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さらば長き眠り
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さらば長き眠りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 1~20 1/2ページ
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とても面白かったです。 | ||||
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<冬の終りの真夜中近く、私はおよそ四〇〇日ぶりに東京に帰ってきた。>帰って来たのは、沢崎という探偵だ。四〇〇日の間、彼がどこで何をしていたのかは、われわれ読者よりも気になってしょうがない連中―常連の錦織警部や<清和会>の幹部・橋爪達に任せておこう(どうしても気になる向きは文庫巻末のスピン・オフ作品参照のこと)。今回の依頼は、11年前に起こった野球賭博に巻き込まれた元高校球児とその姉の自殺だ。あゝ、またしても無惨な話。<依頼人が調査の結果に失望することには慣れていた。いや、むしろ彼らはこの事務所を訪れたことを後悔しながら去って行くのが普通だった。>探偵はこう述懐する。読者はどうだろう?いつも後味のわるい思いをさせられていないか?今回などは、50章、文庫版で574頁にもわたって読んできた挙句が、この苦い結末。そろそろうんざりしないか?―しないんだなあ、これが。またぞろ次の長篇が読みたくって仕方なくなるのだ。 著者3冊目の長篇だが、前2作と1冊の短編集を読んでから読まれることをお薦めしたい。なぜなら、3冊目は、それまでの集大成といっておかしければ、過去の作品を踏まえた上で構想されているからだ。そして、それに見合った読み出のある重厚な作品、といって支障があるならば、その愚劣で滑稽な真相にいたるまでの過程が最もスリリングであることは保証したい。探偵は、11年前の事件の既成事実を一つ一つバラバラに分解してもう一度組み立て直すという難易度の高いパズルに挑む。直観と足を使った訊きこみだけで。もちろん、真相を知られたくない者たちからの横暴な横やりは覚悟の上だ。 尤も、ギスギスした人間関係の迷宮だけではもたない。“チェシャー猫”も登場するし、それをプリントしたトレーナーを着た少年と彼を厳格に指導する爺さんに対して「オタンチンの兵六玉」「鼻クソ丸めて、黒仁丹」と声を交わしたりもする。<同年輩の消しゴムでこすったら消えそうな口ひげ>、<適温の中の黴菌のように抵抗心が増殖>、<自分がどうしてこういう芸当をしなければならないのか納得できないサーカスの猛獣のような悲しげな顔つき>など相変わらずのレトリックも冴えているが、彼らのやりとりが今回も実に可笑しい。錦織が「まだ生きてるか」と問うと、「気にするな。死んでもおまえにだけは焼香をさせるなと、遺言に大きく書いてある」「おまえの葬式なんか誰がする?」だもの。最も傑作なのは、橋爪や用心棒の相良の乗ったベンツに乗り込むと―深手を負って自分で車を運転することができないとはいえ―探偵は「行く先は自由が丘だ」と告げる。暴力団を足代わりに使おうというのだ!<若い組員は答えに窮して苦笑し、橋爪は無気味な薄笑いを浮かべ、相良は笑いをこらえ>る始末。 今回も警句に抜かりはない。<間抜けな人間は自分が間抜けな状況に立たされるのはつねに他人のせいだと考える。><女になるってことは、頭の中身や腕っぷしや財産の多寡を競い合うことを宿命みたいに思っている馬鹿なオトコにおさらばするってこと><馬鹿テクっていうのは、><馬鹿げたテクニックしか持っていないってこと><「あたしら[ホームレス]の時間はあんたたちの時間とは違うんだから」こっちの時間のほうが下等であるかのように聞こえた。><救急車の中で聴くサイレンの音は、ふだん街中で聴いている救急車のサイレンの音とはまるで違った響きを持っていた。><心の底を震わすような響きだった。><自分に関わりのない他人の不幸はほとんど気にかけていないということの証しだった。>等々頼もしいかぎりだ。 それにしても、依頼人との対面がようやく第12章。しかも、その時点では“依頼人候補”でしかない。主人公が<ようやく探偵に復帰した思い>にいたるのが第20章だゼ。いい加減、ジリジリくるが、これがセルジオ・レオーネや山田風太郎や丸谷才一ばりの独創的な“引き延ばし”に匹敵するものと感じはじめると、もはやこの迂回こそが物語の豊饒を裏打ちしてくれていると思いはじめるから不思議だ。優れた探偵小説は、謎が解かれたとたんに新たなもっと大きな謎に直面している。そう思わざるを得ない。この作品もその系譜に属していると思うがどうだろう。 | ||||
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内容だけなら沢崎シリーズの集大成、★5つです。 酷いのは表紙です。何ですか?これは。編集の頭を疑います。何でこんな絵を採用したのやら。 これではハードボイルドのカバーイラストではありません。江戸川乱歩か横溝正史かホラー小説のカバーです。 | ||||
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話自体は面白かったのですが、途中で過去作品の登場人物が出てきて、誰々はまだ服役している、とかの話が出ます。 つまり、過去作品の犯人を普通に暴露してるんです。 よって、この作家さんの作品は出版の順に読むことをおすすめします。 あと気になるのは、この作家の作品はいつもそうですが、最後の謎解きを読者にも楽しませようという趣向はありません。 いつも唐突に主人公の沢村が犯人を言い当て、謎を解明します。 そこまでに伏線がほとんどなく、読者がなぞを解くのは不可能です。 ハードボイルドなのでその辺は多めに見るべきなのかもしれませんが、ミステリーのお約束を守っていない気がします。 | ||||
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普通 | ||||
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心に鼓動を感ずる❣ | ||||
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続編を待って待ってようやく出た時の嬉しかった思い出が蘇ります。内容もラストにサプライズがあって満足しました。 | ||||
