(短編集)

雷の季節の終わりに

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評判

雷の季節の終わりにの評価:

4.25/5点 レビュー 95件。 B ランク

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平均点4.25pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全186件 161〜180 9/10ページ
No.26
(4pt)

ベテランのような巧さ、世界を感じさせます

恒川光太郎の第三作品、文庫での最新刊です。
 デビュー作、前作同様に、この世界と微妙に重なり合う異世界を舞台にした幻想小説ですが、あいかわらず巧いです。もう何十年とこの世界で文筆業をしている老成作家のような落ち着きと技巧でこの小説は書き上げられています。才能というのはあるものなのだなぁとこの作家の作品をむと強く思います。
 (同じようなオンリーワンの才能でも、SFの北野優作や、ペダンチックで硬質な佐藤亜紀などと比べたら、ジャンルこそマイナーだけれど受け入れられやすい文体ですし、この人はどこまで伸びていくんだろうなぁと思ったりもします)
 さて。作品のあらすじはというと、今回の舞台は「隠」という異界。この世界では、春夏秋冬に加えて、雷の季節、別名神の季節というものがあります。その期間には雷がなり続け、風が吹きすさび、到底人は外を歩き回れるような状態にありません。加えてこの季節には、神によって連れて行かれる村人も出たりします。その村に姉と弟の二人で暮らしていた少年が今作の主人公なんですが、彼の姉も雷の季節に誰かに連れ去られてしまいます。また、同じ時期に、彼には何ものかが取り憑いてしまいます。はじめは、ただただそこにいて、自分を通して世界を見ている「何か」。それに気付く村人もいれば、気付かない人もいますが、少年はそのことを気にかけており、どこか世界から隔離されているような弾かれているような疎外感を持っています。
 そんな彼の転機になったのは、彼の知人の女の子が行方不明になったこと。その少女は、ある日村からいなくなってしまい杳として行方が知れませんでしたが、ある日、彼はその女の子の幽霊に出会います。。。ここから物語は加速して、過去と現在がうまく繋ぎ合わされていくのですが、その構成が見事で先が気になって一気に読ませます。中盤からだいたいの人物の繋がりは見えてはくるのですが、どうしてそうなっているのか、本当に運命を操っていたのは誰か、などなど気になってしまいます。
 前作前々作同様に、わかりやすい回答があるわけでもなく、明確な世界観があるわけでもないのですが、それがフラストレーションにならずにただただ世界の奥行きを感じさせるのが巧いなぁと思います。当分、作者はこの路線で行くのでしょうが、それでもワンパターンにならずにいけるほどにこの世界は広がりを持っています。物語の器として、いい金脈を恒川光太郎は引き当てたのでしょうね。
 お勧めです。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.25
(5pt)

風わいわいに誘われて

ずっとこの話が終わって欲しくないと思いながら読み進めていました。
風わいわいや陰(おん)の世界をまた続けて欲しいです。
続編が出て欲しいと切に願って止まない一冊です。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.24
(5pt)

本当美しいが似合う

前作「夜市」がもの凄く面白かったので購入。
とても面白かったです。
私の勝手な妄想なんですが、ある意味「夜市」と繋がってる気がしました。
夜市から自分が元居る世界には戻らずに穏に来た気がしましたww
この順番で読めて本当に良かったと思います。
いくつかの物語りが進んでいきじょじょに合流し、最終的には一つにはまる。
本当いい作品だと思います。
おすすめです。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.23
(4pt)

急ぎ足の後半が惜しい

恒川光太郎さんの文章をあまりに美しく、読んでいるとついついこの世にいることを忘れてしまいそうになります。
1973年生まれのまだ若い作家なのだけど、この年齢でこんなに雰囲気のある世界を構築できるなんて素晴らしい!
穏という町の設定も味わい深いし、
風わいわい・闇番・墓町・獅子野・・・次々と現れる不思議な存在に読んでてワクワクします。

