■スポンサードリンク
容疑者Xの献身
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
容疑者Xの献身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全678件 621~640 32/34ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何人かの方も指摘しておられるように、人物造形にはもう一ひねりほしかったというのが正直なところです。 別れた夫の存在も典型的ですし、石神の愛した女性とその娘との親子関係にもそこまで深いものを感じることはできませんでした。 しかしこうした点を忘れさせてしまうほど、事件の背景に隠された石神の純粋なる気持ちを知らされる終盤の描写は圧巻の一言。 この小説の一番の読みどころは理系出身の東野圭吾が巧妙に仕組んだ伏線の数々にあるのではなく、それらを超越する人を愛する気持ちの描写にあるのだと私は思います。 自分ならば愛する人のためにここまで尽くすことができるだろうか。 この本を読んで自分を振り返ってみたときに、石神という人物の純粋さにあらためて気づかされることでしょう。 決して報われる話ではありません。 ただひたすらに悲しく切ないです。 完璧なる論理を超えた、純なる感情に是非触れてみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
TVや新聞などで「素晴らしいミステリー」と高評価を受けているのを目にしたので、読んでみました。 この本の「容疑者Xの献身」というタイトルの意味、そして本の帯に書かれている「純愛が生んだ殺人」の意味を知ったときに哀しくなりました。この本に登場する人たちは、不幸だった・・・というか、何かが少し違っていたらこんな惨劇は起きなかったのになぁという残念な気持ちが拭いきれません。 文章は、さすがは直木賞といった感じで(笑)スッキリとまとめられたとても読みやすい文章です。ところどころにトリックの手がかりとなる部分があるのですが、あまりにもサラッと書いてあったため見落としてしまいました。天才数学教師の完璧なアリバイ、そしてトリック・・・。 この小説はただのミステリー小説ではなく、哀しい純愛も描かれた素晴らしい作品です。買って読む価値はあると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2006年版 このミス1位 2005年 文春ミステリーベスト10 1位 第134回 直木賞 まさに2005年のミステリーを代表する作品。 アパートの隣室でおきた殺人の犯人を守ろうとする天才数学者・石神と物理学者・湯川の頭脳戦という、「本格」の謎解きという要素と、思いを寄せる犯人(女性)のために、見返りを求めずに警察の捜査から彼女を守るというためにアリバイ等を構築する石神の純粋さ、そして、この想いが成就するのか否かなど、ミステリーの枠にとどまらず、幾重にも「面白さ」が仕掛けられている。 本作で、六度目の正直で直木賞を受賞したことから、この作品に対する注目がますます高まると思うが、むしろここまで直木賞を獲っていなかったのが不思議なくらいで、(私見ではあるが)この作品より面白い作品が数多い。未読の方は是非ご堪能頂きたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
半日かからず読み終えた自分にビックリした。 それ程までに「引き付けられる内容」と「無駄のない文章」。 出だしは結末の鍵となるエッセンスが散りばめられ、 中程から後半にかけては大学時代を共にした数学者Xと物理学者湯川の 尊敬し合う深い友情。 後半からラストにかけては容疑者Xの無限(∞)に近い愛。 数学者Xの不器用な愛情表現、愛深き故に自分をおとしめてまでの完璧な犯罪。 物理学者湯川、Xへの尊敬し深い友情がなければ生まれなかった推理。 読みながらも勿論、読み終えてからも涙が出ていた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文句なしにおもしろかった。最後の最後まで、結末が みえない緊張感というか、ハラハラドキドキ感というか、 とにかくラストまで、ぐっと惹きつけられた。 話の構成の確かさ、登場人物の魅力にまいった。 数冊読んだ、著者の本の中では、一番おもしろかったです。 おすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