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1ページ26字×21行の2段の357ページの長編である。老齢の身には「うわ、字が細かい。しかも、上下2段かよ」と言うしかないが、読み始めると細かい字はものとはせずページを次々に繰ってしまうほど読ませる。ただし、「法人経営の宗教家たちは今ではリゾート地にある贅沢な霊園から精進料理の高級料亭まで経営する実業家たちだった。墓場を墓地や墓所と言い換え、ついには霊園と称しても、人間の死を天秤の片っぽにのせた古めかしい商売であることにかわりはなかった。」という世の中を斜めに見たような言い草や「おまえには、あんな男の自由を奪うことだけのことで拳銃なんか見せびらかすような出来の悪い子分しかいないのか、と言っといてくれ。狙撃されて以来、臆病風に吹かれているんだろうが、今度こそ敵の拳銃か味方の拳銃か分からない弾丸で命を落とすだろう、と言っといてくれ」という投げ台詞のような調子が続く文体を、こりゃ面白いねえ、と思えるかどうかにかかっている。プロット自体はよく練られていると思うが、こういう事件は現実にありうるかなあとも思う。まあ、こちらが世間知らずなだけかな。ところで、ヤクザの橋爪の用心棒の相良が良い味を出しているんだよなあ。 | ||||
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再読するほどに、面白い。 もはや絶滅したかと思っていた、ダンディズムという言葉を、ごく自然に思い出す独特の世界観。 そして重奏的なストーリーは、一気読みせずにはいられない。 西新宿の裏通りに行けば、渡辺探偵事務所が本当に在って、古びたドアを開ければ、沢崎がデスクでピースをくゆらし、無愛想に出迎えてくれる気がする。 | ||||
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ハードボイルドは海外の作家のは読みますが、日本にも優れた作品を書く方がいるのだと気が付きました。 直木賞を取られたのも納得の文章力で引き込まれ、一か月の間に、このシリーズはほとんど読みました。 | ||||
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原尞さんを知ったのは、朝日新聞の「作家の口福」というコーナーのエッセイだ。読み手を惹きつける書きかたと少しのユーモア。文章の上手い作家さんだと思い、作品を読みたくなった。 お歳のわりに、少ない作品の数にまず驚いた。アマゾンのレビューなど読むと、コアなファンの方が多い。 探偵沢崎シリーズが有名なようなので、図書館をあたると全て予約で一杯。古い作品なのに珍しい現象である。地味に人気を保ち続けているなんて、是非とも読んでみたい、と期待が膨らんだ。 できれば沢崎登場の、「そして夜は甦る」から読みたかったのだか、予約の順番の関係で、この作品からになった。 前作からの話しがところどころ出てくるが、特に支障はなかった。 沢崎という探偵は、日本版フィリップ・マーロウという解説に納得。寡黙で、先を読む能力、的確な推理、全篇を覆う煙草の煙、留守電サービスの女性とのちょっとした会話、全てがチャンドラーの世界に通じている。 チャンドラーより文体は繊細で、作者の内面がうかがえる丁寧な筆致。 日本のハードボイルドの作家の中で人気があるのも納得である。 日本の推理作家にあまり興味のある人がいなかったので、お宝を見つけたような気分である。 今まで知らなかったことのほうが、非難されそうだが、たまたま知るきっかけをくれた朝日新聞に感謝である。 | ||||
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探偵という職業自体を斜に構えて見ていながら、実にハードワーカー。クールな会話と、警察権力からも暴力からも「絶対逃げない」沢崎の生き様にハマります。 | ||||
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ハードボイルド探偵小説。 既に定番になったが、今回も渋くて格好良かった。全体の8割までは淡々と進み、最後の最後で一気に謎を解くいつものパターン。 大変満足。今回もお腹いっぱい。 おすすめ。 | ||||
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久しぶりに事務所に帰ってきた主人公の元にホームレスが現れ・・・というお話。 前作から結構インターバルが空いたので、完成まで苦労したのかと思いましたが、読んで納得、日本のミステリとして破格のレベルに達していて驚きました。多分、推理小説としてのハードルを高くして書いたらしく、この高みにまで達するのにやはり相当時間がかかったのであろうと思いました。 前2作でネタになっていた事象(興を削ぐので書けませんが)も一応の決着がつくという、第一期完結というフレーズも成程、と思いました。 これから次の作品までまた時間が空きますが、ここでこのシリーズが集大成的総決算を迎えたので原さんも疲れた部分のあったのであろうと勝手に察してしまいました。実際はどうだか知りませんが。シリーズの今の所の最高傑作に思いました。 第3作目にして最高傑作といえる作品。必読。 | ||||
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私が殺した少女に続く三作目。 文章は簡潔でしかし味わいがあり、ハードボイルドな主人公とよく調和しています。 ありきたりなハッピーエンドではなく、読後感も悪くありません。 | ||||
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和製ハードボイルドの傑作シリーズ 小説は定説の面白さです。 安心して最後まで読めます。 | ||||
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沢崎久しぶりのカムバックで 八百長試合の事件に巻き込まれる。 筆の遅い筆者が久しぶりに出した作品。 ブランクが開いても 相変わらずのテンポと よく練られたプロット すばらしいです。 販売店さんの コンデションが大変良いとありましたが 同時期に買った 他店の1円本の方が この本よりもずっと状態がよかったので残念でした。 その為 星一つ減らしました。 | ||||
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原作品は先が推測しにくいのが面白い。探偵もスーパーマンじゃないし。かっこつけすぎだけど(笑) | ||||
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ハードボイルドの中に、人生の機微を感じさせるような内容で、読みやすかった。 | ||||
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原りょうさんの作品は文学作品だと思いました。 文字をしっかり受け止めながら時間をかけて読みました。 | ||||
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