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(短編集)
大癋見警部の事件簿
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大癋見警部の事件簿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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本作品は、読む者を圧倒すること請け合いの傑作としてオススメします。 題名にもなっている大癋見警部ですが、著者の諸作品にも登場しつつも、トンでもない人物。 警視庁捜査一課に所属していながら、事件を解決するつもりは全くなく、ブルドックのような形相のうえ、やたらと部下をどやしつけ、ナルコレプシーという病気のため、捜査中でも眠ってしまう始末。 ところが、ここ数年の事件解決率は100%という恐るべき存在です。 本作品の面白さは、そうした警部のキャラによるところももちろんありますが、本格ミステリの定番を抱腹絶倒の作品に仕上げているところにあります。 本作品は、全部で11の章から構成される短編集ですが、それぞれの題名よりも、題名に付けられた副題の方が本作品の特徴をよく表していると思います。そこで、順に挙げてみますと… 「最初はやっぱりノックス先生」 「神が嘉し給うたアリバイ」 「そろそろここらへんで密室殺人」 「加えてさほど意味のない叙述トリック」 「完全無欠のレッド・へリング」 「ヴァン・ダインの二十則も忘れない」 「後期クィーン問題に対して、登場人物たちが取るべき正しい態度」 「お茶会で特定の人物だけを毒殺する方法」 「二十一世紀本格」 「<見立て>の真相」 「バールストン先攻法にリドル・ストーリー、警察小説、歴史ミステリーおよびトラベルミステリー、さらには多重解決」 本格ミステリファンなら、すぐに読みたくなってしまうのではないでしょうか。 ただし、内容は、それらの題材を真正面から取り上げているのではないことを承知しておいた方がよいでしょう。 ある意味、パロディと呼べるものとなっており、物語の結末には、驚愕より笑いが待っています。 また、本格ミステリの題材を扱っていることをスムーズにストーリー展開させるためか、登場人物たちは、自分たちが本格ミステリの世界の人間であることを知っているのも読んでいて楽しい点です。 例えば、大癋見警部が、捜査会議ばかりで飽きてきたと言うと、ある刑事が、「仕方ありませんよ。倒叙形式とかだったら、ズバリ犯行シーンなどを描いてサスペンス調にもできますが、本格だとどうしても捜査シーンと捜査会議シーンが続くことになります」と答えるというように。 大癋見警部の事件簿と命名された本作品、大癋見自身は、捜査を撹乱するばかりで、その題名が適切なものかは、疑問に思わざるを得ません。 しかし、副題に表されたミステリの題材を思いがけない展開で、爆笑必至の作品に仕上げていることで、本格ミステリが好きな方なら、必ずや楽しめる作品としてオススメです。 | ||||
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ミステリマニアであればあるほど楽しめる、超内輪向け連作集です。どの事件もふざけていて、ミステリに対する考察と分析と愛が溢れていて、とても面白かった。「美人の三姉妹と言えば順に殺されていく。しかも探偵に事件のことで大事な話があるといってその話をする前に殺されるという思わせぶり!」など、ミステリあるあるが満載です。作者はミステリ作家としての実力が折り紙付きなので、ちゃんと凝った事件もあり(ふざけてますが)、密室トリックもあり、全然意味のない叙述トリックもあり、大笑いしながら読み終えました。 …作品内で、真面目に懸命に捜査をする刑事さんの姿になぜかキュンとなりました。ユーモアがあるがゆえに、かえって人間的リアリティがにじみ出ているからでしょうか。 | ||||
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「神泉寺瞬一郎」シリーズのスピンオフ。 全11話+αが収められている。 ミステリではあるのだが、たぶんにメタ的な要素が強く、第15回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)の候補作にもなっているほどだ。かなりミステリを読み込んできたひとでないと大変かも。 ノックスの十戒、レッドヘリング、後期クイーン問題、「見立て」殺人、叙述トリックなどが俎上にあげられ、おちょくられている。 人物造形の楽しさ、脱力するような結末、意表を突いたストーリー展開と、ふつうに読んでもおもしろい一冊ではある。 | ||||
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深水氏の推理短編集だが、以前出た言霊たちの夜系統の完全ギャグ志向のミステリーとなっている。 ノックスの十戒や各ジャンルのミステリーのお約束を敢えて破ったり、ジャンルミステリーのパターンをことさら強調することにより自己言及性の強いパロディミステリーが全編に渡って展開する。 東野圭吾氏の名探偵の掟と同種のアプローチを試みた作品と言える。 ミステリーの読者なら一度は考えたことのあるようなネタが満載で非常に楽しめる。 | ||||
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ミステリのあるあるネタですね。天下一大五郎物のタッチと似ています。 元ミステリマニアとしては非常に楽しめました。 | ||||
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思ってたのと違った〜…。 痛快に「切る」ってそういう切り方ね。 1話ごとは短めです。 ミステリーの常識をがっつり表立ってセリフ内で皮肉っていく話かな。 わたしはつまんなくって途中放棄です。 | ||||
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