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.23
(4pt)

最後に清張がたどり着いた語りのスタイル

久しぶりにページをめくるのがおしい作品に出合いました。作品自体の存在は知っていたし、解説ともいうべき「松本清張の「遺言」―『神々の乱心』を読み解く (文春新書)」も読んでいたのですが、とうとうこれまで読むことはありませんでした。というのも一時期そうとう清張を読んだためでしょうか、独特の臭さが鼻につくようになったのです。ところが、最近どういうわけかウオーキングでときどき埼玉のある地域(東武東上線や伊勢崎線沿線)を訪れるようになり、この地域の持つ独特の風土に気が付き、同じ地域を舞台としたこの作品をとうとう読むようになったわけです。
これは清張の類書とはかなり異なるようです。これは現代ものではないからでしょうか?清張のあの独特な個性的な視線がすっかり抜けているのです。怨念というべきでしょうか、あの独特の視線が、彼の年齢のせいでしょうか、それとももはや善悪の境の曖昧さを知り尽くして、脱俗してしまったのでしょうか、この作品からはすっかり消えています。
というわけで、話は淡々と進んでいくのです。そして作品技法上も、特高警察の係長と華族の二男という一歩主流から横に引いた人物を謎の解明者として設定することにより、推理小説としての色彩がより純粋に強調されているようです。
この二人は埼玉のある場所を発端として起きたある事件にめぐる謎を追って、全国津々浦々を同じように探索していくのです。この場所の選択がまた渋いのです。また探索を続けていく中で、いくつものペダンティックな話題(香、旅館、女官制度)が鍵となり、それへの細かい情報がちりばめられていきます。この上巻では、謎の発端の場所が最終的に浮かび上がります。ただ気になったのが話の展開の部分でカギとなるイヴェントがかなりアクシデンタルな形で展開される点です。
神々の乱心〈上〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉より
4163634703
No.22
(4pt)

遺作として未完成により原点20パーセント

99パーセントまでとっても面白く読んだ。そして残り20パーセントが、バニッシング…。遺作なんだからしょうがない
神々の乱心〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉 (文春文庫)より
4167106868
No.21
(4pt)

遺作として未完成により原点20パーセント

99パーセントまでとっても面白く読んだ。そして残り20パーセントが、バニッシング…。遺作なんだからしょうがない
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.20
(4pt)

皇室を巡るー未完のエンデング

皇室を巡る、昭和の初期の物語です。巫女の自殺に見える死から始まる怪い事件、それから起こっていく、殺人,特高の動き等を念入りに描いています。この作品は、氏の作品にあつてかなり趣きが違います。また、この時代の複雑な空気感までも、克明に描いております。やはり、松本清張氏は稀代の作家だったんですね、ぜひ、この未完のエンデングを堪能してください。
神々の乱心〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉 (文春文庫)より
416710685X
No.19
(4pt)

皇室を巡るー未完のエンデング

皇室を巡る、昭和の初期の物語です。巫女の自殺に見える死から始まる怪い事件、それから起こっていく、殺人,特高の動き等を念入りに描いています。この作品は、氏の作品にあつてかなり趣きが違います。また、この時代の複雑な空気感までも、克明に描いております。やはり、松本清張氏は稀代の作家だったんですね、ぜひ、この未完のエンデングを堪能してください。
神々の乱心〈上〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉より
4163634703
No.18
(5pt)

レビューされた皆さんとは別の観点から評価すると

既にレビューされている方がいるのに?また、今頃なんで?と思われるでしょうが、少し別の観点から評価を。

昭和史の重要な部分を解明するという観点からすると、既に近現代史を専攻されている専門家の評価が出ていますね。昭和天皇と皇太后との確執などは、今後も関連資料が出てきて清張さんの推理が正しい、正しくないなどと話題になるでしょう?考古学や古代史の観点から見るとどうでしょう。氷川神社の話、日本書紀に出てくる神話に引っ掛けた展開など面白く読めるのでは?古代の鏡の話なども含めて清張さんの深い学識が随所に出てきます。考古学ファンにも興味深いと思います。吉野の南朝の話もそうです。古代史に独自の意見がある清張さんならではの展開かと思いますが如何でしょう。清張さんが発表した考古学や古代史に関する意見を頭に入れて読むと面白さが倍増すると思います。

清張さんは、常々、「みづみづしい作品は若い頃には書けない」と言ったとか。そうだとすると、これからも起こりうる天皇制内部の問題をその該博な知識を背景にあぶり出すという、他人にはまねが出来ない上質の推理小説になったと思います。
神々の乱心〈上〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉より
4163634703
No.17
(5pt)

レビューされた皆さんとは別の観点から評価すると

既にレビューされている方がいるのに?また、今頃なんで?と思われるでしょうが、少し別の観点から評価を。

昭和史の重要な部分を解明するという観点からすると、既に近現代史を専攻されている専門家の評価が出ていますね。昭和天皇と皇太后との確執などは、今後も関連資料が出てきて清張さんの推理が正しい、正しくないなどと話題になるでしょう?考古学や古代史の観点から見るとどうでしょう。氷川神社の話、日本書紀に出てくる神話に引っ掛けた展開など面白く読めるのでは?古代の鏡の話なども含めて清張さんの深い学識が随所に出てきます。考古学ファンにも興味深いと思います。吉野の南朝の話もそうです。古代史に独自の意見がある清張さんならではの展開かと思いますが如何でしょう。清張さんが発表した考古学や古代史に関する意見を頭に入れて読むと面白さが倍増すると思います。