けど、「夜市」や「秋の牢獄」に比べるとちょっと荒い感じは否めない。
前半はあくまで穏を舞台にした賢也という少年が中心となる物語なのだけど、途中からそれとは別に茜という少女の物語も描かれます。
こちらは私達の住む現代に似たような世界が舞台なので、
せっかくの幻想的な世界に俗世界的なものが混雑してしまい、なんだかいい雰囲気が損なわれてしまうのです
それだけでなく、このへんから話は意外な展開に転がり、しかも急ぎ足で進んでいくので、
なんだか読者はおいてきぼりを食うような寂しさに襲われそう・・・。
いまひとつ惜しい作品でした。
が、やっぱりこの人の世界観は素晴らしいので、これからの読み続けたい作家です。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.22
(4pt)

引きずり込まれる

「夜市」「秋の牢獄」と独特の世界観で圧倒されたあとで、本書を読みました。
短編でみせた異次元空間へ引っ張る筆力は、この長編にもしっかり生きていて、現代を生きている私たちの知らない世界は本当に存在して、この世にいる自分は実は本当の姿とは違うのでは?とぞっとさせられっぱなしでした。

ただ、スケールが大きいだけに現代との接点を作る手法に少し無理が感じられ、短編ほどにはすっきりしなかった。
しかし、次回作も必ず読むでしょう。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.21
(5pt)

風わいわいに魅了された

独特の世界観の構成は相変わらず
この作品の魅力を言葉で説明するのは難しいですが、
もっともっとこの異世界の物語を読みたいと思いました。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.20
(5pt)

デビュー2作目としては完璧

受賞後第1作目というプレッシャーの中でこれだけのもの書いたのだから、満点でいいと思う。独特の世界観がきちんと隅々まででき上がっていて、とても楽しく読んだ。怖さもわくわく度もちょうどいいぐあいに交じり合って、精一杯書いたことがよくわかる。造語が実に上手なところも見事だ。
 それだけに、3作目が少々トーンダウンしてきていることが気にかかる。もっともっと自由に書かせてやれば、それだけ伸びる作家だと思うのだが。
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4043892020
No.19
(4pt)

作家名で購入できる作家さんです

異世界の美しくもおどろおどろしい世界を描くのがうまいですね。
私的にはツボなので、この著者初の長編は堪能できました。
この著者の作品って、絵になりそうな格闘シーンがチラっと出てくること多いですね。
なんか、ゲームっぽいというか・・・。
まあそういうところ含めて大好きなのですが。
久々にネーム買いする作家さんです。
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4043892020
No.18
(3pt)

一気に読ませてくれます

隠(おん)という、現世とは繋がってはいるが微妙にずれた異世界の町に住む少年の物語。
四季のほかに、神季または雷季という特別な季節の存在する世界。
行方不明の姉、風霊鳥、古くからの因習、殺人事件、墓町。
謎は、闇の向こうからの答えを待っている。

『夜市』第12回日本ホラー小説大賞を受賞した作者、恒川光太郎の長編第2弾です。
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4043892020
No.17
(5pt)

謎の要素が多いミステリホラーとしても傑作

本書のベストセリフ
「性には興味がない。
生殖能力と性欲をセットで失ったのだ。
失ってしまえば、ただそれは、
公平な判断を狂わす不必要な劣情としか思えなくなった」
「20億の針」「寄生獣」「うしおととら」を想起させる傑作。
出来の良いクーンツの雰囲気もある。
不死の敵を如何に封印するか?ネタはタニス・リーにも匹敵する。
これも加えたら誉めすぎだが、
「デビルマン」に通じるイメージもあります。
時制のトリックが見事に炸裂するミステリホラーの傑作、
人称のトリックはやや不完全だが、
「夜市」同様捻ったプロットの意外性に溢れる傑作。
文学の香りも漂う美しい文だが、
難しい漢字や難解な比喩表現は一切使ってないのも素晴しい。
美しいホラーなんだが、エンタメとして
謎の要素が多いミステリとしても傑作。
美しい文が書けるのなら純文学に擦り寄る事も考えるだろうが、
ブンガクとしてのふざけたテクニックは一切使ってない
物語の王道を行く素晴しい小説。
日本一のホラー作家は恒川光太郎でケテーイである。
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4043892020
No.16
(4pt)

