朝のガスパール

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朝のガスパールの評価:

4.12/5点 レビュー 17件。 D ランク

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平均点4.12pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 21〜33 2/2ページ
No.13
(5pt)

筒井康隆、挑戦す。

今では考えがたいことだが、筒井康隆はアサヒ新聞に(!)
小説を連載していたことがあった。
もちろんただの小説であるはずがない。
連載しながらネット会議室や読者の投書を参照し、
展開に反映されるという形式を採ったのだ。
その結果はSFファンからはサロンのシーンが駄目だと言われ、
アサヒの読者からはSFを載せるなと言われ…。
発表当時は色々と気苦労も多かったようだが、
きちんと作品としてまとめてあるのはさすがの一言。
ファンならずとも、SFを毛嫌いしない方ならどうぞ。
朝のガスパール Amazon書評・レビュー: 朝のガスパールより
4022564830
No.12
(5pt)

読者参加小説

紹介するまでもありませんが、この小説は1991年10月から1992年3月まで、朝日新聞朝刊に連載された小説です。ゲームの世界の人物が現実世界に出現するという超自然的な設定以上に驚かされるのが、この小説の展開が、投書やパソコン通信により読者から寄せられた意見に左右されるという、「読者参加」小説であることです。まさに「筒井ワールド」の新展開と言えます。インターネット全盛の現在ならともかく、単なる双方向通信の時代に、メッセージ数が23,805を数える(「電悩録ー解説にかえて」より引用)という事実はまさに驚異というほかありません。小説上で筒井は、櫟沢という人物に名を変え、筒井とは違う次元で、冷静な判断をくだしていきます。また、ゲーム「まぼろしの遊撃隊」の作者がご存知、時田浩作という設定も筒井ファンにとっては泣かせる話です。小説中で、美貌の人妻貴野原聡子が借金清算のため不倫を働く場面が、読者の要望で変えられてしまうなど、この小説の真髄を見せられます。野性の女性隊員穂高、チャーリー西丸など強烈な個性を発揮する人物も多く、決して途中で退屈することはありません。
朝のガスパール Amazon書評・レビュー: 朝のガスパールより
4022564830
No.11
(3pt)

よく出来た失敗作 or 失敗だけど傑作

個人的な筒井再読祭りで、再び手にした一冊。
当時は、なんか喜んで読んでた覚えがありますが、今読むと微妙かも。

特にまずいと思うシーンは
・過剰な投稿者批判
その日の分まるまる使って・・・しかも3,4日分続くし。
当時の”新聞小説ファン層”は、この期間ホントに憂鬱だったと思います。

・登場人物過多
後半にて、”作者のシャドウ”に「新聞小説の枠を壊したかった」的なことを語らせてますが
既に門構えや造り自体が異常なんだから、他の部分で枠をはみ出す必要はなかったかもね。
余計にややこしくなるし。
ま、大勢を一気に退場させる荒業を披露することに繋がったので、有りと言えば有りだったかも。

・他作品への依存
『パプリカ』を読んでいないと、まったく分からない部分が終盤ある。

・(最初のにも繋がるが)作者上から過ぎ
作家側の”言葉への敏感さ”を語る部分が中盤あたりにあったと思いますが、
それは誰のジャッジなの?肥大した自我・自意識とも言える作者が行っていいのか?と。

また、終盤にガートルード・スタイン女史やピカソの言葉を借りて、
今作の正当性を主張する部分がありますが、だからソレのジャッジは誰が出来るんだと。
ピカソの言う”醜い作品”に、朝ガスが当て嵌まると、誰が言い切れるのでしょうか?
(自分で言うのは違うだろうと)

かつて『読者罵倒』で見せた強烈な罵倒芸の片鱗を見せる部分もありますが
筒井さんてホントに読者嫌いだったんだなぁ・・・。

また、一歩引いて思うのは、現在では作ることの出来ない作品だなーという事です。
現在の”新聞小説”ファンはもっと受け入れてくれないだろうし、
ネット面だと、今のツイッターやFBでやってたら、そりゃもう収拾つかんだろうなぁと。
パソコン通信という、牧歌的なものだったから、ある程度成立してた様な気がします。

とはいうものの、虚数の洞窟と、テーブルを手刀で割るシーンは
今でも変わらず「好きだ」と言える自分もいた。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.10
(5pt)

天才!

