審判

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評判

審判の評価:

4.31/5点 レビュー 49件。 B ランク

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平均点4.31pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全50件 41〜50 3/3ページ
No.10
(5pt)

読む人に色々なことを考えさせてしまう作品

ヨーゼフ・Kは何も悪いことをしていないのにもかかわらずある日突然逮捕される。彼を逮捕に来た役人もKを逮捕するだけが仕事でどういう理由で彼を逮捕するかは知らない。逮捕されたKは裁判にかけられるのだが、裁判はアパートの一室で行われる。そして単なる傍聴人と思われた人々も裁判所の予審判事と同じバッチをつけている。裁判所の実態もよくわからない。

逮捕されたもののKは投獄されるわけではなく日常生活は自由である。彼の前には弁護士、裁判官の肖像画を描く画家、叔父、牧師などが次々と現れ、彼にアドバイス(説教?演説?)を長々と述べるのだが、そのアドバイスは法律の中には一般の人には見えないものがある。法律より大事なのは裁判所へのコネである、というものである。そして、あなたを助けることが出来るのは自分だけだと言ったりもする。

結局Kは最後どうなるかというと、どうなったかはハッキリ書かれているのだが、なぜそうなったのかがよくわからない。

‘41年頃書かれたこの作品は、後のナチス登場に象徴される次代の精神状況を予見した作品と言われている。そう言われれば確かにそうであるのだが、この作品の多くを占める、Kにアドバイスを述べる人物達の話を読んでいると、本当にそれだけか?と思ってしまうのである。しかし、それが何であるのかは難しすぎて何度読んでもよく解らない。

そして、何とかしようと努力はするものの裁判のあり方自体に疑問を持たないKもただの被害者ではなく、権力には従順な庶民の愚かな姿の象徴なのかなとも思ったりするのだが、これもよく解らない。

とはいえ、私は何故か読むのに骨の折れるこの作品が面白くて何度も読んでしまう。不思議である。人に何かを考えさせる小説とはこういうものなのかもしれない。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X
No.9
(4pt)

小説のひとつの形

近畿大学国際人文科学研究所サブテキスト<必読書150>で必読書と
して掲げられていたので改めて読んでみました。論理的にストーリーを
追求しようとすると、肝心な説明が欠落していたり、それを主人公が明
らかにしようとしないことにいらだちますが、まあこういう小説もある
かな、と思えばそれなりに楽しめます。ノンフィクションやハウツーも
のを読み過ぎたなと思ったら、こういう小説の世界に浸ってみるのもい
いと思います。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X
No.8
(5pt)

最高傑作

読むたびに凄い、と思う。登場人物の不思議な生々しさや生き生きした感じと、官僚組織的冷たさや拘束感との同居。おかしさ・滑稽さと悲哀・残酷との同居。平凡さと奇妙さとの、日常的なものと普遍的なものとの同立。あらゆる解釈を可能にしながら、しかもこの小説自体は変わらない。一体こんな小説があったものだろうか。
 作品の素晴らしさは読めばわかるので、余談をいくつか。
・しばしば世間的立場から「へなちょこ」扱いされることもあるカフカだが、仕事場ではかなり有能だった(もっとも、本人はうんざりしていたようだが)。また彼は保険協会の年次報告に毎年のように寄稿し、機械の安全な扱い方について説明するなど、労働現場の環境にも目を向けていた。(ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』によれば)工事現場で使われる安全ヘルメットを発明したのもカフカであるという。保険金の査定や労働現場の査察を行うなかで考え出したのだろう。
・『審判』執筆に挫折しかけていた際、絶望のためか自暴自棄か何か理由はわからないが、カフカは徴兵検査を受けたという(当時は第一次大戦中だった)。合格したが、動員はされなかった。
・書いたものを出版しようとしなかったカフカだが、『火夫』などについては自分で出版のための努力をした(友人の書いたものを出版しようとするほうがずっと多かったが)。だがほとんどの作品は出すことなく、ひたすら書き続けていた。なぜ出そうとしなかったのかは未だに謎である。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X
No.7
(5pt)

不条理小説です

突然役人に捕まって、裁判にかけられてしまうお話。カフカの作品は「不条理小説」というジャンル分けがされることがありますが、何か得体の知れない力による、という点は共通しています。『バトルロワイヤル』などの場合は法律が制定された、とかなんとか変な理屈をこねてしまっていますが、カフカの場合は「この世界の現実はこうだ!」と無理やり小説の世界に引きずり込んでしまいます。結果として読者は小説の世界に入り込んでしまう。なぜ、どうしてという疑問を持たせない物語の展開はすごいと思います。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X
No.6
(3pt)

