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(短編集)
名探偵の掟
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名探偵の掟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 41~60 3/4ページ
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「容疑者Xの献身」で本格であるか否かで大論争をおこした作者であるが、本作品を読むとそんなことはあまり気にしていないことがよくわかる。 いや、むしろ「あなたたちがいっている『本格』ってなんですか?」と問いかけているようにも思える。 最終章「名探偵のその後」の最終ページで書かれていることが、ミステリ小説会に対する提言なのだろう。 本作品は、2009年度4月から、テレビ朝日系金曜ナイトドラマの枠でドラマ化される。 この作品がどのように映像化されるのか楽しみだ。 | ||||
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東野圭吾の処女作。新本格派との決別宣言とも言える内容だった。今日、独自路線をひた走る(ように見える)著者だが、じつは本格推理小説にもかなり精通していることがよく判った。密室殺人、時刻表アリバイ、クローズドサークル、童謡殺人、ダイイングメッセージなど推理小説の定石毎に描かれた、全14の話から構成される。本格推理小説を読んだときに必ず覚える違和感を、すべて受け入れてくれるから大変痛快だった。ストーリーは、作中作として事件が起きるような構造、逆に言えば、探偵と警部を主人公にして事件解決までの道のりが展開されつつ、同人物らがそこでのトリックをメタレベルで解説し揶揄する。上手だなと思ったのは、トリックの新規性を対象レベルだけでなく、メタレベルでも扱うこと。とにかく一読に値します。ただ、作中で言及される過去の本格派推理小説を実名で引用して欲しかった。09年春ドラマ化されるとのこと。どう映像化するのか楽しみです。 | ||||
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ミステリー小説のジャンルは、気軽に読める小説として支持され、映像化も含めて大衆化されているが、そのエンタテイメントとしての源泉の探求、発想のオリジナリティに対する読み手、受けて側の敬意と評価が、いかにないがしろにされてきたか、自動化されてきたかというジレンマへの痛烈なアイロニーでありかつ、極上のエンタテイメントに仕上がっている短編小説集である。 | ||||
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よくシリーズ化されたサスペンスドラマを見てると『そんな都合よくいくわけないでしょ?』って突っ込みを入れたくなることってありませんか? この作品を読んで、その思いがいっそう強くなりました。 | ||||
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僕はこれを10年前に単行本で買いました。ちょっとふざけた内容ですが読みやすくて面白くてビックリしました。 当時は東野圭吾が今ほど注目されてなく、書店で東野圭吾フェアなんてありえなかった頃です。タイトル通り、名探偵天下一を中心に本格推理をバカにしてる文章が出てきますがこれは十分本格推理小説です。 確かにパロディすぎると思う人もいるでしょうが、ふざけてるのではなく、内容のない本格推理小説もどきに対する皮肉だと思います。この後の「名探偵の呪縛」を読めば、作者の意図が伝わるハズです。 実はこの本が今をときめく東野圭吾の作品だと知ったのはつい最近、本棚の整理をしていた時でした。そりゃあ売れる作家になるわ・・・と納得です。 | ||||
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本屋でたまたま見かけてガリレオなどで作者のことを知っていたので買いました。 まずプロローグから大爆笑でした。推理小説に対する批判をよく聞いていたので多分この本は推理小説をいちいち批判する人に対するパロディなのだと痛感しました 多分推理小説が好きでよく推理小説を読んでいるがこの本が笑えない人はそういう人なのではないだろうか ただこの本は推理小説を読み過ぎて犯人やトリックを当てたことがあるぐらい推理小説が好きな人しか選ばないかもしれませんので初心者にはオススメ出来ないと思いますがそれでもこの本は一度読んでみる価値はあります | ||||