シンプルな展開をさらっと、いとも簡単に表現し、物語が進むにつれてより深みのあるものに組み立てていく著者の手腕に驚くしかない。 とても読み易く、心地よくページをめくることができ、まさに傑作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2005年ミステリー大賞、あと今年度直木賞受賞と数々の賞を総なめにしているすごい本です。 書いている作家は、あの東野圭吾氏。 東野氏は、この人の書いた作品なら大丈夫だと思われるような ブランド的な本になれるよう、常に心がけながら書いているそうです。 そんな東野氏の一作。これは完璧としかいえない本でした。 でも、こういった好評価受けてる作品は、 読む前に、過剰な期待を持ってしまい、読み終わったあと、少し期待はずれというような物を感じてしまうものですが 読み終わってこれほどの虚無感というか、読み終わって残念っていうのは久しぶりです。 たしかに、どの作品もこんな感情を抱くものですが、 これはすごかった。さすがは直木賞w この本は、最初に犯人が殺人を犯して、それの隠蔽工作をして、探偵役、警察役がどんどんトリックを解いていく というようなありがちな感じかと思っていましたが奥が深い! 自分がトリックがわかったのはラスト50ぺージってところでした。たぶんかなり遅いと思うけどw 本全体に伏線がちりばめられているのですが、それが伏線だと感じとられない良いつくりをしていて、最後になると、それがきれいに使われている。非常に美しく、よく考えられて作られた本だとおもいました。 犯人のトリックは、警察だけでなく読者も思い込みの世界に引きずりこんでいきます。しかもそれだけのトリックをしているのもかかわらず、最後にはきちんと納得させて終わらせていく。 結局登場人物が、全員不幸なままおわっていくのがかわいそうな感じでした。 最後の、数学教師、母娘がかわいそうで、またあの男性(ネタばれなので)もかわいそうでした。みんな不幸なままで、誰一人幸せになれずに終わっていく切ない話でした。 と、ちょっとべた誉め、へたくそなレビューだけど 五つ星!もう文句なしw 6つあげたいくらいですわw。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
漫画のようにツラツラ読めてしまうので、読んでいる最中には、あまり重さを感じなかったが、読み終えた後に涙が止まらなかった。 人が人を想うってどういうことだろう、情が深すぎることは罪なのか、など、いろいろ考えさせられた。 サスペンスの枠では収まりきらない秀作。 東野氏が理系出身で子供の頃は読書嫌いだったという新聞記事を見て、何となく納得した。文章に無駄がなく分かり易い。 うちの小4の息子も読書嫌いで親としては頭が痛いのだが、何年か後に読ませたい一冊だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭の文章はちょっとなじめないものを感じて入り込めなかった。 殺人の動機といいあまり珍しくない展開であったからかもしれない。 だが、この岩のごとき人物が動き始めると、もうぐいぐいひきつけられていく。 愛したものは数学と、その女。 報われぬ愛情の物語には秀作が多い。受け入れられぬ思いに殉じてゆく哀しみが読後に深く浸透していく。 けして自分には手に入れられぬ宿命の相手のために、男はすべてをなげうつ。 物理学者と数学者との一騎打ちのような部分や、互いに尊敬しあい理解しあうかかわりもまた清浄で崇高である。 数学者のつむぐ美しい定理やその解釈はそれはそのまま哲学である。 数学をもっと愛したらよかったと思い切り後悔した。 「理」の持つ沈着さに貫かれているせいか、ダントツ一位の栄誉に輝くミステリにしては迫力は乏しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2005年度のこのミス、文春ミステリーベストワンに輝き、直木賞も獲得した作品。 非常によくできた本格ミステリーだが、人も描けており、その筆力の確かさには唸らずにいられない。タイトルも、これまでの東野圭吾であれば「献身」とでもしそうなところを、いかにもトリッキーな「容疑者Xの献身」としたのは作者の自信の表れという印象を受ける。トリックについては斬新であるが、よく考えれば解けないトリックではないし、気づきのヒントも用意されている。