流石はSF御三家!この一語に尽きます。
日本SF大賞受賞作品の中で(私も全てに目を通した訳ではありませんが)最も秀逸な作品です。
筒井康隆作品の共通項はどれ程、荒唐無稽な作品であっても若しかしたら有り得るかもと思わせるリアリティーではないかと思います。
そしてそれこそが天才・筒井康隆と凡百なその他のSF作家との絶望的ともいえる実力の差を如実に物語っているでしょう。
文句のつけようが有りません。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.9
(5pt)

最高傑作のひとつ

みなさんのように立派なレビューは書けません。
しかしながら筒井作品の中でも比較的レビューが少ないことに納得がいかず書いています。
時かけ、七瀬、ラゴス、パプリカ等を読んだのならなぜコレを読んでないのか疑問に思います。
笑ったり焦燥感に襲われたり泣いたり、と、めまぐるしい程の感情体験ができます。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.8
(5pt)

スカタン読者にいい薬?

「ご注意願いたいのは、この文章が既に小説の一部であると言うことだ。」

相変わらず人を食った書き出しです。「虚人たち」の解説で著者は小説のルールをからかっている、と言っていましたが、本書のからかいの対象は読者です。当初の触れ込みでは著者が読者の提案を受け入れてストーリーを作っていくという事でした。しかしほとんど建設的提案がなかった(と少なくとも作中からは判断できる)せいか読者の投書は「読者投書の感想会」で取り使われ、しかも終盤ではそれも櫟沢(この作品を書いていると言う設定の人物)が約2回分丸々使って読者の低劣さを罵る(「スカタン投書の言説は人目にさらされて子々孫々まで笑いもの。」)という展開になります。小説が読者を啓蒙する使命があるとするとこれほど直接的な働きかけは無いでしょう。

にしても某宗教関係者の意見も一部理解できます。読者の低劣な罵詈雑言や陳情も著者においしく料理されている感があります。「朝から人妻が操を捨てる話を読まされると、出勤前、または途上の亭主族は妙に落ち着かなくなる。」なんてただの投書なのになかなかナマナマしくていい文章だと思います。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.7
(5pt)

天才 そして 極悪人

インターネット普及前に 現在のネット時代の光と影を予見するような社会実験を行い それを新聞小説という形で発表した、天才にしかできない作品。
小説内の存在である人妻の貞操を巡って 舞台回し(これも虚構の存在)である「作家」が右往左往したり、読者の意見を容れて? 登場人物を大量殺害したり、「読者参加」小説のハチャメチャぶりには大爆笑させられる。
一方で、現在でいうところの「荒らし」の主体を小説内で揶揄したり、読者を罵倒したり、社会実験の全てを小説に巧みに取り込んでいく作者の悪辣ぶりには本当に関心させられる。
筒井さん あんた 本当に食えない極悪人ですなぁ。完全に脱帽。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.6
(5pt)

小説の限界を超えた

新聞連載で、読者参加型の小説です。
「虚構と現実が入り混じり」と書くと割とありきたりに聞こえますが、
ほんとに混じっちゃってます。
終盤あたりは感覚として「本」ではない別のものに思えたくらいです。
筒井作品すべて読んではいないですが、今のところ一番好きな作品です!
お勧めします。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.5
(5pt)

最高の作品。

怪我をして、入院していた時に、この本を読みました。 すごく夢中になったのを覚えています。最初のページから、グイグイひきつけられます。興奮して、体は動かせないのに、体中に力が入りました。退院してからもまた読みました。入院したことは、良くなかったけど、それでこの本に出えたんなら、すこし報われたかと思えたくらいでした。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.4
(5pt)

