強き蟻
評判
強き蟻の評価:
3.69/5点 レビュー 13件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21〜40 2/3ページ
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強き蟻の評価:
3.69/5点 レビュー 13件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
ヒロインの伊佐子は普通に考えて悪女であることは間違いないのだが、どこか憎めないように書かれている。
清張お得意の秀逸な悪女キャラである。
三十も年上の夫信弘(67歳)をはじめ、二十ほど年上の元愛人塩月、若い愛人石井寛二、年下の弁護士佐伯などなど、
女盛りで好色な美貌の人妻、伊佐子のまわりには、さながら砂糖に蟻がたかるように男たちが寄って来る。
「だいたい、奥さんのような身体つきの人は、ひとりの男では満足できないように出来ているんですよ」
「失礼なことを言うのね」
・・・・・・
「わたし、そんなに淫乱に見えて?」
「そういう言い方はしたくないな。体質ですよ。ぽっちゃりとした小肥りで、色が白くて、肌のきめが緻密で、
腰まわりの張っている女性は、だいたいそういう傾向ですね。ひとりで夜寝ているのがつらくなる性質(たち)です」
以前、塩月も似たようなことを言っていた。しかし、口では言えないが、伊佐子に思い当たるところがあった。
とくにこうしてホテルで寝ていると、ひとりでに昂奮することが多かった。身体の血が騒いで容易に寝つかれず、
つい手が癖になっているところ (陰部) に行ってしまう。(以上282~283ページ)
「あんたが、わたしの身体をこんなふうにしたのよ。あんたって素晴らしいんだもの。わたしの身体は完全に
あんたに馴らされてしまったわ。ひとりでは睡れなくなったわ」(345ページ)
・・・とまあ、こんな描写から、伊佐子が旺盛な性欲の持ち主であることは間違いない。
経済面だけのために結婚した、老いて性的には使い物にならない夫信弘で満足できるわけがないのである。
そんな彼女が、最後、みずからの事業欲 (旅館を購入して営業する) を満たすために早く夫信弘の資産を売却して
資金を手に入れるべく、ほどこした奇策が、最終的には彼女を破滅に導くことになる。
「ね、わたしたちの声 (よがり声) をこれに録音しましょうよ」(390ページ)
上記は弁護士の佐伯と結託し、ベッドでのトークやよがり声を録音して、それで以って、心臓の悪い信弘に
三度目の心筋梗塞の発作を起こさせ、死に至らしめようとした伊佐子の卓抜なアイデアである。
文字通り好色な伊佐子にしか思いつかないアイデアである。
最後のどんでん返しには唖然としたが、おしまいまで読ませる作品であることは間違いない。