つるつるな訳

池内紀の訳したカフカ。意訳が多く、そのぶん読みやすくなっている。それが利点と言えば利点だが、しかしこの全集に限って言えば、問題なのではないだろうか。
 このカフカ全集は、マックス・ブロートの手を離れ、綿密な検証作業を経て新たに編集されたものを訳したものである。だからこそ旧版との細部の違いが重要になる(新旧の違いに興味がない人は、既に出版されている旧版をもとにした文庫本を買うだろう)。しかし意訳が多く、池内流な訳され方をされては、どのように新しくなったのかわかりにくい(章の配置の違いについては、その違いについての知識を知ったうえで旧版の文庫本をそれにあわせて読めばすむ)。それでは新版を出す意味があるのだろうか。また「読みやすい訳で出す」ことが大切であるにしても、それは新たに編集された版を訳す際にやるべきことだろうか。訳し手の親切心と個性が、かえってこの全集の価値を下げてしまっているように思えてならない。
審判 (カフカ小説全集) Amazon書評・レビュー: 審判 (カフカ小説全集)より
4560047022
No.5
(5pt)

これはすごい!

なぜか「変身」の方が有名なカフカですが、「審判」はザムザが虫になってしまうといった明らかに夢のような設定はなく、あくまで生活においてのリアリズムに則った作品になっています。(といっても、明らかに現実にはなりそうもありませんが、ナチスの台頭前夜の社会情勢ということを考慮すれば実にありそうなことだと思われます。)
本書と「アメリカ」「城」の三作を含めて孤独三部作ということになっています。本書以外は未完ですので、そういった意味でもまず読んだほうがいいと思います。「アメリカ」「城」のどちらともが、未完に終わった、というより、終わるはずがない小説だった、という印象を自分は持っています。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X
No.4
(4pt)

先に言ってよ・・・

比較的読みやすい訳文で、内容自体も非常に深く、それ故に興味深いのだが、版元との関係で章立てが当時の執筆時のものとは違っており、「あとがき」の、pp.370~371に書いてある順番で読んだ方が話の流れ上、良いようだ。先に言ってほしかった・・・。
審判 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (新潮文庫)より
4102071040
No.3
(4pt)

恐ろしく、ときにおかしい

池内紀さんの訳は現代的で、かなり読みやすく内容が頭に入りやすかったために選びました。
意訳も多いだろうから、これまでのものと比べて読むのがいいかとは思います。

 カフカの作品は主人公が、とんでもないことに巻き込まれながら、なぜかそれに対してあまり驚かず受け入れようとするところがあると思います。
「変身」では虫になりながら、特に感想もなくすぐ仕事と家族のことを考え、「失踪者」では理不尽にアテもなく追放されながら嘆くこともありません。
「審判」では主人公のヨーゼフ.Kは理由もなく逮捕されます。しかし誰に相談するでもなく、内心の動揺を隠し「こんなこと何でもない、すぐに解決する」と鷹揚に構えています。徐々に焦り、みるからに落ち着きを失いますが、最初は深刻にとらえようとしません。
それが、主人公のおかれた状況以上に、奇妙に感じられます。
作者がわざと「間違った状況にあるのに、抵抗しようとしない人」として書いたのか、そういう訳ではないのか、分かりませんが。
 役人や弁護士に対する描写がやけに詳しく、現実的な話でもないのに、リアルに感じられ、揶揄しているように感じられます。
本当にあれば深刻であり怖い話のはずが、思わず笑ってしまうところもありました。
審判 (カフカ小説全集) Amazon書評・レビュー: 審判 (カフカ小説全集)より
4560047022
No.2
(5pt)

20世紀文学の金字塔

カフカの最高傑作。読めば読むほどその面白さとカフカの類希なる人間と人間社会への洞察力を感じ取ることができる。分量こそ少ないが、プルーストの「失われたときを求めて」とジョイスの「ユリシーズ」と並ぶ20世紀文学の金字塔。しかも、他の2書より遥かに読みやすい。是非、一読を。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X
No.1
(3pt)

今の社会でも・・・

いわゆる冤罪の話です。訳もわからず急に家に役人が押しかけて裁判にかけられてしまう。そして最後は・・・。簡単に言ってしまえば、そう言う話です。
 今の日本社会においてそんなことは有り得ないと思いたいですが、盗聴法の制定、警察の不祥事、警察による情報開示の妨害、警察の外部監察の不備、政治汚職、などを見ていると、このようなことがいつ起こってもおかしくない世の中になっています。現に1975年12月20日の遠藤事件をはじめ、今まででも確実に存在しました。これからはこのようなことが、さらに増えるのではないか。このようなことを考えさせられました。
審判 (岩波文庫) Amazon書評・レビュー: 審判 (岩波文庫)より
400324382X