未来からのホットライン

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評判

未来からのホットラインの評価:

4.42/5点 レビュー 24件。 A ランク

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平均点4.42pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全42件 21〜40 2/3ページ
No.22
(5pt)

未来からのホットラインは可能か?

2010-07-27 21:36:52
J.P.ホーガン死去

J.P.ホーガンが亡くなったそうである。享年69才。

ホーガンについてあまり詳しくない人に説明しておくと、SF小説界で唯一、リアルなコンピュータ小説が書ける作家であった。というのも、その前出が、一番技術的に難しい時期のDECのセールスエンジニアだったと言うのだから凄まじい。正直、コンピュータの芯の芯まで理解している人間が書く小説である、他の人間が書くものとは、最初からレベルが違う。正直言ってことコンピュータモノといえばホーガンの独壇場であった。

ホーガンの面白さは、ハードウェアではなくて、ソフトウェアや技術そのものがメインのネタになることが多いことだ。例えば他のSFだと、タイムマシンといったハードウェアがネタの中心になるが、ホーガンだと、時空間通信システムの方が中心になる。しかも、それがまったくのホラでなくて、現在の技術の延長上で可能であるという、大技を繰り出してくるわけ。俺がホーガンを好きなのは、そのリアルな無茶苦茶さ加減にある。

まあ、彼の作品を読むなら、まずは処女作の「星を継ぐもの」(ガニメアンシリーズ第一作)がいいかな。月面に5万年前の宇宙服を着た遺体が見つかる。彼は誰? そこから何回ものドンデン返しが続く。初出が1978年だから30年以上前の作品になるが、確かに今、読んでも面白いと思う。

そして、どうせだったら、「未来からのホットライン」も読んでいただきたいと思う。最初に言った通信システムのヤツね。で、SMTPプロトコルとuucp接続も勉強して、プラス、WiFiをつかうとどうなるか、よーく考えてみよう。

そう、未来はもう、実現しているのだよ 、じつわ。意味がわからん人は、俺の「超光速通信システム」の本稼動をしばし待てw
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.21
(5pt)

未来からのホットラインは可能か?

2010-07-27 21:36:52
J.P.ホーガン死去

J.P.ホーガンが亡くなったそうである。享年69才。

ホーガンについてあまり詳しくない人に説明しておくと、SF小説界で唯一、リアルなコンピュータ小説が書ける作家であった。というのも、その前出が、一番技術的に難しい時期のDECのセールスエンジニアだったと言うのだから凄まじい。正直、コンピュータの芯の芯まで理解している人間が書く小説である、他の人間が書くものとは、最初からレベルが違う。正直言ってことコンピュータモノといえばホーガンの独壇場であった。

ホーガンの面白さは、ハードウェアではなくて、ソフトウェアや技術そのものがメインのネタになることが多いことだ。例えば他のSFだと、タイムマシンといったハードウェアがネタの中心になるが、ホーガンだと、時空間通信システムの方が中心になる。しかも、それがまったくのホラでなくて、現在の技術の延長上で可能であるという、大技を繰り出してくるわけ。俺がホーガンを好きなのは、そのリアルな無茶苦茶さ加減にある。

まあ、彼の作品を読むなら、まずは処女作の「星を継ぐもの」(ガニメアンシリーズ第一作)がいいかな。月面に5万年前の宇宙服を着た遺体が見つかる。彼は誰? そこから何回ものドンデン返しが続く。初出が1978年だから30年以上前の作品になるが、確かに今、読んでも面白いと思う。

そして、どうせだったら、「未来からのホットライン」も読んでいただきたいと思う。最初に言った通信システムのヤツね。で、SMTPプロトコルとuucp接続も勉強して、プラス、WiFiをつかうとどうなるか、よーく考えてみよう。

そう、未来はもう、実現しているのだよ 、じつわ。意味がわからん人は、俺の「超光速通信システム」の本稼動をしばし待てw
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.20
(4pt)

