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(短編集)
ランクA病院の愉悦(ガンコロリン)
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ランクA病院の愉悦(ガンコロリン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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医療に関する行政の取り組みについて 皮肉たっぷりに批判をこめた、軽い感じの短編が、 著者の馴染みの登場人物が出てこない2作品、殆んど出てこない1作品。 やや真面目な雰囲気の2作品にはジェネラルの現在と 『ブラック・ペアン』と『モルフェウスの領域』と『チーム・バチスタの栄光』 をつなぐ人物が描かれています。 軽い調子の話はまともに描いたら重くなり過ぎるから、 かもしれませんが、 もうちょっと話の練りようはあったように感じます。 真面目な二作品も以前の著者ならもうちょっと作り込んでくれたはず。 軽くどんどん読めてしまいます。 医療の裏側を垣間見るには悪くない著作集だとは思います。 今後の期待を込めてやや辛めの評価としました。 | ||||
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がんの予防・特効薬や医療格差などを描いた、医療に関する5つの短編集。 奇抜な発想でよく考えられていると思うが、全体的に冗長的で内容が薄くて物足りなかったのが残念だった。 個人的には「ガンコロリン」と「ランクA病院の愉悦」が印象的だった。 「ガンコロリン」は医学の進歩によりがんの予防・特効薬が開発される話。医療費の削減が期待でいる一方、外科手術の激減に伴う外科医の消失。医学がどんなに進歩しても人は必ず死ぬ。医療と病気の果てしない闘いは決して終わらないことを改めて感じた。 「ランクA病院の愉悦」は、お金の有無によって受けられる病院に格差が生じた世界の話。お金がない患者はランクC病院のATMのような機械で診断されただ薬を処方されるだけ。お金がある患者は高層ビルで受付嬢がいるランクA病院にて、美人の医師、看護師の診察が受けられる。しかし、ランクA病院には驚きの実態があった。この話は機器に頼ってのみ診察、処方を行う現代の医者に対する問題提起かなと思った。 | ||||
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表題の「ガンコロリン」他5篇の短編作品からなる一冊。いずれも2010年から2013年にかけて「小説新潮」や「小説現代」に掲載されたものをまとめたものだ。 切れ味のよい短編なればこそ、却って著者の「医」に対する基本姿勢や死生観、ひいては人生観や自然観に至る精神性が雑味を抜いた姿でくっきりと浮かび上がる。もとい、その奥深い真実を抽出せんがために敢えて短編のスタイルをとり、様々な前提条件を脇へ押しやったところで、あり得ると言えばあり得るが、しかし、すんでであり得ない仮想設定を広げて見せる。アイロニーとシニック、斜に構えて白目剥いて、笑えないほどに、ここまで笑かそうとする。 まあまあ、いいではないか、屁理屈こねず、口答えせず、馬鹿馬鹿しい展開に流されてみようではないか! 身を捨てて浮かぶ瀬もあると言う如く、怒涛のような「奇想」の中に、読むほどに浮き彫りに浮かび上がってくる毛色の違う一筋に目が引きつけられる。その色合いの違いの真実は思いの外ズシッと腑に落ちる。時として消化不良に悩むほどに。 件の馴染の登場人物の見慣れた後ろ姿がチラリ見えたりして「あ、知ってる、知ってる」など反応できる優越感も心地よい。 「ん? これ誰だっけ!?」に突き当ったら、後発の「カレイドスコープの箱庭」の巻末の「海堂作品一覧及び相関網羅総字引?」を引いてみるのも一興。「もしかして、これって次回作? 次々回作の予告か?」と閃いたりしたら、それこそ海堂作品の「おっかけ」にとっては本望本懐ではあろう。 なにはともあれ、海堂本筋「街道?」をゆく果てしもない旅路の、結構な茶店、あるいは宿場には違いない。ゆるりと休まれるがよかろう。 | ||||
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