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本書は、本格推理小説を飾る「密室」や「トリック」、「アリバイ宣言」、「ダイイングメッセージ」など、今では多くの読者にお決まりの「工夫」・「小細工」をめぐって、名探偵と称される天下一大五郎(彼が「密室アレルギー」という点で読者は失笑している)と(本当はそうでないが)脇役の大河原番三警部との軽快でユーモアに満ちたやり取りを踏まえてのある種の「講義録」のように私には思われた。 本書には、既存の推理小説のあり方を作者自身が「メッタ斬る」という姿勢が全面に押し出されるとともに、読者にも本書で扱われている内容を通じて(それらについて)再考してほしいという熱い願望が込められており、大いに読者の「食欲をそそる」内容だ。読者が「試されている」といっても過言ではない。巻末に付されたやや論文的な「解説」(脚注付き)も本書の位置づけや、東野圭吾の作風の変化についての有益な内容を含んでいる。目次をざっとみれば、プロローグからエピローグに至る全12章の内容は、推理小説のモチーフを類型化し、更にそれらについて名探偵と警部が辛辣な意見交換を繰り広げているというプロットそれ自体に読者は心を揺さぶられる。彼らの会話の多くに、私は「腑に落ちる」というか「教えられる」感覚だった。 第5章「アリバイ宣言」に登場する犯人の名前が「蟻場耕作」というのは滑稽で、しかも天下一はその彼が考案した完璧なアリバイトリック崩しを放棄し、犯人から「ちょっと待って下さいよ。ヒントを出しますから」という痛快な展開である。続く第6章で天下一が今度は美人OLに転じているのも面白い。特に本章は現代批評的な趣があった。「最後の選択」で読者は思わず唸るだろう。名探偵を「犯人」にしてしまうという残された唯一の選択肢の意味について。『名探偵の掟』というよりは、『名探偵の宿命』というところか。東野圭吾の「挑発的な」本書は怠惰な読者を覚醒させるに違いない。 | ||||
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むしろ、「本格ミステリ」入門書として読みました。 がちがちの「本格ミステリ」というのがどうも苦手で(お約束ごとが沢山あるイメージ)、それまで敬遠していたのですが、たまたま手に取ったこの文庫のおかげでいろんな「お約束」を学習することができました。 小説としてもすぐれているのですが、探偵小説の解説書としても大変すぐれていると思います。 おかげで、今、ミステリー小説にハマっています。 | ||||
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こういう本が「座右の書」だなんて、ミステリーファンに叱られそうだし、東野圭吾の熱烈なファンには呆れられそうだが、私はいつも手近に置いていて、頭を休めたい時、気分転換したい時に、拾い読みしている。短編集だから、その時の気分に合った話を読めるのも手頃だ。 密室、孤立した別荘、ダイイングメッセージ、アリバイトリック、などなど、いわゆる本格ミステリーの定番の設定をネタに、名探偵・天下一大五郎と、相棒の大河原警部が、事件を解決しつつ、時々、本筋から離れて、「ミステリーの楽屋裏」について、ぼやいたり「登場人物の本音」を言い合う。その「漫才」の部分がとにかく可笑しい。 パロディ精神とユーモアにあふれた、バカバカしい本だが、案外、東野圭吾の本領はこういう所にあるような気もしている。彼はシリアスな大作路線で売れてしまった感があるが、もう一度、本格でなおかつユーモアミステリー、というような作品にも挑戦してほしい。 | ||||
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好きだからこそ意地悪したい。大好きだから茶化したい。作品を発表するごとに、ミステリーの枠を押し広げていく東野氏の、ある意味アブナイ連作短編集。ミステリーという分野を象徴する「密室」「フーダニット」「アリバイ崩し」などのトリックをひとつひとつあげつらい、徹底的にいじり、茶化し、笑いのめす。時代遅れで非現実的な密室殺人は、同じく笑える肩書きをもつ「名探偵」も推理するときは恥ずかしいんだなぁ。「それを言っちゃあおしまいよ」という、ミステリーのタブーに果敢に挑んだ東野氏の勇気と稚気とミステリーへの限りない愛情がひしひしと伝わってくる名作。ミステリーが大好きな人のための最高のプレゼントです。 | ||||
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推理小説の定番,密室殺人,バラバラ殺人,アリバイトリック,童謡をモチーフにした見立て殺人などを徹底的にパロディ化してみせた連作集。 名探偵天下一大五郎と引き立て役の大河原警部の迷コンビの珍妙なやりとりに笑いっぱなし。 そしてこの作品の凄いところは,決してふざけているだけの巷にあふれるパロディもどきとは一線を画し,読者のウラをかく見事などんでん返しと納得のいく真相を描いている事。12の難事件,いずれも粒揃いでハズレなし。まさにパロディの見本帳とでもいうべき傑作集。 | ||||
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本格派としてスタートした作者が、普通小説に移行していく過程で書かれた短編集。内容は本格における様々な「縛り」を意識して、それをパロディ化したもの。扱う題材も密室物、アリバイ崩し等、本格そのもの。自作も意識してか、かなり自虐的な立場で書かれている。しかし、パロディではあるものの一作々々は趣向が凝らされており、本格物として充分に通用する。本格の限界を感じながらも、本格への愛着を捨てきれない作者の心情が汲み取れる作品。ファンとして、本格に戻ってきて欲しいと思うのは私一人ではあるまい。 | ||||