それでも着想の面白さと探偵と犯人のやり取りの凄さ、結末に待っている感動とその余韻はまったくそがれなかった。 ただ、「白夜行」と比べると小粒の感は逃れられない。直木賞という賞の重みと「白夜行」以降の作品の充実度を考えると、東野圭吾はこの作品ではなく、「白夜行」で賞をとっておいて欲しかったと強く思わざるを得ない。「白夜行」にこそ、東野圭吾が描きたかった身を捨てて人を愛する献身のルーツがあると考えるからだ。 それにしても、読み終わってかなりの時間がたった今も、石神の慟哭が耳を離れようとしない。あれは哀しみの慟哭か、それとも悦びの慟哭だったのか… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実は東野圭吾の本は、「秘密」を少し読んだだけでこの本が初だと言っても過言ではありません。 普段あまりミステリーを読まない友人から薦められ読んだのですが・・・文句なしに面白いです! 私は、いくら本の内容がいいといえど堅苦しい語り口や頭が痛くなるような推理小説は苦手なのですが、この小説はアッサリ読めて、かつかなり深いものです。 今日中に読めるか心配でしたが、不思議なことに2時間で半分はゆうに超すことが出来ました…★ 1ページ目をめくったら、後はトントン拍子に進む展開が本当に好きです。 最近の推理物では一番と言わざるえない作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯人である隣人の数学教師が巧妙に警察を欺く様は爽快ではあるが、それ以上にせつなさを感じました。類稀な頭脳を持ち、湯川教授をも唸らせる才能が間違った方向へ進んでいくことがせつなく、そして犯人でありながら、どうにか少しでも幸せを感じて欲しいと思いました。犯人がわかっていながら真実をつかむことは最後まで読まないと判らないこの本は今年最高のミステリー作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
天才数学者の石神。彼は都会の片隅の小さなボロアパートに住み、高校の教師をしている。学校とアパートとの往復だけでなんの楽しみのないような生活をおくっている。しかし彼は、ある難解な数学の公式を解くこととを生きる証として何年も取り組んでいる。そして、秘密に恋心を抱く女性もいた。その恋は、純粋で自分の人生をなげうってでも守りたいものだった。。。そして彼は、事件に自ら巻き込まれていく。 石神の大学時代の同級生として、登場する天才物理学者、湯川。ガリレオシリーズの初の長編作品で、湯川の事件を解決する才能はいかんなく発揮され読み応えある作品になっている。 事件を解決していくおもしろさは、もちろんだが、湯川と石神の天才学者同士の心の模様や、石神の怖いぐらいの純粋な恋心など心理面でも十分楽しめます。 天才のひらめきは、観察眼の鋭さから生まれるのだという印象を受けました。 最後まで一気に読み進みたくなるミステリーです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
殺人事件の主犯隠しをめぐる頭脳戦。 実際に本作品のトリックを使う人はいないと思いますが 浅はかな思い込みを見事に裏切る話の作り方には脱帽。 伏線の張り方も巧妙で単なる風景描写が実はそれであったり… ラストはかなり感動的。 東野作品ならではの魅力溢れる1冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人を想う力。 それが人をどこまで強くさせるか。 そして、そのことだけにどれだけ没頭してしまうのか。 主人公は、倫理観や道徳観を強く兼ね備えているはずなのに、 そんな 「想い」 がストッパーを乗り越えてしまった。 さらに、自分の持つ能力を全力で 「想い」 に傾けてしまった。 そんな主人公の能力と警察との頭脳的攻防。 ページをめくるたびにはらはらさせられる展開。 これは面白い。 ただ、展開が急すぎて話に重みが若干無いかなと思います。 もう少し重厚感をストーリーに含むことができれば もっと面白かったかなと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世にミステリーファンは多い。本作は本格的ミステリーであり、伏線も謎解きも、探偵役のキャラクターも申し分ない。飛躍しすぎて作者のひとりよがりに陥ることなく、みえみえでもなく、安易でもない絶妙な難度のトリック。 