筒井メタ・フィクションの最高傑作と思ってます

周知のとおり、当作品は新聞連載小説として書かれ、パソコン通信や投書での意見、感想を作品に取り入れていくという実験的な手法で進行します。

 主軸である夫妻の物語、作品内作品としての遊撃隊の物語、無責任で理解の無い投書にいらだつ作家と担当の会話、そして筒井康隆本人などの複数のストーリーが一気に集約していく終盤の展開に、リアルタイムの読者は大興奮でした。

 しかし、文庫版は真鍋画伯による挿絵が収録されていないのが実に残念です。当時は毎日作品の内容に沿って挿絵が描き下ろされており、この作品の見所の一つでした。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.3
(3pt)

まさに実験作

コンピューター・ゲーム『まぼろしの遊撃隊』に熱中する金剛商事常務・貴野原。その美貌の妻聡子は株の投資に失敗し、夫の全財産を抵当に、巨額の負債を作っていた。窮地の聡子を救うため、なんと”まぼろしの遊撃隊”がやってきた! 

かくして債務取立代行のヤクザ達と兵士達の銃撃戦が始まる・・・・・・と粗筋だけ聞けばそう目新しい印象を受けないだろうが、さに非ず。多重虚構構造を設定し、最終的にその「壁」を全て取り払ってしまうという「実験」もさることながら、新聞連載という特性を利用して読者の投書、そしてパソコン通信『電脳筒井線』へのメッセージをも巻き込んだ前代未聞の読者参加小説なのである。

 しかし、アイディアは非常に面白いと思うのだが、内容はそれほどではないと思う。手を広げすぎてストーリーの収拾がつかなくなっているような気がする(筒井作品ってみんなそうじゃん、と思う人もいるかもしれないが、筒井作品はメチャクチャに見えて筋が一本通っているというのが私の持論である)。 少なくとも現在進行形で読むことが出来ない今後の読者にとっては大して魅力的な作品ではないだろう。ただ筒井作品の登場人物たちが随所に出てくるなどサービス精神旺盛な作品なので、筒井ファンにはたまらない作品だろう。第13回日本SF大賞受賞。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.2
(5pt)

筒井康隆、挑戦す。

今では考えがたいことだが、筒井康隆はアサヒ新聞に(!)
小説を連載していたことがあった。
もちろんただの小説であるはずがない。
連載しながらネット会議室や読者の投書を参照し、
展開に反映されるという形式を採ったのだ。
その結果はSFファンからはサロンのシーンが駄目だと言われ、
アサヒの読者からはSFを載せるなと言われ…。
発表当時は色々と気苦労も多かったようだが、
きちんと作品としてまとめてあるのはさすがの一言。
ファンならずとも、SFを毛嫌いしない方ならどうぞ。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343
No.1
(5pt)

読者参加小説

紹介するまでもありませんが、この小説は1991年10月から1992年3月まで、朝日新聞朝刊に連載された小説です。ゲームの世界の人物が現実世界に出現するという超自然的な設定以上に驚かされるのが、この小説の展開が、投書やパソコン通信により読者から寄せられた意見に左右されるという、「読者参加」小説であることです。まさに「筒井ワールド」の新展開と言えます。インターネット全盛の現在ならともかく、単なる双方向通信の時代に、メッセージ数が23,805を数える(「電悩録ー解説にかえて」より引用)という事実はまさに驚異というほかありません。小説上で筒井は、櫟沢という人物に名を変え、筒井とは違う次元で、冷静な判断をくだしていきます。また、ゲーム「まぼろしの遊撃隊」の作者がご存知、時田浩作という設定も筒井ファンにとっては泣かせる話です。小説中で、美貌の人妻貴野原聡子が借金清算のため不倫を働く場面が、読者の要望で変えられてしまうなど、この小説の真髄を見せられます。野性の女性隊員穂高、チャーリー西丸など強烈な個性を発揮する人物も多く、決して途中で退屈することはありません。
朝のガスパール (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 朝のガスパール (新潮文庫)より
4101171343