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(アンソロジー)
江戸迷宮―異形コレクション
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江戸迷宮―異形コレクションの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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異形コレクションは編者の方も作家さんも、どれを取っても非常にいい仕事をされていますが、どうしても個人の好みから、イマイチだったなと思うものとすばらしいと感じるものに分かれてきます。その中でもこの江戸迷宮ははずれがなく、どの短編も大変よかったです。 みなさん、時代物ということを意識されるのか、普段、線の細いきれいきれいなお話を書いておられる作家さんも、少々ぶっとんだ伝奇物を書かれている方の作品も、どれもなかなか重厚で、時代考証や構成のしっかりした読み応えある短編に仕上がっており、ひとつを読むとその世界から抜け出たくなくて、次を続けて読むのがもったいないほどでした。時代小説を読むのが好きで、「なに?江戸物でも怪奇幻想小説?」と思って避けておられた方の鑑賞にも十分耐えうると思います。それぞれの作家さんの他の作品も読んでみたくなります。おすすめです。 | ||||
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“江戸”という時代、“江戸”という都市に、「異形コレクション」のホラー・アンソロジーがこれほどフィットするとは思っていませんでした。読みごたえのある短篇が多く、今まで読んだ「異形コレクション」シリーズのなかでは、『時間怪談―異形コレクション〈10〉 (広済堂文庫)』に勝るとも劣らない一、二の面白さ。大満足の一冊でした。 収録作品は、以下のとおり。 中島 要(なかじま かなめ)「かくれ鬼」 朝松 健「黒■(しい)」 ■の部分、字が出ません。生の下に目と書く一字が入ります。 竹河 聖「振り向いた女」 平谷美樹(ひらや よしき)「萩供養」 長島槇子(ながしま まきこ)「雛妓(おしゃく)」 倉阪鬼一郎(くらさか きいちろう)「常世舟(とこよぶね)」 薄井ゆうじ「彫物師甚三郎首生娘(ほりものしじんざぶろうくびのきむすめ)」 平山夢明(ひらやま ゆめあき)「異聞耳算用──其の弐」 入江鳩斎(いりえ きゅうさい)・作、菊地秀行・訳「江戸珍鬼草子」 石川英輔「大江戸百物語」 タタツシンイチ「風神(ふうじん)」 井上雅彦「笹色紅(ささいろべに)」 佐々木ゆう「鉢頭摩(はちずま)」 藤 水名子(ふじ みなこ)「闇に走る」 森 真沙子「定信(さだのぶ)公始末」 岡田秀文「泡影」 加門七海(かもん ななみ)「ぐるりよーざ いんへるの」 皆川博子「宿かせと刀(かたな)投出す(なげだす)雪吹哉(ふぶきかな)──蕪村(ぶそん)──」 なかでも面白く、印象に残ったのは、「雛妓(おしゃく)」と「ぐるりよーざ いんへるの」の二篇。 一途に燃え上がる女の恋情の恐さ、凄まじさにのけ反った長島槇子の逸品「雛妓」。ビジュアルな映像でも見るような短篇のあまりの強烈さに驚き、たまらず、作者の他の本(『遊郭(さと)のはなし (幽ブックス)』『色町のはなし―両国妖恋草紙 (幽BOOKS)』の二冊)も購入。作中、“ヒュルルル”の擬音語に、せがわまさきの漫画『バジリスク〜甲賀忍法帖〜(1) (アッパーズKC (197))』に登場する筑摩小四郎の姿がダブりました。 片や、加門七海の「ぐるりよーざ いんへるの」は、一寸法師ほどの小さな物の怪(もののけ)にぞくりとさせられる話。物の怪が発する“なんぎ なんぎ”とか“ありや くるしやりや なんぎ てんさたん”といった呪文めいた言葉も忘れられません。 本書の表紙を飾る東洲斎写楽の「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛(さんだいめおおたにおにじのやっこえどべえ)」の浮世絵も、インパクトありますねぇ。迫力満点のこの絵の如く、がしっと心を掴まれるホラー短篇アンソロジーっすよ。おすすめ! | ||||
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“江戸”という時代、“江戸”という都市に、「異形コレクション」のホラー・アンソロジーがこれほどフィットするとは思っていませんでした。読みごたえのある短篇が多く、今まで読んだ「異形コレクション」シリーズのなかでは、『時間怪談―異形コレクション〈10〉 (広済堂文庫)』に勝るとも劣らない一、二の面白さ。大満足の一冊でした。 収録作品は、以下のとおり。 中島 要(なかじま かなめ)「かくれ鬼」 朝松 健「黒■(しい)」 ■の部分、字が出ません。生の下に目と書く一字が入ります。 竹河 聖「振り向いた女」 平谷美樹(ひらや よしき)「萩供養」 長島槇子(ながしま まきこ)「雛妓(おしゃく)」 倉阪鬼一郎(くらさか きいちろう)「常世舟(とこよぶね)」 薄井ゆうじ「彫物師甚三郎首生娘(ほりものしじんざぶろうくびのきむすめ)」 平山夢明(ひらやま ゆめあき)「異聞耳算用──其の弐」 入江鳩斎(いりえ きゅうさい)・作、菊地秀行・訳「江戸珍鬼草子」 石川英輔「大江戸百物語」 タタツシンイチ「風神(ふうじん)」 井上雅彦「笹色紅(ささいろべに)」 佐々木ゆう「鉢頭摩(はちずま)」 藤 水名子(ふじ みなこ)「闇に走る」 森 真沙子「定信(さだのぶ)公始末」 岡田秀文「泡影」 加門七海(かもん ななみ)「ぐるりよーざ いんへるの」 皆川博子「宿かせと刀(かたな)投出す(なげだす)雪吹哉(ふぶきかな)──蕪村(ぶそん)──」 なかでも面白く、印象に残ったのは、「雛妓(おしゃく)」と「ぐるりよーざ いんへるの」の二篇。 一途に燃え上がる女の恋情の恐さ、凄まじさにのけ反った長島槇子の逸品「雛妓」。ビジュアルな映像でも見るような短篇のあまりの強烈さに驚き、たまらず、作者の他の本(『遊郭(さと)のはなし (幽ブックス)』『色町のはなし―両国妖恋草紙 (幽BOOKS)』の二冊)も購入。作中、“ヒュルルル”の擬音語に、せがわまさきの漫画『バジリスク〜甲賀忍法帖〜(1) (アッパーズKC (197))』に登場する筑摩小四郎の姿がダブりました。 片や、加門七海の「ぐるりよーざ いんへるの」は、一寸法師ほどの小さな物の怪(もののけ)にぞくりとさせられる話。物の怪が発する“なんぎ なんぎ”とか“ありや くるしやりや なんぎ てんさたん”といった呪文めいた言葉も忘れられません。 本書の表紙を飾る東洲斎写楽の「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛(さんだいめおおたにおにじのやっこえどべえ)」の浮世絵も、インパクトありますねぇ。迫力満点のこの絵の如く、がしっと心を掴まれるホラー短篇アンソロジーっすよ。おすすめ! | ||||
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