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坂東蛍子、屋上にて仇敵を待つ
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坂東蛍子、屋上にて仇敵を待つの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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傲岸不遜で高飛車、かつ完璧超人な千代田区の私立高校に通う女子高生・坂東蛍子と、 彼女の周囲で起きる珍奇な出来事を彼女の同級生たちや幼馴染、ぬいぐるみのうさぎたち、 女子中学生兼ヤクザの若頭、ロボット、宇宙人、幽霊そしてテロリストたちの視点で 描かれたアンサンブル・プレイの第二弾。前作同様、舞台を少しずつ変えつつ 三編の連作短編と一編の掌編で構成されている。 『誰がために銃は鳴る 坂東蛍子の国際交流会』 板東蛍子が従兄である松任谷理一に好意を抱いていることが気に食わない女子中学生で ありながら嗜虐的な趣味を持つ極道・黒丈門一家の若頭でもある黒丈門ざらめは理一の 携帯端末から蛍子に偽のメールを送って自分の屋敷におびき寄せるが、その目論見が いつの間にかおかしな方向へと行ってしまい――が序盤のあらすじ。 本章の中心人物の一人として、女子中学生でありながらヤクザの若頭である 黒丈門ざらめの姿が描かれているが、幼稚な人物がそれに見合わぬ力を持つと おかしな事になるという教訓が含まれているのだろうか。そしてなぜ蛍子が コモンウェルス式英語を話すことができるのかという謎は今後回収されるのだろうか。 『闇に鉄砲、雨の月 坂東蛍子、学校の怪談になる』 原因不明によるセキュリティシステムの相次ぐ誤作動により、職員室付近以外の セキュリティシステムが解除された夜の学校に、学校の七不思議の正体を暴くべく 坂東蛍子、藤谷ましろ、生徒会書記である流律子の三人は夜の学校に忍び込む。 そこで彼女たちが遭遇したのは、鈴という少女だった――が冒頭のストーリー。 実はこの学校が黒丈門一家の『フロント企業』ならぬ『フロントスクール』であり、 実は公共施設であることをいいことに校長室が実は査察を逃れるための隠し財産の 宝庫であることが分かるのだが話の本筋はそちらには行かず、四人のおまぬけな 顛末が描かれている。 『ラブレタ・ベレッタ・オペレッタ 坂東蛍子、屋上にて仇敵を待つ』 とあるテロリスト集団が米国での作戦失敗後、今後の活動資金を得るスポンサーを 募るため、都心の学校を占拠する計画を立てる。 一方、蛍子は前章からなぜ自分はジャス子そして『狭山ヶ丘のライオンキング』こと 桐ヶ谷茉莉花(埼玉県所沢市北部出身であることが示唆されている)を嫌悪を しているかを考えていた。その結果、それが同族嫌悪であることを悟った彼女は、 前作の体育祭で敗北したこともあり、相手のフィールドであるタイマンを張ることを 決意する――という掌編。 本章は次章と繋がる話なのでレビューはそちらに。 『テロリスト学校銃撃占拠事件 坂東蛍子に敗北は無し』 蛍子が屋上でタイマン相手である桐ヶ谷茉莉花を待ち続けている間にテロリスト集団が 学校に侵攻してくる。 報道でそれを知った公立校に通う蛍子の幼馴染・結城満そしてロボットのタクミは 彼女の高校へと向かい、蛍子以外の生徒たちは徐々に自分たちが大変なことに 巻き込まれているのではないかと思い始める――というあらすじ。 一言でいえば、「ぼくがかんがえたさいこうのがっこうせんきょテロ」が実行され、 登場人物それぞれが自分自身の考えに従い、奮戦する話となっている。蛍子のみならず、 ひとりずつテロリストを伸していく桐ヶ谷茉莉花や松任谷理一、奪ったトランシーバーで 声を使い分け、制圧されつつあることを悟られないようにしている川内和馬と、 おそらく作者が妄想したであろう展開と制圧方法が綴られていることが分かる。 | ||||
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一巻では,その突拍子もない物語,クセのある言い回しなどにかなり手こずりましたが, 続くこの二巻,心構えがあったとはいえ,そこで切らずに良かったというのが率直な感想. まだまだ気になる点はありますが,ついていけなかった各要素にもある程度の説明が入り, 少なくとも,登場人物や起きていることのだいたいは把握,読みやすさも改善されています. 内容の方も,引き続いての群像劇調に,各章,さらには全体的にも時系列を入り組ませ, このあたりは,著者の鼻息というのか,『仕掛けてやろう感』が少し出過ぎているものの, いくつかの疑問を残し,それを最後に拾う流れは,やや複雑ですがうまくたたまれています. また,コミカルさや賑やかさを見せる中,年ごろの少女たちが抱える葛藤や苛立ちが, 主人公をはじめとし,彼女たちのキャラクタを活かしつつ,丁寧に描かれている印象で, よくある青クサい苦悩と成長の物語ではありますが,こちらもきれいに締められています. | ||||
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