■スポンサードリンク
(短編集)
ランクA病院の愉悦(ガンコロリン)
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ランクA病院の愉悦(ガンコロリン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
その後の渡海、東日本大震災時の速水が登場する。海堂作品では硬派なキャラが好きなので短編ではあるが再び彼らの動向が知れて嬉しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近未来の医療現場の短編集です。作者も自覚してるみたいだけど、表現が助長で回りくどく感じることはある。けど、「ガンコロリン」と「ランクA病院の愉悦」は考えさせられた。とくに、最後の「ランクA病院の愉悦」 医療現場の話だけど、メッセージは日本や資本主義の進む先への警告。それがオモシロおかしく描かれている。資本主義では経済的に成長し続けないといけないし、資本家のために「情報」は流れるし、「ルール」も作られる。どんな業界でもお金がある人のほうが選択肢は多い。そうやって進んで行く日本の医療現場フィクション。 作者曰く、「私は愛国者なので日本にワクチンを売っておきたいと考えている。」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂尊『ランクA病院の愉悦』(新潮文庫、2016年)は医療小説の短編集である。『ガンコロリン』を改題した文庫本である。 「緑剥樹の下で」は『ブラックペアン1988』の渡海征一郎のその後が描かれる。テレビドラマ『ブラックペアン』で二宮和也が演じて話題になったキャラクターである。『モルフェウスの領域』で日比野涼子の回想シーンで渡海らしい人物が登場していたが、やはり渡海だったのだろう。 渡海は「医療が壊れたら住民は大変な思いをする。政治と医療を分離しなければ、民は滅びてしまう」(85頁)。これはスカラムーシュの医療庁構想にも重なる。政治が医療に横槍を入れることへの著者の憤懣が感じられる。 著者は後書きでも以下のように書いている。「いいものをいじり回してダメにしてしまうのは官僚の習い性だ。官僚の意識には、病で苦しむ患者を救おうという、一番大切な気持ちがすっぽり欠けているように思えてならない」(237頁) 「被災地の空へ」は『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水晃一が主人公である。傲岸不遜なイメージのある速水であったが、ここでは学ぶ人になっている。 「ランクA病院の愉悦」は医療格差が進む近未来の日本を描く。病院はランクA、ランクB、ランクCと料金によって分けられる。ランクC病院は人工知能による診断しかしない。この人工知能も近年話題の機械学習のレベルではなく、if文で実装する単純なレベルである。 低所得者は、このランクC病院しか事実上受診できない。格差社会のディストピアを描く作品と想像したが、良い意味で裏切られた。価格と品質が比例するというような浅ましい拝金主義への批判になっていた。ただ価格が高いだけのサービスには意味がない。 この作品では病院のランク制はTPPのようなグローバリゼーションによって起きたとされるが、その問題は競争が起きていないことにある。競争がないから低レベルのサービスになる。むしろ市場原理を活かすことが制度設計に大切であると感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特に「ランクA病院の愉悦」が気に入ってます 近い将来このような形になるのかも知れないなぁと 妙にリアルなストーリーに納得したりして・・・ 医療問題も色々深刻だなと思いました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ランクA病院の愉悦・・・は、近未来の医療を描いたようで 興味深い。 ますます医療の経済格差が広がって、持たざる者は ATMのような機械で診察を受け(画面を見て 症状のボタンを押していく。あと指示に従っていく。)最後に薬が機械から出てくる。 医師との接触はないが、一番安価な診療である。 一方、 高級な病院では、美男美女の医師がそろっており 患者は選ぶことが出来たり、美人なナースが痛みの緩和のために歌を綺麗な声で歌ってくれたり・・・医療プラス おもてなしサービスのような?そんなことが繰り広げられている。ただし支払う医療費はべらぼうに高い。 こんなことになっていったら嫌だな・・・と思う一方、人口知能の活躍もあり これに近い状況にじょじょにじょじょに近づいていくのではと、本当のところ心配だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アガピとセイは嬉しかった。 少し書評とは違いますが、 海堂氏のあとがきにある、 『全作品をリンクさせるのにも飽きた』 との言葉は聞きたくなかった。 いま最高に盛り上がって、残りの全作品を網羅するつもりなのに、肝心の作者から、ハシゴをはずされた気分です。 つてゆうか、桜宮サーガはもう完結したのですか?既刊の作品すべて読み終えるまであと5冊くらいなのですが、どうなのでしょう? 飽きたってことは、永遠の未完のまま、終わったかどうかを、うやむやにさせているのですか? スカラムーシュでビシッと終わったのですか? どなたか教えてください。悲しい… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ランクABCという病院での医療格差妄想潜入取材ランクAがいいな看護師婦美人だよな病院も綺麗な施設さーーどちらかと問いますなんか今のご時勢を医療格差医療費の問題を考えさせられた | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