また、優秀な頭脳を持った犯人と探偵役とのセリフのやりとりがいい。短く、示唆に満ちている。言葉少ないやり取りの中に、心情の深みを感じさせる。ただ、やはり犯罪はどこか汚れているものだ。探偵役のいう「歯車…」のセリフに、どんなに美しいトリックや心情が背景にあろうとも、曇りのない犯罪などないと思い知らされる。 更に、ボリュームの適度さ。東野ほどの作者ならば、それぞれの人物を掘り下げて描写し、緊迫感のある場面描写を書き込んで2〜3倍のボリュームにすることもできたはず。 だが、あえて一つの事件の謎に焦点を絞り、手に取った者を読ませる気にさせる。そんなそぎ落とされた完成度を感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このミス1位ということで、読んでみました。 評判では、深い純愛とのことだったし、タイトルから推察して、だいたいの結末はなんとなく予想はしていました。ラストのどんでん返しまでは想像できなかったので、さすがにびっくりしました。これほど深い純愛があるのか・・・・ ただ、純愛純愛という割には、なかなかXの秘めたる深い思いは通じてきませんでした。ラストにその経過がちょっとだけ書いてはありましたが、それでここまでのことができるのか・・・?! また、このミスの1位ってことは当然ミステリーなんですが・・・ミステリーとしては今一歩かな?もちろん面白かったけど、もっとびっくりしたかったです。 わたしがこの小説でもっとも感じたことは、純愛的な要素やミステリー的な要素よりも、湯川氏の苦悩やラストのそれぞれの苦悩がひしひしと伝わってきて、こちらも非常に切なく、苦しく、悲しかったということです。ここに関しては、すごくよく書けていると感じました。 最後のページは、あともう1ページ分くらいあるかな?って感じがしてたんですが、唐突に終わった印象を受け、違和感を感じました。例えて言えば、静かに舞台の幕が降りるというより、テレビの電源をブチっと切ったかんじ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小川洋子の「博士の愛した数式」(新潮文庫)を読んだときにも思ったけれど、数学者とは独特な世界観を有している方である。本書に登場する数学者にもある種の美学を感じた。「白夜行」「幻夜」(共に集英社)で東野圭吾氏による緻密なプロットには常々敬服していたが、今回もすごかった。小出しに小出しに真相らしきものが提示されるので、心の準備というか、ある程度の予備知識を持って、クライマックスに直面した。それでもちゃぶ台をひっくり返されるような衝撃を喰らう。信じられない思いと理解力不足がない交ぜとなって、何度もページもめくり直してしまった。著者が描く「真実」の引き出しはとても深い。そしてなんとも切ない。「名探偵ガリレオ」シリーズの一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三冠の冠にふさわしい作品です。 作品のストーリーと本格ミステリーの融合が、これほど成功した作品は、かつてなかったと思います。小説が好きだけど、本格のトリックとか受け付けない、という体質の方でも、じゅうぶんに、楽しめます。それほど、小説としての完成度が高い作品です。登場人物の書き込みにも力をいれており、これが本格ミステリーであることさ忘れてしまうほどです。 そして、もう手垢まみれになったトリックを、ここまで鮮やかににみせる技は、感服するしかありません。 この小説のテーマである『純愛』なのですが、果たしてこれが『純愛』なのかどうかは、読む人によって、意見が分かれるところだと思います。ぜひ、この本を読んで、『真の愛とは』ということを考えてみてはいかがでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
と、大好きな上司に言われました。バツイチでも子持ちでもなく,厄介な前夫もいないので何とも言えないのですが、こんな想われたらうざいかもしれないけれども、でもやはり嬉しいかなと思います。東野圭吾さんの謎解きの面白さもさることながら、数学一筋できた天才教師が鏡に写った自分の姿を恋してから気にしだすところがかわいいなと思います。そんな小さな心理描写を書ききる東野圭吾はやはりすごい! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!