未来からのセンテンス

ハードSFの巨匠J・P・ホーガンによる80年代初期の初の時間SFテーマの長編。
タイムトラベルものだが、3行ほどの文章を24時間程度前に機械内で送れるだけという極めて制限の厳格化されたタイムトラベル設定となっている。
時間SFは制限が多い方が面白くなるが、さすがにこれは制限し過ぎたという感じで、あまりたたみかけるようなタイムパラドックスの伏線回収展開はおこらず、途中からクライトンのアンドロメダ病原体みたいな話になってしまい、どちらかというとタイムパラドックス落ちというよりは、病原体の原因追究というハードSFにありがちな決着になってしまっているのは否めない。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.19
(4pt)

未来からのセンテンス

ハードSFの巨匠J・P・ホーガンによる80年代初期の初の時間SFテーマの長編。 タイムトラベルものだが、3行ほどの文章を24時間程度前に機械内で送れるだけという極めて制限の厳格化されたタイムトラベル設定となっている。 時間SFは制限が多い方が面白くなるが、さすがにこれは制限し過ぎたという感じで、あまりたたみかけるようなタイムパラドックスの伏線回収展開はおこらず、途中からクライトンのアンドロメダ病原体みたいな話になってしまい、どちらかというとタイムパラドックス落ちというよりは、病原体の原因追究というハードSFにありがちな決着になってしまっているのは否めない。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.18
(5pt)

JPホーガン

今更ながらJPホーガンのファンになってしまいました。
この人が1950年代に書いているなんて信じられません。
現在、巨人の星シリーズを読んでおり、未だに本書を読んでいませんが、絶対面白いと思っています。
早く読みたい。
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.17
(5pt)

JPホーガン

今更ながらJPホーガンのファンになってしまいました。 この人が1950年代に書いているなんて信じられません。 現在、巨人の星シリーズを読んでおり、未だに本書を読んでいませんが、絶対面白いと思っています。 早く読みたい。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.16
(4pt)

一気に読める、しかし若干のもの足りなさも

時間を逆行してメッセージを伝えられる、通信におけるタイムマシン。
マシンの起こす現象から、時間と宇宙をどう捉えるか…という理論の部分がかなり細かく書かれています。
興味深いところではあるのですが、正直なところ、高校で初歩の物理を教わっただけの私には、大半が難し過ぎてついていけません。
でも、ポイントを部分的に理解する・あるいはざっくりとイメージで理解した気になるだけでも、十分ストーリーは楽しめます。

前半はマシンの分析が主ですが、後半はある「危機」に直面し、そこにいかに対処するかという、ハラハラドキドキの展開になります。
もちろんそこでタイムマシンの出番。文章における「時間が戻る」表現は、簡潔なのがかえってエキサイティング。
登場人物それぞれの得意分野を生かした活躍も見られ、一気に読まされます。
ただ…ちょっとこの部分、前半の緻密な理論に比べて展開が大雑把です。
もっと因果関係が複雑に絡み合う面白さを期待していました(そういう意味でいったら映画”Back to the future”の方が緻密、もちろん宇宙観が違いますが)。
「この伏線があとで活きてくるんだろう」とか、「この件とこの件にどういう関連があるのか?」などとわくわく読んでいると、ちょっと肩すかし。
また、この世界の政治家や研究者の態度・行動はとても楽観的な書き方をされていて、「現実的でないな」と感じてしまいます。

あとは、本書を楽しむ上で「恋」がかなり重要な位置を占めていると思うのですが、いかにその恋が大切かという描写を地の文の説明に頼っている気がして、少しもの足りなく思いました。

でも、とにかく楽しい作品です。
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.15
(4pt)

一気に読める、しかし若干のもの足りなさも

時間を逆行してメッセージを伝えられる、通信におけるタイムマシン。
マシンの起こす現象から、時間と宇宙をどう捉えるかという理論の部分がかなり細かく書かれています。
興味深いところではあるのですが、正直なところ、高校で初歩の物理を教わっただけの私には、大半が難し過ぎてついていけません。
でも、ポイントを部分的に理解する・あるいはざっくりとイメージで理解した気になるだけでも、十分ストーリーは楽しめます。