美しい文章の魔術

架空の町と、現世での出来事が、いろいろな人の視点から書かれていて
穏という不思議な町の出来事と、現世の話が、平行的に描かれて、後半、重なっていく。

誘導されてるなーと思って読んでると、アレ?と思う意外な結末。
この作家の作品で、今まで、ものすごい悪者っていうのが出てきたのを、
あまり読んだことがなかったのだけれど
この作品には、継母とか、鬼を名乗るトバムネキとか、有力者の息子のナギヒサとか
絶対的な悪者が登場するのだが、それが、理屈抜きに悪すぎて、
得体が知れなくて怖くていい。

あらすじを書きなおしてると、小学生の課題図書みたいだなぁって内容なのに
読んでいて、まったくそんな感じはしない。

何度も同じように褒めてしまうんだけど、やっぱり、文章のせいじゃないかと思う。
美しい文章。

視点を変えて、いろんな方向から書く手法は、わたしも大好きだし
長編も充分面白かったけれど、やはり、夜市や、秋の牢獄くらいの短編が
この作家さんの本領を発揮できるのではないかと思います。
不思議感が、その方が薄れないので。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.15
(4pt)

惜しいーっ!!!

惜しい!惜しいといしか言いようがない。
物語の進め方も無駄がなく、ファンタジーなのにわかりやすい。
細かい描写も抜かりなく想像しながら読み進めるのが楽しかった。
表現が素敵で、伏線の回収も鮮やかだった。個人的に久々100点満点だと思った。
でも、ラストがなぁ〜!!ラスト直前、作者に何があった?
めんどくさくなったの?飽きちゃったの?
最後のほんの数十ページの尻すぼみ、もったいなさすぎる!!
夜市の雰囲気そのまま持続した作者の次回作が気になるところだ。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.14
(5pt)

『穏』への道を探してみたくなりました

ファンタジーなのですが、異空間に存在する街『穏』の慣習や風景を丹念に描写して、本当にこの街があるような気分にさせられました。
この作家さんの優れたところはひとえに描写力があることだと思います。ファンタジーだからこそ細部にこだわりリアリティを醸し出し、絵空事に思わせない説得力。まさに恒川光太郎氏は稀代の伝奇小説家です。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.13
(4pt)

イメージの世界を堪能できたが、、。

「夜市」、「風の古道」に続く、私たちの住む空間から少しずれた空間(私たちからは決して見えない)に暮らす人々の物語。著者の描く空間は、もちろん創作上のものだが、実は今でも日本のどこかにあるのではないか、とそんな気にさせてくれ、気がつけば著者の描く世界の住人の一人になっている自分を発見する。

今回も、穏、雷季、風わいわい、墓町、闇番、鬼衆、と魅力的な設定、登場人物により飽きさせない。プロットも主人公の物語に、姉の失踪の話、鬼衆の話が、時間、空間をこえて進み、前二作より複雑な構造になっている。主人公が「穏」を出るまでの前半は、「夜市」にもあった幻想的な妖しさをもつ、イメージの世界を十分堪能できる。しかし、主人公が「風わいわい」と一緒に「穏」から逃走する後半は、現代社会が投影されすぎている感じがして、前二作ほど「異空間で遊ぶ」ことはできなかった。

ただ、次作も是非読んでみたいと思わせる作品にはかわりはない。
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4043892020
No.12
(5pt)

隠れ里『穏』

ミステリーの構造を借りた、異世界伝奇小説である。ストーリーの整合性が高く、ストンと腑に落ちる。「風の古道」の世界観を、精密に練り上げた感じである。この世とは違う条理で、幸せとか因習とか地縁などをひもといているように思える。

