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容疑者Xの献身
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容疑者Xの献身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全678件 241~260 13/34ページ
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この作者の「ガリレオ」シリーズは全部我が家にありますが、読むのは家族で、私は主人公天才物理学者の名前の付け方の安易さが厭で読みませんでした。 しかし、この作品では、主人公より、天才的な頭脳を持ちながら、結局は、高校の数学教師という不遇な日々を送る”石神“の描き方が、精神面も含めて非常に現実味を帯びていて悲しい。これは論理的に生きてきた男の性でもある。作者の描写は成功していると思う。エンターテインメントとして楽しめました。 | ||||
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事件はとある不幸な母と娘が、元夫であり義父であった男を殺害する処から始まります。 犯人と殺害手法は最初に明かされ、 読者は探偵役がいかにして真実に迫るか、 その推理過程を追っていくという形式をとったミステリ。 そして最後に一気に明かされる真実は、 最初に読者が知らされたものから地平線ひとつ、飛び越えた先にあります。 この小説はミステリであると同時に純愛小説ですが、 容疑者Xが本当に愛したのは、女性そのものではなく、やはりどこまでも数学であったのでしょう。 モーターバイクのカーヴが描く軌跡にも数学を見出す容疑者Xが、初めて生身の女性の中に見出した数学の美しさ。 だからこそ、彼女の性格がどうとか、かかわりが薄いとか、そんなことは容疑者Xにとってどうでも良かったのだろうと納得できるのです。 そしてその感覚は、同じように学問に生きている湯川教授にだけ発見され、理解され、保護される。その辺りの切なさも、またお見事です。 一見悲劇に見えるこの結末も、物語後半に示唆される未完成の論文の存在、 「この研究と向き合えるならば、他に何も求めるものはない」 「雑事に時間を奪われることも無く、難問への取り組みだけに没頭できたらどんなに素晴らしいだろう」 とまで容疑者Xが言い切る論文の存在によって、 ひそかに前もって救われている気がします。 容疑者Xは、望まない仕事を捨てて一日中研究に没頭する―――そんな数学への「献身」のためにこそ、身を切るような社会的犠牲を払ったのではないでしょうか。 数学者の、切ないまでの学問への恋を、描いた小説だとも、私は思うのです。 | ||||
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トリック、キャラクター、ストーリー展開、 すべてすばらしいです。 いろいろ議論される点もあるようですが、 ミステリにそんなに詳しくない身としては、 読んだときの印象がすべて。 すばらしく、文句なしです。 | ||||
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『容疑者X』… 犯人は天才数学者でした。 数学を好きだ、というよりも数学を愛し、宇宙すべてのなりたちを数式のフォーマットで捉え、ゆえに《こころ》というものも数式定理に収斂していく…それが、彼の世界やったんやと思います。 それは無味乾燥に見えて、実は完全に調和の取れた、現象界では絶対ありえない観念の世界… 本当の三角形は抽象としてのみしか存在することが、叶わないように《こころ》それから《愛》も、概念にすぎません。 この物語の犯人の失敗は、《愛》を自らの演算機にかけてしまったことにあると思います。 「…ただただ、相手の幸せのみを希う」=「報酬を伴わない100%の献身」=「愛」。 彼にとって至福を成すのは、彼が仮定として、組み立てた「愛」の数式が数式として証明され、完結することに他ならなかったのでしょう… …たったひとつの誤算… 「愛」という感情が生まれ、それが強く相手に指向されたとき、その数式を組み立てるファクターが一本立てではなくなってしまうこと。1+1が2にはならず、果てしなくカオスと化した《何か》を弾き出していく。 数学者は極度のロマンチストだという… この世にありもしない三角形を追い求める彼らは愛も純粋な《かたち》として、ただ《在る》のかもしれない。 | ||||
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エドガー候補になったと聞き、初めて著者の作品を読みました。 サスペンスはあまり読んだことがなかったので、「〜の事件簿」的な簡単にドキドキしながら読める小説かな、などと勝手に想像していたのですが、さすがにそんな安い予想をはるかに凌いでいました。この「事件」のトリックの複雑さがすごいの一言です。 最初の方は淡々と読み進んでいきました。途中から沼に足をとられたようになり、その後は場面場面で予想を簡単に裏切られて、コインランドリーで洗濯物を乾かしている間も読んでいたくらいです。最後の最後まで、「えっ??」と思わせる展開になっています。 全体の文体がクールで読者に感情移入をさせないから、トリックに集中して読むことができました。とはいってもさすがにラストでは涙が出ましたが、それはこの作品のすごさに対する感動の涙だったと思います。 | ||||