清張さんは、常々、「みづみづしい作品は若い頃には書けない」と言ったとか。そうだとすると、これからも起こりうる天皇制内部の問題をその該博な知識を背景にあぶり出すという、他人にはまねが出来ない上質の推理小説になったと思います。
神々の乱心〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉 (文春文庫)より
416710685X
No.16
(5pt)

月辰会

昭和8年10月、北村幸子の、自殺をめぐり、萩園と吉屋がナビゲーションしてゆく。宗教、天皇制、アヘン、満州が、絡み合いながら、物語は進む。構想20年の重みも、作者の死により、昭和10年時点で先を急ぐ執筆感の中、終了は多少残念である。その翌年は、あの2,26事件であるが故に、、、、、。天皇イコール神々とする仮設なら、乱心は月辰会のクーデターを意味するのか?未完の大作であるが故に、それぞれ読み手自身が結論を、導くべく、一読する値値はある。もちろん上下共に。
神々の乱心〈上〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉より
4163634703
No.15
(5pt)

月辰会

昭和8年10月、北村幸子の、自殺をめぐり、萩園と吉屋がナビゲーションしてゆく。宗教、天皇制、アヘン、満州が、絡み合いながら、物語は進む。構想20年の重みも、作者の死により、昭和10年時点で先を急ぐ執筆感の中、終了は多少残念である。その翌年は、あの2,26事件であるが故に、、、、、。天皇イコール神々とする仮設なら、乱心は月辰会のクーデターを意味するのか?未完の大作であるが故に、それぞれ読み手自身が結論を、導くべく、一読する値値はある。もちろん上下共に。
神々の乱心〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈上〉 (文春文庫)より
416710685X
No.14
(4pt)

謎のまま、逝ってしまった松本清張。

 残念ながら、この作品が完結する前に松本清張は亡くなってしまった。
 少しずつ、結末に向けて大どんでん返しを期待していただけに、なんともしがたい消化不良を覚える。
 編集者が様々な推理を交えて解説してくれているのがおもしろいが、そこから、松本清張という作家の執筆生活の一端も垣間見えておもしろい。
 舞台のひとつとなった満洲国の資料は、その多くは日本側には残されていない。
 ゆえに、想像に想像を加えて書き記るすしかなかったのだろう。この満洲の全貌がわかると、また、まったく異なる読み方ができるのにと思った。
 全般に、スケールの大きな内容だった。
 読者が日本の戦前の姿を理解できれば、さらなる評判を取ったのではと思う。
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.13
(4pt)

鮮烈な群像劇

強烈な信念をもって生きる登場人物。特高のやり手にしては生身の人間らしい吉屋謙介、行動的で、好奇心旺盛な華族の萩園泰之、そして謎の人物横倉健児・・・それぞれの男達に感情移入ができる。女性陣も強くてスゴイ!萩園の妻、まさ子は先斗町出の粋な京女、萩園の姉、彰子は毅然とした宮中の女官。広島の旅館の女将、川崎春子は随所に“名演技”を見せる。在満州では、頭がいい吉林省の旅館の女中、坂下キク、九臺に住む江森静子は不思議な霊力をもつ・・・加えて実在した、大本教の出口王仁三郎、張作霖、溥儀らが要所要所に登場し(もちろんセリフはないが)深みを与えている。まさに1933年から35年の日本にタイムスリップした気分になる。前半は、連続して死体が発見されるという展開。世情や風景が、目の前にあるような記述なので、臨場感に浸り読むことができる。そして、吉屋と萩園が、奈良、埼玉、広島、栃木をロードムービー風に、二人別々に謎を追うという因縁もおもしろい。中盤の「満州編」は異国情緒たっぷり。浪漫を感じさせる。この章のエピソードがあればこそスケールの大きい感動作になったと思う。終盤は、国際連盟脱退後、不穏さが漂う日本、事件の真相、意外な人間関係、一部の顛末が明らかになってくる。宮中の内情やしきたり、女官の同性愛、新興宗教の弾圧、阿片を介した満州支配、関東軍のテロ、実在した歌人・華族の醜聞、禁忌のオンパレードなので、まさに“今”だから著述できたのであろう。華族礼遇も特高警察も、古墳盗掘者も、そして「不敬罪」も今はない・・・過去を反省するのではなく、大戦前夜、激動の予兆を感じながらも逞しく生きた、有名無名の人生、(良くも悪くも)彼らの力強さにあやかりたい。未完の本作は、いくつかの疑問が明かされないまま終わる。しかし、彼らがその後どうなったか想像する楽しみは大いに残る。読後の感動や余韻はしばらく消えないだろう
神々の乱心〈下〉 Amazon書評・レビュー: 神々の乱心〈下〉より
4163634800