前半はマシンの分析が主ですが、後半はある「危機」に直面し、そこにいかに対処するかという、ハラハラドキドキの展開になります。
もちろんそこでタイムマシンの出番。文章における「時間が戻る」表現は、簡潔なのがかえってエキサイティング。
登場人物それぞれの得意分野を生かした活躍も見られ、一気に読まされます。
ただちょっとこの部分、前半の緻密な理論に比べて展開が大雑把です。
もっと因果関係が複雑に絡み合う面白さを期待していました(そういう意味でいったら映画”Back to the future”の方が緻密、もちろん宇宙観が違いますが)。
「この伏線があとで活きてくるんだろう」とか、「この件とこの件にどういう関連があるのか?」などとわくわく読んでいると、ちょっと肩すかし。
また、この世界の政治家や研究者の態度・行動はとても楽観的な書き方をされていて、「現実的でないな」と感じてしまいます。

あとは、本書を楽しむ上で「恋」がかなり重要な位置を占めていると思うのですが、いかにその恋が大切かという描写を地の文の説明に頼っている気がして、少しもの足りなく思いました。

でも、とにかく楽しい作品です。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.14
(5pt)

今後ホーガンの他の作品も読みたい。

あまりにも有名な作家さんですが、今まで読んだことがなかった。ハードSFの著者ということで敬遠していたのですが、思いもかけず当たりで、最後のほうはページをめくるのがもどかしい感じだった。

終わり方も良かった。着地点がほっとするところで、今後の展開を安心して期待し本を閉じることができた。

翻訳がひどいと書いてある書評があったが、私には問題なかった。プロの方の翻訳を素人があれこれ言うのも失礼な話だ。読み返してみたら、確かに原文が想像できるような翻訳ではあるが、淡々と翻訳してすっきりしているだけで、むしろ翻訳者が色をつけないことで原作の色がきちんと伝わっているのではないか。
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.13
(5pt)

今後ホーガンの他の作品も読みたい。

あまりにも有名な作家さんですが、今まで読んだことがなかった。ハードSFの著者ということで敬遠していたのですが、思いもかけず当たりで、最後のほうはページをめくるのがもどかしい感じだった。

終わり方も良かった。着地点がほっとするところで、今後の展開を安心して期待し本を閉じることができた。

翻訳がひどいと書いてある書評があったが、私には問題なかった。プロの方の翻訳を素人があれこれ言うのも失礼な話だ。読み返してみたら、確かに原文が想像できるような翻訳ではあるが、淡々と翻訳してすっきりしているだけで、むしろ翻訳者が色をつけないことで原作の色がきちんと伝わっているのではないか。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.12
(5pt)

シュタゲファンの知らない、直列宇宙の世界

J・P・ホーガンのファンなので、この作品を手に取りました。
読み進めて3分の1くらいで「これは……Dメールじゃね?」と思いましたが、やはり元ネタというか、ADVゲームの「シュタインズ・ゲート」はこの作品から発想を得たところがあるようです。

「未来へのホットライン」と「シュタインズ・ゲート」の大きな違いは、宇宙の仕組みです。

「シュタゲ」の世界の宇宙は「平行宇宙」。
人々がした選択の数だけ、異なる数多の宇宙がある。そして、それらが分岐した川のように並列して流れている、といった考え方です。

一方、「未来へのホットライン」の世界の宇宙は「直列宇宙」。
宇宙は一本の糸のようなもので、過去の一点を改変すると、それ以降の糸はすべて失われる。と同時に、新たな糸が再構成され、過去と繋がって続いていく、といった考え方です。

この違いが、シュタゲと未来へのホットラインの読後感に違いを与えています。

シュタゲでは、誰かが不幸になる世界線から、主人公のオカリンが脱出しても、その世界は続きます。幸せになれるのは、あくまでも数多ある世界線の中の“たった1人”のオカリン。ハッピーエンドの世界線のとなりの世界線には、苦しむオカリンがたしかに存在する。酷なことを言えば、決して「なかったことには、ならない」わけです。

一方、「未来へのホットライン」では、メールによって宇宙がそっくり再構成されるので、最終的に存在する宇宙のみが、唯一の世界です。そこに存在する幸せなマードック以外に、マードックはいないわけです。