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東野圭吾の「容疑者Xの献身」を読了。映画化にもなった大ベストセラーですね。ベストセラーは少し時間を置いてから読むのがよろし。ということで、今になっての読書。先日の出張新幹線の中でかぶりつきで読んでました。作品は上手いミステリーといった趣です。よく構成も練れています。どんどん物語の世界に引きずり込まれました。ミステリーと純愛を絡ませた作品で、どちらの要素も心に響きました。ラストも批判もあるようですが、個人的にはグッときました。いい作品です。 ミステリーはこれ以上書くとネタバレになりますので、このくらいで・・・ いい作品であることには違いありません。損はしませんよ。 | ||||
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今更ながらに読んでみました。 今までの中で、東野圭吾最高作品は「使命と魂のリミット」だったのですが、これを読んだら一番に推したくなりますね。 TVドラマのイメージが先行している感はあるものの、作家の筆力が高いので、イメージを壊さずにその世界観に浸れます。 人物描写明確でそれぞれの説明も簡潔でわかりやすく、トリック系小説が苦手な私でも存分に楽しめました。 小説のなかで 人は時に、健気に生きているだけで誰かを救っていることがある。 という一文があったのですが、私はこの言葉に痺れました。 小説自体は間違いなく面白い。 加えて上記のような言い回しや言葉を見つけられる小説に出会えたことは本当に至福だと思えます。 ガリレオシリーズは、もう旬じゃないかもしれない。 でも、今からでも多くの人たちに読んでほしい小説です。 | ||||
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映画を先に観て、原作を読んだ。 「しびれた」の一言に尽きる。 映画も、よく撮れていた。原作に忠実。 役者もうまい。 映画を見る前に、原作を読んだら、どうだったのか。 その順番に、すれば良かった気も、ちょっとする。 | ||||
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犯人探しのミステリーではない。秘密を隠す容疑者の周到さに驚かされる ミステリーである。 数学に関わる人たち、いや、論理的に考える人たちは、ここまで純粋に考 え、そして行動できるものなのか・・ ビリヤードの「つき玉(白いボール)」だけではなく、つき玉が当たるで あろう別の玉の動きまで支配できる能力。しばし、その能力に酔いしれた。 | ||||
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根が単純な私は、ことごとくトリックにはまりました。 いつも寝る前に本を読むのですが、この本は引き込まれて寝るのを忘れてしまいそうだったので、寝る時間にアラームをかけて読みました。 最後に泣ける結末が待っているということも予想できず、やられました。 久しぶりに本を読んで泣きました。 今までに読んだ東野作品の中でも、特にお勧めしたいです。 | ||||
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当作品は、単なる推理小説ではない。 推理小説としても一級品ではあるが、この作品はその枠にとどまらない。 献身的というよりは、盲信的な愛…を描いた純愛小説とも言えるのだ。 物語は後半まで、比較的淡々と進む。 私は何か釈然としない気持ちでページを捲っていった。 そして、物語の最後ですべてが明らかにされる。 ここに至って、釈然としない気持ちが霧散した。 すべてのトリックはすべて計算ずくであった。 犯行は思いがけないものであった。 作者の作品を読んでいて感心するのは、作品中に無駄な文章がないことである。 当作品にも、無駄な文章は一つもなかった。 「それが、伏線になっていたのか」と叫びだしそうであった。 推理小説マニアなら是非挑戦してほしい。 この作品の「犯人」はだれなのか? | ||||
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以前TVで放送されていた容疑者Xの献身を見て原作に興味を持った。 もちろん内容は同じではあるが、見事な映像化が施されるには 原作がそれだけ充実しており、長すぎず良い作品でなくてはならない。 容疑者Xの献身は高校教師石神がそこまでやるのか?という一般的常識を越えた 行動を取るからこそ驚くと共に愛する人のためにそこまでやるのかと 驚かざるえない。 帯にもあったが、これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。 いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。 事件や本の主旨とは離れるものの数学をなぜ学ぶのかと石神が生徒に 話す場面があり、数学という学問の入り口を知っておくこと、 数学が自分の目に見えない部分でいかに大きな役割を果たしているか など語っているシーンが印象的。数学を学ぶ意味、理由を書いたのは 作者の東野圭吾さんも理系であり読者に伝えたいことがあったのかもしれない。 | ||||
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どうも感情移入できなかったという意味であまり高評価していない人もいるみたいですね。そういうところでは差が出てしまうかもしれません。 主人公の数学教師の持つ感情に一度疑問を持ってしまった人にとっては、そう感じざるを得ない作品と言えるでしょう。 これから読む人がいたら、トリックの行方に注視しながら読んでいくのが一番楽しめると思います。ただそうは言っても、ちょっとこの主人公・・・なんか好きになれませんね | ||||