厚生労働省の最上階レストラン「星・空・夜」を根城とする、あの人や、 ドクター・ミヒャエル、別宮葉子、浪速の菊間開業医、速水晃一、五條郁美、 満島などなど、見覚えのある人物が、それぞれの持ち場で、個性を発揮している。 コミカルに描きつつ、辛辣に、深刻に、現在から未来への日本の医療が描かれ、 笑いながらも、予想・予測される未来を変える手段を持っているのか、と、 回避策の想定を模索した。 おまけのあとがきに、著者の2016年4月の状況が描かれているので、ファンは必読か…。 2時間前後。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
五編からなる短編集です。 それぞれの作品は「医療」をテーマにしていますが、ユーモアたっぷりに、ちょっと誇張しながら描かれています。 しかし、そうした可笑しさの中に、非常に深刻な問題が提起されている様に思えます。 五編ともそれぞれに味があっていいのですが、なかでも「ガンコロリン」「ランクA病院の愉悦」が気に入りました。 「ガンコロリン」は、ガンの特効薬が見つかる話なのですが、これによって外科医の仕事が減ってしまい、世の中から外科医がほとんどいなくなってしまいます。 最後には、地球がこの薬の耐性を持つガンを生み出し、外科医がいなくなった人間は対応ができなくなっているという「落ち」になっています。 「ランクA病院の愉悦」は、もっと「怖い」作品になっています。 病院が、ランクA・サンクB・ランクCと言う三ランクに分けられ、医療格差が大きく表面化した時代の話です。 ランクCの作家である主人公は、ロボット相手に問診を受け処方箋をもらいます。 次に、違いを取材するためにランクAの病院へ行きます。 こちらは、全く雲泥の差と言える素晴らしい対応で診療を受けます。 ところが、帰り際に後ろから覗くと、医者はランクCのロボットを使って診療していたという「落ち」です。 いずれの作品も、極端な誇張があるとは言うものの、医療のある一面をとらえているのではないでしょうか。 作品の素晴らしさと同時に、医療の抱える問題点を窺い知ることのできる作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
未来の医療の姿を喜劇風に描いた短編3作品と、渡海や速水が登場するややシリアスなエピソード2作品が、 交互に配置され、とてもバランスがよく想像以上に楽しめました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本の状態は、新品同様で充分期待に応えるものでした。 有り難う御座いました。 この状態の本でしたら、また頼みたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ガンコロリン」とは変人教授が開発した癌の特効薬、内服するだけで進行癌が治るばかりか、その発生も完全に予防できるという夢が現実になる。それを巡って、厚生労働省、製薬会社、医師会、とりわけ手術が激減するため失職する外科医たちなどのドタバタぶりがが描き出される。他にスーパー厚生官僚が登場する「健康増進モデル事業」、内戦下のアフリカ小国での日本人医師を描く「緑剥樹の下で」、東日本大震災で災害救急におなじみの極北救命救急センターの速水らが活躍する「被災地の空へ」、TPPで日本の医療が米国保険業界というハゲタカどもに売り渡されてしまった後の哀しいまでの格差医療の実態を描いた「ランクA病院の愉悦」が収載されている。いずれも「小説新潮」や「小説現代」に掲載された短編で、それなりに楽しく読めるが、空想科学小説とはいえ、現在の医療の矛盾がさらに拡大して、近未来にそれに近いような状況が生じる可能性が皆無とは言えないことに恐ろしさを感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂尊氏の短編5編を収めた本です。著者らしく、どの話も医療・医薬品に関連した話です。 (a) 5編のうち、やや硬派なタッチの話は「被災地の空へ」が挙げられます。災害時の救命救急医の姿を短編の中で描いています。 (b) 「緑剥樹の下で」も独特の味わいのある、いい作品です。ネタバレになるので内容は書きませんが、印象深い作品です。 (c) 「健康増進モデル事業」「ガンコロリン」「ランクA病院の愉悦」は、どこか星新一の作品を思わせるような近未来SF的なタッチの作品です。どれも表面的にはコミカルな色彩を帯びながらも、深いところでは「今の医療行政が続けばこんなふうになりますよ」的なシニカルな深い内容を蔵しています。 以上のとおり、多彩なタッチの作品が読める本です。 そして、スラスラ読める、けっこう楽しんで読める本なのに考えさせられるという、なかなか面白い本だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂尊氏による短編集 一般的には、長編小説の方に人気がある感じですが、短編は短編でまた魅力的です。 過去の短編には、次の長編に関する仕掛けがされている場合があるので、そういうところも気にして読むのもいいかもしれません。 個人的には、「緑剥樹の下で」医師 渡海のアフリカ奮闘記で、楽しめました。これが次の長編になればかなり楽しいかもと期待させられます。 「被災地の空へ」医師 速水の奮闘記 災害救助の難しさを医師の側から取り上げた作品。近年の自然災害で批判されることがある救助ですが、マニュアルだけではどうにもならないことをするどく描いています。 