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(短編集)

レストア―オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿



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レストア―オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿の評価: 4.33/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

優しい話

レストア(オルゴール修復師)の雪永鋼が主人公だが、鬱病でメンタルクリニックに通っている。対人関係に困難を抱えている。この設定がこの小説の成功の鍵だろう。いろいろな事件に出会うわけだが、自分の鬱病と向かい合いながら、関わり合う人の幸せを願って事件をなんとか解決する。鋼の優しさが伝わってきていい。鋼に惹かれて押し掛け助手になる睦月もいい感じだ。
アンティークオルゴールについては実際に幾つも見たことがあり、意外と音が響いたなあと思い出した。
レストア  オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)より
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No.5:
(5pt)

じっくり読みたい

今は絶版になっているようで手に入らなかったのでこちらで探しました。予想以上にきれいで気持ちよく読めます。
レストア  オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)より
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No.4:
(4pt)

レビュー

総じて面白い物語だと思います。多くの人にとって一読の価値はあるでしょう。
ミステリーとしては、謎や展開に特別な目新しさや過激さがあるわけではないが、むしろそれが売りの一つではないかと思う。たとえば、派手なトリックはあるが犯行動機が人間性を逸脱しかけている作品も存在するだろう(トリックには感心したのに、え? そんな理由で人殺したの? と思ってしまうような)。あえて人間性の部分を大事にしたのが、この作品ではないだろうか。
オルゴールという一種非日常的なものを修理するという行為には、なにがしかの思い出、感情、しがらみなどが当然絡まってくる。この作品は事件や謎という表向きの出来事を解決させると同時に、その裏にまつわる人間的なものを描き出している。それもドロドロの愛憎劇ではなく、日常的な関係からこじれた先に重きをおいているようだ。オルゴールの適度な蘊蓄、一話ごとのふわりとした読後感とともに、主人公の心情が変化していく様など、連作としての面白味も出ている。主要な登場人物にもそれなりの興味を抱くことができた。
難をいうならば、個人的な意見になることをお断りしておくが、締めにあたる五話目がまとめようとして急ぎすぎた感がある。展開がやや不自然というか、ミステリーというジャンルでよくある終盤で畳み掛けるという手法が用いられており、それまでの物語の雰囲気に比して違和感を覚えてしまった。ラストには納得できたので、大きな問題ではないと思うが、それだけに少し残念。
細かな疑問点を挙げれば、あれだけの精神症状を持っている主人公が、朝わりとすんなりベッドから起き上がっていたり、クリニックの先生がお見通しすぎたり、主人公はヒロインと初めの頃に接近した時むしろ不安にならなかったのかなど。気にはなったが、彼の場合はそうだったということなのかもしれない。心の有り様は人によって様々でありますから。しかし、あの欠点の見えないヒロインは主人公のどこを気に入ったのか。それも大きなミステリーですね。
ただ一つ不満なのが、巻末の解説である。初めのほうはオルゴールに関する知識や情報、関連作品の紹介などで読めたのだが、肝心の作品の解説のほうに違和感を覚えた。作品の読了後にせっかく広がった世界をわざわざ小さくまとめなおそうとしているようだ。もっとも本編の前に解説を読んで購入を検討する読者へ向けては、ある程度の説明や煽りめいたものも必要にはなるのだろうが、解説者のくせや偏向が見受けられる。
きちんと鬱と不安神経症という病気を理解しているのか? 病態について正しく伝えるべきところを、上っ面だけなぞって、誤解を与えていないか。鬱病と連呼しているが、二つの病気を混同してはいないか?
物語の余韻を台無しにされるのは良い気分ではない。本編を面白く読んだならなおのことである。
上述のような点を気にされる方には、先に解説を読んでしまうか、読まないか、たっぷり余韻を味わってからにすることをお勧めしたい。
レストア: オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:レストア: オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (光文社文庫)より
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No.3:
(4pt)

太田マジック!

鬱病に苦しみながらオルゴール修復師を続ける雪永鋼がオルゴールにまつわる人々の心までも修復していく。

五つの章に分かれた連作形式で物語は静かに進む。少しづつ明らかになる雪永鋼の過去…雪永に関わる人々の心の傷…

正直言って、途中までは中途半端で盛り上がりに欠けるなと思ったのだが、最終章に一気にやられた。涙、涙。これでもかと言わんばかりの太田マジックに参りました。
レストア: オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:レストア: オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (光文社文庫)より
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No.2:
(4pt)

オルゴールのような人

主人公雪長鋼(はがね)はオルゴール修復師だ。暗い過去のために心の病を患って、愛犬ステラと2人きりで世の中との関わりを避けるようにひっそりと暮らしている。
持ち込まれるオルゴールはアンティークの高価なものから、おもちゃのようなものまでさまざまだが、共通しているのはどのオルゴールにも持ち主の思い入れや思い出が詰まっていることだ。オルゴールの修理を通して、(本人は見たくないのに)見えてくるそれぞれの人生。そして図らずもその依頼主の人生に踏み込んでしまい、オルゴールと共に彼らの心も癒していく。
主人公はオルゴールのように繊細でもろい青年。自分が傷ついているからこそ人の痛みも理解できるし、思いやりも持てるのだ。そのことに本人が気づいていくところが、この小説の読みどころだろう。レストアは魂のレストアもするのだ。(自分の魂も含めて)
レストア  オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)より
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No.1:
(5pt)

誰か私にオルゴールを買って!な〜んて

わざと壊して雪永鋼さんに直してもらったりとか(怒られそうだ)。あと、小樽のオルゴール堂とかそういうところで読んでみたかったり(うるさいかな?)。
どうも「新宿少年探偵団」と「ミステリなふたり」しか読んでいなかったので、ああこういうしっとりものも描けるんだなと、ファンの方からは怒られそうなことを考えました・・・本当に真面目な主人公で、それが「オルゴール」というこれも繊細なイメージとぴったり。本を読むというより、「物語を聴く」というほうがいいかも知れません。考えてみたら、北森さんの骨董品等の探偵とか、京極さんの古本屋の探偵とか、ちょっと違うところではどなたかの作品で絵画修復師とかあったような気がしますが、オルゴール修復師っていうのはありそうでなかったんだなと(私が読んでないだけか?)。
レストア  オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (カッパ・ノベルス)より
4334076300

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