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一人の不幸な数学者の選択。 言わずと知れた名作です。 4年前に読んで感動したの覚えてます。 さえない高校教師に収まっている天才数学者、石神が隣人の厄介事を手助けする物語。 隣人に対して石神がどういう思いをいただいているか読み進めてくしかりません。 石神が企てた犯罪隠蔽に警察の捜査が迫って、強力な助っ人ガリレオが加わり ここからスリリングな展開に発展していきます。 人生の選択、これは愛なのか、情なのか。 そこに生きる意味を見いだした。 石神の本心やいかに。 ぜひ読んで下さい。 ベストセラー、映画も良し。 東野圭吾のベストと言えます。 「容疑者Xの献身」というタイトルの他があるとすれば、 自分なら「悲しき天才数学者の選択」にしたいです。 | ||||
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東野さんの作品は他にも読みましたがどれも水準以上で読みやすくていいと思います。 なかでもこの「容疑者Xの献身」は素晴らしい。 これほど面白く(可笑しいではありません)感動を与えそして哀しい作品は読んだことが ありません。 推理小説という分野を超えて文学として独立しています。 せつないほどにジンときます。傑作です。 | ||||
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東野圭吾の作品に手を出したのがつい最近で、やっとこの本までたどり着きました。映画などにも成っていると思うのですが、自分は全く関心を示していませんでした。 しかし、なかなか読みごたえもあり、ストーリーも引き込まれるし、どんでん返しもあり、ですごく楽しかったです。 最近の映画は、本にくらべるといまいちな感じがありますが、期待して映画も見てみたくなりました。 | ||||
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普段は推理小説を敬遠していたのですが、周囲の評価の良さにひかれ読みました。 東野圭吾作品も初めて読んだのですが、物語に引き込まれるようにかなりテンポ良く読めました。 直木賞受賞作というのもあり、文章力や話の展開はさすがに評価されるだけのものはあります。 なかでもやはり圧巻なのがトリック、これぞミステリ!あまり読みませんけど(汗) 少し残念なのが、人物描写が弱いと感じられました。 容疑者の献身の動機というのも弱すぎる気がするし、献身される側も存在感自体が薄いように感じられました。 もう少し感情移入できるような登場人物が欲しかった。 | ||||
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日本でいえば、高木彬光 、土屋隆夫から横溝正史まで多くの本格推理小説を読んできたつもりであるが、本作品の発想にはただ敬服する。すばらしいものである。かってこのようなトリックは例をみないからである。高木彬光の傑作「人形はなぜ殺される」「刺青殺人事件」と比べてみても、劣るところはないと断言する。 「入らなければ出られない」 と似た感覚なのだ。 直木賞というものが本作にとって正しい冠なのかは私にはわからない。人間描写に思い入れが出来るかどうかも私にはわからない。 私とすれば、あの数学の天才の思うとおりに物語を終わらせて欲しかったと思うだけである。 この小説は本格推理小説である。 | ||||
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一気に読んで最後にボロボロ泣きました。 でも、この作品も、まずトリックがあり、練りに練ったプロットがあって、それにあわせて登場人物を動かしているのですよね、きっと。 つまり、主人公の献身も純愛も、このトリックを成立させるために書き込まれているのではないでしょうか。 この作品のすごいところは、そこに何の違和感も感じさせず、むしろ大きな魅力になっているところではないでしょうか。 この作者の初期の作品を読むと登場人物をチェスの駒のように動かしている印象があり、人物描写は苦手なのだなと感じましたが、この作品でそういう印象は一掃されました。 | ||||
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この作者の小説は処女作の「放課後」以来、ちんたらした文章が好きになれず、一切読んでなかったが、本書がエドガー賞にノミネートされたっていうことで、読んでみた。面白かった。悔しいけど、面白かった。だらだら文章は好きになれないが、やはりそこは、直木賞受賞作、処女作よりははるかに巧くなっている。 ありそうで結局一切なかった男女間の濡れ場だけど、これが退屈さを生んでしまったのかもしれない。そこは、プロットの展開の」巧妙さで何とか持ちこたえることができた。 エドガー賞については、日本の飲み屋街の状況が、アメリカの批評家諸氏に理解されるのかどうか、細やかな男女間の会話が、きちんと翻訳されているのかどうか、この辺りに尽きるんじゃないかな。テンポが鈍いのも、やたらとページを稼ぐだけの文章が続いたりして、アメリカさんの印象は悪いかも知れない・・・・・。 | ||||
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