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キャッツ・アイ
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キャッツ・アイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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ソーンダイクものの長編である『The Cat's Eye』の翻訳。1923年に発表されたものだ。 1929年に近藤経一訳で『猫目石』として出ているが、大幅な抄訳であり、全訳はこれが初めて。 論理や構成の緻密さに驚かされるタイプの探偵小説だ。ソーンダイクの真相を隅々まできっちり見通す目がすごい。 フリーマンお得意のヴィクトリア時代がかった恋愛をからめる手法も健在。 広く読者を満足させる一冊だろう。 | ||||
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およそ百年前に書かれた英国ミステリの珠玉作。スリリングな展開で繰り出される謎また謎が、最後にパズルピースがピタッとはまるように見事に解き明かされるのは誠に爽快。さすが古典と呼ばれる作品だけのことはある。 本書は1923年(大正12年)の刊行であり、約100年前のロンドンが生き生きと描かれている。郊外風景の美しさなど今日のイギリスにも受け継がれているものもあるが、こと犯罪捜査については大きく異なっている。 まず警察がまったく信用されていない。ホームズもそうだが、ソーンダイク博士もまったく警察を信頼しておらず、助手が犯罪現場から証拠品をガメてきたら「よくやった!」と誉める始末(現代日本ならば証拠隠滅罪で逮捕される?)。刑事ドラマで「現場保存」を叩き込まれている現代日本人の感覚からすると「なんという蛮行」と言うしかないのだが、「鑑識」という概念も組織もなかった当時の警察の力量からすると、証拠品は博士が持っていた方がいいのだろう(少なくとも当時の読者はそう思っていたはず。)さらには、毒殺未遂事件に立ち会ったにもかかわらず、それを通報しないというのもすごい。(それも当時としてはそんなに不自然なことではなかったのだろう。)こういう小さな驚きも楽しみながら、謎解きを楽しんでいただきたい。決して、ソーンダイク博士の実験室が「高校の化学部ていどじゃん」などと思わないこと!この分野、100年でメチャクチャ進歩したんやなぁと感慨に耽るのが正しい鑑賞態度である。 | ||||
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