是非、お読みください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂尊先生は一番好きな作家です。だからどんな作品も手に入れています。それなりに面白い短編集ですが,物足りなさを感じました。「アクアマリン」と「スカラムーシュ」に期待します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作家海堂尊の短編集がでたと言うことで早速読んでみました。小気味良い文章というか、さくさくと読んでしまいました。一つだけ以外。 特に表題になっているガンコロリン、なんか作者があまり読まなかったと言う星新一を思い出させるような感じで。医療だけじゃないですけどこっちを立てればあっちが立たず、と言うことなんでしょうか。まあ、ガンだけが病気ではないし。本当言うとガンよりも『認知症コロリン』を開発して欲しいと思うのは自分の職業柄でしょうか。 そして健康増進モデル事業、ちょこっとだけ小太りのあの人がでてきますね〜。相変わらずの投げっぷりに納得。そして厚生労働省の人々が最高に面白いです。この2本が特に面白かったですね。 ちょっと今ひとつだったのは被災地の話。速水先生を出してくれたのは嬉しかったのですが・・・。花巻にとんだ彼らを待ち受けていた人の訛りの表現が・・・。あれではなんとなく東北ではなく茨城県?ってかんじでした。被災地ど真ん中にいたものとしてはちょっと物足りなかったですね。その中で物足りない思いをして考えを少しずつ柔軟にされていく速水先生と言うところを読んで行けばいいのかな、と思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
探偵はでてこないけど、何処かで誰かとつながっている海堂パワー全開です。一気に読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
医療に関わる近未来的な題材を短編にしたためた本 海堂 尊というと、心に秘めた強烈な批判と、これまた特徴のある 個性的なキャラクターの小説が多いように私は感じているのですが 短編なせいか、両方ともあまり感じられませんでした。 掲載されているのは、 −健康増進モデル事業: 健康体になるために、治療以外のあらゆる手段で健康に なってゆく短編 −緑剥樹の下で: ある迷信が残っているような内戦で疲弊した町で医療とも、 教育ともつかない活動をつづける主人公を追った作品 −ガンコロリン: ガンの画期的治療薬兼予防薬に関わるひきこもごもな どたばた劇を扱った作品 −被災地の空へ: 大地震が発生した都市へ緊急医療をと、いき込んだ医師と 実際のギャップを扱った作品 −ランクA病院の愉悦: 近未来、医療がお金によって質が変わる世界で 最低限の「ランクC病院」と最高の「ランクA病院」を扱った短編 短編でもあるので、登場人物はそんなに特徴ある個性派はないです。 これまでの作品からの流用もサンザシ薬品とか、桜宮市とかはあるのですが まぁ、これまでの作品をしらなくても読める内容です。 医療を扱った近未来作品で、ちょっとだけSF的、すこしどたばた(健康増進モデル事業、ガンコロリン) そして、少しまじめ(緑剥樹の下で、被災地の空へ)と色々な側面が読めて面白かったです。 私は、大変な地域で活動する医師を扱った「緑剥樹の下で」と、 ちょっとしたドタバタ劇「ガンコロリン」がおもしろかったです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海堂尊の著書は、すべて読んでいます。新書なのですぐに購入、しかし、短編より長編を望みます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画化もされた「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」などでお馴染みの、医師で作家の海堂尊による短編集だ。 「健康増進モデル事業」――完全な健康体を作り出す国家プロジェクトに選ばれた木佐。彼のストレスを取り除くべく、厚生労働省により上司は更迭され、競合他社を出し抜き、木佐はとんとん拍子に出世した。そんな彼に悲劇が――国家権力振り回される会社と従業員が面白くもあり、悲しくもある。 「緑剥樹の下で」――内乱で荒廃したノルガ王国で、非科学的な習慣と対峙するセイ。彼は王子の命を救うために全力を尽くすが――少しもの悲しいお話。 「ガンコロリン」――飲むだけで癌を抑制できる夢の新薬が発明された。長編シリーズでもお馴染みのサンザシ薬品が商品名「ガンコロリン」として販売開始。サンザシ薬品の株価は急騰、発見者はノーベル賞を受賞し、日本の医療構造まで変わった。しかし20年後に悲劇が訪れる――外科医療をよく知る作者ならではの痛烈な近未来SF。 「被災地の空へ」――東北地方で大地震が発生。ジェネラルルージュこと速水は現地に駆けつけるが、救護所にやって来るのは軽傷者と溺死体ばかり。取り残された医療機関からの患者搬送が必要であることに気づいた速水は、全国のドクターヘリに招集をかけるが――速水という男の生き様は、長編シリーズも合わせて読むと、より楽しめる。 「ランクA病院の愉悦」――TPP導入で自由診療になった。医療機関は、受診料が安いランクCから高いランクAまでに分類。片頭痛に悩まされている作家の終田は、ふとしたことからランクC病院とランクA病院の取材をすることに。ランクCの診療はロボットが行うが、ランクA病院の医療サービスは――“長いものに巻かれない”海堂節が炸裂する。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!