こんなふうに、アプローチの異なる2作品を比べてみることで、両者への理解が深まり、面白さを再確認できる、ということが言えると思います。
ちなみに、どちらの読後感も、それぞれの良さがあり、どっちがいいというわけではありません。どちらも同じくらい好きです。

ほかの方が書かれている通り、訳された文章にはたまに意味つかめないところもありますが、個人的には本当に「たまに」です。
少なくとも、よく練られた巧妙なストーリーが楽しめなくなるほど、ひどい訳ではないと思いました。

ぜひ読んでみてください。
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.11
(5pt)

シュタゲファンの知らない、直列宇宙の世界

J・P・ホーガンのファンなので、この作品を手に取りました。
読み進めて3分の1くらいで「これは……Dメールじゃね?」と思いましたが、やはり元ネタというか、ADVゲームの「シュタインズ・ゲート」はこの作品から発想を得たところがあるようです。

「未来へのホットライン」と「シュタインズ・ゲート」の大きな違いは、宇宙の仕組みです。

「シュタゲ」の世界の宇宙は「平行宇宙」。
人々がした選択の数だけ、異なる数多の宇宙がある。そして、それらが分岐した川のように並列して流れている、といった考え方です。

一方、「未来へのホットライン」の世界の宇宙は「直列宇宙」。
宇宙は一本の糸のようなもので、過去の一点を改変すると、それ以降の糸はすべて失われる。と同時に、新たな糸が再構成され、過去と繋がって続いていく、といった考え方です。

この違いが、シュタゲと未来へのホットラインの読後感に違いを与えています。

シュタゲでは、誰かが不幸になる世界線から、主人公のオカリンが脱出しても、その世界は続きます。幸せになれるのは、あくまでも数多ある世界線の中の“たった1人”のオカリン。ハッピーエンドの世界線のとなりの世界線には、苦しむオカリンがたしかに存在する。酷なことを言えば、決して「なかったことには、ならない」わけです。

一方、「未来へのホットライン」では、メールによって宇宙がそっくり再構成されるので、最終的に存在する宇宙のみが、唯一の世界です。そこに存在する幸せなマードック以外に、マードックはいないわけです。

こんなふうに、アプローチの異なる2作品を比べてみることで、両者への理解が深まり、面白さを再確認できる、ということが言えると思います。
ちなみに、どちらの読後感も、それぞれの良さがあり、どっちがいいというわけではありません。どちらも同じくらい好きです。

ほかの方が書かれている通り、訳された文章にはたまに意味つかめないところもありますが、個人的には本当に「たまに」です。
少なくとも、よく練られた巧妙なストーリーが楽しめなくなるほど、ひどい訳ではないと思いました。

ぜひ読んでみてください。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.10
(4pt)

2度目

着想とその方法には脱帽。
人間は自分の欲望のためだけに生きているわけではないことがわかる作品だろう。
それでも男女の関係は何にも勝る物であるのだ。
人生とはそんなに捨てた物では無い。
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.9
(4pt)

2度目

着想とその方法には脱帽。
人間は自分の欲望のためだけに生きているわけではないことがわかる作品だろう。
それでも男女の関係は何にも勝る物であるのだ。
人生とはそんなに捨てた物では無い。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.8
(5pt)

邦題が素晴らしい

「未来からのホットライン」原題は“Thrice upon a Time”。ホットラインだから本当に重要な時にしか使ってはいけない。今どきの無料電話とは訳が違うのだ。でもって、作品中では本当に「重要な3回」だけタイムマシンが使用されるのだが、実は主人公が(こっそりと)事前に1回テストしている。

それはもちろん人生にとって(人類にとっても)最も重要な、人間の心の営みに関することなんだけれども。波乱万丈の物語の展開の中で、その行為も虚しい結果に終るかもしれないと見せかけて「重要な3回目」の後の見事な決着の仕方。すばらしい! また「タイムトラベル」ものではお約束の「ネコの活躍」。まさにSFの王道に相応しい(笑)
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.7
(5pt)