 「穂高」や「遼雲」などの人名や、「風わいわい」「獅子野」「鬼衆」など、一風変わった名詞群が『穏』の世界を形作っている。隠れ里『穏』の素朴さが、不思議と懐かしい。
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4043892020
No.11
(5pt)

『夜市』から骨子をしっかりさせた第2作

デビュー作『夜市』の幻想的な美しさから、書き下ろしの第2作は骨子がしっかりした作品になった。

地図に載らない穏を舞台に、ラストに向けて複線となる前半は、ケンヤを中心にゆっくりと進む。

後半あかねが出てきてからは、ケンヤと交互に絡ませながら、歪んでゆく空間にも重なりながら、

物語の全体像を浮き掘りにしてゆく。

その仕掛けにラストは一気に読める。

今回はその骨子をしっかり練った為か、『夜市』にあった叙情的な美しさは無い。

そこが『夜市』に魅せられていただけに残念だった。
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4043892020
No.10
(3pt)

常野物語の二番煎じ?

この作者の作品は初めてですが、非常に面白く読めました。

ただ、3分の2くらいを読み終わってもようやく主人公が旅立つ場面にたどり着いたくらいで、

起承転結の「承」がずっと続いたような印象があります。

そして最終章のあたりの数ページでいきなり転・結という流れだったので「あれ?」と肩透かしをくらったような…

(もちろん物語はリンクしているので転・結が最後だけ、ということはないのですが

盛り上がるべき敵との対峙シーンがあれだけって…)

主人公の姉に関しての伏線は非常に上手く、後半で彼女と主人公の関わりが明らかになる部分は

あまりの意外さに唸ってしまいました。

そして大渡さんが主人公を送るシーンで泣いた…

ただ、非常に設定が似ている恩田陸さんの「常野物語」シリーズを先に読んでいたために

二番煎じのような印象を受けたのも事実。

さらに常野物語ほどキャラクターや設定に深みがないので、読み応えとしてはかなり物足りなかった。

でもデビュー二作目にしてこの力量なので、個人的に今後が楽しみな作家さんです。

デビュー作「夜市」も読んでみようと思います。
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4043892020
No.9
(5pt)

力がある

作者が今、沖縄に住まれてると書いてあり、イメージがぱぁーっと広がりました。石垣の感じとか、うんうんわかるかも。風わいわいと言う生きもの、闇番という職業、ホント、魅力的な作品です。夜市がおもしろかったから、手に取った作品なんですが、期待を裏切りません。もっと読みたい、次作も必ず読みます。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.8
(5pt)

実力があるからこその作品

前作を高く評価しましたが、飽くまでも作品をであって、作者を気に入ったからの評価ではなかったつもりだった。
今作が店頭に並んだ時に思わず手が延びたのは、やっぱり作者の作風が凄く気に入ったからなんだと今にしては思う。
さて、作品については触れないが、本当に実力が無くては、受賞後第一作で、ここまでの完成度は、無理だと思える世界観を見事に作り上げている。とだけは言いたい。
後半がはしょっている感じがしないでもないが、長編として上手く纏めている。既に数百の作品を書いた事があるかのような、こなれた感が漂っている筆致には感心するばかり。
基本的に文庫しか購入しない私だが、この作品も前作と同じ単行本で、本棚に並んでいる。
単行本の値段が高いと感じたら、文庫になるまで待って良いのではないだろうか。
とは言え、是非読んで貰いたい、お勧めの作品である。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.7
(4pt)

絵画あるいは映像的な想像力

ファンタジーだわな。世界観というよりも絵画的な世界だと思う。ストーリーも重要ではあるが、それよりは絵画あるいは映像的な想像力をかきたてられることが、この作品の根幹であり、読み応えだ。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫) Amazon書評・レビュー: 雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020