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短編集。ミステリ作者と読者の定番と怠慢を切りまくってくれます。逆にミステリの重箱をつつく評論家やミステリがミステリであるだけで嫌って批判してくる人たちへの揶揄とも読めると思います。 本格書きの東野さんだからこそ痛いところを突いて下さいます。しかし愛ある指摘だと思うので、楽しく読みました。 ポイントは、揶揄するだけでは終わらず本格ミステリ的なひとひねりを最後にきちんと入れてくださっているということ。お流石です。 にやりと笑える感じの捻りですが上手です。 有名探偵からイメージを取ってきたキャラクターなんかもいるので、古典を制覇された方にはピンとくることでしょう(笑) 本格好きさんは、本格ミステリの現状を問い直すにも自分の読み方を問い直すのにいい作品。 解説の言葉をお借りするのなら、「踏み絵的作品」です。これはかなり的を射た解説だったと思います。 | ||||
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ミステリ小説の犯人当てを、 怪しくないからこの人は犯人じゃないなとか、 アリバイがあるからこの人は怪しいとか、 ミステリ小説的にはそうなんだけど、 普通に考えたら、それはおかしいだろうという読み方を していることを自覚している人向けの小説だと思う。 読んでる時は笑えたのだけど、良く考えたらミステリ小説をちゃんと 読んでない自分が見えてくる気がする。自戒の書。 | ||||
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読んでいて思わず、「言えてる~~」とか「うんうん」とうなずいてしまうような本です。本格的な推理小説に疲れたら読んでみてください。 | ||||
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いろんな推理小説を読んだ後に、お勧めの本。思わずニヤリとさせられること請け合いです。作者の推理小説に対する「愛」?を感じました。特に「密室殺人」の回はよかった。アレですよね。 | ||||
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『探偵小説」という舞台を生きなければならない、登場人物たちの悲壮感溢れる喜劇。たとえば、二時間ドラマを見ていて「この人犯人だよね。だって、いつも犯人だもの」とか、「俳優の××が出てる。珍しい!絶対に犯人だよね」なんて会話を交わした経験が誰にでもあると思う。そういう疑惑の対象となっているポイントをコメディタッチで描いたものが『名探偵の掟』である。この話の面白いところは、単なるネタばらしに終わっていないところである。作品中、天下一はあくまで探偵役を貫くし、大河原は間抜けな警部役を必死に勤めている。彼らは、あくまで推理小説のなかの登場人物なのだ。推理小説の現状を皮肉ったり、自分の役柄を嘆き悲しむという登場人物ならではの苦悩には、思わず苦笑いをしてしまう。純粋な推理小説に慣れている人は、頭が慣れるまでは面白いと思えないかもしれない。けれど、読み進めていくうちに、『天下一探偵ワールド』から抜け出せなくなるに違いない。一服したい…そんなときに、お勧めできる一冊です。 | ||||
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推理小説の暗黙の了解、いわゆる「お約束」をパロディの形で笑い飛ばし、同時に批判をしたもの。これを読んでいると、ごく自然に思えた場面設定なども実は非常に不自然だということがわかるし、それを克服した後の落ちも見事で面白い(笑えると言う意味で)。ただ、ある程度、こう言った推理小説を読みなれた人でないと楽しさは半減してしまうだろうし、人によっては「悪ノリが過ぎる」と思うかもしれない。 | ||||
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東野圭吾の作品の中でも好きなものの一つ。本格推理物のパロディとして思わず笑ってしまう作品。肩のこらない読み物として買って損はなし。この種の作品としては、「超殺人事件」もお薦め。 | ||||
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人を食ったような名探偵が登場し、お堅い推理小説を笑い飛ばすかのような衝撃(笑撃)の結末。そんな短編の数々を一冊にまとめたのが本作。これだったら俺でも書けるよ!と思われる方はおられるかもしれません、しかし、これはないよ!金返せ!と思われる方はおられないと思います。なぜならここまで徹底的に推理小説という存在を笑い飛ばされると厭味がなくなり、読み手の気分も爽快になるからです。東野圭吾氏の筆も軽妙洒脱で、私は一晩で完読してしまいました。推理小説というジャンルを超えてすべての人にオススメできる、傑作ギャグミステリーです。長野~大阪間の列車の時刻表トリックは特に衝撃的!! 結末で蒼ざめてください^^ | ||||
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