邦題が素晴らしい

「未来からのホットライン」原題は“Thrice upon a Time”。ホットラインだから本当に重要な時にしか使ってはいけない。今どきの無料電話とは訳が違うのだ。でもって、作品中では本当に「重要な3回」だけタイムマシンが使用されるのだが、実は主人公が(こっそりと)事前に1回テストしている。

それはもちろん人生にとって(人類にとっても)最も重要な、人間の心の営みに関することなんだけれども。波乱万丈の物語の展開の中で、その行為も虚しい結果に終るかもしれないと見せかけて「重要な3回目」の後の見事な決着の仕方。すばらしい! また「タイムトラベル」ものではお約束の「ネコの活躍」。まさにSFの王道に相応しい(笑)
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.6
(5pt)

タイムマシンものの佳作

タイムマシンは数あるSFのテーマの中でも、もっとも難しいものの一つだとおもう。

そもそも「時間を逆行する」という考え方がナンセンスで、説得力を持ちにくい上に、いまここにいる我々が未来人の来訪を受けていないことから、遥かな未来においても、タイムマシンが発明されなかったことが納得できてしまう。

でも、本作ではちょっとひと味違う。出来上がるのはただの受発信器。歴史のタイムテーブルの上でも、この受発信器誕生以前には戻りようがないのだ。タイムパラドクスについての解釈も、タイムマシンの理屈も、難解ではあるもののホーガンらしい濃密なSF味で、非常に心地よい。

そしてこのタイムマシンで世界の危機と向き合い、一組のカップル──そしてほんとうは無数のカップル──の運命を翻弄する。

「一つだけ秘密を打ちあけましょう──すでにこのマシンは一度、同様の目的に使われたことがあると、われわれは信じているんです。」

というわけで、タイムマシンものの佳作だと思います。
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.5
(5pt)

タイムマシンものの佳作

タイムマシンは数あるSFのテーマの中でも、もっとも難しいものの一つだとおもう。

そもそも「時間を逆行する」という考え方がナンセンスで、説得力を持ちにくい上に、いまここにいる我々が未来人の来訪を受けていないことから、遥かな未来においても、タイムマシンが発明されなかったことが納得できてしまう。

でも、本作ではちょっとひと味違う。出来上がるのはただの受発信器。歴史のタイムテーブルの上でも、この受発信器誕生以前には戻りようがないのだ。タイムパラドクスについての解釈も、タイムマシンの理屈も、難解ではあるもののホーガンらしい濃密なSF味で、非常に心地よい。

そしてこのタイムマシンで世界の危機と向き合い、一組のカップル──そしてほんとうは無数のカップル──の運命を翻弄する。

「一つだけ秘密を打ちあけましょう──すでにこのマシンは一度、同様の目的に使われたことがあると、われわれは信じているんです。」

というわけで、タイムマシンものの佳作だと思います。
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060
No.4
(5pt)

シュタインズ・ゲートの原点がここにある

J.P.ホーガンのタイムスリップものということで手に取ったが、読み進めていくとどこかで観たような覚えが。そう思ってググッてみると、昨年アニメ版が放映された「シュタインズ・ゲート」との類似点を挙げるブログがいくつも引っかかりました。
 ストーリーは、ノーベル物理学賞も受賞した天才物理学者が、リタイアして帰った故郷のスコットランドの寒村で、仲間とともに「時間をさかのぼって情報を送ることができる装置」を開発し、それによるタイムパラドックスの謎解きをしながら、世界を破滅に追い込む大惨事を食い止めるというものです。前半ではどうやって過去に情報を送ることができるのか、そしてその際に世界はどうなるのかについてストーリーが展開されますが、破綻の無い(少なくとも書いた点では否定のしようのない)緻密な理論の展開はホーガンの小説の醍醐味です。後半では「バゴファント事件」と「センチュリオン事件」の、世界を破滅に追い込む2つの事件を、過去へ情報を送ることで解決しようとしますが、そこに主人公の一人の恋の行方が絡み、いろいろとやきもきさせられます。
 本作品に登場する、「時間をさかのぼって情報を送ることができる装置」というのが、シュタインズ・ゲートでいうところの「Dメール」に相当します。未来の情報を受け取った世界がその後どうなるのか、その解釈もこの作品と良く似ています(リーディングシュタイナー能力のある人物は登場しませんが)。ホーガン自体は他にもタイムスリップもの(プロテウスオペレーションなど)を書いており、作品ごとに違った解釈をベースにストーリーを展開していますが、この作品では主人公たちが実験結果を見てそれらの解釈を比較検討したりしていて、ホーガン自身のタイムスリップものの原点ともいえるでしょう。1980年に、そこから30年後の2010年(奇しくもホーガンの没年)を舞台に書かれた作品ですが、ホーガンの想像ほどには現実世界は進歩していない一方、はるかに進歩した部分(本書では最高スペックのコンピューターの記憶容量が50MBないとか)もあったりして、それはそれで楽しめます。
 過去に情報を送ることで危機を回避できるということで、基本的にはハッピーエンドですが、その間に起こったことが(送った情報以外は)、全て無かったことになってしまう訳です。それが恋愛関係にある二人の間には悲しい訳ですが(改変された世界では当の本人達にも気付きようが無いのですが)、この作品ではストーリーをうまく運んで、爽やかな終わり方になっていると思います。
「当然のなりゆきというものだ・・・」
「これがシュタインズ・ゲートの選択だよ」
未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (1983年) (創元推理文庫)より
B000J7F9RI
No.3
(5pt)

シュタインズ・ゲートの原点がここにある

J.P.ホーガンのタイムスリップものということで手に取ったが、読み進めていくとどこかで観たような覚えが。そう思ってググッてみると、昨年アニメ版が放映された「シュタインズ・ゲート」との類似点を挙げるブログがいくつも引っかかりました。
 ストーリーは、ノーベル物理学賞も受賞した天才物理学者が、リタイアして帰った故郷のスコットランドの寒村で、仲間とともに「時間をさかのぼって情報を送ることができる装置」を開発し、それによるタイムパラドックスの謎解きをしながら、世界を破滅に追い込む大惨事を食い止めるというものです。前半ではどうやって過去に情報を送ることができるのか、そしてその際に世界はどうなるのかについてストーリーが展開されますが、破綻の無い(少なくとも書いた点では否定のしようのない)緻密な理論の展開はホーガンの小説の醍醐味です。後半では「バゴファント事件」と「センチュリオン事件」の、世界を破滅に追い込む2つの事件を、過去へ情報を送ることで解決しようとしますが、そこに主人公の一人の恋の行方が絡み、いろいろとやきもきさせられます。
 本作品に登場する、「時間をさかのぼって情報を送ることができる装置」というのが、シュタインズ・ゲートでいうところの「Dメール」に相当します。未来の情報を受け取った世界がその後どうなるのか、その解釈もこの作品と良く似ています(リーディングシュタイナー能力のある人物は登場しませんが)。ホーガン自体は他にもタイムスリップもの(プロテウスオペレーションなど)を書いており、作品ごとに違った解釈をベースにストーリーを展開していますが、この作品では主人公たちが実験結果を見てそれらの解釈を比較検討したりしていて、ホーガン自身のタイムスリップものの原点ともいえるでしょう。1980年に、そこから30年後の2010年(奇しくもホーガンの没年)を舞台に書かれた作品ですが、ホーガンの想像ほどには現実世界は進歩していない一方、はるかに進歩した部分(本書では最高スペックのコンピューターの記憶容量が50MBないとか)もあったりして、それはそれで楽しめます。
 過去に情報を送ることで危機を回避できるということで、基本的にはハッピーエンドですが、その間に起こったことが(送った情報以外は)、全て無かったことになってしまう訳です。それが恋愛関係にある二人の間には悲しい訳ですが(改変された世界では当の本人達にも気付きようが無いのですが)、この作品ではストーリーをうまく運んで、爽やかな終わり方になっていると思います。
「当然のなりゆきというものだ・・・」
「これがシュタインズ・ゲートの選択だよ」
未来からのホットライン (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 未来からのホットライン (創元SF文庫)より
4488663060